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ラディシュ侯爵家のその後
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今日はリディア様とリディア様のご子息であるディスト様が王宮に訪れている。
ロロナ様の二歳年下のディスト様は、とても厳しく育てられたおかげか、祖父母や父親、そして姉の愚行をとても軽蔑されていた。
私と初めて会った時も、深々と謝罪されたわ。
ディスト様に非はない。
むしろ被害者よね。一生懸命勉強してラディシュ侯爵家を継ぐべく頑張っていたのに、姉たちの愚行のせいで継ぐ家がなくなってしまったんだもの。
ラディシュ侯爵家は、結局親族の誰も継がないことが決まり、お取り潰しになった。
皇妃様の妹様であるリディア様は、離縁、弟様のディスト様もリディア様の連れ子として実家の公爵家に籍を移していたということで、無罪となった。
もちろん、お二人を無罪とするために皇帝陛下が計らった結果よ。
リディア様実家の公爵家が持っていた子爵位を貰って、リディア様は女子爵、ディスト様は次期子爵となった。
ちなみにロロナ様は、娼館勤めとなったそうだ。
犯罪者たちが働く採石場にある娼館。
そこは脱走が出来ない仕組みになっていて、休みだからといって、採石場外に出ることは叶わないし、賃金も与えられない。
働いた対価は寝床であり食事なのだそう。
仕方ないわ。
私にしようとしたことだもの。
元ラディシュ侯爵は、労働施設というところへ行かされたそうだ。
犯罪者施設と違い、ある程度の自由はあるそうだけど、爵位は剥奪されて平民となったので、会うことはないだろうとハデス様はおっしゃっていた。
当然、しばらくは監視も付くそうだし。
ロロナ様の祖父母は、ロロナ様が送られた採石場に送られたそうだ。
孫が娼館勤めになるのを、どんな思いで見るのだろう。
だけど、彼らがロロナ様に手を貸したりしなければ、いえキチンと止めていたらそんなことにはならなかった。
皇帝陛下が警戒してくださっていたから私はたまたま無事だったけれど、もしそうでなかったとしたらと思うとゾッとするわ。
マクラーレン王国の国王陛下たちは、元王太子殿下の件で私に負い目がある。
せっかくの末弟殿下の婚約が、白紙になってしまうところだった。
それに、我がリビエラ伯爵家も、それからローゼン王国の王家も・・・
決してラディシュ侯爵家を許さないでしょう。
だから未遂に終わったからといって、何もなかったとは出来ないわ。
ハデス様は、私が気にするかもとロロナ様の件は内緒にしていたけれど、皇妃様やリディア様からお伺いした。
私はこれから、エレメンタル帝国の伯爵家の夫人になるのだもの。
守られてばかりではいけないわ。
ロロナ様の二歳年下のディスト様は、とても厳しく育てられたおかげか、祖父母や父親、そして姉の愚行をとても軽蔑されていた。
私と初めて会った時も、深々と謝罪されたわ。
ディスト様に非はない。
むしろ被害者よね。一生懸命勉強してラディシュ侯爵家を継ぐべく頑張っていたのに、姉たちの愚行のせいで継ぐ家がなくなってしまったんだもの。
ラディシュ侯爵家は、結局親族の誰も継がないことが決まり、お取り潰しになった。
皇妃様の妹様であるリディア様は、離縁、弟様のディスト様もリディア様の連れ子として実家の公爵家に籍を移していたということで、無罪となった。
もちろん、お二人を無罪とするために皇帝陛下が計らった結果よ。
リディア様実家の公爵家が持っていた子爵位を貰って、リディア様は女子爵、ディスト様は次期子爵となった。
ちなみにロロナ様は、娼館勤めとなったそうだ。
犯罪者たちが働く採石場にある娼館。
そこは脱走が出来ない仕組みになっていて、休みだからといって、採石場外に出ることは叶わないし、賃金も与えられない。
働いた対価は寝床であり食事なのだそう。
仕方ないわ。
私にしようとしたことだもの。
元ラディシュ侯爵は、労働施設というところへ行かされたそうだ。
犯罪者施設と違い、ある程度の自由はあるそうだけど、爵位は剥奪されて平民となったので、会うことはないだろうとハデス様はおっしゃっていた。
当然、しばらくは監視も付くそうだし。
ロロナ様の祖父母は、ロロナ様が送られた採石場に送られたそうだ。
孫が娼館勤めになるのを、どんな思いで見るのだろう。
だけど、彼らがロロナ様に手を貸したりしなければ、いえキチンと止めていたらそんなことにはならなかった。
皇帝陛下が警戒してくださっていたから私はたまたま無事だったけれど、もしそうでなかったとしたらと思うとゾッとするわ。
マクラーレン王国の国王陛下たちは、元王太子殿下の件で私に負い目がある。
せっかくの末弟殿下の婚約が、白紙になってしまうところだった。
それに、我がリビエラ伯爵家も、それからローゼン王国の王家も・・・
決してラディシュ侯爵家を許さないでしょう。
だから未遂に終わったからといって、何もなかったとは出来ないわ。
ハデス様は、私が気にするかもとロロナ様の件は内緒にしていたけれど、皇妃様やリディア様からお伺いした。
私はこれから、エレメンタル帝国の伯爵家の夫人になるのだもの。
守られてばかりではいけないわ。
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