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第12話
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ニケ・セラフィム子爵令嬢。
子爵であるオルテスとビアンカ・ケルドラードを両親に持ち、兄にノクス、姉にクレティアがいる。
ニケの母親のビアンカは、ケルドラード皇国前皇帝ジーク・ケルドラードの三女なのである。
しかも、ジークの妻は、フォレスト王国サードニクス公爵家の長女シリスで、シリスの母親アリスの大叔父がアシュタル王国の当時の宰相であった。
すでにそれだけでも手を出してはいけない家系だというのに、ノクスの妻アリエルはフォレスト王家の末娘で、クレティアの夫ブラッドはケルドラード皇国の当時の宰相であったビスクランド侯爵の来孫なのである。
ビスクランド家は、陰でビスクランド帝国とすら噂されていた。
それは、フォレスト王国で当時伯爵をしていたイヴァクの妻ヴィオラが服飾デザインを手がけ、フォレスト王国だけでなくケルドラード皇国、アシュタル王国を席巻していたからだ。
そして、イヴァクの娘であるアリスが当時の王弟の息子であるセシル・サードニクスに嫁ぎ、友人であったというケルドラード皇国皇帝の息子ジークと自身の娘のシリスが婚姻した。
絶対に手を出してはいけない家系。それがビスクランド家なのだ。
そして、セラフィム子爵家はそのビスクランド家以上に、危険な存在であることなど、貴族なら誰でも知っていることだ。
それをまさか、侯爵家の子息が理解していないとは。
ロートレック侯爵は、冷や汗をかきながら、ニケの話に頷くしかなかった。
ニケ・セラフィム子爵令嬢は、両親はもちろんのこと、兄や義姉、姉や義兄にも溺愛されていると聞く。
つまりは、ニケを怒らせたら最後、侯爵家など簡単に潰されてしまうということなのだ。
行方不明のリオルを探し出そうと思っていたが、ニケがミリィを後継にしろと言うのならそれに従う他ない。
マグエルに関しては本人に言った通りに廃籍するしかない。
亡くなった妻には申し訳ないが、あれほど言い聞かせたと言うのに、ニケ嬢を大切にしなかったマグエルが悪いのだ。
まさか自分の息子が婚約者を蔑ろにして、義妹や幼馴染を優先する馬鹿だとは思いもしなかった。
ミリィがニケに謝罪するために歩いてまでセラフィム子爵家に来たと聞いて驚いたが、そのおかげで、ロートレック侯爵家は存続することが出来る。
この際、セラフィム子爵家推薦の子息をミリィの婚約者にして、ミリィにもセラフィム子爵家に関してよく教えなければならない。
本来なら、皇国の皇女が降嫁した時点で、陞爵していておかしくないのだ。
まるで、爵位が低いままで他家の出方を見ているような、そんな不気味さがセラフィム子爵家にはあった。
子爵であるオルテスとビアンカ・ケルドラードを両親に持ち、兄にノクス、姉にクレティアがいる。
ニケの母親のビアンカは、ケルドラード皇国前皇帝ジーク・ケルドラードの三女なのである。
しかも、ジークの妻は、フォレスト王国サードニクス公爵家の長女シリスで、シリスの母親アリスの大叔父がアシュタル王国の当時の宰相であった。
すでにそれだけでも手を出してはいけない家系だというのに、ノクスの妻アリエルはフォレスト王家の末娘で、クレティアの夫ブラッドはケルドラード皇国の当時の宰相であったビスクランド侯爵の来孫なのである。
ビスクランド家は、陰でビスクランド帝国とすら噂されていた。
それは、フォレスト王国で当時伯爵をしていたイヴァクの妻ヴィオラが服飾デザインを手がけ、フォレスト王国だけでなくケルドラード皇国、アシュタル王国を席巻していたからだ。
そして、イヴァクの娘であるアリスが当時の王弟の息子であるセシル・サードニクスに嫁ぎ、友人であったというケルドラード皇国皇帝の息子ジークと自身の娘のシリスが婚姻した。
絶対に手を出してはいけない家系。それがビスクランド家なのだ。
そして、セラフィム子爵家はそのビスクランド家以上に、危険な存在であることなど、貴族なら誰でも知っていることだ。
それをまさか、侯爵家の子息が理解していないとは。
ロートレック侯爵は、冷や汗をかきながら、ニケの話に頷くしかなかった。
ニケ・セラフィム子爵令嬢は、両親はもちろんのこと、兄や義姉、姉や義兄にも溺愛されていると聞く。
つまりは、ニケを怒らせたら最後、侯爵家など簡単に潰されてしまうということなのだ。
行方不明のリオルを探し出そうと思っていたが、ニケがミリィを後継にしろと言うのならそれに従う他ない。
マグエルに関しては本人に言った通りに廃籍するしかない。
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まさか自分の息子が婚約者を蔑ろにして、義妹や幼馴染を優先する馬鹿だとは思いもしなかった。
ミリィがニケに謝罪するために歩いてまでセラフィム子爵家に来たと聞いて驚いたが、そのおかげで、ロートレック侯爵家は存続することが出来る。
この際、セラフィム子爵家推薦の子息をミリィの婚約者にして、ミリィにもセラフィム子爵家に関してよく教えなければならない。
本来なら、皇国の皇女が降嫁した時点で、陞爵していておかしくないのだ。
まるで、爵位が低いままで他家の出方を見ているような、そんな不気味さがセラフィム子爵家にはあった。
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