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気にしても仕方のないこと

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 シリウス殿下が、男性としての機能を失われたことはお気の毒だと思うけれど、王族や高位貴族は言動に責任が生じるのは当たり前のこと。

 少なくとも生きて、好きな方と結ばれるんだから、良かったわよね?

 それにフレグランスお姉様も言っていたけど、子種をなくしてもそういう行為が出来れば、もしものことがあるかもしれない。

 あの平気で嘘を吐いたシリウス殿下に、無理矢理に行為を迫られるかもしれないことを考えると、申し訳ないけど私も自分の身がかわいいわ。

 一応、マクラーレン王国に来ているから大丈夫だとは思うけど、王族でなくなったことで逆に他国へ行くことに制限がなくなったのよね。

 コンフォート公爵嫡男の方は、優秀な方だと聞く。
 婚約者のご令嬢との仲も良好だとお聞きするし、陛下もご安心ね。

 そういえば、シリウス殿下を溺愛されていた王妃様は、どうなさるのかしら?

 まぁ、いいわ。
婚約を解消したのだもの。もう私には関係のないことよね。

「学園へはいつから通えばいいのでしょうか?」

 私の護衛を誰にするかを話していたのだけど、結局護衛を付けることになったのかしら?

「今、マーガレットお母様たちが護衛をお決めになっているから、決まり次第通ったら良いわ。マクラーレン王国の王立学園は制服なのよ。制服はもう準備できてるし、鞄や靴も準備済みよ。せっかくだし、ハンカチや髪飾りでも街に見に行きましょうか?」

「私は一人で大丈夫なのですけど」

「馬車乗り場までは侍女が同行できるけど、建屋に入れるのは生徒だけだから、絶対に護衛は付けるわ。そこは譲ってくれないと、学園に通わせることは難しくなるわ」

「・・・わかりました。それで、お姉様。髪飾りなどは自由なのですか?」

 そこまで言われたら、納得しないわけにはいかない。

 せっかく、マクラーレン王国に来たのだもの。
 少しでも学園に通いたいわ。

 私は王太子妃教育を受けていたから、学園で学ぶようなことは大体、教えられているけど、国が違えば教育も違うかもしれないし。

 言っても無駄なことに、いつまでもこだわっていても仕方ないわ。

 それなら、楽しいことを考えなきゃ。

 髪飾りとかを見に、街に行くのは楽しそう。

「華美じゃなければ良いのよ。制服は臙脂色だから、赤系の髪飾りも良いわね。今から見に行く?」

「はい。是非」

 私の髪はローズピンクだから、髪飾りは同系色を好んで付けていたけど、婚約者のシリウス殿下がサファイア色の瞳だったから、婚約してからは青い髪飾りを付けるようにしていた。

 赤系なら、髪や瞳の色との相性も良いわね。

 





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