転生令嬢の婚約者様〜冷酷皇帝陛下が私を溺愛してきます

みおな

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セレスティーナ10歳③

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「セレスティーナ様ほど皇妃に相応しい方はいらっしゃいません」

 駄目ね、聞く相手を間違えたわ。
マチルダもそうだけど、アマランス公爵家の人間は基本的に私に甘いのよ。

 セレスティーナとして目覚めて三年。
 公爵家の令嬢として相応しくないと言われないように、頑張っては来たわ。

 セレスとしての記憶があるから、マナーやダンス、外国語も覚えてはいたけど、下位貴族と高位貴族は、基本的に学ぶマナーのレベルが違うの。

 それはそうよね。
社交界で接する相手が違うんだもの。

 他国の王族や高位貴族と接する機会の多い高位貴族は、他国のマナーも習得しなければならない。

 だから、七歳から必死に他国語やマナー、他国の名産品や歴史などを詰め込んだ。

 リウスやセレスの両親のことを調べるついでだったけど、それでも大切にしてくれるお父様やお母様の期待に応えたかった。

 両親と離れて、ハイドランジア帝国に向かうことには不安がある。

 でもアマランス公爵領の領主であり、公爵という地位にある両親は、簡単に他国に赴くわけにはいかない。

 ユリウス様は、皇城に部屋を準備して下さるとおっしゃるけど、私ユリウス様のお姉様や弟殿下に受け入れていただけるのかしら。

 弟殿下は私と同い年だから、来年学園に入学されるのよね。

 お姉様はすでに卒業されていて、婚約者とのご成婚も間近だとか。

「それよりもセレスティーナ様。ハイドランジア帝国に向かう前に、王宮のパーティーに参加せよとの要請があったと聞きましたが、本当なのですか?」

 マチルダの問いに、私の顔から笑顔がスッと消える。

 そうなのだ。

 三ヶ月後にハイドランジア帝国に留学することが決まった。

 来年から学園に通うために、早めに向かうことになったのだ。

 ユリウス様と婚約したとはいえ、現在の私はセントフォーリア王国の国民。

 国外に長期間出るには、国の許可が必要になる。
 十三歳から通う学園に通えないこともあり、お父様が王家に許可を取ってくれたのだけど・・・

 その際、留学に向かう私のためにパーティーを開くので参加するようにと要請されたそうなのだ。

 ユリウス様との婚約は決定していることもあり、お父様としてもさすがにお断りは出来なかったらしい。

 会いたくはないけど、王家が何かをしたというわけでもないから、あまり拒否ばかりはできない。

 ただ、そのパーティーの頃にユリウス様がこちらに来れるとは限らないのが不安なの。

 皇帝陛下であるユリウス様はお忙しい。
一応、パーティーのことはお知らせしたけど、お父様のエスコートになると思う。

 お父様はお優しい方だし、ご一緒できるのは嬉しいけど、あくまでも一貴族であるお父様が王家から命令されたら拒めないのは不安だわ。
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