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誰に似たの?

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 スオン殿下の、十三歳とは思えない底知れなさに畏怖を感じた。

 あれから少しお話しして、お土産をお渡ししてマクラーレン王国を辞した。

 サブリナ王太女殿下とは、お手紙のやり取りをするお約束をして。

 王家に届く手紙は、大体どこの国でも検閲されることが多い。

 もちろん、国王陛下から他国の国王陛下宛の手紙が検閲されることはないけど、一貴族の場合はもしものことがあってはいけないから、検閲されるのよね。

 だから、当たり障りのないことしか書けないので、少し躊躇っていたら・・・

 スオン殿下が、検閲はから出して欲しいとおっしゃられたの。

「ヴェルセット伯爵夫人がサブリナにわけがないしね」

 確かに私がサブリナ王太女殿下に何かを仕込んだ手紙を送ることはないし、手紙には蝋印をしてあるから他人が私を騙ることは出来ないけど。

 その前の《させない》発言が怖いのだけど?

 シリウス殿下の私への執着を、気持ち悪いと思ったことはあった。

 マクラーレン王国の前王太子殿下の、ルージュ様のためなら他を犠牲にしてもいいと思うところを好きになれないと思ったこともあった。

 でも王太子妃教育のおかげか、相手が王族だからといって怖いと思ったことはなかったのだけど。

 齢十三歳なのに、まるで一国の国王陛下を相手にしている気分だわ。

「末恐ろしいですわね」

 私がそう言うと、ハデス様は苦笑いされた。

優しいんだよ。まぁ、身内というか、懐に入れた相手限定だけど。そういうところは陛下によく似ている。だから、王太女殿下は大丈夫だ。スオン殿下は婚約者をとても想っていると俺は感じた」

「それは私も思いましたわ。私はサブリナ王太女殿下のことは全く知りませんでしたけど、国王陛下や王妃殿下のためにも、この先頑張っていただきたいと思います。ですから、スオン殿下がしっかりと支えて下さるようで安心しましたわ」

 女性が王位につくと、どうしても侮られ易い。

 自国にしろ、他国にしろ。

 元々が女王制だったなら別だけど、前王太子殿下は一部を除いて優秀な方だったから、サブリナ王太女殿下を見る目は厳しいと思う。

 それでも。
スオン殿下のあの様子だと、サブリナ様を侮った相手には相当キツい対応をするだろうと思って・・・

 安心した。

 私はあくまでもローゼン王国の、しかも王太子妃教育しか受けていないから、女王となるサブリナ様のお力にどれだけなれるかは分からない。

 でも、愚痴や悩みを聞くくらいなら出来るわ。

 エレメンタル帝国に帰ったら、お手紙しましょう。
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