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第八十九話 永遠に広がる黒
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■サイラス視点■
ここは、どこだ? どこを見ても、辺り一面が黒に塗りつぶされている。
俺は……そうだ、確か急に体の具合が悪くなって、息が出来ないほど咳き込んで……その後は、覚えていない。
まったく、俺としたことが……こんな病気如きに、こんなに苦しめられるとは。こんなことでは、愛しのエリシアに心配をかけてしまうじゃないか!
「とにかく、ここがどこかはわからないが、早く帰らないと」
明らかに普通じゃない場所だが、ジッとしていても始まらない。なによりも、立ち止まっているのは俺の性分に合わない。
だから、俺は漆黒の中を恐れずに歩きだす。進んでいるのか、戻っているのか。はたまた落ちているのか、上っているのか。そんな感覚すら感じられない漆黒の中を、どんどん進んでいく。
しかし……いくら進んでも、景色は一向に変わる気配がない。その代わりに、歩けば歩くほど、俺の体が鉛のように重くなり、一歩進むだけでも一苦労なくらい、疲れていた。
「この程度で疲れるなんて、師匠に知られたら大笑いされてしまうな……ぜぇ、ぜぇ……」
師匠に武術を教わっていた時は、半日休まずに走らされていたこともあり、体力に関しては絶対の自信があった。しかし、今の俺は見るに堪えないくらい疲弊している。
この場に彼女がいなくて本当によかった。今の俺の姿を見られたら、幻滅されて……?
「……あれ? どうして幻滅されるんだ? それに……彼女って誰だ?」
自分の考えたことだというのに、意味が全くわからない。どうして疲れている姿を見せたくないんだ? 疲れるのなんて、誰だってあることだ。
それに、その姿を大衆に見せたくないんじゃなくて、一人だけを対象にしている理由もわからない。
「なんだよこれ……俺、どうしちゃったんだ? どうして、彼女のことがわからない? どうして思い出せない?」
急激に奪われていく体力と共に、何かとても大切なものを、この黒に落としてきてしまったような、強い喪失感を感じる。それを自覚すると同時に、さらに体力が奪われてしまい、立っているのすら困難になってきた。
そして……ついに力尽きた俺は、その場で仰向けに倒れてしまった。
「はは……空まで、黒じゃないか……なんなんだよ、ここ……」
疑問、不安、心配……色々な感情がごちゃ混ぜになっていたが、急激にどうでもよくなり、強い睡魔が襲ってきた。
それと同時に、俺の体の周りから黒い腕のようなものが、グチュグチュと音を立てながら生えてきて、俺の体を包み込みながら、体を下に引っ張ろうとしている。
「はっ……さながら、地獄への案内人ってところか? 俺は死ぬわけにはいかない……」
死にたくない。死ぬわけにはいかない。でも、なぜ死ぬわけにはいかないんだ?
わからない。既に、そんなことを考える気力も無くなってきた。
この黒い腕に捕まれたら、体力だけじゃなく、俺という存在が……だんだんと……黒と一体化し、俺という存在が、曖昧になってきている。
「俺は……にげられない。なにも、思い出せない。それなら、いっそのこと、らくになったほうが、いいのかもしれないな……」
俺は静かに目を閉じると、黒は遠慮なく俺の体を侵食していく。同時に俺はさらに弱り、指一つ動かせなくなった。
こんなところで死ぬなんて、俺はなんて情けない。あの人に知られたら、鍛錬が足りないって笑われて……あの人って誰だ?
「おれも、おわりだな……」
全てを諦めて目を閉じようとした瞬間。黒に包まれていた世界に、小さな白が灯った。周りに比べれば小さいものだが、それはあまりにも異質だった。
『――くん』
……なにかきこえる? あのひかりから……? いや、おれのみみが……おかしくなったか?
『――サイラス君!!』
こえが、きこえる……あたたかい、こえが……このこえ、からだはおぼえていないはず……なのに、からだがよろこび、そしてかなしんでいる……。
『――お願い、目を覚まして!』
だれだ……おれをよぶのは……だめだ、いしきが、もう……。
『――私、あなたがいないと……生きていけないよ……!』
だれかは……わからないが……ここは、きけんだから……おれは、おいて……つよく、いきろ……。
『――サイラス君、私達には、まだやるべきことがあるのよ……?』
やるべき……こと……?
『――だからお願い、起きて……起きてよぉ!』
光がだんだんと大きくなり、それはただの光ではなく、一人の女性の形になった。
その女性は、俺の体をはいずり回る腕を取り払い、俺の体を優しく持ち上げると、そのまま唇を奪われた。
すると、それを待っていたかのように、辺り一面の黒が全て消え、綺麗な草原が広がっていた。
よくわからないが……どうやら俺は、窮地を脱出出来たみたいだ。頭もさっきとは打って変わり、とてもクリアだ。
「そうか……そうだったのか」
さっきから聞こえてくる女性の声。一体誰の声かと思っていたが、今の俺ならだれかわかる。むしろ、誰かわからない方が大問題だ。
「ごほん。この声は……エリシア……! ああ、聞き間違えるはずもない! この天使の歌声のような、澄んだ声は……エリシアの声だ! 俺としたことが、エリシアの声がわからないだなんて、末代までの恥じゃないか!」
ああ、そうか。俺は夢を見ているんだな。あやうく、永遠の眠りになるところだった。
待ってろ、すぐにエリシアの元に帰るから! そして、こんな病気なんてさっさとやっつけて、俺達の明るい未来に進もうじゃないか!
「って……起きるのはいいけど、どうやって起きれば良いんだ?」
辺りを見渡すと、エリシアの形をしていた光と同じ光が、少し離れたところで、俺を導くように光っている。あれに入れば、現実に戻れそうだ。
根拠? そんなの、薬師としての勘さ!
「よーし……エリシアぁぁぁぁ!! すぐに戻るからなぁぁぁぁ!!」
俺は大声でエリシアに言葉をかけてから、光に向かって走り出した。
光は宙に浮いている。どう見ても、普通の人間には届くはずがない距離だったが、そんなのお構いなしに、俺は全速力で加速をつけてジャンプをした。
「うぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁ!! 待ってろよ、今すぐに戻るからなぁぁぁぁぁあ!! エリシアァァァァァァ!!!!」
俺の気合は無事に天に届いた。ギリギリ俺の指先が、光に引っ掛かったんだ。そこから中に入っていくと……急に眠くなってきた。
眠いと言っても、さっきとは違う。暖かくて、母上に子守歌を歌ってもらっていた、幼い頃を思い出すような……そんな暖かさだった。
ここは、どこだ? どこを見ても、辺り一面が黒に塗りつぶされている。
俺は……そうだ、確か急に体の具合が悪くなって、息が出来ないほど咳き込んで……その後は、覚えていない。
まったく、俺としたことが……こんな病気如きに、こんなに苦しめられるとは。こんなことでは、愛しのエリシアに心配をかけてしまうじゃないか!
「とにかく、ここがどこかはわからないが、早く帰らないと」
明らかに普通じゃない場所だが、ジッとしていても始まらない。なによりも、立ち止まっているのは俺の性分に合わない。
だから、俺は漆黒の中を恐れずに歩きだす。進んでいるのか、戻っているのか。はたまた落ちているのか、上っているのか。そんな感覚すら感じられない漆黒の中を、どんどん進んでいく。
しかし……いくら進んでも、景色は一向に変わる気配がない。その代わりに、歩けば歩くほど、俺の体が鉛のように重くなり、一歩進むだけでも一苦労なくらい、疲れていた。
「この程度で疲れるなんて、師匠に知られたら大笑いされてしまうな……ぜぇ、ぜぇ……」
師匠に武術を教わっていた時は、半日休まずに走らされていたこともあり、体力に関しては絶対の自信があった。しかし、今の俺は見るに堪えないくらい疲弊している。
この場に彼女がいなくて本当によかった。今の俺の姿を見られたら、幻滅されて……?
「……あれ? どうして幻滅されるんだ? それに……彼女って誰だ?」
自分の考えたことだというのに、意味が全くわからない。どうして疲れている姿を見せたくないんだ? 疲れるのなんて、誰だってあることだ。
それに、その姿を大衆に見せたくないんじゃなくて、一人だけを対象にしている理由もわからない。
「なんだよこれ……俺、どうしちゃったんだ? どうして、彼女のことがわからない? どうして思い出せない?」
急激に奪われていく体力と共に、何かとても大切なものを、この黒に落としてきてしまったような、強い喪失感を感じる。それを自覚すると同時に、さらに体力が奪われてしまい、立っているのすら困難になってきた。
そして……ついに力尽きた俺は、その場で仰向けに倒れてしまった。
「はは……空まで、黒じゃないか……なんなんだよ、ここ……」
疑問、不安、心配……色々な感情がごちゃ混ぜになっていたが、急激にどうでもよくなり、強い睡魔が襲ってきた。
それと同時に、俺の体の周りから黒い腕のようなものが、グチュグチュと音を立てながら生えてきて、俺の体を包み込みながら、体を下に引っ張ろうとしている。
「はっ……さながら、地獄への案内人ってところか? 俺は死ぬわけにはいかない……」
死にたくない。死ぬわけにはいかない。でも、なぜ死ぬわけにはいかないんだ?
わからない。既に、そんなことを考える気力も無くなってきた。
この黒い腕に捕まれたら、体力だけじゃなく、俺という存在が……だんだんと……黒と一体化し、俺という存在が、曖昧になってきている。
「俺は……にげられない。なにも、思い出せない。それなら、いっそのこと、らくになったほうが、いいのかもしれないな……」
俺は静かに目を閉じると、黒は遠慮なく俺の体を侵食していく。同時に俺はさらに弱り、指一つ動かせなくなった。
こんなところで死ぬなんて、俺はなんて情けない。あの人に知られたら、鍛錬が足りないって笑われて……あの人って誰だ?
「おれも、おわりだな……」
全てを諦めて目を閉じようとした瞬間。黒に包まれていた世界に、小さな白が灯った。周りに比べれば小さいものだが、それはあまりにも異質だった。
『――くん』
……なにかきこえる? あのひかりから……? いや、おれのみみが……おかしくなったか?
『――サイラス君!!』
こえが、きこえる……あたたかい、こえが……このこえ、からだはおぼえていないはず……なのに、からだがよろこび、そしてかなしんでいる……。
『――お願い、目を覚まして!』
だれだ……おれをよぶのは……だめだ、いしきが、もう……。
『――私、あなたがいないと……生きていけないよ……!』
だれかは……わからないが……ここは、きけんだから……おれは、おいて……つよく、いきろ……。
『――サイラス君、私達には、まだやるべきことがあるのよ……?』
やるべき……こと……?
『――だからお願い、起きて……起きてよぉ!』
光がだんだんと大きくなり、それはただの光ではなく、一人の女性の形になった。
その女性は、俺の体をはいずり回る腕を取り払い、俺の体を優しく持ち上げると、そのまま唇を奪われた。
すると、それを待っていたかのように、辺り一面の黒が全て消え、綺麗な草原が広がっていた。
よくわからないが……どうやら俺は、窮地を脱出出来たみたいだ。頭もさっきとは打って変わり、とてもクリアだ。
「そうか……そうだったのか」
さっきから聞こえてくる女性の声。一体誰の声かと思っていたが、今の俺ならだれかわかる。むしろ、誰かわからない方が大問題だ。
「ごほん。この声は……エリシア……! ああ、聞き間違えるはずもない! この天使の歌声のような、澄んだ声は……エリシアの声だ! 俺としたことが、エリシアの声がわからないだなんて、末代までの恥じゃないか!」
ああ、そうか。俺は夢を見ているんだな。あやうく、永遠の眠りになるところだった。
待ってろ、すぐにエリシアの元に帰るから! そして、こんな病気なんてさっさとやっつけて、俺達の明るい未来に進もうじゃないか!
「って……起きるのはいいけど、どうやって起きれば良いんだ?」
辺りを見渡すと、エリシアの形をしていた光と同じ光が、少し離れたところで、俺を導くように光っている。あれに入れば、現実に戻れそうだ。
根拠? そんなの、薬師としての勘さ!
「よーし……エリシアぁぁぁぁ!! すぐに戻るからなぁぁぁぁ!!」
俺は大声でエリシアに言葉をかけてから、光に向かって走り出した。
光は宙に浮いている。どう見ても、普通の人間には届くはずがない距離だったが、そんなのお構いなしに、俺は全速力で加速をつけてジャンプをした。
「うぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁ!! 待ってろよ、今すぐに戻るからなぁぁぁぁぁあ!! エリシアァァァァァァ!!!!」
俺の気合は無事に天に届いた。ギリギリ俺の指先が、光に引っ掛かったんだ。そこから中に入っていくと……急に眠くなってきた。
眠いと言っても、さっきとは違う。暖かくて、母上に子守歌を歌ってもらっていた、幼い頃を思い出すような……そんな暖かさだった。
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