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憎しみで染まりました
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「ふん!やっと死んでくれる。聖女であるユエと結ばれるには、お前の存在は邪魔でしかなかった!やっと。やっとだ!」
聞こえた来た声は、かつて寄り添おうとしていた婚約者のもののはずなのに、私には冷たくて、信じがたいものでした。
クーデリア王国ジュリアーノ王太子殿下は、それほどまでに私のことを厭っていたということでしょうか。
聖女様を自分の妃に迎えるために、私の死を望むほどに?
それならば、婚約を解消してくだされば良かったではないですか。
お相手は聖女様です。
きっと陛下たちも喜んで婚約を結んでくださるでしょう。
それなのに、ありもしない罪で私を捕らえただけでなく、死を望まれるのですか?
「本当は、政務を行うだけの仮初の王太子妃にするつもりだったが、父上たちが側妃を認めないと言うからな。なら、聖女であるユエを王太子妃にするしかないだろう?」
「・・・」
この世界の住人でなく、しかも貴族としてのマナーをご存知でない聖女様では、王太子妃としての公務は無理でしょう。
だから、ジュリアーノ殿下は私を公務をするだけの側妃にして、聖女様を正妃とするおつもりだったのですね。
ですがクーデリア王国は一夫一妻制で、王族であろうとそれは同じです。
ただ、正妃に三年待っても子が授かれなかった場合、正妃と離縁後に新たに妃を迎えることができます。
つまり、殿下が聖女様を王太子妃にお迎えするには、私と婚約解消後に聖女様を正妃としてお迎えするか、もしくは私と婚姻後三年間、私を仕事をするだけのお飾り王太子妃とし、石女として離縁するかしか方法がないのです。
ですが、殿下がこのような愚行に走ったところを見ると、おそらく国王陛下は聖女様を王太子妃にすることに頷かれなかったのだと思います。
いくら聖女様の存在が貴重だといっても、貴族令嬢としてのマナーひとつ身についていない聖女様を、他国に王太子妃として会わせるわけにはいかないのでしょう。
恋とは・・・
これほどまでにおそろしいものなのですね。
真面目で誠実で立派な方だった王太子殿下を、こんな愚行に走らせてしまうほどのものなのですね。
殿下。
政略ではありましたが、幼い頃から共に過ごして来た中で、殿下のことを尊敬しておりました。
共に手を取り合って、支え合って生きて行くものだと思っておりました。
なのに、今の私の中には殿下への恨みや悲しみしかございません。
世界が真っ黒に染まって行く中、ただ・・・
貴方の不幸を願います。
聞こえた来た声は、かつて寄り添おうとしていた婚約者のもののはずなのに、私には冷たくて、信じがたいものでした。
クーデリア王国ジュリアーノ王太子殿下は、それほどまでに私のことを厭っていたということでしょうか。
聖女様を自分の妃に迎えるために、私の死を望むほどに?
それならば、婚約を解消してくだされば良かったではないですか。
お相手は聖女様です。
きっと陛下たちも喜んで婚約を結んでくださるでしょう。
それなのに、ありもしない罪で私を捕らえただけでなく、死を望まれるのですか?
「本当は、政務を行うだけの仮初の王太子妃にするつもりだったが、父上たちが側妃を認めないと言うからな。なら、聖女であるユエを王太子妃にするしかないだろう?」
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だから、ジュリアーノ殿下は私を公務をするだけの側妃にして、聖女様を正妃とするおつもりだったのですね。
ですがクーデリア王国は一夫一妻制で、王族であろうとそれは同じです。
ただ、正妃に三年待っても子が授かれなかった場合、正妃と離縁後に新たに妃を迎えることができます。
つまり、殿下が聖女様を王太子妃にお迎えするには、私と婚約解消後に聖女様を正妃としてお迎えするか、もしくは私と婚姻後三年間、私を仕事をするだけのお飾り王太子妃とし、石女として離縁するかしか方法がないのです。
ですが、殿下がこのような愚行に走ったところを見ると、おそらく国王陛下は聖女様を王太子妃にすることに頷かれなかったのだと思います。
いくら聖女様の存在が貴重だといっても、貴族令嬢としてのマナーひとつ身についていない聖女様を、他国に王太子妃として会わせるわけにはいかないのでしょう。
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殿下。
政略ではありましたが、幼い頃から共に過ごして来た中で、殿下のことを尊敬しておりました。
共に手を取り合って、支え合って生きて行くものだと思っておりました。
なのに、今の私の中には殿下への恨みや悲しみしかございません。
世界が真っ黒に染まって行く中、ただ・・・
貴方の不幸を願います。
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