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第百八話 完成
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目を覚ますとそこは精霊の世界ではなく、アンデルクのお城にある、私の部屋だった。
どうやら無事に帰れたみたいね……うっ、まだ症状は完全に収まっていないようね。高熱で頭がフラフラしてるし、体中がかゆい。
でも、クレシオン様が言うには、石化病はかなり弱体化しているとのことだから、私が症状を抑えるために作っていた薬が、治療に使えるはずだ。
「早速試してみよう……」
私は、既に聖女の力が付与されている解熱剤を飲み、かゆみ止めの塗り薬を体中に塗ってみる。すると、驚く程症状は改善していった。
やった……これなら治せる! 私の薬で、みんなを助けられる!
「オーウェン様、薬が出来ましたよ!」
「…………」
ダメだ、精霊様の世界では元気そうだったけど、あれはあくまで精神体だったからこそだ。今のオーウェン様の体は石化病に蝕まれたままだから、目を覚まさないのだろう。
早く薬を飲ませないと……でも、どうすれば……。
「……は、恥ずかしがっててもダメよね。オーウェン様、失礼します」
以前船酔いの薬を飲ませた時のように、私は飲み薬を口に含むと、オーウェン様にキスをして、口移しで薬を飲ませた。あとは塗り薬をして……これでよし!
「……うっ……ここは……」
「オーウェン様! 良かった……治ったんです! 石化病が!」
「石化病が? 言われてみれば、かゆみも高熱も無い……そうか、クレシオン殿が言っていた、病の力が弱まるというのが働いたのか!」
「はい! これで……アンデルクは救われる!」
あまりの嬉しさに涙をこぼしていると、オーウェン様が私を優しく抱きしめてくれた。そして、そのままの状態で、私だけにしか聞こえないくらい小さな声で、耳打ちをしてきた。
「喜んでばかりもいられない。この先、きっとカーティスはエリンを独占と石化病の特効薬を独占するだろう」
「えっ? でも、薬は民に配るって……」
「本当にすると思うか?」
「うっ……正直に言わせてもらえるなら、全然思えないです」
「そこでだ。俺に作戦がある。いいか――」
オーウェン様は、この先どうすればいいかの作戦を、私にこっそりと教えてくれた。
その内容は、あまりにも単純だが、効果は絶大だろう。下手したら、国家を揺るがすくらいの事件になりかねない。
「俺としては、このままカーティスが玉座に座っている限り、国を腐らせる可能性は大きい。だから、今のうちに処理しておいた方がいいだろう」
「ず、随分な言いようですね……」
「間違っていないと思うが。とにかく、薬をもってカーティスの所に向かおう」
「その前に、お祈りだけいいですか?」
「ああ、わかった」
私はオーウェン様に許可をいただいてから、隣の部屋にある精霊様……いいえ、クレシオン様の像の前で、両膝をついた。
クレシオン様、アンデルクを作っていただき、ありがとうございます。石化病も、何とかなりそうです。私の力なんて、たかが知れてるけど、少しでも多くクレシオン様のことを民に広め、感謝の気持ちをお伝えできればと思っています――
「……ふう」
「終わったのか?」
「はい。行きましょう!」
石化病の薬を持てるだけ持って部屋を出ると、部屋の前で倒れている兵士の人を発見した。
いや、それどころじゃない。あちこちに石化病で倒れ、苦しんでいる人がいる! 私達が倒れている間に、こんなに広がっていたなんて!
「オーウェン様、手分けして治療しましょう! やり方は……オーウェン様なら大丈夫ですよね?」
「問題ない。これでもアトレの助手として活動してきたからな」
頼りになるオーウェン様に、他の患者をお任せして、急いで別の患者の元に向かって治療薬を与えると、すぐに顔色が良くなってくれた。
「エリン様……これは、聖女の薬ですか……?」
「はい。元凶を何とかしたので、あとは私の作る薬があれば、皆治ります!」
「な、なんと……! もう死ぬしか無いと思っていたのに……!」
倒れていた兵士は、自分を含めて立ち上がった人達を見て、感極まって涙を流した。
無理もない、こんな正体不明の病気が爆発的に流行って、治す方法もなかったのだから、不安で仕方がなかっただろうし。
「オーウェン様の方は……」
あ、腕で大きな丸を作って、大丈夫だとアピールしているわね。なんだかとても可愛らしいかも……って、何を呑気なことを考えてるのよ!
「とりあえず、この辺りはもう患者はいないようだ。さあ、空の所へ行こう!」
「はい!」
私とオーウェン様は手を繋いで廊下をすすみ、途中で倒れている石化病患者を治療しつつ進んでいると、すぐにカーティス様の部屋までやってきた。その隣には、以前いなかったバネッサの姿もある。
「失礼します。石化病の薬が完成しました!」
「おぉ……そうか……はやく、バネッサに……」
遠目からでもわかる。バネッサは今まさに限界を迎えようとしていることが。急いで薬を飲ませて、体の方も塗らないと……。
「貴様、それは以前の薬だろう……!」
「これで治るんです!」
「ふざけるな! 治らなかったら極刑にするぞ!」
「黙って見ていてください!」
治療薬の投与を終わらせると、バネッサはすぐに目を覚ました。まだ状況がつかめていないのか、周りの状況を確認している。
「ここは……?」
「目を覚ました……!? あぁ、愛するわが妻……君が無事で、僕は天にも昇る気分だよ……!」
「カーティス様? 私は一体……?」
「君は例の病のせいで、ずっと意識が無かったんだよ!」
相手は憎むべき相手ではあるけど、こうして目の前で命が助かったのを見ると、無事に助けられて良かったと思っちゃうわ。
「早く、僕にも薬を寄こせ!」
「はい、すぐに投薬します」
「うむ……おお! 体がかゆくない!? 熱も下がった! さすが聖女の薬は違うな!」
同じ薬をカーティス様にも投薬すると、見違えるように元気になった。腕をブンブンと振り回して、その元気さをアピールしている。
「それで、この薬はまだあるのか?」
「まだ少し、私の部屋にあります」
「ならそれを全て寄こせ! そして早く同じものを作れ! もちろん、死ぬまでな!」
「今、なんと……?」
「貴様の耳は腐ってるのか!? ここで! 一生! 薬作り!!」
さすがにそこまで細かく言われなくても、ちゃんと伝わっている。
やっぱりこの展開になるわよね……半分くらいは予想通りだ。あとは、残りの半分も当たってるかの確認をしよう。
「作った薬は、どうするんですか? 配るんですか?」
「バカが、市民がどうなろうと知ったことではない。僕らさえいれば、国を作るなど容易いからな!」
「…………」
「体調が良くなったおかげか、異様に体を動かしたい気分ですわ。カーティス様、回復祝いとして、その薬を高く売って得たお金で楽しみましょう」
「おお、それはいいな!」
残りの半分も、無事に的中したみたい。ここまではオーウェン様の計画通りだ。あとは、作戦完了までオーウェン様とは別行動だ。
それにしても、相変わらずカーティス様もバネッサも、人の上に立つ人間の発言とは思えないわね。聞いているだけでイライラしてくる。とりあえず落ち着こう……。
「すー……はー……」
よし、ほんの少しだけ落ち着いた。ここで怒らずに、作戦通りに動こう。
「あの、私がここに残る以上、薬屋としての活動は無期限休止ということになりますよね?」
「当然だ。なに、僕は優しいからな。その辺の手続きはしておいてやる」
「ありがとうございます。というわけでオーウェン様……しばらくはアトレを開けないので、ここで解散です」
「そうだな。薬が作れない俺は、国に帰ってのんびり生活しているよ」
「はい。良いですよね、カーティス様?」
「ふん、薬も作れない人間など興味はない! 今回は僕達を助かるのに貢献したから、殺さずに城を出してやる! ありがたく思え!」
「ありがとうございます。では、さようなら」
オーウェン様はそう言うと、既にまとめてある荷物を持って、どこか寂し気な雰囲気で去っていった。
これも作戦とはいえ……オーウェン様と離れ離れになるのがつらい……胸の奥に、ぽっかりと穴が開いたみたい。
「さあ、そうと決まれば作りまくってもらう。材料はこちらに任せておけ」
「今まで通りですね。わかりました」
せっかく大きな犠牲を払ってまで逃げだした城だったが、結局元の場所に戻ってきてしまった。
でも、今回は孤独だったあの時と違う。仮初の婚約者と友人、そしてハウレウだけという私の世界に、オーウェン様やココちゃん、ファファル、アルブ様……他にも沢山の人がいる。そして、空の上からは、お母さんもハウレウもジル様も見守ってくれている。
「うん、大丈夫……私は大丈夫」
オーウェン様、私……寂しいのを我慢して、ここでの仕事を遂行しますから……そちらは任せましたよ……!
どうやら無事に帰れたみたいね……うっ、まだ症状は完全に収まっていないようね。高熱で頭がフラフラしてるし、体中がかゆい。
でも、クレシオン様が言うには、石化病はかなり弱体化しているとのことだから、私が症状を抑えるために作っていた薬が、治療に使えるはずだ。
「早速試してみよう……」
私は、既に聖女の力が付与されている解熱剤を飲み、かゆみ止めの塗り薬を体中に塗ってみる。すると、驚く程症状は改善していった。
やった……これなら治せる! 私の薬で、みんなを助けられる!
「オーウェン様、薬が出来ましたよ!」
「…………」
ダメだ、精霊様の世界では元気そうだったけど、あれはあくまで精神体だったからこそだ。今のオーウェン様の体は石化病に蝕まれたままだから、目を覚まさないのだろう。
早く薬を飲ませないと……でも、どうすれば……。
「……は、恥ずかしがっててもダメよね。オーウェン様、失礼します」
以前船酔いの薬を飲ませた時のように、私は飲み薬を口に含むと、オーウェン様にキスをして、口移しで薬を飲ませた。あとは塗り薬をして……これでよし!
「……うっ……ここは……」
「オーウェン様! 良かった……治ったんです! 石化病が!」
「石化病が? 言われてみれば、かゆみも高熱も無い……そうか、クレシオン殿が言っていた、病の力が弱まるというのが働いたのか!」
「はい! これで……アンデルクは救われる!」
あまりの嬉しさに涙をこぼしていると、オーウェン様が私を優しく抱きしめてくれた。そして、そのままの状態で、私だけにしか聞こえないくらい小さな声で、耳打ちをしてきた。
「喜んでばかりもいられない。この先、きっとカーティスはエリンを独占と石化病の特効薬を独占するだろう」
「えっ? でも、薬は民に配るって……」
「本当にすると思うか?」
「うっ……正直に言わせてもらえるなら、全然思えないです」
「そこでだ。俺に作戦がある。いいか――」
オーウェン様は、この先どうすればいいかの作戦を、私にこっそりと教えてくれた。
その内容は、あまりにも単純だが、効果は絶大だろう。下手したら、国家を揺るがすくらいの事件になりかねない。
「俺としては、このままカーティスが玉座に座っている限り、国を腐らせる可能性は大きい。だから、今のうちに処理しておいた方がいいだろう」
「ず、随分な言いようですね……」
「間違っていないと思うが。とにかく、薬をもってカーティスの所に向かおう」
「その前に、お祈りだけいいですか?」
「ああ、わかった」
私はオーウェン様に許可をいただいてから、隣の部屋にある精霊様……いいえ、クレシオン様の像の前で、両膝をついた。
クレシオン様、アンデルクを作っていただき、ありがとうございます。石化病も、何とかなりそうです。私の力なんて、たかが知れてるけど、少しでも多くクレシオン様のことを民に広め、感謝の気持ちをお伝えできればと思っています――
「……ふう」
「終わったのか?」
「はい。行きましょう!」
石化病の薬を持てるだけ持って部屋を出ると、部屋の前で倒れている兵士の人を発見した。
いや、それどころじゃない。あちこちに石化病で倒れ、苦しんでいる人がいる! 私達が倒れている間に、こんなに広がっていたなんて!
「オーウェン様、手分けして治療しましょう! やり方は……オーウェン様なら大丈夫ですよね?」
「問題ない。これでもアトレの助手として活動してきたからな」
頼りになるオーウェン様に、他の患者をお任せして、急いで別の患者の元に向かって治療薬を与えると、すぐに顔色が良くなってくれた。
「エリン様……これは、聖女の薬ですか……?」
「はい。元凶を何とかしたので、あとは私の作る薬があれば、皆治ります!」
「な、なんと……! もう死ぬしか無いと思っていたのに……!」
倒れていた兵士は、自分を含めて立ち上がった人達を見て、感極まって涙を流した。
無理もない、こんな正体不明の病気が爆発的に流行って、治す方法もなかったのだから、不安で仕方がなかっただろうし。
「オーウェン様の方は……」
あ、腕で大きな丸を作って、大丈夫だとアピールしているわね。なんだかとても可愛らしいかも……って、何を呑気なことを考えてるのよ!
「とりあえず、この辺りはもう患者はいないようだ。さあ、空の所へ行こう!」
「はい!」
私とオーウェン様は手を繋いで廊下をすすみ、途中で倒れている石化病患者を治療しつつ進んでいると、すぐにカーティス様の部屋までやってきた。その隣には、以前いなかったバネッサの姿もある。
「失礼します。石化病の薬が完成しました!」
「おぉ……そうか……はやく、バネッサに……」
遠目からでもわかる。バネッサは今まさに限界を迎えようとしていることが。急いで薬を飲ませて、体の方も塗らないと……。
「貴様、それは以前の薬だろう……!」
「これで治るんです!」
「ふざけるな! 治らなかったら極刑にするぞ!」
「黙って見ていてください!」
治療薬の投与を終わらせると、バネッサはすぐに目を覚ました。まだ状況がつかめていないのか、周りの状況を確認している。
「ここは……?」
「目を覚ました……!? あぁ、愛するわが妻……君が無事で、僕は天にも昇る気分だよ……!」
「カーティス様? 私は一体……?」
「君は例の病のせいで、ずっと意識が無かったんだよ!」
相手は憎むべき相手ではあるけど、こうして目の前で命が助かったのを見ると、無事に助けられて良かったと思っちゃうわ。
「早く、僕にも薬を寄こせ!」
「はい、すぐに投薬します」
「うむ……おお! 体がかゆくない!? 熱も下がった! さすが聖女の薬は違うな!」
同じ薬をカーティス様にも投薬すると、見違えるように元気になった。腕をブンブンと振り回して、その元気さをアピールしている。
「それで、この薬はまだあるのか?」
「まだ少し、私の部屋にあります」
「ならそれを全て寄こせ! そして早く同じものを作れ! もちろん、死ぬまでな!」
「今、なんと……?」
「貴様の耳は腐ってるのか!? ここで! 一生! 薬作り!!」
さすがにそこまで細かく言われなくても、ちゃんと伝わっている。
やっぱりこの展開になるわよね……半分くらいは予想通りだ。あとは、残りの半分も当たってるかの確認をしよう。
「作った薬は、どうするんですか? 配るんですか?」
「バカが、市民がどうなろうと知ったことではない。僕らさえいれば、国を作るなど容易いからな!」
「…………」
「体調が良くなったおかげか、異様に体を動かしたい気分ですわ。カーティス様、回復祝いとして、その薬を高く売って得たお金で楽しみましょう」
「おお、それはいいな!」
残りの半分も、無事に的中したみたい。ここまではオーウェン様の計画通りだ。あとは、作戦完了までオーウェン様とは別行動だ。
それにしても、相変わらずカーティス様もバネッサも、人の上に立つ人間の発言とは思えないわね。聞いているだけでイライラしてくる。とりあえず落ち着こう……。
「すー……はー……」
よし、ほんの少しだけ落ち着いた。ここで怒らずに、作戦通りに動こう。
「あの、私がここに残る以上、薬屋としての活動は無期限休止ということになりますよね?」
「当然だ。なに、僕は優しいからな。その辺の手続きはしておいてやる」
「ありがとうございます。というわけでオーウェン様……しばらくはアトレを開けないので、ここで解散です」
「そうだな。薬が作れない俺は、国に帰ってのんびり生活しているよ」
「はい。良いですよね、カーティス様?」
「ふん、薬も作れない人間など興味はない! 今回は僕達を助かるのに貢献したから、殺さずに城を出してやる! ありがたく思え!」
「ありがとうございます。では、さようなら」
オーウェン様はそう言うと、既にまとめてある荷物を持って、どこか寂し気な雰囲気で去っていった。
これも作戦とはいえ……オーウェン様と離れ離れになるのがつらい……胸の奥に、ぽっかりと穴が開いたみたい。
「さあ、そうと決まれば作りまくってもらう。材料はこちらに任せておけ」
「今まで通りですね。わかりました」
せっかく大きな犠牲を払ってまで逃げだした城だったが、結局元の場所に戻ってきてしまった。
でも、今回は孤独だったあの時と違う。仮初の婚約者と友人、そしてハウレウだけという私の世界に、オーウェン様やココちゃん、ファファル、アルブ様……他にも沢山の人がいる。そして、空の上からは、お母さんもハウレウもジル様も見守ってくれている。
「うん、大丈夫……私は大丈夫」
オーウェン様、私……寂しいのを我慢して、ここでの仕事を遂行しますから……そちらは任せましたよ……!
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