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役目。

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「すまない。僕がアーゼル男爵令嬢の言動がおかしいと感じて、何かよからぬ背景があるのではと調査していたんだ」

 シリルの言葉に、リグレスト侯爵令嬢様は戸惑った様子だった。

 私と私から聞いたキャリーヌ様は知っていたけど、いきなりそんなことを言われたら驚くわよね。

 マキシミリオン王国は、魔道が発展している国。

 もちろん、その魔道具や魔法師たちも国が厳重に管理しているけど、ごくたまに魔力鑑定の網を潜り抜けてしまった魔力持ちが現れる、らしい。

 そのあたりは、魔法に疎い他国民の私は分からないのだけど、極々稀に鑑定後に魔力値が突然上がったりする人がいるらしい。

 シリルたちが警戒しているのは、ミリー様がその魔力持ちの可能性があるということ。

 強い魔力を持てば持つほど、その魔力の隠蔽がしやすいというか、能力の下の者が上の者の実力を見極めにくくなるらしい。

 その鑑定に特化している魔法師の方が、現在特務でマキシミリオン王国を留守にしていたの。

 そこで他に被害が及ばないように、シリルが自分を囮にしていた、というわけなの。

 王族が囮に、なんて思ったのだけど、元々マキシミリオン王国の王族は魔力持ちでその力もとても強い、らしい。

 らしいばっかりになっちゃうけど、私が実際に見たわけじゃないから、断言できないのよね。

 私たちが付けている、マキシミリオン王国産?の魔道具、その防御魔法を打ち破れるくらいの力があるとかないとか。

 マキシミリオン王国の王太子殿下と、それからシリルはその力が特に強いらしいの。

 ルーファスお兄様は、強いけれど国王陛下と同じくらいだから、制御の魔道具を付けていれば、他国に婿入りしても問題ないと判断されたそうよ。

 そういえば、ルーファスお兄様はいつも同じ指輪をされていたわ。

 あれが魔道具だと聞かされた。
魔法師の方でないと外せないそうなの。

 シリルも付けているのかと指を見たけど、付けてなかったわ。

 聞くと、シリルは両腕に腕輪を付けていた。

 王太子殿下も同じですって。

 で、どういうことかというと、制御の腕輪を付けていても、よほどの魔法師でないとシリルや王太子殿下には魔法の効き目はないらしく、囮には最適なのだとか。

 王族が囮に最適って。

 でもシリルは第三王子だし、国に悪影響を及ぼす可能性を見逃すわけにはいかないと言っていた。

 それに、王太子殿下か第三王子かといえば、第三王子が動くのは自然なのよね。

 私も、お姉様と私かといえば、私が国のために動くべきだもの。

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