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第八十話 未知の病との戦い
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私は、国王様の側近の方にお願いして、お城の大図書館を開放してもらった。ここにある山のような本は、持ち出しは出来ないが、好きなだけ読んでいいと、お許しを受けた。
そのお許しに甘えて、使えそうな書籍を片っ端から集め、読み始める。熱とか、体の痛みとか、部分的にあっている菌はあるのだけど、決め手になるような情報はない。
前に診た病気は、昔の記録を探せばなんとか情報を得られたけど、今回は未知の病気だから、そううまくいくはずもない。
「とにかく、片っ端からメモするわよ……!」
持ち出せないなら書けばいい。頭にも入るし、一石二鳥よ!
……なんてことを考えていると、私の元に、この前のパーティーで司会をしていた人がやってきた。
「失礼します。先日の件で、国王様から、お伝えしたいことがございます」
「わかりました。彼と一緒に向かわせていただきます」
「はい。病室でお待ちしております」
確か、国王様の病室は、今回のために用意された施設の、一番上の階にあったはずだ。間違えて、別の部屋に入らないようにしないと。
「サイラス君、国王様がお話があるみたい。あなたも行くって伝えちゃったから、一緒に来てくれないかしら?」
「ああ、わかった」
一緒に調べものをしてくれていたサイラス君は、少しやつれた顔をこちらに向けた。
「ねえサイラス君、大丈夫?」
「大丈夫って?」
「だって、イリス様が……」
「母上は大丈夫さ!」
今回の犠牲者の中には、サイラス君のお母様がいる。自分の身内が未知の病気になっているなんて、気が気じゃないだろう。実際に、だいぶやつれてしまっている。
なのに、サイラス君は私に心配をかけないように、いつものように笑っていた。
こんな時、私はどうするのが正解なのだろう。サイラス君を気遣うべきか、気にさせないようにしているのだから、気づかない振りをするべきか……。
……とにかく、早く国王様のところに行かなくちゃ。
****
「国王様、お体の具合はどうですか?」
国王様が治療を受けている部屋に入ると、少しだけ威厳が鳴りを潜めた雰囲気の国王様が、私達に視線を向けた。
「わざわざ出向いてもらったこと、感謝する。余の体調だが、あまり良いとは言えんな……いや、今は余の体調など、些細なことにすぎぬ。今回の事件で得た情報を、そなた達に共有しようと思い、ここに呼んだのだ」
「情報、ですか? どうして私達に? 他の方々にも、共有した方がよろしいではないのですか?」
「そなた達なら、誰にも公言しないと考えたからだ。こう見えても、余はそなた達が思っている以上に、そなた達を高く評価しておるのだぞ」
頑張っていれば、それを見てくれる人は必ずいるというのは聞いたことがあるけど、まさか相手が国王様だなんて、にわかには信じがたい話だ。
「恐縮です。その情報とは?」
「うむ。我々を苦しませる病の原因は、未知の病原体というのは知っておるな?」
「はい。存じておりますわ」
「その病原体を学者に調べさせた結果、自然界で生まれたものではないのがわかった。つまり、誰かが意図的に菌を作ったということだ」
意図的に……? そんな極悪人がいるなんて。これは、明確な攻撃の意志を感じるわ……!
「そ、そんなことが可能なのですか!?」
「……サイラス君が驚く気持ちもわかる。でも、医療に精通している人なら、絶対に無理とは言えないと思うわ」
「エリシアの言う通りだ。だが、自然発生する菌がどうこうという話は、ここではさほど重要ではない」
「そんな危険な菌を、私達に感染させるために使ったこと……ですよね?」
「それもあるが、問題はあと二つある。一つは、この菌を我々に感染させてた経路だ。調べた結果、パーティーで振舞った料理の中に入れられていたことがわかった」
なるほど、あの場で食べた人と食べてない人がいるから、症状が出ている人と、出ていない人がいるのね。私なんかは食べてないから、元気でいられている。
……あれ、でもどうしてサイラス君は大丈夫なのだろう? 確か、食べてたわよね? 運よく感染しなかった……というのは、少し考えにくい。
とはいっても、何も情報がない以上、憶測で考えるしか方法が無いのよね……。
「サイラス君は大丈夫なの?」
「おう。ピンピンしてるよ!」
サイラス君を見ている限りでは、やっぱり嘘をついているようには思えないわ……。
「それで、誰がそれを行ったかの目星はついておられるのですか?」
「うむ。既に実行犯はわかっている。だが……その男を見つけた時には、既に死体となっていた。どうやら、自ら命を絶ったようだ」
一瞬だけ、犯人については解決しているじゃないかと思ってしまった、自分の浅はかさが恨めしい。
「調査の結果、男は家族を人質に取られていて、断れなかったようだ。自殺をした理由は不明だが……」
「一体誰がそんな酷いことを!?」
「もちろんそれも調べさせた。だが、足取りは掴めていないのだ」
「脅されたご家族なら、何かご存じかもしれませんわ」
「余も同じことを考え、兵に保護に行かせたが、既に家の中は家族の血の海になっていたと報告を受けている」
なにそれ、あまりにも徹底的に動いているわね……それに、その黒幕は人の命を何だったと思っているの!?
「現状話せることは、この程度だ。引き続き騎士団に調べさせる。くれぐれも、今話したことも、新種の菌の話も、口外してはならんぞ」
「「心得ております!」」
私達の言葉が無事に重なったところで、国王様は体力の限界が来てしまい、静かに眠りについてしまった。
病魔に侵されているのに、気丈に振舞い、私達に情報を提供してくれた国王様には、頭が上がらないわ。
「さてと、急いで調べものに戻らないとね」
「その前に、一度製薬班のところに行って、様子を見てみないか? もしかしたら、何か進展があるかもしれないよ」
「そうね。行ってみましょうか」
下の階にある、製薬班の本部に向かうと、そこでは見知った人や、今回合同で動いてくれている、他のギルドの人達が、とても慌てていた。
「どうかしたのですか?」
「た、大変です! つい先ほど得た情報なのですが……今までずっと症状が出ていなかった参加者達から、続々と感染者が出ています! それと、同じ症状の患者が、一般市民からも出たとの報告が!」
そのお許しに甘えて、使えそうな書籍を片っ端から集め、読み始める。熱とか、体の痛みとか、部分的にあっている菌はあるのだけど、決め手になるような情報はない。
前に診た病気は、昔の記録を探せばなんとか情報を得られたけど、今回は未知の病気だから、そううまくいくはずもない。
「とにかく、片っ端からメモするわよ……!」
持ち出せないなら書けばいい。頭にも入るし、一石二鳥よ!
……なんてことを考えていると、私の元に、この前のパーティーで司会をしていた人がやってきた。
「失礼します。先日の件で、国王様から、お伝えしたいことがございます」
「わかりました。彼と一緒に向かわせていただきます」
「はい。病室でお待ちしております」
確か、国王様の病室は、今回のために用意された施設の、一番上の階にあったはずだ。間違えて、別の部屋に入らないようにしないと。
「サイラス君、国王様がお話があるみたい。あなたも行くって伝えちゃったから、一緒に来てくれないかしら?」
「ああ、わかった」
一緒に調べものをしてくれていたサイラス君は、少しやつれた顔をこちらに向けた。
「ねえサイラス君、大丈夫?」
「大丈夫って?」
「だって、イリス様が……」
「母上は大丈夫さ!」
今回の犠牲者の中には、サイラス君のお母様がいる。自分の身内が未知の病気になっているなんて、気が気じゃないだろう。実際に、だいぶやつれてしまっている。
なのに、サイラス君は私に心配をかけないように、いつものように笑っていた。
こんな時、私はどうするのが正解なのだろう。サイラス君を気遣うべきか、気にさせないようにしているのだから、気づかない振りをするべきか……。
……とにかく、早く国王様のところに行かなくちゃ。
****
「国王様、お体の具合はどうですか?」
国王様が治療を受けている部屋に入ると、少しだけ威厳が鳴りを潜めた雰囲気の国王様が、私達に視線を向けた。
「わざわざ出向いてもらったこと、感謝する。余の体調だが、あまり良いとは言えんな……いや、今は余の体調など、些細なことにすぎぬ。今回の事件で得た情報を、そなた達に共有しようと思い、ここに呼んだのだ」
「情報、ですか? どうして私達に? 他の方々にも、共有した方がよろしいではないのですか?」
「そなた達なら、誰にも公言しないと考えたからだ。こう見えても、余はそなた達が思っている以上に、そなた達を高く評価しておるのだぞ」
頑張っていれば、それを見てくれる人は必ずいるというのは聞いたことがあるけど、まさか相手が国王様だなんて、にわかには信じがたい話だ。
「恐縮です。その情報とは?」
「うむ。我々を苦しませる病の原因は、未知の病原体というのは知っておるな?」
「はい。存じておりますわ」
「その病原体を学者に調べさせた結果、自然界で生まれたものではないのがわかった。つまり、誰かが意図的に菌を作ったということだ」
意図的に……? そんな極悪人がいるなんて。これは、明確な攻撃の意志を感じるわ……!
「そ、そんなことが可能なのですか!?」
「……サイラス君が驚く気持ちもわかる。でも、医療に精通している人なら、絶対に無理とは言えないと思うわ」
「エリシアの言う通りだ。だが、自然発生する菌がどうこうという話は、ここではさほど重要ではない」
「そんな危険な菌を、私達に感染させるために使ったこと……ですよね?」
「それもあるが、問題はあと二つある。一つは、この菌を我々に感染させてた経路だ。調べた結果、パーティーで振舞った料理の中に入れられていたことがわかった」
なるほど、あの場で食べた人と食べてない人がいるから、症状が出ている人と、出ていない人がいるのね。私なんかは食べてないから、元気でいられている。
……あれ、でもどうしてサイラス君は大丈夫なのだろう? 確か、食べてたわよね? 運よく感染しなかった……というのは、少し考えにくい。
とはいっても、何も情報がない以上、憶測で考えるしか方法が無いのよね……。
「サイラス君は大丈夫なの?」
「おう。ピンピンしてるよ!」
サイラス君を見ている限りでは、やっぱり嘘をついているようには思えないわ……。
「それで、誰がそれを行ったかの目星はついておられるのですか?」
「うむ。既に実行犯はわかっている。だが……その男を見つけた時には、既に死体となっていた。どうやら、自ら命を絶ったようだ」
一瞬だけ、犯人については解決しているじゃないかと思ってしまった、自分の浅はかさが恨めしい。
「調査の結果、男は家族を人質に取られていて、断れなかったようだ。自殺をした理由は不明だが……」
「一体誰がそんな酷いことを!?」
「もちろんそれも調べさせた。だが、足取りは掴めていないのだ」
「脅されたご家族なら、何かご存じかもしれませんわ」
「余も同じことを考え、兵に保護に行かせたが、既に家の中は家族の血の海になっていたと報告を受けている」
なにそれ、あまりにも徹底的に動いているわね……それに、その黒幕は人の命を何だったと思っているの!?
「現状話せることは、この程度だ。引き続き騎士団に調べさせる。くれぐれも、今話したことも、新種の菌の話も、口外してはならんぞ」
「「心得ております!」」
私達の言葉が無事に重なったところで、国王様は体力の限界が来てしまい、静かに眠りについてしまった。
病魔に侵されているのに、気丈に振舞い、私達に情報を提供してくれた国王様には、頭が上がらないわ。
「さてと、急いで調べものに戻らないとね」
「その前に、一度製薬班のところに行って、様子を見てみないか? もしかしたら、何か進展があるかもしれないよ」
「そうね。行ってみましょうか」
下の階にある、製薬班の本部に向かうと、そこでは見知った人や、今回合同で動いてくれている、他のギルドの人達が、とても慌てていた。
「どうかしたのですか?」
「た、大変です! つい先ほど得た情報なのですが……今までずっと症状が出ていなかった参加者達から、続々と感染者が出ています! それと、同じ症状の患者が、一般市民からも出たとの報告が!」
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