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月の精霊王の愛し子《アルビナ視点》
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ソルに月の精霊王の愛し子について聞かれたけど、本当のことを話すことはできなかった。
まさか、シンの愛し子が他国の王太子の婚約者になっていて、しかも5度もその男によって殺されているなんて。
シンと私は、対の存在。
お互いがお互いでなくては駄目で、他の相手なんか考えることなんかできない。
だから、シンが苦しんでいるのを見て、私は自分のことのように苦しかった。
どうして神様は、今回は対である愛し子を他国のご令嬢なんかにしたの?
今までは、ずっとガラティア王国に生まれていたのに。
ガラティア王国に生まれれば、生を受けた時から精霊の存在を感じることができる。
物心つけば、すぐに契約できたのに。
契約していない愛し子の元へ、シンが行くことは出来ない。
そして契約していないから、愛し子は月の精霊王の力を使うことが出来ない。
そのために、命を落とす愛し子を、シンは何度も何度も苦しんで、そして時を巻き戻した。
時の巻き戻しは、シン1人ではできない。同じ神の力を授かった私と力を合わせることで、初めて実現する。
なのに、何度巻き戻しても愛し子が殺される運命を変えることができない。
5度目を終える時、私は意を決してソルに力を貸してくれるように頼んだ。
自分の対となる女性が、他国の王太子と婚約していること。
そして、彼に殺されることを告げた。
自分の愛し子に、そんな酷い現実を突き付けたくなかった。
だから、私は今まではソルには何も告げずにいた。
だけど、もうあんなに苦しそうなシンを見るのは辛かった。
彼自身が心を壊して死んでしまうんじゃないか、そう思えた。
だから、ソルに頼んだ。
力を貸して欲しいと。
第3者が加われば、もしかしたら違う結末を迎えれるかもしれない。
藁にもすがる思いだった。
そして、ソルの力も加えての巻き戻りの6回目。シンの愛し子がガラティアにやって来た!
今までと違う展開に、私とシン、そしてソルは心から安堵した。
ガラティア王国に来さえすれば、契約出来る。契約さえすれば、もしあの人間が愛し子に手出ししようとしても助けることができる。
それに、ソルはこのガラティア王国の王太子だから、ソルと婚約関係になれば、ガラティア王国としても守ることができる。
やっと。やっと、違う未来を選ぶことができた。
こんなことなら、ソルに悲しい思いをさせるけど、早く力を貸してもらえば良かった。
『アルビナのおかげだよ。ありがとう』
そう思って謝った私に、シンは優しくそう言ってくれた。
絶対に、ソルとルーナ、そしてシンのことは、私が守ってみせる。
まさか、シンの愛し子が他国の王太子の婚約者になっていて、しかも5度もその男によって殺されているなんて。
シンと私は、対の存在。
お互いがお互いでなくては駄目で、他の相手なんか考えることなんかできない。
だから、シンが苦しんでいるのを見て、私は自分のことのように苦しかった。
どうして神様は、今回は対である愛し子を他国のご令嬢なんかにしたの?
今までは、ずっとガラティア王国に生まれていたのに。
ガラティア王国に生まれれば、生を受けた時から精霊の存在を感じることができる。
物心つけば、すぐに契約できたのに。
契約していない愛し子の元へ、シンが行くことは出来ない。
そして契約していないから、愛し子は月の精霊王の力を使うことが出来ない。
そのために、命を落とす愛し子を、シンは何度も何度も苦しんで、そして時を巻き戻した。
時の巻き戻しは、シン1人ではできない。同じ神の力を授かった私と力を合わせることで、初めて実現する。
なのに、何度巻き戻しても愛し子が殺される運命を変えることができない。
5度目を終える時、私は意を決してソルに力を貸してくれるように頼んだ。
自分の対となる女性が、他国の王太子と婚約していること。
そして、彼に殺されることを告げた。
自分の愛し子に、そんな酷い現実を突き付けたくなかった。
だから、私は今まではソルには何も告げずにいた。
だけど、もうあんなに苦しそうなシンを見るのは辛かった。
彼自身が心を壊して死んでしまうんじゃないか、そう思えた。
だから、ソルに頼んだ。
力を貸して欲しいと。
第3者が加われば、もしかしたら違う結末を迎えれるかもしれない。
藁にもすがる思いだった。
そして、ソルの力も加えての巻き戻りの6回目。シンの愛し子がガラティアにやって来た!
今までと違う展開に、私とシン、そしてソルは心から安堵した。
ガラティア王国に来さえすれば、契約出来る。契約さえすれば、もしあの人間が愛し子に手出ししようとしても助けることができる。
それに、ソルはこのガラティア王国の王太子だから、ソルと婚約関係になれば、ガラティア王国としても守ることができる。
やっと。やっと、違う未来を選ぶことができた。
こんなことなら、ソルに悲しい思いをさせるけど、早く力を貸してもらえば良かった。
『アルビナのおかげだよ。ありがとう』
そう思って謝った私に、シンは優しくそう言ってくれた。
絶対に、ソルとルーナ、そしてシンのことは、私が守ってみせる。
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