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転生王女のお茶会2
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「ローズマリー様は、いつ魔王陛下とお知り合いになりましたの?」
公爵令嬢の、ビビアン・ジュネール様が興味津々に聞いてくる。
あら?悪意を持っていると思ってたんだけど、ビビアン様の瞳の中には興味しか見当たりませんね。
私に悪意を持っていそうなのは、2人の侯爵令嬢様と、2人の伯爵令嬢様ですね。
ローズマリーは一国の王女なのだから、自分に向けられる貴族の好意や悪意には、敏感である。さすがに会ったこともない魔族に呪われたのは仕方ないとして、目の前で顔を見れば、それなりに理解する。
そして、麻里は11年もOLをしてきたのだ。上司や取引先の無理難題や、社内のいじめなど、世間の荒波に揉まれてきた。目の前の、見た目は16歳の小娘の悪意など手にとるように分かる。
「私の12歳の誕生日にお祝いにいらしてくれましたの」
「まぁ!では4年も前から陛下はローズマリー様に惹かれておいでですのね。素敵ですわ~」
ビビアン様は、うっとりした顔で、手をその胸の前で組まれている。
美人な容姿に愛らしい性格。しかも高位貴族という身分。
そして、何より同じ魔族というビビアン様。この方をアルフレッド様の妃にと望まれる方は間違いなく多い。
もし、私が当事者でなかったら、いくら王女といっても人間の小娘より、彼女を推薦するだろう。
「きっと、珍しいペットを見つけた気持ちだったのではないかしら」
「まぁ!珍獣だなんて、未来の王妃様に失礼よ」
「ふふっ、未来の、でしょう?先に何があるかわからないわよ。ここは、人の国ではないのですもの」
あらあら。悪意が漏れてますわよ。
珍獣扱いはともかくとして、何があるかわからないだなんて、そんなこと口に出すものではないわ。もし、何かあったら、1番に疑われますよ?
そして、私に悪意を持っていないビビアン様のお顔がしかめられてますよ。
私は知りませんよ。ビビアン様は、公爵家のご令嬢。魔族としての力は知りませんが、この中で人間とはいえ王女の私の次に高位の方ですよ?
「貴女たち!ローズマリー様に失礼な発言はやめて下さる?」
「まぁ!ビビアン様はお優しいですね」
「魔王陛下もビビアン様を王妃様に望まれるべきですわ」
・・・それ、陛下に対しても不敬ですわよ。私は言いつけたりはしませんけどね。でも、きっとアルフレッド様の耳には入りますよ?
「いい加減にして下さいませ!!ローズマリー様、申し訳ございません。王妃になられるのですから、高位貴族のご令嬢とも顔合わせしておいた方がと思い皆様をお誘いしたのですが、私の判断ミスでしたわ。ローズマリー様にご不快な思いをさせてしまって・・・」
「ビビアン様、お心遣いありがとうございます。私は大丈夫ですわ」
本当に、優れたご令嬢だわ。アルフレッド様、この方のことお好きにならなかったのかしら?
ビビアン様は、不満そうな侯爵家と伯爵家のご令嬢たちをそのままに、私を連れて屋敷の中へとズンズン進んでいく。
「あ、あの、ビビアン様?」
「彼女たちと一緒ではお茶も美味しくありませんでしょう?私のお部屋でお話して下さいませんか?」
「私は光栄ですけど、よろしいのですか?」
魔王陛下の婚約者とはいえ、人間を屋敷に入れることに、ビビアン様のご家族の方は不満に思ったりしないのかしら。
「アルフレッド魔王陛下の婚約者で、未来の王妃様にお越しいだだけるのですから、私こそ光栄ですわ」
にっこり笑ってそう言ってくれたビビアン様のことを、私は好きになった。
お友達になって、なんて言って引かれたりしないかな。
公爵令嬢の、ビビアン・ジュネール様が興味津々に聞いてくる。
あら?悪意を持っていると思ってたんだけど、ビビアン様の瞳の中には興味しか見当たりませんね。
私に悪意を持っていそうなのは、2人の侯爵令嬢様と、2人の伯爵令嬢様ですね。
ローズマリーは一国の王女なのだから、自分に向けられる貴族の好意や悪意には、敏感である。さすがに会ったこともない魔族に呪われたのは仕方ないとして、目の前で顔を見れば、それなりに理解する。
そして、麻里は11年もOLをしてきたのだ。上司や取引先の無理難題や、社内のいじめなど、世間の荒波に揉まれてきた。目の前の、見た目は16歳の小娘の悪意など手にとるように分かる。
「私の12歳の誕生日にお祝いにいらしてくれましたの」
「まぁ!では4年も前から陛下はローズマリー様に惹かれておいでですのね。素敵ですわ~」
ビビアン様は、うっとりした顔で、手をその胸の前で組まれている。
美人な容姿に愛らしい性格。しかも高位貴族という身分。
そして、何より同じ魔族というビビアン様。この方をアルフレッド様の妃にと望まれる方は間違いなく多い。
もし、私が当事者でなかったら、いくら王女といっても人間の小娘より、彼女を推薦するだろう。
「きっと、珍しいペットを見つけた気持ちだったのではないかしら」
「まぁ!珍獣だなんて、未来の王妃様に失礼よ」
「ふふっ、未来の、でしょう?先に何があるかわからないわよ。ここは、人の国ではないのですもの」
あらあら。悪意が漏れてますわよ。
珍獣扱いはともかくとして、何があるかわからないだなんて、そんなこと口に出すものではないわ。もし、何かあったら、1番に疑われますよ?
そして、私に悪意を持っていないビビアン様のお顔がしかめられてますよ。
私は知りませんよ。ビビアン様は、公爵家のご令嬢。魔族としての力は知りませんが、この中で人間とはいえ王女の私の次に高位の方ですよ?
「貴女たち!ローズマリー様に失礼な発言はやめて下さる?」
「まぁ!ビビアン様はお優しいですね」
「魔王陛下もビビアン様を王妃様に望まれるべきですわ」
・・・それ、陛下に対しても不敬ですわよ。私は言いつけたりはしませんけどね。でも、きっとアルフレッド様の耳には入りますよ?
「いい加減にして下さいませ!!ローズマリー様、申し訳ございません。王妃になられるのですから、高位貴族のご令嬢とも顔合わせしておいた方がと思い皆様をお誘いしたのですが、私の判断ミスでしたわ。ローズマリー様にご不快な思いをさせてしまって・・・」
「ビビアン様、お心遣いありがとうございます。私は大丈夫ですわ」
本当に、優れたご令嬢だわ。アルフレッド様、この方のことお好きにならなかったのかしら?
ビビアン様は、不満そうな侯爵家と伯爵家のご令嬢たちをそのままに、私を連れて屋敷の中へとズンズン進んでいく。
「あ、あの、ビビアン様?」
「彼女たちと一緒ではお茶も美味しくありませんでしょう?私のお部屋でお話して下さいませんか?」
「私は光栄ですけど、よろしいのですか?」
魔王陛下の婚約者とはいえ、人間を屋敷に入れることに、ビビアン様のご家族の方は不満に思ったりしないのかしら。
「アルフレッド魔王陛下の婚約者で、未来の王妃様にお越しいだだけるのですから、私こそ光栄ですわ」
にっこり笑ってそう言ってくれたビビアン様のことを、私は好きになった。
お友達になって、なんて言って引かれたりしないかな。
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