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新事実?
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「私もこの首を差し出します。ですから、シリル殿下の願いをどうかお聞き届けくださいませ」
王太子妃殿下もその場に跪き、私に謝罪された。
国王陛下と王太子殿下は・・・
唖然としているわね。
良く理解ったわ。
この二人では、マキシミリオン王国はいずれどこかの属国になるということが。
マキシミリオン王国は、魔法大国。
だから、滅ぼすよりは有効利用すると思う。
普通なら王族は処刑されると思うけど、国王陛下も王太子殿下も魔力は多く強いらしいから、魔道具を利用して従わせるでしょうね。
「なっ、何を言っている、マーガレット!母上もです!シリルも父上の言うことを聞け!」
「・・・セレン王太子殿下。確かにマキシミリオン王国は魔法大国です。他国より一歩も二歩も国としての力を持っていると思います。ですが、何の非もない皇女様を蔑ろにして、本当に大丈夫だと思っているのですか?メルキオール帝国皇帝妃様も次期皇帝妃様も、そしてアルトナー王国女王陛下も、皇女様をどれだけ愛しておられるかご理解されていないのですか?この国が戦火に晒されれば、傷つくのは民です。それを防ぐためなら、このような首くらいいくらでも差し出しましょう」
「セレン。王家に嫁いできてくれたマーガレットが、このように状況把握が出来ているというのに・・・貴方は本当に陛下に似たのね。確かに貴方には力がある。だけど、力があるからといって誰もが貴方に従うわけではないのよ?何をしても許されるわけではないのよ?陛下。貴方がそういう方だから皇帝妃様は貴方の求婚を受けなかったのですよ?」
あら?
お母様から聞いた話と違うわね。
お母様は、マキシミリオン国王陛下がお母様を「諦めるため」に振ってくれと言ったとおっしゃっていたわ。
だから、お父様がライバルを不安に思うのも仕方ないと思えたのだけど。
実際は違うということ?
「どういうことでしょうか?」
「皇女殿下はご存知ないのですね。夫である国王陛下とメルキオール帝国皇帝陛下、皇帝妃様は同じ学園に通われていました。卒業を前に、皇帝陛下が皇帝妃様に告白したことを知り、陛下は自分は身を引くという体で告白されたのです。お優しく弱い者の味方であった皇帝妃様が、自分を選ぶように。自分に好意を持ってくれていることを、陛下は理解していました。だからこそ、優しく物分かりのいい男を演じたのです。皇帝妃様はきっと、夫のそんな浅はかな考えなどお見通しだったのでしょう。夫は自分が言った通りに振られ、幼馴染であったわたくしと結婚いたしました」
王太子妃殿下もその場に跪き、私に謝罪された。
国王陛下と王太子殿下は・・・
唖然としているわね。
良く理解ったわ。
この二人では、マキシミリオン王国はいずれどこかの属国になるということが。
マキシミリオン王国は、魔法大国。
だから、滅ぼすよりは有効利用すると思う。
普通なら王族は処刑されると思うけど、国王陛下も王太子殿下も魔力は多く強いらしいから、魔道具を利用して従わせるでしょうね。
「なっ、何を言っている、マーガレット!母上もです!シリルも父上の言うことを聞け!」
「・・・セレン王太子殿下。確かにマキシミリオン王国は魔法大国です。他国より一歩も二歩も国としての力を持っていると思います。ですが、何の非もない皇女様を蔑ろにして、本当に大丈夫だと思っているのですか?メルキオール帝国皇帝妃様も次期皇帝妃様も、そしてアルトナー王国女王陛下も、皇女様をどれだけ愛しておられるかご理解されていないのですか?この国が戦火に晒されれば、傷つくのは民です。それを防ぐためなら、このような首くらいいくらでも差し出しましょう」
「セレン。王家に嫁いできてくれたマーガレットが、このように状況把握が出来ているというのに・・・貴方は本当に陛下に似たのね。確かに貴方には力がある。だけど、力があるからといって誰もが貴方に従うわけではないのよ?何をしても許されるわけではないのよ?陛下。貴方がそういう方だから皇帝妃様は貴方の求婚を受けなかったのですよ?」
あら?
お母様から聞いた話と違うわね。
お母様は、マキシミリオン国王陛下がお母様を「諦めるため」に振ってくれと言ったとおっしゃっていたわ。
だから、お父様がライバルを不安に思うのも仕方ないと思えたのだけど。
実際は違うということ?
「どういうことでしょうか?」
「皇女殿下はご存知ないのですね。夫である国王陛下とメルキオール帝国皇帝陛下、皇帝妃様は同じ学園に通われていました。卒業を前に、皇帝陛下が皇帝妃様に告白したことを知り、陛下は自分は身を引くという体で告白されたのです。お優しく弱い者の味方であった皇帝妃様が、自分を選ぶように。自分に好意を持ってくれていることを、陛下は理解していました。だからこそ、優しく物分かりのいい男を演じたのです。皇帝妃様はきっと、夫のそんな浅はかな考えなどお見通しだったのでしょう。夫は自分が言った通りに振られ、幼馴染であったわたくしと結婚いたしました」
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