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パーティー準備。

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 パーティーの準備に追われることになった。

 実際に追われるのは、王宮の使用人たちなのだけど。

 でも、招待状を書いたり、魔道具の説明を受けたり、作戦の確認をしたりと一応こちらも忙しかった。

 何よりも、作戦と魔道具の取り扱いに関しては、万全を期す必要があった。

 マキシミリオン王国の王族であるシリルを囮に使う。

 それは、絶対に失敗は許されないということ。

 マキシミリオン王国の国王陛下も義兄様であるルーファス様も、それから当人のシリルも、やると決めたのは本人なのだから、もしも相手の手に堕ちたら廃籍するからかまわないとおっしゃったけど・・・

 そんな真似をするわけにはいかない。

 それに闇組織をここで逃したら、他国に逃げられてまた被害が出る。

 今回、必ず首領まで捕縛する。

 そのために、他国の王族であるシリルの手を借り、多くの魔道具と魔法師を借りたのだ。

「じゃあ、レグディア男爵令嬢が近付いて来た時の対処はそれで。次に、靡かなかった場合だけど」

「シリル付きの護衛はどうだろうか。シリルとはタイプも違うし、この国では顔も知られていない」

 お義兄様の提案に頷く。

 おそらくこの国の高位貴族には、再び接触はしないだろう。

 ルノール公爵令息が用心深い性格だったおかげで、他の公爵家や侯爵家の当主と子息には魔法師による魔法契約をしてある。

 薬がことに警戒して、近づかないはずだ。

 もちろん、近付いても彼らが彼女の手に堕ちることはない。

 闇組織側が、能力のある魔法師を呼んだとしても、魔法契約は破ることが出来ない。

 破ろうとすれば、それは相手の魔法師にとてつもない痛みを与える。

 命を代償になら破れることもあるけど、それも絶対ではないらしい。

 そこまで魔法契約というものは、強い力だ。

 だからこそ、レグディア男爵令嬢も・・・いや闇組織も警戒して近付かないはずだ。

 もちろん今回の作戦に関しては、魔法契約を行っている公爵家侯爵家の当主と令息には知らせてある。

 用心するに越したことがないからだ。

 映像を記録できる魔道具も準備した。

 これはマキシミリオン王国で新たに開発された魔道具で、その魔道具を通した景色を記録できるのだそうだ。

 まだ開発初期段階で、映像の記録だけだけど、いずれは音声も録れるようにするつもりなのだとか。

 すごいわ。
これが普及されれば、証拠としては完全なものになるわ。

 もっとも、代金は高位貴族一年の収入くらいするらしいけど。

 今回は安価で借りれたけど、多分シリルとの件があるからでしょうね。

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