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第五十八話 森の守り神
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何もない地面から突然生えてきた木は、突然言葉を発しながら人間のように動いていた。幹の部分には黒で表された目と口があり、禍々しさに拍車がかかっている。
『我の森を破壊した、悪しき人間どもよ……森を立ち去れ!』
「きゃあ!?」
私達に向かって、木の枝が四方八方から襲い掛かってくるが、オーウェン様が全て斬ってくれたおかげで、どこもケガをせずに済んだ。
「いきなり攻撃してくるとは、随分と手荒い生き物だな……大丈夫か?」
「な、なんとか……あ、あれはなんですか!? 木のバケモノ!?」
「わからない。こんな生き物がいるなんて、聞いたこともない……一体何者だ?」
『我はこの森の守る精霊なり。森を傷つける者は、誰であろうと許さぬ!』
バケモノじゃなくて、精霊様!? そういえば、町の人が森の神様とか言っていた……それは、神様じゃなくて精霊様だったということ!?
「せ、精霊様!? まさか、本当に存在していたの!?」
「どういうことだ?」
「あの木が言ってたんです。自分は精霊だって! 精霊様、私達は森を傷つけに来たのではありません!」
『黙れ! わざわざ傷ついた場所にやって来るなど、奴の仲間に決まっている!』
精霊様は再び枝を伸ばし、さらに地面から木の根っこまでも伸ばしてきたが、これもオーウェン様が斬って守ってくれた。
あの精霊様からは、強い怒りを感じる。なんとかして私達に悪意が無いことを伝えないと……そうだわ! 城にいた時に、守り神である精霊様に感謝と安寧を祈っていた時のように、敵意が無いと強く想って祈れば、伝わるかもしれない!
「オーウェン様、少し時間を稼いでもらえますか?」
「何か手があるのか?」
「私の力で、精霊様を説得します!」
「わかった、俺に任せろ!」
頼もしいオーウェン様に頷いてから、その場で膝をついて手を組み、祈り始める。
「お願い、私の声を聞いて。私達はあなたや森を傷つけに来たのではないの。私達は、ただとある人を助けたいだけなの!」
私の祈りに呼応して、私の体が光に包まれていく。その光は、精霊様の体も包み込んでいき……すぐに消えていった。
すると、精霊様は攻撃に使っていた枝や根っこを収め、大人しくなってくれた。
『なるほど、汝も我ら精霊と祈りを通して心を通わし、対話する力を持っているようだな』
……? 今の言い方だと、私以外にも聖女の力を持っていた人がいたように聞こえる。ひょっとしたら、この精霊様に祈りを捧げる聖女が、この辺りにもいるのかもしれないわ。
『確かに汝らに悪意が無いことは伝わった。しかし、信用したわけではない。一刻も早く、森から立ち去るがいい』
「で、でも……」
「一体、精霊は何を話しているんだ? 俺には唸り声をあげてるようにしか聞こえないんどご……」
「見逃してあげるから、森から立ち去れって言ってます」
「なるほど。だが、調べきっていないのに立ち去るのもな……なんとか説得できないか?」
『愚か者め。我が直接言わないと理解が出来ないらしい。ふんっ!』
精霊様は自分の体を一振りして葉っぱを一枚落とす。その葉っぱはヒラヒラと踊りながら、オーウェン様の手の中に納まった。
「この葉っぱは……?」
『その葉を持っていれば、一時的にだが汝にも我の言葉がわかるようにした。これで問題あるまい』
「ほ、本当に喋っているな……あなたのご厚意、痛み入ります。俺の名はオーウェン・ヴァリア。彼女はエリンです」
『自己紹介など不要だ。改めて警告する。この森を立ち去れ』
「そ、そういうわけにはいかないんです! とある女の子が、体が植物になってしまう、珍しい病気になってしまったので、治す手掛かりを探しに来たんです!」
『……病気? ほう、病気か……我はその人間と病気について知っている』
知っている!? それなら治し方も知っていたりしないかしら!? 治す方法さえわかれば、私の薬で治せるかもしれない!
そう思って喜んでいた私に突きつけられた言葉は、あまりにも想定外の物だった。
『病気などではない。その人間……いや、罪人はこの森を破壊した罪として、我に呪われたのだ』
「はっ……? の、呪い……?」
精霊様の言葉に対して、私はなんとも間抜けな声で復唱することしかできなかった。
病気だと思っていたものは、本当は呪いだったなんて……そんな非現実的なものなんて信じられないし、サラ様が呪いをかけられるような罪人だとも思えない。
でも、現実として体は植物になっていってるし、サラ様は何か隠しているみたいだし……わからないことが多すぎて、頭がパンクしそう!
「本当に、サラ殿がこの森を破壊したのですか?」
『嘘ではない。なぜなら、奴を罪人として連れてきたのは、遥か昔に我と契約をして、この地の森と民、そしてオーリボエを守ってきた一族、グランディーゾ家の家長なのだからな』
家長って、確かエクシノ様のことよね? こんなところでも絡んでくるなんて、やっぱり今回の一件は、エクシノ様が大きく絡んでいそうだわ。
『あの日、この森に多くの人間がやって来て、森を破壊し始めた。我はすぐに人間ども追い払ったのだが……見ての通りだ。その後、グランディーゾはあの罪人を我の元に連れてくるや否や、森を破壊する人間の主犯を見つけたと我に伝えた。連れてこられた罪人も、それを潔く認めていた。だから我は、その罰として呪いをかけた。それが汝の言う、植物になる病だ』
「認めたって……そんな……」
サラ様が、そんな酷いことをするわけがないと言いたかった。
でも、サラ様は何かを隠していたし、精霊様の言葉が本当なら、症状が出始めた日に、一人で森に来たと言っていたことが、嘘になるし、自分の境遇を受け入れて、諦めているような感じだった……。
どうしてサラ様は一人で森に来たとか、何もなかったって嘘をついたのだろうか? やっぱり森を破壊しようとしたことを隠すため……?
……ダメだ。信じたくないけど、今の私にはサラ様が絶対に無罪だと言える材料がない。むしろ、怪しい部分の方が多い。
「サラ殿が、主犯という証拠は?」
『信頼するグランディーゾ家の当主と、本人が認めているのだ。証拠など不要だ』
「……なるほど。では最後に、もう一つだけお聞きしたいのですが」
『我は森の再生で忙しい。手短に済ませろ』
「ありがとうございます。グランディーゾ家の家長についてですが、彼はなにやら常人には出来ない力を持っていました。精霊様は、なにかご存じありませんか?」
『その力は、我が分け与えたものだ』
あ、あれは精霊様の力だったのね……驚いたけど、それなら納得できるし、最近ずっと感じていた不思議な気配の正体も説明がつく。
だって、気配を感じていた時は、エクシノ様の力を見た時や、精霊様が住む森にあるオーリボエに来た時、呪われたサラ様を診た時、そして精霊様を前にした時……どれも何かしらの形で、精霊様が関わっているものばかりでしょう?
『今回の一件で心を痛めたグランディーゾ家の当主が、今後二度とこのようなことが起こらないように、森と民を守る力を欲していた。我としても利用価値があったから、力の一部を奴に与えた』
「あの力は、そうやって手に入れたのか……」
『だが、森の破壊によって、森と共にある我の力も消耗してしまった。更に破壊された森の再生、罪人への罰……多くの力を使い、我の力はだいぶ弱まってしまった。森の再生が終わった後は、しばらくは眠りにつくつもりだ』
「……質問に答えていただき、ありがとうございました。では、我々はこれで失礼します」
「ま、待ってください! どうしても治してくれないのですか!?」
『ならん。もう汝らと話すことは無い』
吐き捨てるようにそう言うと、精霊様は地面の中に沈んでいってしまった。
せっかく原因がわかって、精霊様にも私の想いが少しでも伝わったというのに、一番大事な治療については、光明が全く見えない。
むしろ、病気じゃなくて呪いと知ってしまったことで、私の力ではどうする事も出来ないと痛感させられただけだった。
「オーウェン様、どうして精霊様を一緒に説得してくれなかったんですか!?」
「彼は俺達を信用していないと言っていただろう? あのまま無理に話をしても、余計に話がこじれ、下手したらエリンもサラ殿と同じ道を辿ってしまうと思ったんだ」
「そ、そんなこと……」
無い、とは言えなかった。力が弱まったと本人は言っていたけど、その気になれば私達を呪うことも、殺すことも簡単だろう。それくらい、精霊というのは特別な存在だ。
だからといって、サラ様を見捨てることなんて出来ない……私は、どうすればいいの?
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「何か手があるのか?」
「私の力で、精霊様を説得します!」
「わかった、俺に任せろ!」
頼もしいオーウェン様に頷いてから、その場で膝をついて手を組み、祈り始める。
「お願い、私の声を聞いて。私達はあなたや森を傷つけに来たのではないの。私達は、ただとある人を助けたいだけなの!」
私の祈りに呼応して、私の体が光に包まれていく。その光は、精霊様の体も包み込んでいき……すぐに消えていった。
すると、精霊様は攻撃に使っていた枝や根っこを収め、大人しくなってくれた。
『なるほど、汝も我ら精霊と祈りを通して心を通わし、対話する力を持っているようだな』
……? 今の言い方だと、私以外にも聖女の力を持っていた人がいたように聞こえる。ひょっとしたら、この精霊様に祈りを捧げる聖女が、この辺りにもいるのかもしれないわ。
『確かに汝らに悪意が無いことは伝わった。しかし、信用したわけではない。一刻も早く、森から立ち去るがいい』
「で、でも……」
「一体、精霊は何を話しているんだ? 俺には唸り声をあげてるようにしか聞こえないんどご……」
「見逃してあげるから、森から立ち去れって言ってます」
「なるほど。だが、調べきっていないのに立ち去るのもな……なんとか説得できないか?」
『愚か者め。我が直接言わないと理解が出来ないらしい。ふんっ!』
精霊様は自分の体を一振りして葉っぱを一枚落とす。その葉っぱはヒラヒラと踊りながら、オーウェン様の手の中に納まった。
「この葉っぱは……?」
『その葉を持っていれば、一時的にだが汝にも我の言葉がわかるようにした。これで問題あるまい』
「ほ、本当に喋っているな……あなたのご厚意、痛み入ります。俺の名はオーウェン・ヴァリア。彼女はエリンです」
『自己紹介など不要だ。改めて警告する。この森を立ち去れ』
「そ、そういうわけにはいかないんです! とある女の子が、体が植物になってしまう、珍しい病気になってしまったので、治す手掛かりを探しに来たんです!」
『……病気? ほう、病気か……我はその人間と病気について知っている』
知っている!? それなら治し方も知っていたりしないかしら!? 治す方法さえわかれば、私の薬で治せるかもしれない!
そう思って喜んでいた私に突きつけられた言葉は、あまりにも想定外の物だった。
『病気などではない。その人間……いや、罪人はこの森を破壊した罪として、我に呪われたのだ』
「はっ……? の、呪い……?」
精霊様の言葉に対して、私はなんとも間抜けな声で復唱することしかできなかった。
病気だと思っていたものは、本当は呪いだったなんて……そんな非現実的なものなんて信じられないし、サラ様が呪いをかけられるような罪人だとも思えない。
でも、現実として体は植物になっていってるし、サラ様は何か隠しているみたいだし……わからないことが多すぎて、頭がパンクしそう!
「本当に、サラ殿がこの森を破壊したのですか?」
『嘘ではない。なぜなら、奴を罪人として連れてきたのは、遥か昔に我と契約をして、この地の森と民、そしてオーリボエを守ってきた一族、グランディーゾ家の家長なのだからな』
家長って、確かエクシノ様のことよね? こんなところでも絡んでくるなんて、やっぱり今回の一件は、エクシノ様が大きく絡んでいそうだわ。
『あの日、この森に多くの人間がやって来て、森を破壊し始めた。我はすぐに人間ども追い払ったのだが……見ての通りだ。その後、グランディーゾはあの罪人を我の元に連れてくるや否や、森を破壊する人間の主犯を見つけたと我に伝えた。連れてこられた罪人も、それを潔く認めていた。だから我は、その罰として呪いをかけた。それが汝の言う、植物になる病だ』
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でも、サラ様は何かを隠していたし、精霊様の言葉が本当なら、症状が出始めた日に、一人で森に来たと言っていたことが、嘘になるし、自分の境遇を受け入れて、諦めているような感じだった……。
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「サラ殿が、主犯という証拠は?」
『信頼するグランディーゾ家の当主と、本人が認めているのだ。証拠など不要だ』
「……なるほど。では最後に、もう一つだけお聞きしたいのですが」
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「ありがとうございます。グランディーゾ家の家長についてですが、彼はなにやら常人には出来ない力を持っていました。精霊様は、なにかご存じありませんか?」
『その力は、我が分け与えたものだ』
あ、あれは精霊様の力だったのね……驚いたけど、それなら納得できるし、最近ずっと感じていた不思議な気配の正体も説明がつく。
だって、気配を感じていた時は、エクシノ様の力を見た時や、精霊様が住む森にあるオーリボエに来た時、呪われたサラ様を診た時、そして精霊様を前にした時……どれも何かしらの形で、精霊様が関わっているものばかりでしょう?
『今回の一件で心を痛めたグランディーゾ家の当主が、今後二度とこのようなことが起こらないように、森と民を守る力を欲していた。我としても利用価値があったから、力の一部を奴に与えた』
「あの力は、そうやって手に入れたのか……」
『だが、森の破壊によって、森と共にある我の力も消耗してしまった。更に破壊された森の再生、罪人への罰……多くの力を使い、我の力はだいぶ弱まってしまった。森の再生が終わった後は、しばらくは眠りにつくつもりだ』
「……質問に答えていただき、ありがとうございました。では、我々はこれで失礼します」
「ま、待ってください! どうしても治してくれないのですか!?」
『ならん。もう汝らと話すことは無い』
吐き捨てるようにそう言うと、精霊様は地面の中に沈んでいってしまった。
せっかく原因がわかって、精霊様にも私の想いが少しでも伝わったというのに、一番大事な治療については、光明が全く見えない。
むしろ、病気じゃなくて呪いと知ってしまったことで、私の力ではどうする事も出来ないと痛感させられただけだった。
「オーウェン様、どうして精霊様を一緒に説得してくれなかったんですか!?」
「彼は俺達を信用していないと言っていただろう? あのまま無理に話をしても、余計に話がこじれ、下手したらエリンもサラ殿と同じ道を辿ってしまうと思ったんだ」
「そ、そんなこと……」
無い、とは言えなかった。力が弱まったと本人は言っていたけど、その気になれば私達を呪うことも、殺すことも簡単だろう。それくらい、精霊というのは特別な存在だ。
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