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第四十四話 無事と安堵
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「…………?」
まだ頭がボーっとしている中、私はゆっくりと瞼を開けると、そこにはだいぶ見慣れてきた天井が広がっていた。
「エルミーユ、目を覚ましたか! よかった、心配したんだぞ……!」
「ブラハルト様……それに、マリーヌも……」
私を覗き込むように見ていたブラハルト様は、目じりに涙をためながら、私のことを強く抱きしめる。
ボーっとした頭でも、ブラハルト様の温もりや呼吸、胸の鼓動はわかる。それがとても愛おしくて……ブラハルト様の背中にそっと手を回した。
「申し訳ございません……私、まだ頭が……」
「ああ、わかっている。話はもう少し休んでからにしよう」
「お世話は私に任せて、ゆっくり休んでください!」
「俺にもエルミーユの看病をさせてくれ」
「大丈夫ですよ! それに、まだ坊ちゃまだって本調子じゃないでしょう?」
「俺は問題ない」
「そう言うと思ってましたよ。とにかく、坊ちゃまは仕事があるんですから、行った行った!」
なにを話しているのか、いまいちわからない。
……駄目だ、まだ頭に霧がかかったかのようにはっきりしないし、眠くて仕方がない。もう少しだけ、休ませてもらおう……。
****
「うぅん……」
「エルミーユ?」
次に目を覚ましたら、既に外は暗くなり、部屋の中も私が休みやすいように、明かりはブラハルト様の仕事机に置かれたランプだけだった。
「具合はどうだ? どこか苦しいとか、痛いとか無いか?」
「はい。先ほど起きた時は、頭がボーっとしておりましたが、今は全然ですわ」
「そうか……」
私の元にやってきたブラハルト様は、ベッドの近くのランプの明かりをつけてから、私の隣に椅子を置いて腰を下ろした。
その表情は、いつも見せないような暗い表情で……見ているこちらの方が心配になる。
「ブラハルト様こそ、具合はどうですか? 先ほどの話で、本調子とか出ておりましたが……」
「問題ない。ただ、記憶は少々あいまいなだけだ」
「えっ? な、なにかあったのですか?」
「大したことじゃない。互いに色々話があるだろうが、今日はしっかり休んで、明日マリーヌも呼んで情報の共有をしよう」
「……その、大丈夫なんですよね? それだけは確認させてください」
「ああ、大丈夫だ。心配をかけるようなことを言って、すまなかった」
ブラハルト様の手が、私の頭を優しく撫でる。
ゆっくりと、慈しむような撫で方は、私に安心感と幸福感を与えてくれたようで、胸の奥がポカポカと暖かくなった。
「……本当に、良かった……」
「ブラハルト様?」
「いや、エルミーユが無事で良かったと、改めて思ってな……ずっと目を覚まさなかったから、エルミーユを……大切な人を、また失ってしまうんじゃないかと思って、不安で仕方がなかったんだ」
そうよね、ずっと目覚めなければ、誰だって心配をするわよね……私が逆の立場だったら、気が狂いそうになると思う。
「そのお気持ち、私もわかります。ブラハルト様が浮気をしているという噂を、コレットから聞いた時は、ブラハルト様を失ってしまうと思い、目の前が真っ暗になりかけましたもの」
「な、なんだその噂は!? それに、コレットだって!?」
「はい。実は……」
既にこれはマリーヌが知っていることだから、彼女がいない間に話しても問題なと判断し、浮気の噂や家族と再会したこと、そしてブラハルト様の噂を私に話した。
それ以外にも、馬鹿にされた動揺と怒りで、妹に手を上げてしまい、パーティーに水を差してしまったことも話した。
「そうだったのか……」
「家族のいざこざで、ブラハルト様や皆様にご迷惑をおかけしてしまいました……私は本当に愚かです」
「手を出したのは、確かに良くないな。身を守る時以外で暴力に頼れば、どんな状況でも、事情を知らない人間からは、悪者にされてしまうからね」
そうよね……ああもう、自分がこんなに自分を制御できない人間だったなんて、思ってもなかった……。
「はい、反省しております」
「それならいい。次は気を付ければ良いさ」
「はい……それで、ブラハルト様は……その……」
「浮気をしているのかと、聞きたいんだろう?」
「っ……」
ブラハルト様の問い掛けに、小さく頷いてみせる。
「その……噂を聞いた時は、万が一とは思ってしまいましたが、今は絶対にブラハルト様は裏切らないと信じています!」
「ありがとう。大丈夫、俺は誰とも浮気をしていないし、これからもすることは断じてない」
「……よかった……! 私も、これからもずっとブラハルト様を愛しますから、ブラハルト様も……愛してくれると嬉しいです」
「エルミーユ……」
やっと笑ってくれたブラハルト様は、私の隣に寝転ぶと、そのまま私の体を抱き寄せてきた。
か、顔が近いわ……ブラハルト様の整ったお顔が、こんな目の前に……。
わぁ……まつ毛長い……瞳綺麗……鼻もスッとしてて、小ぶりな口元も綺麗で……見てるだけで、胸の高鳴りが止まらない。
「あ、あのあの……あああ、暖かいですね……」
「そうだな。この温もり、息遣い、鼓動……エルミーユの全てを失いたくない」
「ブラハルト様……私も、あなたを失いたくありません。政略結婚だったはずなのに、溺愛してくれる愛しいあなたを……私やアルスター家、領地や領民のために頑張る愛しいあなたを……私と話している時だけ、たまにふにゃっと笑う愛しいあなたを――」
「ま、待て待て。そこまで言われると、さすがに恥ずかしい」
正直な気持ちを伝えただけなのだが、想像以上に照れてしまったようだ。
まだ言えるから、もっと沢山伝えたかったのだけど……残念。
「最後にとっておきのを……」
「いやいや、これ以上は恥ずかしすぎて死んでしまう」
「でしたら、私もすぐに追いかけます」
「それは困る!」
「なら、一緒に長生きしましょうね。ブラハルト様……愛しておりますわ」
クスクスと笑いながら、ブラハルト様の頬に手を当てる。
私が何をしたいのかを、すぐに察してくれたブラハルト様は、同じ様に私の頬に手を当てる。
そして、どちらからともなく顔を近づけて……大切なファーストキスを、彼にプレゼントした。
「キスって、こんな感じなのですね」
「そうだな……幸福感はすさまじいが、緊張から来る疲労も相当なものだ」
「そうですわね。ですが、今回だけじゃないので、時期に慣れましょう」
「それもそうだな。それじゃ、早速慣れていくか」
「は、はいっ」
まさか、すぐに二回目が来ると思っていなかった私は、ベッドの上で少しだけピンとしながら、再びブラハルト様と唇を重ね合う。
ただ唇を重ねているだけなのに、体がフワフワしているような、幸福感を感じる。
「ブラ、ハルト様……」
呼吸をするために一度唇を離れてから、三度目のキスをする。さすがに互いに慣れてきたのか、動きが変わってきた。
具体的に言うと、唇同士を触れるだけだったのが、ちろちろと舌が絡み始めている。
「すまない、つい高揚して……嫌だったか?」
「全然です。もっとしてください」
「わかった。言っておくが、止まらなくなるかもしれないぞ」
「っ……! い、いつかはと覚悟はしてましたから、大丈夫ですわ。ただ……経験が無いので、優しくしてもらえると……」
「ああ、もちろんだ。約束する」
私を安心させるために微笑むブラハルト様につられて、私もニッコリと微笑むと、キスを交わすしながら、ブラハルト様は私の服に手をかけた――
****
「……んん……」
翌朝、私は少し体が痛くなっているのを感じながら目を覚ました。
うぅ……さすがにこの格好だと寒いわね……布団から出られそうもない。
「ブラハルト様……」
すぐ隣で、同じ様な格好で眠っているブラハルト様を見ていると、顔が真っ赤になってしまう。
だって、私は昨晩……ブラハルト様に色々と大切な物を差し上げたり、いただいたりして、夫婦の絆を深めたのだから。
「……エルミーユ……」
「おはようございます、ブラハルト様」
「ああ、おはよう」
隣で眠っているブラハルト様の寝顔を堪能していたのに、残念ながら起きてしまった。
すると、すぐに私のことを抱き寄せ、頭を優しく撫で始めた。
「大丈夫か? 痛くないか?」
「はい、大丈夫です。ブラハルト様が優しくしてくれたおかげで、痛みはさほどありませんでしたわ。むしろ……いえ、なんでもありません」
「……? そうか」
「まだ起きる時間じゃないので、のんびりしましょう」
「ならお茶でも飲むか?」
「いえ、その……このまま、くっついていたい……なんて」
耳まで真っ赤にさせる私の提案を、ブラハルト様は笑って了承すると、私を抱きしめて、キスをした。
「んっ……んんっ……」
昨日の夜にあったことのおかげか、どちらからともなく自然に舌を絡ませるようになった。
それだけに留まらず、私は首に、ブラハルト様は背中に手を回し、ギュッとしてキスをすることで、強い幸福感と密着間を堪能した。
ああ、もうどうしよう……幸せ過ぎて、どうにかなってしまいそう。
まだ頭がボーっとしている中、私はゆっくりと瞼を開けると、そこにはだいぶ見慣れてきた天井が広がっていた。
「エルミーユ、目を覚ましたか! よかった、心配したんだぞ……!」
「ブラハルト様……それに、マリーヌも……」
私を覗き込むように見ていたブラハルト様は、目じりに涙をためながら、私のことを強く抱きしめる。
ボーっとした頭でも、ブラハルト様の温もりや呼吸、胸の鼓動はわかる。それがとても愛おしくて……ブラハルト様の背中にそっと手を回した。
「申し訳ございません……私、まだ頭が……」
「ああ、わかっている。話はもう少し休んでからにしよう」
「お世話は私に任せて、ゆっくり休んでください!」
「俺にもエルミーユの看病をさせてくれ」
「大丈夫ですよ! それに、まだ坊ちゃまだって本調子じゃないでしょう?」
「俺は問題ない」
「そう言うと思ってましたよ。とにかく、坊ちゃまは仕事があるんですから、行った行った!」
なにを話しているのか、いまいちわからない。
……駄目だ、まだ頭に霧がかかったかのようにはっきりしないし、眠くて仕方がない。もう少しだけ、休ませてもらおう……。
****
「うぅん……」
「エルミーユ?」
次に目を覚ましたら、既に外は暗くなり、部屋の中も私が休みやすいように、明かりはブラハルト様の仕事机に置かれたランプだけだった。
「具合はどうだ? どこか苦しいとか、痛いとか無いか?」
「はい。先ほど起きた時は、頭がボーっとしておりましたが、今は全然ですわ」
「そうか……」
私の元にやってきたブラハルト様は、ベッドの近くのランプの明かりをつけてから、私の隣に椅子を置いて腰を下ろした。
その表情は、いつも見せないような暗い表情で……見ているこちらの方が心配になる。
「ブラハルト様こそ、具合はどうですか? 先ほどの話で、本調子とか出ておりましたが……」
「問題ない。ただ、記憶は少々あいまいなだけだ」
「えっ? な、なにかあったのですか?」
「大したことじゃない。互いに色々話があるだろうが、今日はしっかり休んで、明日マリーヌも呼んで情報の共有をしよう」
「……その、大丈夫なんですよね? それだけは確認させてください」
「ああ、大丈夫だ。心配をかけるようなことを言って、すまなかった」
ブラハルト様の手が、私の頭を優しく撫でる。
ゆっくりと、慈しむような撫で方は、私に安心感と幸福感を与えてくれたようで、胸の奥がポカポカと暖かくなった。
「……本当に、良かった……」
「ブラハルト様?」
「いや、エルミーユが無事で良かったと、改めて思ってな……ずっと目を覚まさなかったから、エルミーユを……大切な人を、また失ってしまうんじゃないかと思って、不安で仕方がなかったんだ」
そうよね、ずっと目覚めなければ、誰だって心配をするわよね……私が逆の立場だったら、気が狂いそうになると思う。
「そのお気持ち、私もわかります。ブラハルト様が浮気をしているという噂を、コレットから聞いた時は、ブラハルト様を失ってしまうと思い、目の前が真っ暗になりかけましたもの」
「な、なんだその噂は!? それに、コレットだって!?」
「はい。実は……」
既にこれはマリーヌが知っていることだから、彼女がいない間に話しても問題なと判断し、浮気の噂や家族と再会したこと、そしてブラハルト様の噂を私に話した。
それ以外にも、馬鹿にされた動揺と怒りで、妹に手を上げてしまい、パーティーに水を差してしまったことも話した。
「そうだったのか……」
「家族のいざこざで、ブラハルト様や皆様にご迷惑をおかけしてしまいました……私は本当に愚かです」
「手を出したのは、確かに良くないな。身を守る時以外で暴力に頼れば、どんな状況でも、事情を知らない人間からは、悪者にされてしまうからね」
そうよね……ああもう、自分がこんなに自分を制御できない人間だったなんて、思ってもなかった……。
「はい、反省しております」
「それならいい。次は気を付ければ良いさ」
「はい……それで、ブラハルト様は……その……」
「浮気をしているのかと、聞きたいんだろう?」
「っ……」
ブラハルト様の問い掛けに、小さく頷いてみせる。
「その……噂を聞いた時は、万が一とは思ってしまいましたが、今は絶対にブラハルト様は裏切らないと信じています!」
「ありがとう。大丈夫、俺は誰とも浮気をしていないし、これからもすることは断じてない」
「……よかった……! 私も、これからもずっとブラハルト様を愛しますから、ブラハルト様も……愛してくれると嬉しいです」
「エルミーユ……」
やっと笑ってくれたブラハルト様は、私の隣に寝転ぶと、そのまま私の体を抱き寄せてきた。
か、顔が近いわ……ブラハルト様の整ったお顔が、こんな目の前に……。
わぁ……まつ毛長い……瞳綺麗……鼻もスッとしてて、小ぶりな口元も綺麗で……見てるだけで、胸の高鳴りが止まらない。
「あ、あのあの……あああ、暖かいですね……」
「そうだな。この温もり、息遣い、鼓動……エルミーユの全てを失いたくない」
「ブラハルト様……私も、あなたを失いたくありません。政略結婚だったはずなのに、溺愛してくれる愛しいあなたを……私やアルスター家、領地や領民のために頑張る愛しいあなたを……私と話している時だけ、たまにふにゃっと笑う愛しいあなたを――」
「ま、待て待て。そこまで言われると、さすがに恥ずかしい」
正直な気持ちを伝えただけなのだが、想像以上に照れてしまったようだ。
まだ言えるから、もっと沢山伝えたかったのだけど……残念。
「最後にとっておきのを……」
「いやいや、これ以上は恥ずかしすぎて死んでしまう」
「でしたら、私もすぐに追いかけます」
「それは困る!」
「なら、一緒に長生きしましょうね。ブラハルト様……愛しておりますわ」
クスクスと笑いながら、ブラハルト様の頬に手を当てる。
私が何をしたいのかを、すぐに察してくれたブラハルト様は、同じ様に私の頬に手を当てる。
そして、どちらからともなく顔を近づけて……大切なファーストキスを、彼にプレゼントした。
「キスって、こんな感じなのですね」
「そうだな……幸福感はすさまじいが、緊張から来る疲労も相当なものだ」
「そうですわね。ですが、今回だけじゃないので、時期に慣れましょう」
「それもそうだな。それじゃ、早速慣れていくか」
「は、はいっ」
まさか、すぐに二回目が来ると思っていなかった私は、ベッドの上で少しだけピンとしながら、再びブラハルト様と唇を重ね合う。
ただ唇を重ねているだけなのに、体がフワフワしているような、幸福感を感じる。
「ブラ、ハルト様……」
呼吸をするために一度唇を離れてから、三度目のキスをする。さすがに互いに慣れてきたのか、動きが変わってきた。
具体的に言うと、唇同士を触れるだけだったのが、ちろちろと舌が絡み始めている。
「すまない、つい高揚して……嫌だったか?」
「全然です。もっとしてください」
「わかった。言っておくが、止まらなくなるかもしれないぞ」
「っ……! い、いつかはと覚悟はしてましたから、大丈夫ですわ。ただ……経験が無いので、優しくしてもらえると……」
「ああ、もちろんだ。約束する」
私を安心させるために微笑むブラハルト様につられて、私もニッコリと微笑むと、キスを交わすしながら、ブラハルト様は私の服に手をかけた――
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「……んん……」
翌朝、私は少し体が痛くなっているのを感じながら目を覚ました。
うぅ……さすがにこの格好だと寒いわね……布団から出られそうもない。
「ブラハルト様……」
すぐ隣で、同じ様な格好で眠っているブラハルト様を見ていると、顔が真っ赤になってしまう。
だって、私は昨晩……ブラハルト様に色々と大切な物を差し上げたり、いただいたりして、夫婦の絆を深めたのだから。
「……エルミーユ……」
「おはようございます、ブラハルト様」
「ああ、おはよう」
隣で眠っているブラハルト様の寝顔を堪能していたのに、残念ながら起きてしまった。
すると、すぐに私のことを抱き寄せ、頭を優しく撫で始めた。
「大丈夫か? 痛くないか?」
「はい、大丈夫です。ブラハルト様が優しくしてくれたおかげで、痛みはさほどありませんでしたわ。むしろ……いえ、なんでもありません」
「……? そうか」
「まだ起きる時間じゃないので、のんびりしましょう」
「ならお茶でも飲むか?」
「いえ、その……このまま、くっついていたい……なんて」
耳まで真っ赤にさせる私の提案を、ブラハルト様は笑って了承すると、私を抱きしめて、キスをした。
「んっ……んんっ……」
昨日の夜にあったことのおかげか、どちらからともなく自然に舌を絡ませるようになった。
それだけに留まらず、私は首に、ブラハルト様は背中に手を回し、ギュッとしてキスをすることで、強い幸福感と密着間を堪能した。
ああ、もうどうしよう……幸せ過ぎて、どうにかなってしまいそう。
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