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第五話 万が一に備えて
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「……よし、これでもう大丈夫ですわよ」
「ありがとう、サーシャお姉ちゃん!」
私の治療を受けた小さな女の子は、無邪気な笑顔を私に向けてから、元気よく走り去っていった。
うんうん、やっぱり子供はああやって元気なのが一番ですわ。さっきまで調子が悪くてぐったりしていたのが嘘みたい。
「悪いな嬢ちゃん、ここに来てから働きっぱなしで疲れただろう?」
「いえ、お構いなく、ゴウ様。聖女として苦しんでいる人を助けるのは、当然ですから」
「そう言ってもらえると、村長として助かるぜ」
先程の女の子を心配して様子を見に来た、いかにもガラの悪そうなおじさまであるゴウ様に、なるべく疲れを見せないように笑ってみせた。
――どうして私が、こんな所で治療をしているのか。
実は、屋敷を出た日の翌朝、人のいる場所を探してあても無く歩いていたら、小さな村を発見しましたの。
ここに住んでいる方々は、毎日の食事すらままならなく、聖女の治療どころか、普通のお医者様の治療を受けることすら叶わないくらい貧しいそうです。そのせいで、どんどんと過疎化が進んでいってしまい、さらに貧困が進んでしまっているようです。
私が突然来た時は、この目も相まって、とても警戒されましたが、苦しんでいる村人を助けたくて、ゴウ様に誠実にお願いをいたしました。
その甲斐があり、順番に治療をさせていただいたら、皆様にとても感謝をされて……どこに行っても悪魔の子と呼ばれる私を、受け入れてくださったんですの。
治療のお礼だって仰って、私の寝床を用意してくださったり、少ない食料を分けてくださったり……私は見返りを求めているわけではないので、初めは丁重にお断りしたのですが、押し切られてしまいました。
「そんなことを言って、随分お疲れみたいじゃねえか。お前さんのおかげで、さっきのチビを最後に、この一帯の病人はいなくなったからよ」
「まあ、それは本当ですか? 皆様元気になられて、本当に良かったです!」
私が始めて来た時よりも、皆様の笑顔が増えているのは、全員が元気になったからでしたか。うふふ、聖女としてこれほど嬉しいことはありませんわ!
「にしても、数日前はよそ者……それも聖女の力と、赤い目を持つ人間が来た時は、驚いたもんだぜ」
「その節は、お騒がせして申し訳ございませんでしたわ。色々と事情がありまして」
「まあ別に、俺達の命の恩人が何者かとか、悪魔の子とかなんて、どうでもいーさ」
私のこの目のせいで、村から追い出されたりとか、下手したら私を排除しようと、暴力沙汰になっていてもおかしくないのに、今では誰も目のことなんて気にしません。それがとてもありがたいですわ。
「むしろ俺達からしたら、何もしてくれない国の方が、よっぽど悪魔だぜ」
「あ、あはは……」
「おーい! サーシャちゃーん! どこにいるー!?」
「あ、はーい! 私はここにおりますわー!」
ゴウ様に言われた通り、少し休もうと思った矢先、少し裏返ってしまっている男性の声が聞こえて参りました。
「ぜー……ぜー……」
「どうかされましたか? もしかして、どこか具合が?」
「さっき、畑で採れた野菜を町に売りに行った時に、こんなものを見つけたんだよ!」
「……え、これって……私?」
彼が見せてくれたものは、国を守る騎士団が作っている、行方不明者の捜索願の紙だった。それには、ご丁寧に私の似顔絵や名前、特徴が書いてある。
お義父様ったら……聖女の座を追われた私なんて、無理に連れ戻しても何の意味もないと思っていたのに、まさかこんな大事にしてまで私を連れ戻そうとするなんて……あら、よく見たら……。
「依頼人は、メルヴェイ家じゃなくて……クラージュ家??」
クラージュ家って、確か男爵の爵位を持つ家で、この国の領地の中でも、随分と辺鄙なところを領地に持つ家でしたわね。何度か参加した社交界で、家長を務めるお方と、そのご子息とお会いしたことがございます。
しかし、メルヴェイ家とクラージュ家は、繋がりが全くない家同士なので、知っていることもほとんどありません。
唯一知っていることは、領地についてと、家長のご子息が、私に対してとても冷たいお方だということだけですわ。
そんな彼らが、どうして私の捜索を……?
「どこかのお嬢様だとは思ってたけど、貴族に探されてるのを知った時は、オレ驚いちまったよ!」
「とりあえずお前は落ち着けや。嬢ちゃん、こいつらと知り合いなのか?」
「クラージュ家に関しては、存じてはおりますが……知り合いかと聞かれると……何とも言えませんわ」
「マジかよ。そんな連中が、どうして嬢ちゃんを探してんだ?」
「皆目見当もつきません。ですが、わざわざ私を探しているということは……もしかしたら、私の助けを必要としているのかもしれませんわ」
「ひょえ~!? まさかサーシャちゃん、こいつらの所に行くつもりかい!?」
捜索願を持ってきてくれた彼に向けて、私は深く頷いてみせる。
クラージュ家の方々が、どうして私を探しているのかはわかりません。もしかしたら、メルヴェイ家と結託して私を連れ戻そうとしている可能性もありますが……彼らが苦しんでいるかもしれないという、万が一の可能性も捨てきれません。
「やれやれ、危ない匂いしかしねーけどな。まあ嬢ちゃんがそう言うなら、俺達は止めないけどよ。んで、いつ出発するんだ?」
「すぐにでも向かおうと思っております。治療は時間との勝負ですので。では、私は失礼いたします。皆様に、大変お世話になりましたとお伝えしておいてくださいませ」
私は踵を返して歩きだそうとすると、お二人に待てと止められてしまいましたわ。
「おいおい、村の連中にちゃんと挨拶もしないで行っちまうのか?」
「きっと、みんなサーシャちゃんにお礼を言いたいはずだって!」
「ご挨拶をしたい気持ちは山々なのですが……お待たせするわけにはまいりませんので」
少しだけ冷たい雰囲気を醸し出しながら、お二人を突っぱねるように言葉を紡ぐ。
本当は、皆様一人一人にご挨拶と、この三日間お世話になったお礼をしたいです。
しかし、彼らはとてもお優しいお方ばかり……きっと別れる前に、お礼として私に色々な事をしてくださったり、渡したりしてくださるでしょう。
そのお気持ちはとても嬉しいのですが、自分達の生活が苦しい中、これ以上私に費やして、自分達の生活を余計に苦しくさせてしまうのが、とても心苦しいのです。
「わかった、俺が責任をもって連中に伝えておくぜ。それと、この三日間の礼として、クラージュ家の近くまで送ってってやるよ」
「え、そんなの申し訳ありませんわ」
「気にすんなって! そもそも、ここからクラージュ家の領地はかなり距離があるぜ? それに、行き方自体もわかってんのか?」
「それは……その……」
ゴウ様にあまりにも痛いところを突かれてしまい、言葉を詰まらせてしまいました。
私は無一文なので、移動手段は徒歩しかありませんので、遠ければ時間は当然かかりますし、クラージュ家にお邪魔したことがないので、場所がどこなのかわかりません。
「決まりだな。ほれ、さっさと行くぞ!」
「……ありがとうございます」
ゴウ様の好意をありがたく受け取ろうと決めた私は、彼の家でお世話をされている馬の所に向かいました。
我が家でお世話をしていた馬よりも、がっしりとした素晴らしい馬ですわね。
「どうだ、立派だろ? こいつには色々運んでもらわないといけないから、世話はしっかりしてんのさ。ささっ、早く乗りな!」
「の、乗るって……私、馬に乗ったことがないので、どうすれば……」
「無いのか? 乗馬なんて、貴族なら誰でもやってると思ってたんだがな」
普通の貴族ならそうかもしれませんけど、私は一般の方々よりも、酷い生活をしてましたので、乗馬の機会なんて……とは言えるはずもなく、ただ笑って誤魔化すことしか出来ませんでした。
「まあいいや。それならいつも荷物を乗せる荷台に乗りな。馬だけで行くよりも遅くなるだろうし、馬車に比べれば乗り心地は悪いだろうが、歩いて行くよりかはマシだろうよ」
「わざわざありがとうございます」
ゴウ様はそう仰ってから、手際よく準備をしてくれた。それを邪魔にならないように見届けてから、荷台に乗って村を出発しました。
――三日間、お世話になりました。願わくは、もう二度と私の力など必要が無いように、皆様が健やかな生活を送れますように……。
「ありがとう、サーシャお姉ちゃん!」
私の治療を受けた小さな女の子は、無邪気な笑顔を私に向けてから、元気よく走り去っていった。
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ここに住んでいる方々は、毎日の食事すらままならなく、聖女の治療どころか、普通のお医者様の治療を受けることすら叶わないくらい貧しいそうです。そのせいで、どんどんと過疎化が進んでいってしまい、さらに貧困が進んでしまっているようです。
私が突然来た時は、この目も相まって、とても警戒されましたが、苦しんでいる村人を助けたくて、ゴウ様に誠実にお願いをいたしました。
その甲斐があり、順番に治療をさせていただいたら、皆様にとても感謝をされて……どこに行っても悪魔の子と呼ばれる私を、受け入れてくださったんですの。
治療のお礼だって仰って、私の寝床を用意してくださったり、少ない食料を分けてくださったり……私は見返りを求めているわけではないので、初めは丁重にお断りしたのですが、押し切られてしまいました。
「そんなことを言って、随分お疲れみたいじゃねえか。お前さんのおかげで、さっきのチビを最後に、この一帯の病人はいなくなったからよ」
「まあ、それは本当ですか? 皆様元気になられて、本当に良かったです!」
私が始めて来た時よりも、皆様の笑顔が増えているのは、全員が元気になったからでしたか。うふふ、聖女としてこれほど嬉しいことはありませんわ!
「にしても、数日前はよそ者……それも聖女の力と、赤い目を持つ人間が来た時は、驚いたもんだぜ」
「その節は、お騒がせして申し訳ございませんでしたわ。色々と事情がありまして」
「まあ別に、俺達の命の恩人が何者かとか、悪魔の子とかなんて、どうでもいーさ」
私のこの目のせいで、村から追い出されたりとか、下手したら私を排除しようと、暴力沙汰になっていてもおかしくないのに、今では誰も目のことなんて気にしません。それがとてもありがたいですわ。
「むしろ俺達からしたら、何もしてくれない国の方が、よっぽど悪魔だぜ」
「あ、あはは……」
「おーい! サーシャちゃーん! どこにいるー!?」
「あ、はーい! 私はここにおりますわー!」
ゴウ様に言われた通り、少し休もうと思った矢先、少し裏返ってしまっている男性の声が聞こえて参りました。
「ぜー……ぜー……」
「どうかされましたか? もしかして、どこか具合が?」
「さっき、畑で採れた野菜を町に売りに行った時に、こんなものを見つけたんだよ!」
「……え、これって……私?」
彼が見せてくれたものは、国を守る騎士団が作っている、行方不明者の捜索願の紙だった。それには、ご丁寧に私の似顔絵や名前、特徴が書いてある。
お義父様ったら……聖女の座を追われた私なんて、無理に連れ戻しても何の意味もないと思っていたのに、まさかこんな大事にしてまで私を連れ戻そうとするなんて……あら、よく見たら……。
「依頼人は、メルヴェイ家じゃなくて……クラージュ家??」
クラージュ家って、確か男爵の爵位を持つ家で、この国の領地の中でも、随分と辺鄙なところを領地に持つ家でしたわね。何度か参加した社交界で、家長を務めるお方と、そのご子息とお会いしたことがございます。
しかし、メルヴェイ家とクラージュ家は、繋がりが全くない家同士なので、知っていることもほとんどありません。
唯一知っていることは、領地についてと、家長のご子息が、私に対してとても冷たいお方だということだけですわ。
そんな彼らが、どうして私の捜索を……?
「どこかのお嬢様だとは思ってたけど、貴族に探されてるのを知った時は、オレ驚いちまったよ!」
「とりあえずお前は落ち着けや。嬢ちゃん、こいつらと知り合いなのか?」
「クラージュ家に関しては、存じてはおりますが……知り合いかと聞かれると……何とも言えませんわ」
「マジかよ。そんな連中が、どうして嬢ちゃんを探してんだ?」
「皆目見当もつきません。ですが、わざわざ私を探しているということは……もしかしたら、私の助けを必要としているのかもしれませんわ」
「ひょえ~!? まさかサーシャちゃん、こいつらの所に行くつもりかい!?」
捜索願を持ってきてくれた彼に向けて、私は深く頷いてみせる。
クラージュ家の方々が、どうして私を探しているのかはわかりません。もしかしたら、メルヴェイ家と結託して私を連れ戻そうとしている可能性もありますが……彼らが苦しんでいるかもしれないという、万が一の可能性も捨てきれません。
「やれやれ、危ない匂いしかしねーけどな。まあ嬢ちゃんがそう言うなら、俺達は止めないけどよ。んで、いつ出発するんだ?」
「すぐにでも向かおうと思っております。治療は時間との勝負ですので。では、私は失礼いたします。皆様に、大変お世話になりましたとお伝えしておいてくださいませ」
私は踵を返して歩きだそうとすると、お二人に待てと止められてしまいましたわ。
「おいおい、村の連中にちゃんと挨拶もしないで行っちまうのか?」
「きっと、みんなサーシャちゃんにお礼を言いたいはずだって!」
「ご挨拶をしたい気持ちは山々なのですが……お待たせするわけにはまいりませんので」
少しだけ冷たい雰囲気を醸し出しながら、お二人を突っぱねるように言葉を紡ぐ。
本当は、皆様一人一人にご挨拶と、この三日間お世話になったお礼をしたいです。
しかし、彼らはとてもお優しいお方ばかり……きっと別れる前に、お礼として私に色々な事をしてくださったり、渡したりしてくださるでしょう。
そのお気持ちはとても嬉しいのですが、自分達の生活が苦しい中、これ以上私に費やして、自分達の生活を余計に苦しくさせてしまうのが、とても心苦しいのです。
「わかった、俺が責任をもって連中に伝えておくぜ。それと、この三日間の礼として、クラージュ家の近くまで送ってってやるよ」
「え、そんなの申し訳ありませんわ」
「気にすんなって! そもそも、ここからクラージュ家の領地はかなり距離があるぜ? それに、行き方自体もわかってんのか?」
「それは……その……」
ゴウ様にあまりにも痛いところを突かれてしまい、言葉を詰まらせてしまいました。
私は無一文なので、移動手段は徒歩しかありませんので、遠ければ時間は当然かかりますし、クラージュ家にお邪魔したことがないので、場所がどこなのかわかりません。
「決まりだな。ほれ、さっさと行くぞ!」
「……ありがとうございます」
ゴウ様の好意をありがたく受け取ろうと決めた私は、彼の家でお世話をされている馬の所に向かいました。
我が家でお世話をしていた馬よりも、がっしりとした素晴らしい馬ですわね。
「どうだ、立派だろ? こいつには色々運んでもらわないといけないから、世話はしっかりしてんのさ。ささっ、早く乗りな!」
「の、乗るって……私、馬に乗ったことがないので、どうすれば……」
「無いのか? 乗馬なんて、貴族なら誰でもやってると思ってたんだがな」
普通の貴族ならそうかもしれませんけど、私は一般の方々よりも、酷い生活をしてましたので、乗馬の機会なんて……とは言えるはずもなく、ただ笑って誤魔化すことしか出来ませんでした。
「まあいいや。それならいつも荷物を乗せる荷台に乗りな。馬だけで行くよりも遅くなるだろうし、馬車に比べれば乗り心地は悪いだろうが、歩いて行くよりかはマシだろうよ」
「わざわざありがとうございます」
ゴウ様はそう仰ってから、手際よく準備をしてくれた。それを邪魔にならないように見届けてから、荷台に乗って村を出発しました。
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