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第3話
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「ニケちゃん。お茶しない?」
ドアがノックされ、開いたドアからひょこっと義姉が顔を覗かせた。
アリエル・セラフィム。長男ノクスの妻である。
金の髪に金の瞳をした義姉は、5年の婚約期間のあと、2年前にノクスと結婚した。
「アリエルお姉様」
「美味しい茶葉が手に入ったの。それに、ノクス様が同僚の方からお菓子をいただいたのですって」
兄のノクスは、現在アシュタル王国の王宮で王太子殿下の側近として働いている。
同僚ということは、王宮からもらってきたのだろう。
「そうなのですね。ぜひご一緒させてください」
「ふふっ。あとでお買い物に行きましょ?ニケちゃんが気に入ってた髪飾り買ってあげる」
「え?本当?嬉しい」
義姉のアリエルは、とてもニケのことを可愛がってくれている。
まぁ正解にいえば、義姉だけでなく兄のノクスも、姉のクレティアも、クレティアの夫であるブラッドも、父親も母親もセラフィム子爵家の使用人も、全員ニケを溺愛しているのだが。
15歳のニケと姉のクレティアは5歳、兄のノクスは7歳年が離れている。
アリエルはクレティアと同い年、ブラッドはノクスと同い年なので、その溺愛は加速する一方である。
「アリエルお姉様に相談があるのです」
アリエルの母国であるフォレスト王国から手に入れたという紅茶を飲みながら、ニケはアリエルに切り出した。
婚約を解消するにしても、マグエル有責にしたい。
こちらからの婚約破棄で、マグエルに賠償金など払いたくないからだ。
それに、ロートレック侯爵が婚約解消を邪魔してくるかもしれない。
マグエルは侯爵の父親が、何故子爵令嬢のニケを婚約者にしたのか、全く理解していないようだが、貴族なら普通は分かりそうなものだ。
セラフィム子爵家は、ただの子爵家ではない。
先祖の血筋もそうだが、嫡男のノクスの妻であるアリエルの実家と、長女クレティアの夫のブラッドの実家を知っていないことが不思議で仕方ない。
「あら?なあに?」
「ロートレック侯爵家のマグエル様との婚約を解消したいのです」
「・・・何かあったのかしら?」
アリエルの声がほんの少し低くなった気がして、ニケはアリエルの顔に視線を向けた。
にこやかに笑顔を浮かべているが、その目が笑っていない。
(あら?なんだか、お姉様の纏われる空気が黒いわ。マグエル様、粛正されちゃうんじゃないかしら)
婚約者、そのうち元婚約者になる男の行く末を思ったが、まぁどうでもいいかと思い直した。
「マグエル様は、義妹のミリィと幼馴染のエリン・ネーヴェ伯爵令嬢のことがお好きみたいですの」
ドアがノックされ、開いたドアからひょこっと義姉が顔を覗かせた。
アリエル・セラフィム。長男ノクスの妻である。
金の髪に金の瞳をした義姉は、5年の婚約期間のあと、2年前にノクスと結婚した。
「アリエルお姉様」
「美味しい茶葉が手に入ったの。それに、ノクス様が同僚の方からお菓子をいただいたのですって」
兄のノクスは、現在アシュタル王国の王宮で王太子殿下の側近として働いている。
同僚ということは、王宮からもらってきたのだろう。
「そうなのですね。ぜひご一緒させてください」
「ふふっ。あとでお買い物に行きましょ?ニケちゃんが気に入ってた髪飾り買ってあげる」
「え?本当?嬉しい」
義姉のアリエルは、とてもニケのことを可愛がってくれている。
まぁ正解にいえば、義姉だけでなく兄のノクスも、姉のクレティアも、クレティアの夫であるブラッドも、父親も母親もセラフィム子爵家の使用人も、全員ニケを溺愛しているのだが。
15歳のニケと姉のクレティアは5歳、兄のノクスは7歳年が離れている。
アリエルはクレティアと同い年、ブラッドはノクスと同い年なので、その溺愛は加速する一方である。
「アリエルお姉様に相談があるのです」
アリエルの母国であるフォレスト王国から手に入れたという紅茶を飲みながら、ニケはアリエルに切り出した。
婚約を解消するにしても、マグエル有責にしたい。
こちらからの婚約破棄で、マグエルに賠償金など払いたくないからだ。
それに、ロートレック侯爵が婚約解消を邪魔してくるかもしれない。
マグエルは侯爵の父親が、何故子爵令嬢のニケを婚約者にしたのか、全く理解していないようだが、貴族なら普通は分かりそうなものだ。
セラフィム子爵家は、ただの子爵家ではない。
先祖の血筋もそうだが、嫡男のノクスの妻であるアリエルの実家と、長女クレティアの夫のブラッドの実家を知っていないことが不思議で仕方ない。
「あら?なあに?」
「ロートレック侯爵家のマグエル様との婚約を解消したいのです」
「・・・何かあったのかしら?」
アリエルの声がほんの少し低くなった気がして、ニケはアリエルの顔に視線を向けた。
にこやかに笑顔を浮かべているが、その目が笑っていない。
(あら?なんだか、お姉様の纏われる空気が黒いわ。マグエル様、粛正されちゃうんじゃないかしら)
婚約者、そのうち元婚約者になる男の行く末を思ったが、まぁどうでもいいかと思い直した。
「マグエル様は、義妹のミリィと幼馴染のエリン・ネーヴェ伯爵令嬢のことがお好きみたいですの」
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