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第九話 私はこれからも聖女として
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「待たせたな、サーシャ!」
「ふわぁ~……!!」
すぐに戻られたレナード様と共に部屋の中に運ばれたものは、色とりどりのスイーツの山でした。
色々な種類のケーキにクッキー、マカロン、他にも色々……先程の食事もそうでしたが、なんの話もせずに来た私をもてなすために、こんなに早く用意していただけるなんて、驚きですわ。
「あ、あのあの……こ、これいただいてもよろしいのでしょうか……!?」
「もちろん! 君のために用意したのだからね!」
レナード様のお姿を拝見した時とは少し違う胸の高鳴りと共に、喉が無意識に学ってと鳴りました。
お、落ち着かなきゃ……一度にたくさん食べたらはしたないですわ。ゆっくりと、少しずつ……。
「こ、これは……!?」
手始めにケーキを口に運んだ瞬間、まるで上品な甘さに思い切り殴られたかのような、とてつもない衝撃に襲われました。
こんなおいしいものが、この世に存在していただなんて、信じられませんわ! あまりにも感動しすぎて……これ以上自分を抑えきれません!
「あむっ! もぐもぐ……ん~~~~!!」
先に用意してもらった食事をいただいて、お腹はいっぱいになっていたはずなのに、我を忘れてデザートを食べる。食べる。食べる。
一口にケーキと言っても、甘さが強かったり控えめだったり、酸味があったりと、色々な味を楽しめますわ! クッキーもマカロンもおいしすぎて、手が止まりません!
「ふふっ、おいしいかい?」
「おいしい……おいしいです……わ、私……幸せですわ……!」
一度でいいから、甘いものをお腹いっぱい食べてみたいというのが、私の密かな夢でした。それを、こんな形で実現できるなんて……今まで苦労したご褒美が、今日一日に凝縮されすぎていて、これが夢と言われた方がしっくりくるくらいです。
「君がこんなに甘いものが好きだったのは、全然知らなかったな。誰も取らないから、ゆっくり食べるといいよ。せっかくおいしいのに、喉に詰まらせては大変だ」
「……はっ……」
レナード様にゆっくりと言われて、自分が一心不乱に食べていることに気づきました。
それと同時に、いつの間にか半分以上無くなっているデザートを見て、一瞬にして体から血の気が引いていくのを感じました。
わ、私……レナード様の前でガツガツと食べて、なんてはしたない……! それに、確か甘いものを食べ過ぎると体に良くない上に、太ってしまうと聞いたことがあります。
せっかくレナード様が、ずっと私のことを愛してくださっていたのに、甘いものを食べ過ぎて太ってしまったら、レナード様が嫌がるかもしれません。
それ以前に、品の欠片も無い食べ方を見せてしまったことで、嫌われてしまったかもしれません。
「も、申し訳ございませんでした……!」
「えっ? サーシャ、急にどうしたんだ?」
「私……おいしそうなデザートを前にして、こんなに品の無い食べ方をしてしまいました……それに、一度にこんなに食べてしまったせいで、太ってしまうかも……それでレナード様が不快な思いをするかもと思ったら、私……!」
裾をぎゅと握りながら、顔を俯かせていると、私の頭にポンっと何かが乗り、優しく撫で始めた。
「あはははっ! なんだ、そんなことを気にしていたのかい? 別に気にせずに、好きなように食べるといい! それに、俺の愛を甘く見ないでくれよ? 俺はサーシャがどんな体型になろうと、変わらず愛するから心配ない!」
「れ、レナード様……」
そうやって、なるべく私に責任を感じさせないようにして……本当に、このレナード様はお優しい方なのですね。ますます好きになってしまいますわ……。
……なんて思っていたら、急に満腹感が一気に押し寄せてきました。お、お腹が苦しい……!
「今日はこの辺にしておいた方がいいね」
「は、はい……」
今後食べる機会があったら、少し控えめにしておきましょう。そうじゃないと、本当に甘いものの食べ過ぎで、病気になってしまいますわ。
「さて、食事も済んだことだし、入浴の準備が出来るまで、今後の話をしようか」
「今後、ですか?」
「ああ。本当なら、今すぐにでも結婚をしたい。だが、俺は今年で二十歳だが、確かサーシャはまだ十七歳だろう?」
「仰る通りです」
この国の法律では、結婚は男女ともに十八歳以上じゃないと出来ませんの。だから、いくらレナード様が私を愛してくれていたとしても、まだ結婚することは出来ません。
「……どうして私の歳をご存じなのですか?」
「幼い頃の君が、俺に教えてくれたんだよ。それを覚えていて、計算しただけさ」
「そんなことまで、覚えていてくださったのですね」
「当然さ。君に関することで忘れたことは、一つもないよ」
……こんなに私のことを覚えていてくださっているのに、私はレナード様と過ごした時のことを、全然覚えていないだなんて……自分が嫌いになりそうですわ。
「話を戻そう。これからは婚約者としてこの屋敷に住んで、今まで大変だった分、ゆっくり過ごしてほしい」
「わ、私がこの屋敷に!?」
「そうだよ。俺達は将来的に結婚するのだから、今から一緒に住んでもおかしくないだろう? ああ、事前に義父上に連絡をして、許可は貰っているから、心配はいらないよ」
レナード様の言う通り、結婚すれば一緒に住むのだから、今からでもそれはおかしくはありません。
しかし、一点だけ許可をいただかないといけないことがございますの。
「お気持ちは大変嬉しいですし、私もあなたと一緒に過ごしたいです。ですが、一つだけワガママを言わせてもらえませんか?」
「なんだい?」
「ご存じの通り、私は国のお抱えの聖女の座を引きずり降ろされました。しかし、引きずり降ろされた今でも、聖女として多くの人を助けたいと思っているのです。なので、ここでゆっくり過ごすことは難しいです」
「サーシャ……」
どんな状況に陥っても、レナード様と再会できても、私の誓いが終わることはございません。これからも、身を粉にして苦しんでいる人を助けなければ。
「サーシャ……俺は、俺は今猛烈に感動している!!
「れ、レナード様?」
「どんな状況に陥っても、聖女としての使命を果たす! ああ、それこそ俺が愛したサーシャじゃないか! 本当に君の考えは素晴らしいよ!」
私のことを全肯定してくださったレナード様は、私のことを強く抱きしめた。
「君がそうしたいのなら、俺も君を愛する未来の夫として、力を貸させてほしい! 君のように誰かを治療することはできないが、助手くらいは出来るだろう!」
「助手って……よろしいのですか?」
「ああ! むしろ、俺の方からお願いさせてくれ! どうしても家の都合で手伝えないこともあるだろうが……君と一緒に民を苦しみから解放し、そして君を守ると誓おう!」
レナード様の申し出は、とてもありがたいものです。治療をする際には、私の魔法だけがあればいいわけじゃない。熱がある患者は冷やさないといけないし、凍傷だったら温めるなど、やることはいっぱいございます。
それを手伝ってもらえるのは、とても嬉しいです!
それと……その、最後の部分なのですが……まるで私の騎士様? 王子様? みたいで……ときめいてしまいますわ。
「失礼します。ご入浴の準備が出来ました」
「わかった、ありがとう。それじゃあ綺麗になっておいで」
「はい、ありがとうございます」
「……いや、待て……ただでさえ綺麗なサーシャが、より綺麗になったら……俺は生命を維持できるのか……!?」
「あ、あはは……失礼します」
ブツブツと凄いことを喋っているレナード様に苦笑いをしつつ、私は先程来た女性の使用人に連れられて、浴場へとやってきた。
体を洗うなんて、水さえあれば十分……そう思ってた私の前には、大の字で寝転んでも余裕がある大浴場と、数人の使用人が準備をしていました。
「我々でお体を綺麗にさせていただきます」
「え、えぇ……??」
経験したことのない大浴場に、私を洗ってくれる方々……何から何まで現実離れしすぎですわ……そろそろ、非現実的なことの積み重ねで、倒れてしまいそう……が、頑張って耐えないと! こんなところで倒れてたら、大事になってしまいますもの!
「ふわぁ~……!!」
すぐに戻られたレナード様と共に部屋の中に運ばれたものは、色とりどりのスイーツの山でした。
色々な種類のケーキにクッキー、マカロン、他にも色々……先程の食事もそうでしたが、なんの話もせずに来た私をもてなすために、こんなに早く用意していただけるなんて、驚きですわ。
「あ、あのあの……こ、これいただいてもよろしいのでしょうか……!?」
「もちろん! 君のために用意したのだからね!」
レナード様のお姿を拝見した時とは少し違う胸の高鳴りと共に、喉が無意識に学ってと鳴りました。
お、落ち着かなきゃ……一度にたくさん食べたらはしたないですわ。ゆっくりと、少しずつ……。
「こ、これは……!?」
手始めにケーキを口に運んだ瞬間、まるで上品な甘さに思い切り殴られたかのような、とてつもない衝撃に襲われました。
こんなおいしいものが、この世に存在していただなんて、信じられませんわ! あまりにも感動しすぎて……これ以上自分を抑えきれません!
「あむっ! もぐもぐ……ん~~~~!!」
先に用意してもらった食事をいただいて、お腹はいっぱいになっていたはずなのに、我を忘れてデザートを食べる。食べる。食べる。
一口にケーキと言っても、甘さが強かったり控えめだったり、酸味があったりと、色々な味を楽しめますわ! クッキーもマカロンもおいしすぎて、手が止まりません!
「ふふっ、おいしいかい?」
「おいしい……おいしいです……わ、私……幸せですわ……!」
一度でいいから、甘いものをお腹いっぱい食べてみたいというのが、私の密かな夢でした。それを、こんな形で実現できるなんて……今まで苦労したご褒美が、今日一日に凝縮されすぎていて、これが夢と言われた方がしっくりくるくらいです。
「君がこんなに甘いものが好きだったのは、全然知らなかったな。誰も取らないから、ゆっくり食べるといいよ。せっかくおいしいのに、喉に詰まらせては大変だ」
「……はっ……」
レナード様にゆっくりと言われて、自分が一心不乱に食べていることに気づきました。
それと同時に、いつの間にか半分以上無くなっているデザートを見て、一瞬にして体から血の気が引いていくのを感じました。
わ、私……レナード様の前でガツガツと食べて、なんてはしたない……! それに、確か甘いものを食べ過ぎると体に良くない上に、太ってしまうと聞いたことがあります。
せっかくレナード様が、ずっと私のことを愛してくださっていたのに、甘いものを食べ過ぎて太ってしまったら、レナード様が嫌がるかもしれません。
それ以前に、品の欠片も無い食べ方を見せてしまったことで、嫌われてしまったかもしれません。
「も、申し訳ございませんでした……!」
「えっ? サーシャ、急にどうしたんだ?」
「私……おいしそうなデザートを前にして、こんなに品の無い食べ方をしてしまいました……それに、一度にこんなに食べてしまったせいで、太ってしまうかも……それでレナード様が不快な思いをするかもと思ったら、私……!」
裾をぎゅと握りながら、顔を俯かせていると、私の頭にポンっと何かが乗り、優しく撫で始めた。
「あはははっ! なんだ、そんなことを気にしていたのかい? 別に気にせずに、好きなように食べるといい! それに、俺の愛を甘く見ないでくれよ? 俺はサーシャがどんな体型になろうと、変わらず愛するから心配ない!」
「れ、レナード様……」
そうやって、なるべく私に責任を感じさせないようにして……本当に、このレナード様はお優しい方なのですね。ますます好きになってしまいますわ……。
……なんて思っていたら、急に満腹感が一気に押し寄せてきました。お、お腹が苦しい……!
「今日はこの辺にしておいた方がいいね」
「は、はい……」
今後食べる機会があったら、少し控えめにしておきましょう。そうじゃないと、本当に甘いものの食べ過ぎで、病気になってしまいますわ。
「さて、食事も済んだことだし、入浴の準備が出来るまで、今後の話をしようか」
「今後、ですか?」
「ああ。本当なら、今すぐにでも結婚をしたい。だが、俺は今年で二十歳だが、確かサーシャはまだ十七歳だろう?」
「仰る通りです」
この国の法律では、結婚は男女ともに十八歳以上じゃないと出来ませんの。だから、いくらレナード様が私を愛してくれていたとしても、まだ結婚することは出来ません。
「……どうして私の歳をご存じなのですか?」
「幼い頃の君が、俺に教えてくれたんだよ。それを覚えていて、計算しただけさ」
「そんなことまで、覚えていてくださったのですね」
「当然さ。君に関することで忘れたことは、一つもないよ」
……こんなに私のことを覚えていてくださっているのに、私はレナード様と過ごした時のことを、全然覚えていないだなんて……自分が嫌いになりそうですわ。
「話を戻そう。これからは婚約者としてこの屋敷に住んで、今まで大変だった分、ゆっくり過ごしてほしい」
「わ、私がこの屋敷に!?」
「そうだよ。俺達は将来的に結婚するのだから、今から一緒に住んでもおかしくないだろう? ああ、事前に義父上に連絡をして、許可は貰っているから、心配はいらないよ」
レナード様の言う通り、結婚すれば一緒に住むのだから、今からでもそれはおかしくはありません。
しかし、一点だけ許可をいただかないといけないことがございますの。
「お気持ちは大変嬉しいですし、私もあなたと一緒に過ごしたいです。ですが、一つだけワガママを言わせてもらえませんか?」
「なんだい?」
「ご存じの通り、私は国のお抱えの聖女の座を引きずり降ろされました。しかし、引きずり降ろされた今でも、聖女として多くの人を助けたいと思っているのです。なので、ここでゆっくり過ごすことは難しいです」
「サーシャ……」
どんな状況に陥っても、レナード様と再会できても、私の誓いが終わることはございません。これからも、身を粉にして苦しんでいる人を助けなければ。
「サーシャ……俺は、俺は今猛烈に感動している!!
「れ、レナード様?」
「どんな状況に陥っても、聖女としての使命を果たす! ああ、それこそ俺が愛したサーシャじゃないか! 本当に君の考えは素晴らしいよ!」
私のことを全肯定してくださったレナード様は、私のことを強く抱きしめた。
「君がそうしたいのなら、俺も君を愛する未来の夫として、力を貸させてほしい! 君のように誰かを治療することはできないが、助手くらいは出来るだろう!」
「助手って……よろしいのですか?」
「ああ! むしろ、俺の方からお願いさせてくれ! どうしても家の都合で手伝えないこともあるだろうが……君と一緒に民を苦しみから解放し、そして君を守ると誓おう!」
レナード様の申し出は、とてもありがたいものです。治療をする際には、私の魔法だけがあればいいわけじゃない。熱がある患者は冷やさないといけないし、凍傷だったら温めるなど、やることはいっぱいございます。
それを手伝ってもらえるのは、とても嬉しいです!
それと……その、最後の部分なのですが……まるで私の騎士様? 王子様? みたいで……ときめいてしまいますわ。
「失礼します。ご入浴の準備が出来ました」
「わかった、ありがとう。それじゃあ綺麗になっておいで」
「はい、ありがとうございます」
「……いや、待て……ただでさえ綺麗なサーシャが、より綺麗になったら……俺は生命を維持できるのか……!?」
「あ、あはは……失礼します」
ブツブツと凄いことを喋っているレナード様に苦笑いをしつつ、私は先程来た女性の使用人に連れられて、浴場へとやってきた。
体を洗うなんて、水さえあれば十分……そう思ってた私の前には、大の字で寝転んでも余裕がある大浴場と、数人の使用人が準備をしていました。
「我々でお体を綺麗にさせていただきます」
「え、えぇ……??」
経験したことのない大浴場に、私を洗ってくれる方々……何から何まで現実離れしすぎですわ……そろそろ、非現実的なことの積み重ねで、倒れてしまいそう……が、頑張って耐えないと! こんなところで倒れてたら、大事になってしまいますもの!
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