私のことはお気になさらず

みおな

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妹と家族

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「お姉様」

 その声に振り返ると、頬を膨らませた妹の姿があった。

 あら、可愛い。

 うちの妹は、本当に可愛い。

 私と同じピンク色の髪だけど、私が真っ直ぐなのと違って、ふわふわと柔らかく弧を描いている。

 同じピンク色の瞳はくりくりとしていて、控えめに言っても天使だと思う。

 そんな妹、リリア・ブルームは現在十三歳。

 このリーデンス王国の王太子殿下の婚約者である。

 ついでに、我がブルーム侯爵家の家族を紹介しておこう。

 まずは、侯爵家当主である父、アルフレッド・ブルーム。年齢は四十歳。

 濃い紫色の髪と瞳をした、まぁ色が茶色なら森のクマさんみたいな容姿だけど、優しくて頼り甲斐のある父だ。

 母は、セイラ・ブルーム。三十八歳。

 ピンク色の髪と瞳をした、年齢不詳の可愛らしい人だ。

 いつも笑顔を浮かべている母が、我が家では一番怖い人だと私は思っている。

 私の四歳年上の兄、ロイ・ブルームは父と同じ紫色の瞳を持ち、同色の髪を背中まで伸ばしたクマさん二号だ。

 父のおおらかさと、母の底知れない闇?を兼ね備えた、未来有望な侯爵家嫡男である。

 我が家は家族仲が良く、お祖父様お祖母様のことも両親は大切にしているけど、最近は私の婚約者にケレス様を選んだことだけは兄も妹も不満に思っているらしい。

「なぁに?リリア」

「お姉様、を放置のままでよろしいの?いくら、お祖母様の親友の孫だからって、わたくし納得がいきませんわ!」

「そうね。あの二人が婚約すればいいのにね。前公爵夫人と仲がよろしくないみたいだから、言えないのかしらね」

「もう!お姉様ってば、他人事みたいに」

 頬を膨らませるリリアが可愛くて、思わずそのリスのような頬を指で突いてみる。

「ぴゃ」

「可愛いわね、リリアは。私のことを気遣ってくれてありがとう。でも、私は彼らのことは全く気にしていないからいいのよ」

「お姉様・・・」

 本当に、ケレス様のことも、カバヤン伯爵令嬢様のことも気にしていない。

 貴族として政略結婚は仕方ないとは思っているけど、ケレス様と結婚したいとはカケラも思っていない。

 だから、そのうちどうにか解消したいとは考えてるけど、それでもお父様とお母様が嫁げとおっしゃったら、嫁ぐわ。

 それにリリアは王太子殿下に嫁ぐことになるから、リリアの婚姻に影を落とすような真似はしたくないのよね。

 あ。お兄様は結婚されているわ。

 お優しくてとてもお綺麗なお義姉様よ。

 あのクマさんなお兄様には、もったいないような方で、本当、美女と野獣ってお兄様夫婦のことを言うんだと思うわ。
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