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国王陛下に謝罪されました

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「お、王太子殿下・・・」

 殿下の声かけに、ウェルズ公爵とモブナノ侯爵令嬢がその顔を青ざめている。

 そんなにビクつくくらいなら、最初から絡んでこなければ良いのに。

「それから話は聞こえたけど、まずモブナノ令嬢。王家に関わることを知ったかぶりで話すのは如何なものかな?父上の耳に入って、モブナノ侯爵家が罰せられることになっても・・・僕は知らないよ?それからウェルズ公爵。ご子息とリビエラ嬢との婚約は、父上が承認している。それに何か不満が?」

「ヒッ・・・わ、私はそんなつもりは・・・」

「へ、陛下が!いえっ!不満などは」

 慌てた様子の彼らに、私とハデス様は顔を見合わせて、苦笑いする。

 王太子殿下は、ご苦労されて来たから本当にしっかりされた方なのね。

 この方なら、国王陛下をお支えしてローゼン王国を立て直してくださるわね。

「リビエラ嬢、ハデス卿、父上が待っている。そこの侍従に案内してもらってくれ」

「かしこまりました。殿下、改めておめでとうございます」

「ははっ。ありがとう。よろしく頼むよ」

 ウェルズ公爵家の方々とモブナノ様のことは王太子殿下に任せて、私とハデス様は国王陛下の元へ向かうことにした。

 チラリとみたら、お姉様が鼻息荒く・・・いえ、ここまでは鼻息は感じないけどね、モブナノ様たちの方へ向かって来ているのが見えた。

 もう!
お兄様ってば、しっかり捕まえておいてくれなきゃ駄目じゃないの。

 王太子殿下もいるから大丈夫だとは思うけど、お身体に負担がかかったりしないかしら。

「どうした?」

「お姉様が・・・お身体に負担が掛からなければ良いのですけど」

「ああ、まぁ、ルークもリビエラ伯爵たちもいるのだから大丈夫だろう」

 ええ。大丈夫だとは思うけど、やっぱり心配なのよ。
 陛下のお話が終わったら、急いで戻りましょう。

「陛下。ウェルズ公爵令息様、リビエラ伯爵令嬢様をお連れしました」

「入ってもらってくれ」

 国王陛下は、ご自分の執務室でお待ちだった。

「すまないな、こんなところで。ここが一番安全で、防音もされているからな」

「いいえ」

「そこにかけてくれ。早速、絡まれたらしいな」

 私とハデス様は、苦笑いで応えた。
最初から誰かしら私に絡んで来ると思っていたし、ハデス様もご両親が絡んで来ると思っていたみたいだけど、予想通り過ぎて苦笑いしか出てこないわ。

「王太子殿下が助けて下さいましたから」

「ははっ。本当によく出来たで、私も安心だよ。リビエラ嬢、長い間すまなかった。ようやく自由にさせてあげられる」

 陛下のお言葉に、私は首を横に振った。
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