魔王様は転生王女を溺愛したい

みおな

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転生王女のお茶会3

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「え?ビビアン様は、フレイ様がお好きなのですか?」

 ビビアン様のお部屋でやり直されたお茶会という名の女子会は、恋バナになっていて、そこで私は衝撃の告白を受けた。

 まさか、ビビアン様が、宰相閣下をお好きだったなんて。そりゃあ、私に悪意なんて持たないですよね。興味ないというか、関係ないですもんね。

 そういえば、フレイ様っておいくつなのかな?アルフレッド様と同じくらいに見えるけど。
 というか、魔族って見た目通りの年齢じゃないの?全く気にならなかったから聞いてないけど、ここでビビアン様に聞いても大丈夫かしら?

「そんなに驚かれます?フレイ宰相閣下は本当に素敵な方ですもの。閣下に惹かれている者は多いんですのよ」

「そうなのですね。私は、皆様アルフレッド様をお慕いしてるものとばかり」

「陛下は確かに素敵ですわ。陛下に見惚れない女性はいないですし、お力もある。ですけど、陛下が笑顔をお見せになるようになったのは、ローズマリー様とお知り合いになってからですのよ」

 ビビアン様の言葉に、私は驚いてしまう。私は出会ってから、アルフレッド様の笑顔も、困った顔も、悲しそうな顔も、いろんな顔を見せて貰っていたから。

「でも、陛下の笑みは凶悪ですわよね。陛下が微笑まれると、周りの女性だけでなく男性の方も、皆様お顔を赤くして、倒れられてしまいますもの」

 凶悪と言われてしまってます。まぁ、仕方ないですね。男の方のお顔を染められるなんて。アルフレッド様は、傾国の美形で、歩く猥褻物ですね。

「あ、あのビビアン様にお聞きしたいんですけど」

「何でもお聞き下さいませ、ローズマリー様」

「魔族の方って、私たち人間と歳の取り方というか、見た目と年齢って違いますの?」

 そんなことも知らないで、魔王陛下に嫁ぐ気かと思われないかな。
 でも、聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥です。

「魔族は生まれた時は人型ではありませんの。力が安定するまでは獣の姿なのですわ」

 ビビアン様のお話によると、魔族の方は自分の希望の容姿の時に、姿を固定できるらしい。若い容姿を好まれる方もいれば、ナイスミドルまで成長させる方もいるそうで。
 ただ、アルフレッド様やフレイ様の様に、完全な人型を取れるのは、魔族でも力の強い上位魔族だけだそうだ。

 そうそう。肝心のアルフレッド様たちの年齢だけど、300歳と少しだそうだ。上位魔族の方は1000年以上生きられるそうだから、まだまだお若い部類になる。
 フレイ様は、アルフレッド様より50年ほど先にお生まれだそうだけど、1000年のうちの50年だから、ほぼ同い年と言ってもいいでしょう。

「1000年・・・ですか」

 ため息が漏れてしまう。いくらなんでも、私は長生きしても100年が限度です。

「大丈夫です。陛下の精を受ければ、人間でも人の生よりは長く生きることができますわ。まぁ、さすがに陛下や宰相閣下ほどまでは無理でしょうけど」

 私の懸念が分かったのか、ビビアン様が励ましてくれる。
 どのくらい長く生きれるのかはわからないけれど、それでも少しでも長くアルフレッド様と一緒に居れるのね。

 今日は、お茶会に来て良かった。ビビアン様とお話できて本当によかったと、私はにっこりと微笑んだ。

 ああ。それから、ビビアン様はお友達になってくれました。
 フレイ様とうまくいくよう応援する約束もしました。
 ビビアン様は容姿も性格も素晴らしいかたですから、是非是非フレイ様とうまくいって欲しいです。





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