75 / 130
身分の違い。
しおりを挟む
「じょ、常識を説いてるけど、貴女だって私に話しかけたじゃない!」
あら?そうくるのね。
確かに、侯爵令嬢と伯爵令嬢なら侯爵令嬢の方が身分は上だけど、私は他国の人間だし、第三王子殿下の婚約者。
なら、その言い分が通じないって分かるわよね?
身分だけでは、全てを図ることはできないのよ?
もし、ものすごく力のある伯爵家だったらどうするの?
力は・・・あると思うわよ。
だって、絶対伯母様が出てくると思うもの。
キャリーヌ様をチラリと見ると、頷かれた。
「素直に謝って、退きなさい。第三王子殿下に知られたら、ただで済まないわよ。あの方、婚約者様のことを溺愛なさっているのだから」
「ッ!し、失礼します!」
あらら。謝罪はないのね。
キャリーヌ様は、謝ってとおっしゃってたのに。
まぁ、気持ちのこもらない謝罪は必要ないけど、とりあえず口に出しておけば後で謝罪したと言い張れるのに。
脱兎の如く、侯爵令嬢様とそのお取巻き様たちが逃げて行き、その場には・・・
「・・・貴女も退きなさい」
何故か、男爵令嬢様が残っていた。
「あの・・・」
「まだ何か用があるの?」
「ああいう言い方は良くないと思います。学園は平等を謳っているんですし」
私とキャリーヌ様は、思わず顔を見合わせた。
無謀な正義の味方じゃなくて、ただのお馬鹿さんだったわ。
彼女はそれを正しいと思っているのでしょうけど。
親はどうしたの?ちゃんと教育してないの?
「貴女・・・お母様は?」
「へ?母ですか?えと、家にいますけど」
いるのね!
幼い頃に亡くなって、父親だけとか言うのかと思ったわ!
それか、よく聞く平民の庶子が引き取られた系かと。
「色々と言いたいことがありますけど、まず訂正しておきますわ。確かに学園では身分の平等を謳っていますけど、それはあくまでも建前。平等なら、家格でクラス分けなどするわけがありませんわ。余程のことでない限り、大きな罪に問わないというだけに過ぎませんのよ。過去にその平等を謳い、王族が下位貴族の不敬を許したがために騒動が起こりましたの。それ以降、あくまでも平等は建前となりましたのよ。それに、たとえ学園で平等だとしても学園から一歩出れば格差社会だということをお忘れ?貴女の言動で、男爵家に被害が被ること、よくお考えなさい」
「そんな・・・私は何も悪いことはしていないのに、どうしてそんな」
「家に帰って、お父様お母様に聞いてごらんなさい。フェルゲン公爵令嬢にこう言われたけど、どちらが正しいか?とね」
あら?そうくるのね。
確かに、侯爵令嬢と伯爵令嬢なら侯爵令嬢の方が身分は上だけど、私は他国の人間だし、第三王子殿下の婚約者。
なら、その言い分が通じないって分かるわよね?
身分だけでは、全てを図ることはできないのよ?
もし、ものすごく力のある伯爵家だったらどうするの?
力は・・・あると思うわよ。
だって、絶対伯母様が出てくると思うもの。
キャリーヌ様をチラリと見ると、頷かれた。
「素直に謝って、退きなさい。第三王子殿下に知られたら、ただで済まないわよ。あの方、婚約者様のことを溺愛なさっているのだから」
「ッ!し、失礼します!」
あらら。謝罪はないのね。
キャリーヌ様は、謝ってとおっしゃってたのに。
まぁ、気持ちのこもらない謝罪は必要ないけど、とりあえず口に出しておけば後で謝罪したと言い張れるのに。
脱兎の如く、侯爵令嬢様とそのお取巻き様たちが逃げて行き、その場には・・・
「・・・貴女も退きなさい」
何故か、男爵令嬢様が残っていた。
「あの・・・」
「まだ何か用があるの?」
「ああいう言い方は良くないと思います。学園は平等を謳っているんですし」
私とキャリーヌ様は、思わず顔を見合わせた。
無謀な正義の味方じゃなくて、ただのお馬鹿さんだったわ。
彼女はそれを正しいと思っているのでしょうけど。
親はどうしたの?ちゃんと教育してないの?
「貴女・・・お母様は?」
「へ?母ですか?えと、家にいますけど」
いるのね!
幼い頃に亡くなって、父親だけとか言うのかと思ったわ!
それか、よく聞く平民の庶子が引き取られた系かと。
「色々と言いたいことがありますけど、まず訂正しておきますわ。確かに学園では身分の平等を謳っていますけど、それはあくまでも建前。平等なら、家格でクラス分けなどするわけがありませんわ。余程のことでない限り、大きな罪に問わないというだけに過ぎませんのよ。過去にその平等を謳い、王族が下位貴族の不敬を許したがために騒動が起こりましたの。それ以降、あくまでも平等は建前となりましたのよ。それに、たとえ学園で平等だとしても学園から一歩出れば格差社会だということをお忘れ?貴女の言動で、男爵家に被害が被ること、よくお考えなさい」
「そんな・・・私は何も悪いことはしていないのに、どうしてそんな」
「家に帰って、お父様お母様に聞いてごらんなさい。フェルゲン公爵令嬢にこう言われたけど、どちらが正しいか?とね」
1,510
お気に入りに追加
5,687
あなたにおすすめの小説
王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。
彼女が望むなら
mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。
リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。
何を間違った?【完結済】
maruko
恋愛
私は長年の婚約者に婚約破棄を言い渡す。
彼女とは1年前から連絡が途絶えてしまっていた。
今真実を聞いて⋯⋯。
愚かな私の後悔の話
※作者の妄想の産物です
他サイトでも投稿しております
婚約破棄ですか???実家からちょうど帰ってこいと言われたので好都合です!!!これからは復讐をします!!!~どこにでもある普通の令嬢物語~
tartan321
恋愛
婚約破棄とはなかなか考えたものでございますね。しかしながら、私はもう帰って来いと言われてしまいました。ですから、帰ることにします。これで、あなた様の口うるさい両親や、その他の家族の皆様とも顔を合わせることがないのですね。ラッキーです!!!
壮大なストーリーで奏でる、感動的なファンタジーアドベンチャーです!!!!!最後の涙の理由とは???
一度完結といたしました。続編は引き続き書きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
学生のうちは自由恋愛を楽しもうと彼は言った
mios
恋愛
学園を卒業したらすぐに、私は婚約者と結婚することになる。
学生の間にすることはたくさんありますのに、あろうことか、自由恋愛を楽しみたい?
良いですわ。学生のうち、と仰らなくても、今後ずっと自由にして下さって良いのですわよ。
9話で完結
御機嫌ようそしてさようなら ~王太子妃の選んだ最悪の結末
Hinaki
恋愛
令嬢の名はエリザベス。
生まれた瞬間より両親達が創る公爵邸と言う名の箱庭の中で生きていた。
全てがその箱庭の中でなされ、そして彼女は箱庭より外へは出される事はなかった。
ただ一つ月に一度彼女を訪ねる5歳年上の少年を除いては……。
時は流れエリザベスが15歳の乙女へと成長し未来の王太子妃として半年後の結婚を控えたある日に彼女を包み込んでいた世界は崩壊していく。
ゆるふわ設定の短編です。
完結済みなので予約投稿しています。
あなたの妻にはなりません
風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から大好きだった婚約者のレイズ。
彼が伯爵位を継いだと同時に、わたしと彼は結婚した。
幸せな日々が始まるのだと思っていたのに、夫は仕事で戦場近くの街に行くことになった。
彼が旅立った数日後、わたしの元に届いたのは夫の訃報だった。
悲しみに暮れているわたしに近づいてきたのは、夫の親友のディール様。
彼は夫から自分の身に何かあった時にはわたしのことを頼むと言われていたのだと言う。
あっという間に日にちが過ぎ、ディール様から求婚される。
悩みに悩んだ末に、ディール様と婚約したわたしに、友人と街に出た時にすれ違った男が言った。
「あの男と結婚するのはやめなさい。彼は君の夫の殺害を依頼した男だ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる