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最後通告〜マクラーレン王国王妃視点〜
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「ダニエル、これが最後通告よ。リビエラ嬢に近づこうとするのはやめなさい。彼女は他国の令嬢なの。あなたのしていることは国家間の関係を悪化させる行為なのよ。ルージュもダニエルの妻になるのなら、この子を制御してちょうだい。リビエラ伯爵家から、結婚式の欠席の知らせとお祝いの品、それから抗議が来てるわ。これ以上娘に接触しないで欲しいと。ジュエル・リビエラ嬢は新たに婚約されたそうよ。ゆっくりと仲を深めたら挨拶に向かうから、それまではそっとしておいて欲しいそうよ」
私はリビエラ伯爵家から届いたお祝いの品を、二人に渡しながらそう伝えた。
中身は見ていないけど、エレメンタル帝国産の宝石を使ったペアの宝飾品だと目録にあったわ。
あれほどダニエルに嫌な思いをさせられたのに、ジュエル様がわざわざエレメンタル帝国の知り合いに頼んで、宝飾品を手に入れて下さったそうだ。
それはジュエル様のお優しさと、ルージュとルイスには嫌な感情を抱いていないかららしいけど、ダニエルに関してだけは違うとリビエラ伯爵家からの手紙にはあった。
もしルイスに好意を感じても、ダニエルの態度が今のままならその好意を振り切ってでも婚約はしないだろうと書かれていた。
リビエラ伯爵家の方々は、ダニエルの歪な愛情がもたらす影響をよくご理解している。
あの子にとって、大切なのは自分とルージュだけ。
能力は王太子として相応しいけど、精神が王太子として相応しくない。
陛下が私をちゃんと御してくれているように、ルージュが手綱を握れば良いと思っていたけど・・・
もしここまで言って理解しないのなら、王太子の座から下ろすことも考えないといけないわ。
「婚約?誰とです?」
「どなたとしたとしても、あなたには関係ないでしょう?ひとつ言っておくわ。リビエラ伯爵夫人とご令嬢のフランチェスカ様を慕う者は、今も多くこの国にいるわ。もし彼女たちがリビエラ家の希望に寄り添おうとした時、この国は傾くわよ。そしてそうなる前に、王家として貴方を処罰することになるわ。ルージュを王太子妃にしたいのなら、自分本位な考え方を改めなさい。これが最後よ。二人でよく話し合うことね」
ダニエルとルージュに、キツく言い渡した。
陛下と王弟であるウィングバード公爵とは、すでに話し合っている。
ダニエルが言動を改めない限り、王太子の座から下ろす。
今回は、相手がリビエラ伯爵家の方々だったから、まだ国家間の諍いにならずに済んだけれど、そもそも王太子のダニエルの発言は国を乱すものだったのよ。
ダニエルしか授かれなかったことが悔やまれるわ。
私はリビエラ伯爵家から届いたお祝いの品を、二人に渡しながらそう伝えた。
中身は見ていないけど、エレメンタル帝国産の宝石を使ったペアの宝飾品だと目録にあったわ。
あれほどダニエルに嫌な思いをさせられたのに、ジュエル様がわざわざエレメンタル帝国の知り合いに頼んで、宝飾品を手に入れて下さったそうだ。
それはジュエル様のお優しさと、ルージュとルイスには嫌な感情を抱いていないかららしいけど、ダニエルに関してだけは違うとリビエラ伯爵家からの手紙にはあった。
もしルイスに好意を感じても、ダニエルの態度が今のままならその好意を振り切ってでも婚約はしないだろうと書かれていた。
リビエラ伯爵家の方々は、ダニエルの歪な愛情がもたらす影響をよくご理解している。
あの子にとって、大切なのは自分とルージュだけ。
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もしここまで言って理解しないのなら、王太子の座から下ろすことも考えないといけないわ。
「婚約?誰とです?」
「どなたとしたとしても、あなたには関係ないでしょう?ひとつ言っておくわ。リビエラ伯爵夫人とご令嬢のフランチェスカ様を慕う者は、今も多くこの国にいるわ。もし彼女たちがリビエラ家の希望に寄り添おうとした時、この国は傾くわよ。そしてそうなる前に、王家として貴方を処罰することになるわ。ルージュを王太子妃にしたいのなら、自分本位な考え方を改めなさい。これが最後よ。二人でよく話し合うことね」
ダニエルとルージュに、キツく言い渡した。
陛下と王弟であるウィングバード公爵とは、すでに話し合っている。
ダニエルが言動を改めない限り、王太子の座から下ろす。
今回は、相手がリビエラ伯爵家の方々だったから、まだ国家間の諍いにならずに済んだけれど、そもそも王太子のダニエルの発言は国を乱すものだったのよ。
ダニエルしか授かれなかったことが悔やまれるわ。
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