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転生王女の作戦結果
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結論から言うとー
ビビアン様はフレイ様と、友達以上恋人未満的な関係になった。
フレイ様は婚約してもいいと言われたらしいけど、ビビアン様は政略結婚ではなく恋愛結婚をしたい、らしい。
ビビアン様いわく、アルフレッド様のように、好きで仕方ないって思われたいそうだ。
まぁ、なんにしろ幸せそうなのでよしとする。
私は、諸々の疲れが出たのか、珍しく熱を出して昨日から部屋で静養中だ。
だから、その報告をお見舞いに来てくれたビビアン様から、ベッドの中で聞いていた。
「よかったですわね、ビビアン様」
「ありがとうございます。ローズマリー様と魔王陛下のおかげですわ」
ああ、本当に幸せそうで、よかった。アルフレッド様のように、溺愛するフレイ様というのは想像できないけど、別に目に見える溺愛でなくても、好きになってくれればいいんだものね。
コンコン!
小さなノックの後、ドアが開いてアルフレッド様が顔を見せる。
夜着姿の私は、小さく悲鳴を上げてしまった。
「あ、アルフレッド様っ!淑女の寝室に入るなど、マナー違反ではありませんかっ」
「妻の夜着姿を夫が見たからと言って何がいけないの?」
「まだ妻ではないでしょう!」
真っ赤になって反論する私に、アルフレッド様は気にするでもなく近づいてくる。
ベッドの脇まで来ると、少し屈み気味に私の額にその手を当てた。
ひんやりとしたその手に、赤く血の昇った顔の熱が引いていく。
「よかった。昨日よりは下がったみたいだね」
「はい・・・え?昨日?」
なんだか不穏な事を聞いた気がするわ。昨日って言った?
「うん。昨日の夜に様子を見に来た時は、まだ熱が高かったから」
「み、ミナは・・・」
「うん?ああ。僕が見ているからって下がらせた」
ね、寝顔を見られた!恥ずかしい!!
「み、未婚の女性の部屋に、夜に入るなんて破廉恥ですわっ」
「ハレンチ・・・?」
「ですから、そう言われると申し上げたでしょう」
少し開いたままのドアの隙間から、フレイ様の声が聞こえた。
「ローズマリー様、申し訳ありません。我が君は、そのあたりの常識に欠けております。・・・ビビアン嬢、こちらでお茶などいかがですか?」
「は、はいっ!喜んで。ローズマリー様っ、また参りますわねっ。お体を労って下さいませ。では、陛下、失礼しますわ」
フレイ様のお誘いに、ビビアン様はすぐに部屋を出て行ってしまい、部屋には私とアルフレッド様が取り残された。
「ローゼ、そんなに嫌だった?」
「・・・嫌というか、恥ずかしいです」
「可愛かったのに。とても愛らしくて、目が離せなかった」
うっとりとした顔をして微笑むアルフレッド様に、顔に熱がこもっていく。
再び、真っ赤になった私の頬を、アルフレッド様はその細く長い指で撫でる。
「可愛い、ローゼ。そんな顔を見せられたら、我慢できない」
アルフレッド様は、私の後頭部に手を添えると、ゆっくりと私をベッドへと寝かせる。そして覆いかぶさるように唇を合わせてきた。
何度も角度を変えながら繰り返される深い口づけに、私はその夜再び熱を出してしまったのであったー
ビビアン様はフレイ様と、友達以上恋人未満的な関係になった。
フレイ様は婚約してもいいと言われたらしいけど、ビビアン様は政略結婚ではなく恋愛結婚をしたい、らしい。
ビビアン様いわく、アルフレッド様のように、好きで仕方ないって思われたいそうだ。
まぁ、なんにしろ幸せそうなのでよしとする。
私は、諸々の疲れが出たのか、珍しく熱を出して昨日から部屋で静養中だ。
だから、その報告をお見舞いに来てくれたビビアン様から、ベッドの中で聞いていた。
「よかったですわね、ビビアン様」
「ありがとうございます。ローズマリー様と魔王陛下のおかげですわ」
ああ、本当に幸せそうで、よかった。アルフレッド様のように、溺愛するフレイ様というのは想像できないけど、別に目に見える溺愛でなくても、好きになってくれればいいんだものね。
コンコン!
小さなノックの後、ドアが開いてアルフレッド様が顔を見せる。
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「あ、アルフレッド様っ!淑女の寝室に入るなど、マナー違反ではありませんかっ」
「妻の夜着姿を夫が見たからと言って何がいけないの?」
「まだ妻ではないでしょう!」
真っ赤になって反論する私に、アルフレッド様は気にするでもなく近づいてくる。
ベッドの脇まで来ると、少し屈み気味に私の額にその手を当てた。
ひんやりとしたその手に、赤く血の昇った顔の熱が引いていく。
「よかった。昨日よりは下がったみたいだね」
「はい・・・え?昨日?」
なんだか不穏な事を聞いた気がするわ。昨日って言った?
「うん。昨日の夜に様子を見に来た時は、まだ熱が高かったから」
「み、ミナは・・・」
「うん?ああ。僕が見ているからって下がらせた」
ね、寝顔を見られた!恥ずかしい!!
「み、未婚の女性の部屋に、夜に入るなんて破廉恥ですわっ」
「ハレンチ・・・?」
「ですから、そう言われると申し上げたでしょう」
少し開いたままのドアの隙間から、フレイ様の声が聞こえた。
「ローズマリー様、申し訳ありません。我が君は、そのあたりの常識に欠けております。・・・ビビアン嬢、こちらでお茶などいかがですか?」
「は、はいっ!喜んで。ローズマリー様っ、また参りますわねっ。お体を労って下さいませ。では、陛下、失礼しますわ」
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「・・・嫌というか、恥ずかしいです」
「可愛かったのに。とても愛らしくて、目が離せなかった」
うっとりとした顔をして微笑むアルフレッド様に、顔に熱がこもっていく。
再び、真っ赤になった私の頬を、アルフレッド様はその細く長い指で撫でる。
「可愛い、ローゼ。そんな顔を見せられたら、我慢できない」
アルフレッド様は、私の後頭部に手を添えると、ゆっくりと私をベッドへと寝かせる。そして覆いかぶさるように唇を合わせてきた。
何度も角度を変えながら繰り返される深い口づけに、私はその夜再び熱を出してしまったのであったー
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