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お茶会当日

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「はじめまして。ハデス・ヴェルセット伯爵に嫁ぐことになります、ローゼン王国リビエラ伯爵が娘、ジュエルと申します」

 お茶会当日。
私は集まったエレメンタル帝国の貴族令嬢の皆様にカーテシーをしてご挨拶をした。

 この人たちが誰に嫁いだとしても、エレメンタル帝国にいる限りは社交場で出会うことになるから、良い印象を持って欲しいわ。

「陛下の友人であるヴェルセット卿とジュエル様は、近く婚姻されます。そして、ジュエル様は私にとって大切な友人です。また彼女は、ローゼン王国とマクラーレン王国の国王陛下からも厚い信頼を得たご令嬢です。ヴェルセット夫妻がこの国から出ていくようなことになれば、陛下の逆鱗に触れると心しておきなさい」

 皇妃様の言葉に、庭園にいるご令嬢たちが一瞬ざわついた。

 別に虎の威を借るわけじゃなく、皇帝陛下はハデス様のことをとても気に入ってらっしゃるし、ハデス様は私のことを大切に思ってくださっている。

 私が嫌な目にあえば、間違いなくハデス様はエレメンタル帝国を去るとおっしゃるだろうし、そうなると皇帝陛下はお怒りになると思うわ。

 だから、愚かな言動をしないように、前もって伝えておくことは必要不可欠なのよ。

 ラディシュ侯爵家の件を、多くの貴族の方々はご存知だろうから大丈夫だとは思うけど。

「はじめまして。わたくしはルコット公爵家三女のエリーナ・ルコットと申します。リビエラ様、お会いできて光栄ですわ」

 綺麗な波を描く金髪に、サファイアブルーの瞳。

 セイン殿下の婚約者であるエリーナ様は、ハデス様やセイン殿下の三歳年下で、私と同い年。

 来年の成婚に向けて、現在準備中だそう。

 お姉様が二人いらっしゃって、上のお姉様は二十五歳でルコット公爵家を継いでいらっしゃる。

 今日参加してくださっているわ。

 次のお姉様はハデス様たちと同い年で、隣国に嫁がれているので、残念ながら不参加。

「はじめまして。私はジーク殿下と婚約させていただいていますオリジン伯爵家の娘でカティーナと申します」

「私はグリーノ伯爵家の娘でシルビアです。よろしくお願いします」

 カティーナ様は、太陽みたいに明るいオレンジ色の髪と瞳をした十五歳。

 シルビア様は、ライムグリーンの髪とエメラルド色の瞳をした十三歳で、ソルト殿下の婚約者。

 身分の上の者から挨拶するものだから、そろそろサリュ殿下の婚約者であるサングリア子爵令嬢の番かしら。

 確か、セピア色の髪と瞳をされているのだったわね。




 
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