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護衛との距離感
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リエナイ男爵令嬢に絡まれて以来、私は常にリラとララと一緒にいるように心がけた。
私が油断することで、トライデント公爵家やお姉様たちに迷惑をかけることになる。
それにリラとララには泣かれてしまった。
彼女たちは、私の護衛という役目に責任感を持ってくれている。
食事の時などは、公爵令嬢や王太子殿下、大公子息と一緒だから、リラとララは気を遣って少し離れた席にいてくれているけど、普段は共にいるべきだった。
私が・・・
勝手をしたせいで彼女たちを悲しませるのは申し訳ない。
それに、ルージュ様がとても心配してくださるので、王太子殿下が不穏な笑みを浮かべられるの。
なんだか大事になりそうで、私は自分の行動に責任を持たなきゃと再認識した。
リエナイ男爵令嬢は、さすがに私が数人と一緒にいるところへ絡みに来るのは得策ではないと思ったのか、こっちをジッと睨んではいたけど近付いてくることはなかった。
ついでに言うと、フィヨルド侯爵令息も何か言いたげではあるけど、話しかけてくることはなくなった。
もしかしたら、婚約者に叱られたのかもしれない。
ケーティ・カサンドラ伯爵令嬢は、隣のクラスなので私は面識がない。
無関係なことで絡まれたくはないので、このまま面識がないままで終わることを心から望んでいる。
「ねぇ、リラとララも一緒に食事をとりましょう?」
私は何度目かになる誘いを二人にかけるけど、二人は首を縦に振ってくれない。
「王太子殿下や大公ご子息様とご一緒するのは、ちょっとハードルが高すぎるので。ちゃんと後ろにはおります。殿下たちの護衛の方も後ろの席で食事を摂られていますから」
「なら、たまには私と三人で食事をしない?」
「ラウンディ公爵令嬢様が寂しがっちゃいますよぉ。私とリラは大丈夫ですからぁ、ジュエル様はお友達との時間を楽しんで下さい~」
「リラとララだって、私にとってお友達なのに」
私の呟きに、リラもララも困ったように眉を下げる。
分かってるわ。
二人が私の護衛を、誠心誠意務めてくれていること。
「ごめんなさい、我儘を言ったわ。じゃあ、せめてトライデント公爵家に戻ったら一緒にお茶をしましょう?それならいいでしょ?」
「「はい」」
私がマクラーレン王国に滞在している間は、リラとララもトライデント公爵家で生活してくれている。
遠縁とはいえトライデント公爵家と親戚だから、お茶くらいなら許されるわよね?
ああ。でもまた、私の我儘で二人に迷惑をかけたらいけないから、お茶をする前にマーガレット様に確認してからにしなきゃ。
私が油断することで、トライデント公爵家やお姉様たちに迷惑をかけることになる。
それにリラとララには泣かれてしまった。
彼女たちは、私の護衛という役目に責任感を持ってくれている。
食事の時などは、公爵令嬢や王太子殿下、大公子息と一緒だから、リラとララは気を遣って少し離れた席にいてくれているけど、普段は共にいるべきだった。
私が・・・
勝手をしたせいで彼女たちを悲しませるのは申し訳ない。
それに、ルージュ様がとても心配してくださるので、王太子殿下が不穏な笑みを浮かべられるの。
なんだか大事になりそうで、私は自分の行動に責任を持たなきゃと再認識した。
リエナイ男爵令嬢は、さすがに私が数人と一緒にいるところへ絡みに来るのは得策ではないと思ったのか、こっちをジッと睨んではいたけど近付いてくることはなかった。
ついでに言うと、フィヨルド侯爵令息も何か言いたげではあるけど、話しかけてくることはなくなった。
もしかしたら、婚約者に叱られたのかもしれない。
ケーティ・カサンドラ伯爵令嬢は、隣のクラスなので私は面識がない。
無関係なことで絡まれたくはないので、このまま面識がないままで終わることを心から望んでいる。
「ねぇ、リラとララも一緒に食事をとりましょう?」
私は何度目かになる誘いを二人にかけるけど、二人は首を縦に振ってくれない。
「王太子殿下や大公ご子息様とご一緒するのは、ちょっとハードルが高すぎるので。ちゃんと後ろにはおります。殿下たちの護衛の方も後ろの席で食事を摂られていますから」
「なら、たまには私と三人で食事をしない?」
「ラウンディ公爵令嬢様が寂しがっちゃいますよぉ。私とリラは大丈夫ですからぁ、ジュエル様はお友達との時間を楽しんで下さい~」
「リラとララだって、私にとってお友達なのに」
私の呟きに、リラもララも困ったように眉を下げる。
分かってるわ。
二人が私の護衛を、誠心誠意務めてくれていること。
「ごめんなさい、我儘を言ったわ。じゃあ、せめてトライデント公爵家に戻ったら一緒にお茶をしましょう?それならいいでしょ?」
「「はい」」
私がマクラーレン王国に滞在している間は、リラとララもトライデント公爵家で生活してくれている。
遠縁とはいえトライデント公爵家と親戚だから、お茶くらいなら許されるわよね?
ああ。でもまた、私の我儘で二人に迷惑をかけたらいけないから、お茶をする前にマーガレット様に確認してからにしなきゃ。
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