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やってきたのは?

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 翌日ー
寮の監督者の方から、面会があると言われました。
 外部からの面会は、基本的にはできないことになっているそうですが、今はまだ入寮準備中ということで、特別に許可がおりたみたいですわ。

 お礼を言って急いで入口に向かった私とミナの前にいたのは、お父様でした。

 は?
何故、お父様がまだガラティア王国にいますの?ガラティア王国の国王陛下に拝謁を賜った後、モーリス王国にお帰りになったはずでは?

「お父様・・・どうしてまだここにいますの?」

 だって、お父様は内緒でガラティア王国に来たのだと言ってましたわ。
 お父様はモーリス王国の宰相をお務めになられています。そんな方が、無断で他国に行っているなんて、大問題だと思うのですが。

「うん?大丈夫、大丈夫。今日、ちゃんと帰るから。ガラティア王国の国王陛下が転移魔法を使ってくれるって言うから、用が終わればすぐに帰るよ」

 用・・・ですか?それに、国王陛下は転移魔法をお使いになることができますの?
 すごいですわ。
私、シン様と契約しましたけど、どんな魔法が使えるのかしら?

「さて、ルーナ。約束の時間に遅れるから、説明は馬車の中でするよ。行こうか」

 お父様に促され、馬車に乗ります。
確かに約束の時間に遅れるのは良くないですわ。
 ですが、どなたとお約束していて、どこへ向かうのでしょうか?

 馬車が向かったのは、ガラティア王国王都の中央にそびえ立つ城でした。
 多くの尖塔を持ち、荘厳でいてかつ美しさを備えた城に向かった馬車は、そのまま城門を通り過ぎます。

 お父様の手を借りて馬車から降りた私は、目の前の建物を見上げました。

「お父様・・・ここって王城ですわよね」

「うん。そうだね」

「そうだねじゃありませんわ。どうして説明する前にお城に着いてしまいますの?馬車の中で説明するっておっしゃいましたわよね?」

 確かに学園から王城まで、馬車で10分もかかりませんでしたけど。
 10分もあれば、どこに行くかくらい言えましたわよね?

「えー、だって王城に国王陛下に拝謁を賜りに行くって言ったら、ルーナ行かないって言いそうだから」

 言いそうだからじゃありませんわ。
どうして私が、国王陛下に拝謁を賜らなければなりませんの?

 いきなり連れてこられて、私・・・ドレスだって普段着ですのよ。

「せめて前もって伝えて下さいませ。こんな普段着のドレスで拝謁など・・・不敬ですわ」

「大丈夫だよ。ルーナは可愛いから」

「お父様・・・嫌いになりましてよ?」

「ごっ、ごめん!陛下には私が無理矢理連れてきたって説明するから!ルーナの評判に傷がつくようなことにはしないから!」

 お父様が平謝りです。
そんな私たちの元に、騎士の方が近づいてきました。
 親子喧嘩はこのあたりで終了ですわね。

 
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