逆行令嬢は何度でも繰り返す〜もう貴方との未来はいらない〜

みおな

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国王陛下の提案《イザヴェリ公爵視点》

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 どうしても、ルーナを王室に欲しいのだろう。
 国王陛下はしばらく悩んだ後、1つの提案を口にした。

「ルーナ嬢の留学は許可しよう。ただし、13歳になればモーリス王国に戻り、こちらの学園に通うこと。そして、ガラティア王国では婚約者を作らないことが条件だ」

 実質2年間のみ、留学を許可するということか。
 それに婚約者を作るなねぇ・・・
まぁ、フィリップ王子は魔力がないから、ガラティアの学園には入学できないからな。

「かしこまりました。留学期間は2年ですね。ですが、婚約者云々に関しては承諾致しかねます。私も妻も、ルーナが望む相手と添い遂げて欲しいと思っておりますので。我々が率先して婚約者を捜したりはしませんが、ルーナ自身が望む相手を見つけた場合は、婚約を許可するつもりです」

 ルーナはあの時に、はっきりと言った。
王族との婚約を結びたくないと。

 現在、モーリス王国の王族でルーナと婚約者になれるのは、フィリップ王子だけだ。
 ルーナはフィリップ王子と会ったことはない。だから、彼自身を嫌っているというよりは、王家に嫁ぎたくないのだろう。

 それならば、それを回避するためにも、ガラティアで誰かと婚約すれば良いと思っている。

「い、イザヴェリ・・・」

「陛下。それでも駄目だとおっしゃるなら、我が爵位は返却いたしますが?」

 別に爵位にはこだわっていない。家族に苦労をかけたくないとは思うが、そのためにルーナに嫌な思いをさせたのでは本末転倒だ。

 ガラティア王国にでも行けば、子爵か男爵位くらいなら貰える程度の仕事はできるつもりだし、モーリス王国にこだわりもない。

 私がそう考えていることを知っているから、陛下は顔を青くしていた。

「い、いや・・・分かった。み、認めるから出て行かんでくれ」

「かしこまりました。では、ルーナには2年間のみガラティアに留学することを認めると伝えましょう」

 陛下はがっくりと肩を落としていたが、これ以上言い募っても悪手にしかならないと理解しているのだろう。何も言わなかった。

 2年かー
ガラティアの魔法学園は全寮制だから、たとえ一緒にガラティアに赴いても、共に暮らすことはできない。

 仕方ない。長期の休みに戻って来てくれるのを楽しみにするしかないか。

 それに、離れるのは寂しいが、ルーナがガラティア王国に行って精霊と契約することに関しては、賛成だ。

 だが、やっぱり寂しい。
陛下が約束を違えたら、いっそのことガラティア王国に移住するのもいいかもしれない。

 どうせルーナが嫁に行ったら、後継もいない公爵家だ。
 イザヴェリ公爵家は、陛下が私を国に縛りつけるために与えられた爵位だからな。







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