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第六十八話 想いよ届け
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おかしい、私の薬の作り方は何も間違えていないはず。ちゃんと聖女の力も発動していた。なのに、どうして何の効果も無いの……!?
「くそっ、ダメなのかよ……!?」
「そ、そんなぁ……」
もう打つ手がないのか……そんな空気が私達の中で流れる中、ジュリィ様は精霊様の近くで膝をつき、強く祈り始めた。すると、ジュリィ様と精霊様の体が、白い光に包まれ始めた。
「あなたはこの森に必要なお方です。だから、どうか元気になってくださいませ……!」
ジュリィ様の言葉に呼応するように、光は段々と強くなっていく。
これは……ジュリィ様は聖女の力を使って、精霊様に助かってほしいと、強く想っているんだ。
これで元気になるのかは定かではない。でも、私だって聖女なんだから、祈ることは出来る。伊達に毎日精霊様に祈りを捧げさせられていたわけじゃない。
「精霊様、元気になってください……!」
聖女の力を使い、強い想いを精霊様に注いでいく。すると、ぐったりとしていた精霊様の手が、ほんの少しだけ動いた。
「反応があったな……みんな、俺達も祈ろう。きっと少しは役に立つはずだ!」
「了解です!」
私達に続いて、オーウェン様達も両手を組み、精霊様を助けるために祈り始める。その祈りは私達を通して強い光となり、精霊様を包み込む。
その光は、ほどなくして消えてしまったが……収まったのとほぼ同時に、精霊様はゆっくりと動き始めた。
「すごい、精霊様が治ったよ……! お薬が効いたのかな!?」
『……我ら精霊は、人間達の想いを力にするすることができる。消えかけていた我の命が、薬品によって繋ぎ止められていたところに加えて、汝達の純粋な想いが、我の体を復活させてくれたのだ。完全とは言えんがな』
想いと精霊様の間に、そんな関係があるなんて知らなかったわ……なんにせよ、薬も無事に効いてくれたみたいだし……これで精霊様はもう大丈夫だ。本当に……本当に良かった……!
「な、なあエリンさん、精霊は一体何を言っているんだ? オレらにもわかるように通訳してくれよ!」
『やれやれ、本当に人間は面倒な生き物だ……ふんっ!』
以前お話した時と同じ様に、精霊様は自分の葉っぱを落として、一枚ずつオーウェン様達に渡した。
『これで我の言葉がわかるだろう』
「わぁ!? 知らない人の声が聞こえる!」
『人間達よ、我を救ってくれたことには感謝する。だが、これ以上森を破壊することは、断じて許さぬ。その罪人を置いていけば、今回は見逃してやろう』
「じょ、冗談じゃねえよ! サラは何も悪くない! 本当に悪い奴は、別にいるんだ!」
ヨハンさんは、もうほとんど植物になってしまったサラ様を庇うように抱き抱えると、精霊様を睨みつけた。
『ほう、面白い冗談を言う人間だ。だが、その者が罪人だという話は、そこの人間が隣で聞いていただろう?』
「……ええ、確かに私は主の隣でその話を耳にしました。ですが、事実は異なります。全ての元凶は……グランディーゾ家の当主、エクシノなのです」
『なんだと? 我と契約を結んだグランディーゾ家の当主が、そのような蛮行を働くはずなど……』
「それが事実なのです。今から私がお話することは、この目で主が考え、行ったありのままの真実です」
私達を代表して、その目で実際に見て、実際に聞いてきたジュリィ様が、精霊様に詳しく説明をしてくれた。
『信じられない……だが、確かに汝の言っていることは辻褄が合う……』
相手が木だから、表情の変化で感情は読み取れないけど、声が少し動揺しているような印象を受けた。それと同時に、ジュリィ様の話を聞いて、嘘を言うなと怒っているような感じもしなかった。
『だが、その話を信じられる証拠があるのか?』
「…………」
『無いというのか?』
精霊様にジッと見つめられながら問われたジュリィ様は、素直に頷いて見せた。
『ふんっ、そこまでバカ正直に頷くとは面白い。よかろう、汝達のことを信じよう。そして……偽りの罪を着せてしまった人間の呪いを解こう』
そう言うと、再び精霊様の葉っぱがひらりと落ちて、サラ様の胸の上に乗った。すると、サラ様の体が緑色の光を帯び始めた。
その光は、サラ様に吸い込まれるように消えていくと、ほとんど植物になってしまったサラ様の体は、普通の人間の体に戻った。
「戻った……戻った! もう大丈夫なんだな!?」
『ああ。その人間は、もう植物になることはない』
「やったぞリリアーヌばあちゃん! もうサラは大丈夫だってよ!」
「……あぁ、良かった……本当に良かった……!」
「……うぅん……?」
ヨハンさんとリリアーヌ様が喜びに浸っていると、サラ様がゆっくりと目を開けて、体を自分で起こした。
私が初めてお会いした時には、既に自分で動くことは困難だった。でも、こうして目の前でちゃんと動けている姿を見て、本当に大丈夫なんだって確信した。
「あれ、私……ここはどこ?」
「サラ、気が付いたんだな!」
「ひゃあ!? よ、ヨハン君……急に抱きつかれたら、ビックリしちゃうよ」
「うぅ、サラ……」
「お婆ちゃん? どうしてそんなに泣いて……あれ、体がちゃんと動く? どうして……?」
『汝の呪いは、我が既に解いた』
「ひゃあぁぁぁ!? え、えぇ!? なんで精霊様が!?」
サラ様は、目の前に佇む精霊様に怯えてしまい、震えながらヨハンさんに力強く抱きついてしまった。
目を覚ましたら、自分を呪った相手が目の前にいたら、誰でもこうなってしまうわよね。
『サラといったな。騙されて汝を罪人と決めつけて苦しめたこと、心より詫びさせてほしい』
「……? なんか唸り声のようなものが聞こえるのだけど……?」
「そうか、サラはわからないんだったな。精霊様は、騙されてサラを呪ってしまって悪かったって、謝ってんだよ!」
「そうなのね。気にしないでください……って、騙されたって……もしかして、今回のことを知ってるの?」
サラ様の当然の質問に、私達は全員頷いて見せると、サラ様は少し気まずそうに眉尻を下げた。
「そうなのね……ヨハン君、お婆ちゃん、精霊様、薬屋のみなさん……隠していてごめんなさい。私……エクシノさんに無理やり森に連れてこられたんだけど、その時に私を事件の犯人になれと言われたんです。断ったり誰かに話したら、ヨハン君とお婆ちゃんを殺すって脅されて……」
事前にそのことはジュリィ様から聞いていたけど、やはり本当だったのね。罪の無い人を逆恨みし、自分の計画の犠牲にしようとするなんて……許せない!
「サラお姉ちゃんが元気になったのはいいけど、これからどうするの? その悪い人のところに行って、懲らしめるの?」
「そうしたいが、現状だと物的証拠が無いからな……国の自警団に話したところで、信じてもらえるかどうかわからない。かといって、乗り込んでエクシノ殿を捕まえようにも、逆に俺達が犯罪者にされてしまうかもしれない」
「証拠はあると思います。ですが、その場所はいつも主がいて、持ち出すことは叶いません。不在の時は厳重に鍵をかけてしまいますし……」
うーん……証拠は必要だけど、それを手に入れるのに集中していたら、その間にまたエクシノ様が森の破壊に踏み切るかもしれない以上、時間はかけていられないもの事実なのよね……どうすればいいのかしら……。
『今回の一件は、我が安易に奴を信じてしまったことが要因……自分の失態は自分で拭い、奴に罰を下す』
みんな揃ってどうしようか静かに考えてところに、精霊様の言葉が重々しく響き渡った。
「精霊様、どうするんですか?」
『我に一つ考えがある。だが、それを成し得るために、汝達に少々手を貸してもらいたいのだ』
「どうすればいいか、教えてください!」
『うむ――』
精霊様が話してくれた作戦は、成功する確率はそれなりに高いだろうし、罰を下す状況を作ることが出来る。
でも……精霊様の言う罰って何なのだろう。もしかして……ううん、考えてても仕方がないわ。少しでも早くなんとかしないと、また被害が出てしまうだろうし。
……一応、どんなことが目の前で起こっても大丈夫なように、覚悟は決めておこう……。
「くそっ、ダメなのかよ……!?」
「そ、そんなぁ……」
もう打つ手がないのか……そんな空気が私達の中で流れる中、ジュリィ様は精霊様の近くで膝をつき、強く祈り始めた。すると、ジュリィ様と精霊様の体が、白い光に包まれ始めた。
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これで元気になるのかは定かではない。でも、私だって聖女なんだから、祈ることは出来る。伊達に毎日精霊様に祈りを捧げさせられていたわけじゃない。
「精霊様、元気になってください……!」
聖女の力を使い、強い想いを精霊様に注いでいく。すると、ぐったりとしていた精霊様の手が、ほんの少しだけ動いた。
「反応があったな……みんな、俺達も祈ろう。きっと少しは役に立つはずだ!」
「了解です!」
私達に続いて、オーウェン様達も両手を組み、精霊様を助けるために祈り始める。その祈りは私達を通して強い光となり、精霊様を包み込む。
その光は、ほどなくして消えてしまったが……収まったのとほぼ同時に、精霊様はゆっくりと動き始めた。
「すごい、精霊様が治ったよ……! お薬が効いたのかな!?」
『……我ら精霊は、人間達の想いを力にするすることができる。消えかけていた我の命が、薬品によって繋ぎ止められていたところに加えて、汝達の純粋な想いが、我の体を復活させてくれたのだ。完全とは言えんがな』
想いと精霊様の間に、そんな関係があるなんて知らなかったわ……なんにせよ、薬も無事に効いてくれたみたいだし……これで精霊様はもう大丈夫だ。本当に……本当に良かった……!
「な、なあエリンさん、精霊は一体何を言っているんだ? オレらにもわかるように通訳してくれよ!」
『やれやれ、本当に人間は面倒な生き物だ……ふんっ!』
以前お話した時と同じ様に、精霊様は自分の葉っぱを落として、一枚ずつオーウェン様達に渡した。
『これで我の言葉がわかるだろう』
「わぁ!? 知らない人の声が聞こえる!」
『人間達よ、我を救ってくれたことには感謝する。だが、これ以上森を破壊することは、断じて許さぬ。その罪人を置いていけば、今回は見逃してやろう』
「じょ、冗談じゃねえよ! サラは何も悪くない! 本当に悪い奴は、別にいるんだ!」
ヨハンさんは、もうほとんど植物になってしまったサラ様を庇うように抱き抱えると、精霊様を睨みつけた。
『ほう、面白い冗談を言う人間だ。だが、その者が罪人だという話は、そこの人間が隣で聞いていただろう?』
「……ええ、確かに私は主の隣でその話を耳にしました。ですが、事実は異なります。全ての元凶は……グランディーゾ家の当主、エクシノなのです」
『なんだと? 我と契約を結んだグランディーゾ家の当主が、そのような蛮行を働くはずなど……』
「それが事実なのです。今から私がお話することは、この目で主が考え、行ったありのままの真実です」
私達を代表して、その目で実際に見て、実際に聞いてきたジュリィ様が、精霊様に詳しく説明をしてくれた。
『信じられない……だが、確かに汝の言っていることは辻褄が合う……』
相手が木だから、表情の変化で感情は読み取れないけど、声が少し動揺しているような印象を受けた。それと同時に、ジュリィ様の話を聞いて、嘘を言うなと怒っているような感じもしなかった。
『だが、その話を信じられる証拠があるのか?』
「…………」
『無いというのか?』
精霊様にジッと見つめられながら問われたジュリィ様は、素直に頷いて見せた。
『ふんっ、そこまでバカ正直に頷くとは面白い。よかろう、汝達のことを信じよう。そして……偽りの罪を着せてしまった人間の呪いを解こう』
そう言うと、再び精霊様の葉っぱがひらりと落ちて、サラ様の胸の上に乗った。すると、サラ様の体が緑色の光を帯び始めた。
その光は、サラ様に吸い込まれるように消えていくと、ほとんど植物になってしまったサラ様の体は、普通の人間の体に戻った。
「戻った……戻った! もう大丈夫なんだな!?」
『ああ。その人間は、もう植物になることはない』
「やったぞリリアーヌばあちゃん! もうサラは大丈夫だってよ!」
「……あぁ、良かった……本当に良かった……!」
「……うぅん……?」
ヨハンさんとリリアーヌ様が喜びに浸っていると、サラ様がゆっくりと目を開けて、体を自分で起こした。
私が初めてお会いした時には、既に自分で動くことは困難だった。でも、こうして目の前でちゃんと動けている姿を見て、本当に大丈夫なんだって確信した。
「あれ、私……ここはどこ?」
「サラ、気が付いたんだな!」
「ひゃあ!? よ、ヨハン君……急に抱きつかれたら、ビックリしちゃうよ」
「うぅ、サラ……」
「お婆ちゃん? どうしてそんなに泣いて……あれ、体がちゃんと動く? どうして……?」
『汝の呪いは、我が既に解いた』
「ひゃあぁぁぁ!? え、えぇ!? なんで精霊様が!?」
サラ様は、目の前に佇む精霊様に怯えてしまい、震えながらヨハンさんに力強く抱きついてしまった。
目を覚ましたら、自分を呪った相手が目の前にいたら、誰でもこうなってしまうわよね。
『サラといったな。騙されて汝を罪人と決めつけて苦しめたこと、心より詫びさせてほしい』
「……? なんか唸り声のようなものが聞こえるのだけど……?」
「そうか、サラはわからないんだったな。精霊様は、騙されてサラを呪ってしまって悪かったって、謝ってんだよ!」
「そうなのね。気にしないでください……って、騙されたって……もしかして、今回のことを知ってるの?」
サラ様の当然の質問に、私達は全員頷いて見せると、サラ様は少し気まずそうに眉尻を下げた。
「そうなのね……ヨハン君、お婆ちゃん、精霊様、薬屋のみなさん……隠していてごめんなさい。私……エクシノさんに無理やり森に連れてこられたんだけど、その時に私を事件の犯人になれと言われたんです。断ったり誰かに話したら、ヨハン君とお婆ちゃんを殺すって脅されて……」
事前にそのことはジュリィ様から聞いていたけど、やはり本当だったのね。罪の無い人を逆恨みし、自分の計画の犠牲にしようとするなんて……許せない!
「サラお姉ちゃんが元気になったのはいいけど、これからどうするの? その悪い人のところに行って、懲らしめるの?」
「そうしたいが、現状だと物的証拠が無いからな……国の自警団に話したところで、信じてもらえるかどうかわからない。かといって、乗り込んでエクシノ殿を捕まえようにも、逆に俺達が犯罪者にされてしまうかもしれない」
「証拠はあると思います。ですが、その場所はいつも主がいて、持ち出すことは叶いません。不在の時は厳重に鍵をかけてしまいますし……」
うーん……証拠は必要だけど、それを手に入れるのに集中していたら、その間にまたエクシノ様が森の破壊に踏み切るかもしれない以上、時間はかけていられないもの事実なのよね……どうすればいいのかしら……。
『今回の一件は、我が安易に奴を信じてしまったことが要因……自分の失態は自分で拭い、奴に罰を下す』
みんな揃ってどうしようか静かに考えてところに、精霊様の言葉が重々しく響き渡った。
「精霊様、どうするんですか?」
『我に一つ考えがある。だが、それを成し得るために、汝達に少々手を貸してもらいたいのだ』
「どうすればいいか、教えてください!」
『うむ――』
精霊様が話してくれた作戦は、成功する確率はそれなりに高いだろうし、罰を下す状況を作ることが出来る。
でも……精霊様の言う罰って何なのだろう。もしかして……ううん、考えてても仕方がないわ。少しでも早くなんとかしないと、また被害が出てしまうだろうし。
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