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予想通りの発想。

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「お二人とも、申し訳ないのですが、私はマキシミリオン王国に留学する予定ですの」

 だから、メルキオール帝国で一緒に過ごせる時間は、シリルが戻ってくるまでだと伝えた。

「「ええーっ!なら、私たちもマキシミリオン王国に・・・」」

「私の場合は、シリル殿下と婚約したから留学という形を取ったのです。他国の王立学園に編入なんて、マキシミリオン王国にどんな礼をするつもりですか?それに、ビビアン様に関しては編入できません。マキシミリオンの王立学園は十六歳が入学年齢ですから」

「そ、そんなぁ・・・」

 そもそもビビアン様は、アルトナー王国で学園に通わなければならない。

 学園の卒業を以て、成人と認められるのだから。

 その点でいうなら、ベリンダ様はもう卒業されて成人と認められたから問題はないけど、自国で婚約者を決めてビアンカ王太女殿下をお支えするべきでは?

「何かアチラに利があれば、殿下にお願いしてくれる?」

「・・・そうですね。それでシリルとマキシミリオン王国の国王陛下が頷いて下されば」

「分かりましたわ。ビビアンを連れて戻らねばなりませんから、一旦アルトナーに戻り、アチラからマキシミリオン王国に手紙を出しますわ。ですが・・・数日くらいはこちらでお世話になっても?」

「もちろんですわ。私も戻ったばかりで行きたいお店などもありますから、ご一緒しましょう」

 他国のことを勉強して来て欲しいと言ってくれたスタッフのためにも、ビビアン様にはメルキオール帝国の帝都を案内しなくては。

「クロエお姉様・・・」

「ビビアン様、私を慕ってくださるお気持ちは嬉しいです。ですが、学園には通わないと、成人と認めてもらえません。試験を全てトップでクリアできれば、特例として認めていただくことも出来るでしょう。ですが、王族のビビアン様がそれをするべきではないことはご理解されますね?」

 成績が優秀であることはもちろんだが、よほどのことがない限り欠席もしない方が良い。

 他の貴族たちの見本であるべきだと言うと、ビビアン様は神妙な顔で俯いた。

「ごめんなさい、クロエお姉様・・・お姉様がマキシミリオン王国に嫁いでしまわれたら、お会いする機会がなくなってしまうと思ったのです」

「シリル殿下と結婚したとしても、マキシミリオン王国に住むと決まったわけではありませんよ。それに、学園に通う三年間は結婚できませんし。マキシミリオン王国の成人は十八歳ですから」

 どこに住むのかは、シリルが十八歳になるまでにゆっくりと話し合う予定だから、今はどことは言えないわ。
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