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その頃のイザヴェリ公爵家《イザヴェリ公爵視点》
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「それで、モーリス王家の動きはどうなっている?」
私は執事長のリンクから、モーリス王家に関する報告を受けている。
ガラティア王国にルーナを送って行くのに同行したのは、ルーナのことをガラティア王族に頼むためだ。
ルーナはフィリップ王子との婚約を避けるために、ガラティアへの留学を希望した。
ルーナが何故そう望んだのかはわからないが、愛娘が望むなら、それを叶えるのが親の役目だ。
そのために1番有効なのが、ガラティア王国王太子殿下との婚約だ。
ソル・ガラティア王太子殿下が優秀なことは、モーリス王国にも伝わっていた。
だからといって、ルーナに政略結婚を強要するつもりはない。
だが、とりあえず彼との婚約を結んでおけば、フィリップ王太子との婚約は避けられる。
その申し込みをするために王家へと向かった。
身分が下の、他国の公爵が、王族のしかも王太子に婚約を申し込む。
不敬だと言われても仕方ないことだ。
だが、私を迎えてくれたガラティア王国国王陛下も、王太子殿下も、快く婚約の申し込みを受けてくれた。
どうやらルーナの契約精霊は、王国にとって重要な存在らしい。
詳しくは話せないことらしいが、そのことがあってソル王太子殿下はルーナのことを知っていたようだ。
国王陛下が仰るには、ソル殿下はルーナの絵姿を見て一目惚れされたそうだ。
こちらから申し込んだ婚約だというのに、ソル殿下は自分でルーナに申し込み、ルーナが了承しない限りは婚約を強要しないとおっしゃった。
彼は、誰よりもルーナの気持ちを大切にしてくれる。その気持ちが有難かった。
ガラティア国王陛下は、もしルーナが婚約を拒否しても仮の婚約者として周囲には発表し、ルーナを守ってくれると誓ってくれた。
結果として、ルーナはソル殿下と婚約することを望んだ。
これでモーリス王国が諦めればいいが、おそらくは何かの行動を起こすだろう。
モーリス王国は魔力持ちを、どうしても手に入れたがっている。
そのため、リンクにはモーリス王家の動きを監視しておくように伝えていた。
我がイザヴェリ公爵家には、他家よりも優秀な使用人たちが多く存在する。
リンクは法律関係をはじめとする情報処理能力に長け、リンクの妻のマミアは情報収集能力に長けている。
2人の娘のマナとミナは、武術全般に長けている。だからこそ、ルーナの専属侍女として常に共に行動させた。
マミアたちが集めてきたモーリス王家の動きは、我がイザヴェリ公爵家を敵に回すもので、想像はしていたが呆れをもたらすものであった。
私は執事長のリンクから、モーリス王家に関する報告を受けている。
ガラティア王国にルーナを送って行くのに同行したのは、ルーナのことをガラティア王族に頼むためだ。
ルーナはフィリップ王子との婚約を避けるために、ガラティアへの留学を希望した。
ルーナが何故そう望んだのかはわからないが、愛娘が望むなら、それを叶えるのが親の役目だ。
そのために1番有効なのが、ガラティア王国王太子殿下との婚約だ。
ソル・ガラティア王太子殿下が優秀なことは、モーリス王国にも伝わっていた。
だからといって、ルーナに政略結婚を強要するつもりはない。
だが、とりあえず彼との婚約を結んでおけば、フィリップ王太子との婚約は避けられる。
その申し込みをするために王家へと向かった。
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不敬だと言われても仕方ないことだ。
だが、私を迎えてくれたガラティア王国国王陛下も、王太子殿下も、快く婚約の申し込みを受けてくれた。
どうやらルーナの契約精霊は、王国にとって重要な存在らしい。
詳しくは話せないことらしいが、そのことがあってソル王太子殿下はルーナのことを知っていたようだ。
国王陛下が仰るには、ソル殿下はルーナの絵姿を見て一目惚れされたそうだ。
こちらから申し込んだ婚約だというのに、ソル殿下は自分でルーナに申し込み、ルーナが了承しない限りは婚約を強要しないとおっしゃった。
彼は、誰よりもルーナの気持ちを大切にしてくれる。その気持ちが有難かった。
ガラティア国王陛下は、もしルーナが婚約を拒否しても仮の婚約者として周囲には発表し、ルーナを守ってくれると誓ってくれた。
結果として、ルーナはソル殿下と婚約することを望んだ。
これでモーリス王国が諦めればいいが、おそらくは何かの行動を起こすだろう。
モーリス王国は魔力持ちを、どうしても手に入れたがっている。
そのため、リンクにはモーリス王家の動きを監視しておくように伝えていた。
我がイザヴェリ公爵家には、他家よりも優秀な使用人たちが多く存在する。
リンクは法律関係をはじめとする情報処理能力に長け、リンクの妻のマミアは情報収集能力に長けている。
2人の娘のマナとミナは、武術全般に長けている。だからこそ、ルーナの専属侍女として常に共に行動させた。
マミアたちが集めてきたモーリス王家の動きは、我がイザヴェリ公爵家を敵に回すもので、想像はしていたが呆れをもたらすものであった。
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