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転生王女の恐怖
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今日は、父様の執務室での読書日だ。
ここ数日、お兄様と一緒にいたせいでストレスで胃に穴が開きそうだった。
原因はもちろんレナードである。
あれに比べたら、父様との読書の平穏なこと。平穏なこと。
なんて油断していたからか、父様から爆弾が落とされた。
「今、なんておっしゃいまして?」
「耳が遠くなったのか。それとも意味がわからん阿呆になったのか」
「・・・どっちでもございませんが、もう一度言って下さい」
くそぅ。わざとらしくため息つくな。
「お前の誕生日パーティー、魔国クリムゾンに招待状を出した」
「何をしてるんですか!」
「会えるかもしれんぞ。魔王に」
あなた、言いましたよね?私の成長がなければ、魔王に興味持たれないだろうって。
それ、言ったの、ついこないだですよね?
私の成長にかけられる時間、少なすぎやしませんか?
不満いっぱいに、ジト目で父様を見る。
「そんなに見るな。穴が開く」
あなたがそんなデリケートな精神なわけないでしょうが。
「冗談だ」
「つまらないです。父様」
ジト目のまま、はっきり告げる。父様相手にオブラートに包んでも仕方ない。
はっきり言ったって堪えやしないんだし。
「レナードが、お前付きになりたいと願い出た」
「は?」
いきなりの話題転換と、恐ろしい内容に、ピキッと固まる。
レナードが私付き?
いやいやいやいや、冗談じゃないから。いや、マジでストーカーなの?こわいこわい。
「そ、それで、父様はなんと・・・?」
まさか、許可したりしてませんよね?
「・・・辞めたいなら勝手に辞めろと伝えた。ただし、王女付きにするつもりはないがな」
「そ、そうですか。って、辞めて大丈夫なんですか?お兄様の護衛ですよね」
王太子の護衛なんだから、腕は立つはずだ。そんなのに辞められて大丈夫なんだろうか。
「辞めはせん。辞めれば会えなくなるからな」
それって、誰に・・・って私ですよね。マジ、ストーカーですか。規制法作って下さい!取り締まってくださいっ!
「魔王が来るかどうかは分からんが、クリムゾン国のことは多少頭に入れておけ」
ビクビクしている私など意にも介さず、父様は何もなかったように、話を戻して締めくくった。
いや、おかしいでしょ。なんで、ストーカー話ぶっこんだの?
ムカムカする気持ちがおさまらない私は、王女らしからぬ所作で、目の前の紅茶のカップを掴むと、一気にそれを飲み干した。
・・・父様にかけたりはしませんよ。後が怖いですからね。ムカムカしてても、そのくらいの危機管理能力はありますよ。
私は、読みかけの本を棚に戻すと、クリムゾン国の記述のある本を探す。
私の誕生日まで、後10日。頭に入るだけ、入れといたほうがいいだろう。
ため息をつきながら、私は分厚い背表紙の書物を取り出した。
ここ数日、お兄様と一緒にいたせいでストレスで胃に穴が開きそうだった。
原因はもちろんレナードである。
あれに比べたら、父様との読書の平穏なこと。平穏なこと。
なんて油断していたからか、父様から爆弾が落とされた。
「今、なんておっしゃいまして?」
「耳が遠くなったのか。それとも意味がわからん阿呆になったのか」
「・・・どっちでもございませんが、もう一度言って下さい」
くそぅ。わざとらしくため息つくな。
「お前の誕生日パーティー、魔国クリムゾンに招待状を出した」
「何をしてるんですか!」
「会えるかもしれんぞ。魔王に」
あなた、言いましたよね?私の成長がなければ、魔王に興味持たれないだろうって。
それ、言ったの、ついこないだですよね?
私の成長にかけられる時間、少なすぎやしませんか?
不満いっぱいに、ジト目で父様を見る。
「そんなに見るな。穴が開く」
あなたがそんなデリケートな精神なわけないでしょうが。
「冗談だ」
「つまらないです。父様」
ジト目のまま、はっきり告げる。父様相手にオブラートに包んでも仕方ない。
はっきり言ったって堪えやしないんだし。
「レナードが、お前付きになりたいと願い出た」
「は?」
いきなりの話題転換と、恐ろしい内容に、ピキッと固まる。
レナードが私付き?
いやいやいやいや、冗談じゃないから。いや、マジでストーカーなの?こわいこわい。
「そ、それで、父様はなんと・・・?」
まさか、許可したりしてませんよね?
「・・・辞めたいなら勝手に辞めろと伝えた。ただし、王女付きにするつもりはないがな」
「そ、そうですか。って、辞めて大丈夫なんですか?お兄様の護衛ですよね」
王太子の護衛なんだから、腕は立つはずだ。そんなのに辞められて大丈夫なんだろうか。
「辞めはせん。辞めれば会えなくなるからな」
それって、誰に・・・って私ですよね。マジ、ストーカーですか。規制法作って下さい!取り締まってくださいっ!
「魔王が来るかどうかは分からんが、クリムゾン国のことは多少頭に入れておけ」
ビクビクしている私など意にも介さず、父様は何もなかったように、話を戻して締めくくった。
いや、おかしいでしょ。なんで、ストーカー話ぶっこんだの?
ムカムカする気持ちがおさまらない私は、王女らしからぬ所作で、目の前の紅茶のカップを掴むと、一気にそれを飲み干した。
・・・父様にかけたりはしませんよ。後が怖いですからね。ムカムカしてても、そのくらいの危機管理能力はありますよ。
私は、読みかけの本を棚に戻すと、クリムゾン国の記述のある本を探す。
私の誕生日まで、後10日。頭に入るだけ、入れといたほうがいいだろう。
ため息をつきながら、私は分厚い背表紙の書物を取り出した。
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