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第四十九話 純粋な嫉妬
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彼女の口から語られる言葉は、私に強い衝撃を与えました。
聖女様が二人いらっしゃったことも驚きですが、なによりもこのお方が口にした、悪魔という言葉が気になって仕方がありません。
「せっかくのお客さんだし、ゆっくり話してもいいか? なるべくわかりやすいように、かみ砕いて説明すっからよ」
「ぜひお願いします」
「そうこなくっちゃな。遥か昔、この世界では大きな戦争が起こったことは知っているか?」
「歴史の勉強で、学んだことがあります」
この国が作られる前、世界では領土や食料、そして労働力を求めて、大きな戦争があったそうです。その戦争で多くの犠牲者が出てしまいましたが、聖女様や他の国の王族が和解をして、戦争を終わらせたと記憶しています。
「その戦争で、世界は面倒な問題を抱えちまったのは知ってるか?」
「問題?」
「瘴気のことさ」
瘴気と戦争に繋がりがある? 一体どういうことなのでしょうか?
「瘴気ってのは、簡単に言うと人間の怒りや憎悪といった、負の感情から生まれるものだ。先の大戦で多くの人間が巻き込まれ、負の感情が世界に積もりに積もった結果、瘴気が生まれたってわけだ」
「瘴気とは、そうやって生まれたのですか? 全然知らなかったです」
「そりゃ、各国の王族は瘴気について秘密にしたからな。自分達の負の心で発生した現象よりも、突然発生した謎の現象の方が、団結して瘴気に立ち向かえると思ったらしい。素直に話した方が楽だと、あたしは思うんだけどなぁ」
いつの時代も、真実というのは闇に葬られる運命なのかしら……彼女の言う通り、素直に話した方が良いと、私も思いますわ。
「その瘴気に対抗できる力である、聖女の力を持っていたあたしと姉貴――黒の聖女は、誰もが平穏に暮らせる地を作りたくて、荒れ果てた土地の瘴気を浄化し、国を作った。それがこの国というわけだ」
「聖女の力……あなた方は、どうして聖女の力を持っていたのですか?」
「聖女の力ってのは、本来は純粋な心を持った人間が会得できる、光魔法のことなんだ。今の時代には、光魔法の一種である治癒魔法や結界魔法が、聖女の魔法として伝わってるってことだ」
自分は聖女として色々と教会で勉強をしたつもりでしたが、力の本質は光魔法だということは、教えてもらえませんでした。
長い時間が経つと、こういった情報も正しく伝わらず、ねじ曲がった内容が後世に残されてしまうのですね。なんだか……とても悲しいです。
「平和な国を作ったあたし達は、民からとても慕われる存在になった。姉貴やあたしはその国で平和に過ごし、子供にも恵まれた。そんな中、少しずつ民に変化があった」
「変化……?」
「姉貴が国のために、今の王家がやるような仕事をしてる中、あたしは民達を見守り、困っていたら助ける仕事をしていた。そうしていたら、段々と民があたしのことを親しく接してくれるようになったんだ」
まあ、それはとても素晴らしいことですわ。きっと当時の方々は、彼女がそばにいてとても心強かったでしょうね。
「だが、それが姉貴には気に食わなかったんだ。だから、姉貴はあたしを騙して、自分で作ったこの空間に連れて来て、あたしをここに封印し、監視者の使命を与えた」
「どうしてそんな酷いことを……!?」
「姉貴は、自分が国を作ったんだから、自分が一番愛されるべきなのに、お前が一番なのはおかしい……そんなことを言っていたよ」
要するに、嫉妬ということですよね? 女性の嫉妬は怖いとはよく言いますが、だからといって、妹をこんな所に封印するだなんて、信じられません。
「あたしを封印した姉貴が、純粋な心を持ってるってのも、不思議な話だと思わないか? 姉貴の胸の奥にあった一番純粋な気持ちってのは、自分が一番愛されたいというものだ。愛されたい気持ちは、悪とは言えないだろう?」
「それはそうですが、だからといってあなたを封印するだなんて、度が過ぎる行為ですわ……私には許せません」
「あはは、そうかそうか。さすがあたしの子孫!」
「子孫……もしかして、さきほどの子供に恵まれたというのは……」
「ああ。サーシャが聖女の力を使えるのは、あたしの遠い子孫だからだ」
そうか、だから初めて彼女を拝見した時に、懐かしさを感じたのですね。相手が遠い親戚のお方でしたら、その感覚にも納得できますわ。
「まだ続きがあってな。あたしを封印した後、姉貴はあたしが闇魔法に手を出して、悪魔に堕ちたと嘘の情報を流してな。その悪魔は自分の子供にも力を分け与えたとも言いだした」
「そ、それでは赤い目を持っていると、悪魔の子と呼ばれているのは……」
「そう、それが真相だ。サーシャは悪魔なんかではない。姉貴によって生み出された嘘の犠牲者なだけだ。あたし達のことに巻き込んでしまって、すまなかった」
彼女は何も悪くない。だって、彼女はただ、民のために頑張っただけなのですから。
「あ、頭を上げてください! そして、これを見てください!」
私はヘアピンを使って、ずっと隠していた赤い目を外界に晒しました。
この話を聞いて、悪魔というのはただの嘘で、むしろ赤い目は赤の聖女様の力を受け継いだ証だというではありませんか。
それなら、隠す必要はありません。最初は驚かれるでしょうが。これはもう一人の聖女の力だと言ってまわります。信じてはもらえないでしょうが……諦めずに!
「それを出して良いのか? 今まで以上に、悪魔の子と恐れられることになる」
「構いませんわ。あなたのお話を聞いて、この目は隠すものではなく、誇りに思うものだとわかりましたから」
「サーシャ……」
彼女は一瞬だけ驚いた表情を浮かべましたが、すぐに頬を緩めると、小さくありがとうと仰ってくださいました。
「それで、封印されたあとは、ここでなにをされてたんですか?」
「姉貴に監視者の使命を押し付けられてから、ただ世界を見ながら、記録をする日々さ。だから、サーシャが今大変なのも知っている」
「ご存じでしたら、私に試練を与えてください! そして、合格したら新たな力を授けてください」
「ああ、そのために呼んだんだからな。合格したら、あたし直伝の魔法をプレゼントだ!」
「ありがとうございます! それで、試練の内容は? 私、どんなものでも大丈夫です!」
「いいねぇ! そういう真っ直ぐなところ、あたしそっくりだな!」
ご先祖様にそう言っていただけると、とても嬉しくて、つい頬が緩んでしまいますわ。
「あたしの試練は簡単だ。ただ質問に答えるだけだ」
「質問?」
「これからあたしは、サーシャに直伝の魔法を与える条件を示す。条件とは……力を得る代わりに、この世界の全てがレナードと同じ症状になり、命を落とす。得なければ、レナードは死ぬが、世界中の人間は助かる」
「えっ……!?」
う、嘘でしょう……? これって、私にレナード様の命か、世界中の方々の命を選べってこと……!?
聖女様が二人いらっしゃったことも驚きですが、なによりもこのお方が口にした、悪魔という言葉が気になって仕方がありません。
「せっかくのお客さんだし、ゆっくり話してもいいか? なるべくわかりやすいように、かみ砕いて説明すっからよ」
「ぜひお願いします」
「そうこなくっちゃな。遥か昔、この世界では大きな戦争が起こったことは知っているか?」
「歴史の勉強で、学んだことがあります」
この国が作られる前、世界では領土や食料、そして労働力を求めて、大きな戦争があったそうです。その戦争で多くの犠牲者が出てしまいましたが、聖女様や他の国の王族が和解をして、戦争を終わらせたと記憶しています。
「その戦争で、世界は面倒な問題を抱えちまったのは知ってるか?」
「問題?」
「瘴気のことさ」
瘴気と戦争に繋がりがある? 一体どういうことなのでしょうか?
「瘴気ってのは、簡単に言うと人間の怒りや憎悪といった、負の感情から生まれるものだ。先の大戦で多くの人間が巻き込まれ、負の感情が世界に積もりに積もった結果、瘴気が生まれたってわけだ」
「瘴気とは、そうやって生まれたのですか? 全然知らなかったです」
「そりゃ、各国の王族は瘴気について秘密にしたからな。自分達の負の心で発生した現象よりも、突然発生した謎の現象の方が、団結して瘴気に立ち向かえると思ったらしい。素直に話した方が楽だと、あたしは思うんだけどなぁ」
いつの時代も、真実というのは闇に葬られる運命なのかしら……彼女の言う通り、素直に話した方が良いと、私も思いますわ。
「その瘴気に対抗できる力である、聖女の力を持っていたあたしと姉貴――黒の聖女は、誰もが平穏に暮らせる地を作りたくて、荒れ果てた土地の瘴気を浄化し、国を作った。それがこの国というわけだ」
「聖女の力……あなた方は、どうして聖女の力を持っていたのですか?」
「聖女の力ってのは、本来は純粋な心を持った人間が会得できる、光魔法のことなんだ。今の時代には、光魔法の一種である治癒魔法や結界魔法が、聖女の魔法として伝わってるってことだ」
自分は聖女として色々と教会で勉強をしたつもりでしたが、力の本質は光魔法だということは、教えてもらえませんでした。
長い時間が経つと、こういった情報も正しく伝わらず、ねじ曲がった内容が後世に残されてしまうのですね。なんだか……とても悲しいです。
「平和な国を作ったあたし達は、民からとても慕われる存在になった。姉貴やあたしはその国で平和に過ごし、子供にも恵まれた。そんな中、少しずつ民に変化があった」
「変化……?」
「姉貴が国のために、今の王家がやるような仕事をしてる中、あたしは民達を見守り、困っていたら助ける仕事をしていた。そうしていたら、段々と民があたしのことを親しく接してくれるようになったんだ」
まあ、それはとても素晴らしいことですわ。きっと当時の方々は、彼女がそばにいてとても心強かったでしょうね。
「だが、それが姉貴には気に食わなかったんだ。だから、姉貴はあたしを騙して、自分で作ったこの空間に連れて来て、あたしをここに封印し、監視者の使命を与えた」
「どうしてそんな酷いことを……!?」
「姉貴は、自分が国を作ったんだから、自分が一番愛されるべきなのに、お前が一番なのはおかしい……そんなことを言っていたよ」
要するに、嫉妬ということですよね? 女性の嫉妬は怖いとはよく言いますが、だからといって、妹をこんな所に封印するだなんて、信じられません。
「あたしを封印した姉貴が、純粋な心を持ってるってのも、不思議な話だと思わないか? 姉貴の胸の奥にあった一番純粋な気持ちってのは、自分が一番愛されたいというものだ。愛されたい気持ちは、悪とは言えないだろう?」
「それはそうですが、だからといってあなたを封印するだなんて、度が過ぎる行為ですわ……私には許せません」
「あはは、そうかそうか。さすがあたしの子孫!」
「子孫……もしかして、さきほどの子供に恵まれたというのは……」
「ああ。サーシャが聖女の力を使えるのは、あたしの遠い子孫だからだ」
そうか、だから初めて彼女を拝見した時に、懐かしさを感じたのですね。相手が遠い親戚のお方でしたら、その感覚にも納得できますわ。
「まだ続きがあってな。あたしを封印した後、姉貴はあたしが闇魔法に手を出して、悪魔に堕ちたと嘘の情報を流してな。その悪魔は自分の子供にも力を分け与えたとも言いだした」
「そ、それでは赤い目を持っていると、悪魔の子と呼ばれているのは……」
「そう、それが真相だ。サーシャは悪魔なんかではない。姉貴によって生み出された嘘の犠牲者なだけだ。あたし達のことに巻き込んでしまって、すまなかった」
彼女は何も悪くない。だって、彼女はただ、民のために頑張っただけなのですから。
「あ、頭を上げてください! そして、これを見てください!」
私はヘアピンを使って、ずっと隠していた赤い目を外界に晒しました。
この話を聞いて、悪魔というのはただの嘘で、むしろ赤い目は赤の聖女様の力を受け継いだ証だというではありませんか。
それなら、隠す必要はありません。最初は驚かれるでしょうが。これはもう一人の聖女の力だと言ってまわります。信じてはもらえないでしょうが……諦めずに!
「それを出して良いのか? 今まで以上に、悪魔の子と恐れられることになる」
「構いませんわ。あなたのお話を聞いて、この目は隠すものではなく、誇りに思うものだとわかりましたから」
「サーシャ……」
彼女は一瞬だけ驚いた表情を浮かべましたが、すぐに頬を緩めると、小さくありがとうと仰ってくださいました。
「それで、封印されたあとは、ここでなにをされてたんですか?」
「姉貴に監視者の使命を押し付けられてから、ただ世界を見ながら、記録をする日々さ。だから、サーシャが今大変なのも知っている」
「ご存じでしたら、私に試練を与えてください! そして、合格したら新たな力を授けてください」
「ああ、そのために呼んだんだからな。合格したら、あたし直伝の魔法をプレゼントだ!」
「ありがとうございます! それで、試練の内容は? 私、どんなものでも大丈夫です!」
「いいねぇ! そういう真っ直ぐなところ、あたしそっくりだな!」
ご先祖様にそう言っていただけると、とても嬉しくて、つい頬が緩んでしまいますわ。
「あたしの試練は簡単だ。ただ質問に答えるだけだ」
「質問?」
「これからあたしは、サーシャに直伝の魔法を与える条件を示す。条件とは……力を得る代わりに、この世界の全てがレナードと同じ症状になり、命を落とす。得なければ、レナードは死ぬが、世界中の人間は助かる」
「えっ……!?」
う、嘘でしょう……? これって、私にレナード様の命か、世界中の方々の命を選べってこと……!?
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