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転生王女の作戦
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「その件はお前に任せる」
アルフレッド様は、執務室で目の前に立つフレイ様に指示を与えていた。
まぁ、よくある光景である。その膝に私を座らせていることを除けば。
アルフレッド様は、膝抱っこが前からお好きだったけど、私を救い出してくれて以降、片時も私を離さなくなった。
入浴や就寝時はさすがに離してくれるけど。その場合は、部屋の前には護衛が立ち、部屋自体にも防御魔法がかけられている。
ミアは、軽い怪我ですんだ。私が自分を庇って攫われたことをものすごく悔やんでいて、私付きのメイドであることを外して欲しいと言われた。
もちろん、私は断った。私を守るために怪我をしたメイドを外すなんてあり得ない。
だけど、ミアひとりに負担をかけないために、常に2人以上のメイドをつけてもらうように、アルフレッド様にお願いした。
私を襲撃した、フランチェスカ様とそのお兄様は、アルフレッド様によって牢へと送られたそうだ。
その処断を、現在フレイ様に任せると言われたのだ。
あの2人のことは、私には何も教えてはもらえなかった。一応、聞いてみたら、「ローゼが気にかけるような存在ではない」と言われた。
まぁ、私を汚そうとした人も、殺そうと首を絞めてきた人も、どうでもいいので、それ以上聞くのはやめた。
「ああ、それからー」
部屋を退出する直前に、ふと思い出したように、フレイ様が振り返る。
「ビビアン・ジュネール嬢がローズマリー様にお会いしたいと、後ほどお見えになるそうですよ」
「まあ!ビビアン様が?」
「お見えになられましたら、お呼びいたします」
きっと、心配をおかけしてしまったのだわ。膝の上で、ソワソワする私を、アルフレッド様は少し不満そうに見つめている。
「我が愛しのローゼは、ジュネール嬢が好きなのだな」
「あら?アルフレッド様、やきもちですの?」
「・・・ローゼを他の誰の目にも触れぬよう閉じ込めて、僕だけしか見ないようにしたい」
アルフレッド様が恐ろしいことを言ってますわ。・・・こんなに旦那様に愛されてるなんて幸せですわ。
「ふふっ。閉じ込めたりしなくても、私はアルフレッド様しか見ていませんわ。ビビアン様のことは確かに好きですけど、大切なお友達ですもの」
「仲良くなったんだね」
「内緒ですわよ?ビビアン様はフレイ様がお好きなのですわ」
「え?そうなの?フレイのことを・・・」
アルフレッド様が目を丸くされている。いいわよね、バラしても。アルフレッド様に協力してもらえたら、フレイ様とのこともうまくいくかもだし。
「フレイ様には、誰かお気にかけてらっしゃる方がいらっしゃったりしますの?」
私は、ビビアン様が好きだから力になりたいけど、横恋慕はよくないものね。
私、フレイ様のことも好きだもの。
「僕は聞いたことがないな。ローゼはジュネール嬢をフレイに勧めたいの?」
「ええ。ビビアン様はとても素敵なご令嬢ですの。私、お茶会でビビアン様に出会えて、すごく良かったと思ってますのよ」
アルフレッド様は、あとでフレイ様にさりげなくお相手がいるか聞いてくれるそうだ。
アルフレッド様にさりげなくって出来るのか、私はちょっと不安だったけど、お任せすることにした。
アルフレッド様は、執務室で目の前に立つフレイ様に指示を与えていた。
まぁ、よくある光景である。その膝に私を座らせていることを除けば。
アルフレッド様は、膝抱っこが前からお好きだったけど、私を救い出してくれて以降、片時も私を離さなくなった。
入浴や就寝時はさすがに離してくれるけど。その場合は、部屋の前には護衛が立ち、部屋自体にも防御魔法がかけられている。
ミアは、軽い怪我ですんだ。私が自分を庇って攫われたことをものすごく悔やんでいて、私付きのメイドであることを外して欲しいと言われた。
もちろん、私は断った。私を守るために怪我をしたメイドを外すなんてあり得ない。
だけど、ミアひとりに負担をかけないために、常に2人以上のメイドをつけてもらうように、アルフレッド様にお願いした。
私を襲撃した、フランチェスカ様とそのお兄様は、アルフレッド様によって牢へと送られたそうだ。
その処断を、現在フレイ様に任せると言われたのだ。
あの2人のことは、私には何も教えてはもらえなかった。一応、聞いてみたら、「ローゼが気にかけるような存在ではない」と言われた。
まぁ、私を汚そうとした人も、殺そうと首を絞めてきた人も、どうでもいいので、それ以上聞くのはやめた。
「ああ、それからー」
部屋を退出する直前に、ふと思い出したように、フレイ様が振り返る。
「ビビアン・ジュネール嬢がローズマリー様にお会いしたいと、後ほどお見えになるそうですよ」
「まあ!ビビアン様が?」
「お見えになられましたら、お呼びいたします」
きっと、心配をおかけしてしまったのだわ。膝の上で、ソワソワする私を、アルフレッド様は少し不満そうに見つめている。
「我が愛しのローゼは、ジュネール嬢が好きなのだな」
「あら?アルフレッド様、やきもちですの?」
「・・・ローゼを他の誰の目にも触れぬよう閉じ込めて、僕だけしか見ないようにしたい」
アルフレッド様が恐ろしいことを言ってますわ。・・・こんなに旦那様に愛されてるなんて幸せですわ。
「ふふっ。閉じ込めたりしなくても、私はアルフレッド様しか見ていませんわ。ビビアン様のことは確かに好きですけど、大切なお友達ですもの」
「仲良くなったんだね」
「内緒ですわよ?ビビアン様はフレイ様がお好きなのですわ」
「え?そうなの?フレイのことを・・・」
アルフレッド様が目を丸くされている。いいわよね、バラしても。アルフレッド様に協力してもらえたら、フレイ様とのこともうまくいくかもだし。
「フレイ様には、誰かお気にかけてらっしゃる方がいらっしゃったりしますの?」
私は、ビビアン様が好きだから力になりたいけど、横恋慕はよくないものね。
私、フレイ様のことも好きだもの。
「僕は聞いたことがないな。ローゼはジュネール嬢をフレイに勧めたいの?」
「ええ。ビビアン様はとても素敵なご令嬢ですの。私、お茶会でビビアン様に出会えて、すごく良かったと思ってますのよ」
アルフレッド様は、あとでフレイ様にさりげなくお相手がいるか聞いてくれるそうだ。
アルフレッド様にさりげなくって出来るのか、私はちょっと不安だったけど、お任せすることにした。
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