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第七十七話 耐えろ理性!!
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馬車に乗って、会場であるお城へと向かう中、私とサイラス君は、久しぶりに二人きりでゆっくりできる時間を堪能していた。
堪能といっても、ただ寄り添いながら、他愛もない話をするだけなのだけど、忙しくてこういう時間すら中々取れない私達には、かけがえの無い時間だ。
「なあエリシア、いつもみたいに、俺に抱きついてくれないか? そろそろ、エリシアパワーが無いと俺……干からびて、お爺さんになってしまいそうだよ」
「謎パワーを人から摂取しないの、もうっ。ほら、これでいい?」
いつものように憎まれ口を叩きながらも、サイラス君の腕に抱きつく。
本当なら、サイラス君は私に正面から抱きしめてほしかったのだろうけど、そんなことをすれば、せっかくのお化粧が崩れてしまうし、サイラス君の服を汚してしまうかもしれない。
「なんだか、こんな格好でいると、結婚式みたいじゃないか?」
「さすがにそれは、飛躍しすぎじゃないかしら……」
言いたいことはわからなくもないけど、私はウェディングドレスを着てるわけじゃないし、サイラス君の服も、結婚式でよくある白い燕尾服じゃない。この状態で結婚式は、ちょっと無理がある気がする。
「もうちょっと落ち着いたら……絶対にやろうな、結婚式」
「そうね。でも、いつになるのやら……」
最近のギルドは、依頼人がとても多くて、嬉しい悲鳴を上げている。これが落ち着く頃なんて、本当に来るのだろうか?
「大丈夫だ、俺が何とかしてみせるさ! 俺は一日でも早く、世界一に愛する女性と結婚をして、一緒にギルドを一番にして、幸せになりたいからな!」
「ええ、私も同じ気持ちだわ。一緒に頑張りましょうね」
私は、抱きついている腕に力を込めて意思表示をしながら、少しだけ顔を上げる。そして、サイラス君のことを見つめながら、目を閉じた。
「……んっ」
暗闇の向こうから、熱の持った何かが近づいてきたとほぼ同時に、私の唇が柔らかいもので抑えられた。
そして、互いにそれを楽しむように、押し付け合ったり、甘噛みしたりと、今まで寂しかった分を取り返す。
とはいっても、ちょっと火がついちゃって……このままでは満足できない。ちょっとだけサイラス君を感じたかっただけなのに……!
「っと……今はこの辺で。残りは帰ったら……な?」
「……ごめんなさい、少しやりすぎちゃったかも……その……なんだか甘えたい気分で……」
「なんだよそれ、可愛すぎる……耐えろ俺の理性!! 耐えきれなければ死ぬと思え!!」
「そ、そこまでの覚悟がいるものかしら……?」
相変わらずサイラス君の愛情表現は凄いけど、もうこれが平常運転だから、慣らされちゃったのよね……なんだか私、サイラス君の考え方に毒されてきているかもしれないわ。
****
無事に会場に到着した私は、今日も変わらず大きなお城を眺めながら、感嘆の息を漏らした。
「お城って、いつ来ても本当に大きいね~」
「こ、こんなところでパーティーなんて……僕に出来るのか?」
「大丈夫大丈夫!」
初めての社交界が、まさか国が主催しているものだなんて、社交界初心者であるレージュ様には、相当大変そうだけど、ミラがいるから大丈夫ね。
「失礼。本日招待された者なのですが」
「招待状を拝見します……サイラス・クラヴェル様。エリシア・チュレンヌ様。ミラ・チュレンヌ様。レージュ様。お待ちしておりました。パーティーが始まるまでは、ご自由にお過ごしください。ホールには沢山のお食事とお飲み物をご用意いたしておりますので、ぜひご堪能下さい」
中に通してもらうと、煌びやかなホールで、貴族達が思い思いに会話して楽しむ中、給仕の人達が料理を続々と運び込んでいる。
こういう場でバイキング方式の料理の提供って、珍しいわね。社交界で料理を振舞われる時は、基本的には座っているところに提供される形式が大半だ。
その形式だと、ゆっくり食べられる反面、色々な人との交流は出来ないから、今回は後者を優先したのでしょうね。
……って、なんだか最近はバイキングに縁があるわね。
「お姉様。あたし、知り合いに挨拶してくるね~」
「私も一緒に行こうか?」
「僕がついていきますので、ご心配なく」
「きゃ~! かっこいい~! ねえねえ、やっぱり恋人って紹介させてよ!」
「それはご勘弁を……僕はまだその域には達していないんだ」
そんなに堅苦しく考える必要はないと思うんだけどなぁ……なんて思っていると、部屋の隅で、壁に背中を預けながら腕を組む、マグナス様の姿があった。
どうやら、今日はヘレナ様は連れていないようね。それに、ずいぶんとやつれちゃったわね……引きこもりがちだったと聞いていたけど、本当みたい。
なんにせよ。とてもいい気味だわ。散々私を苦しめた元婚約者がああなっていく姿は、見ていて気持ちがいいわ。
……なんだか、これだと私がただの悪女みたいじゃない! 私は、あくまでマグナス様だけにやってるだけだから!
「やあお二人さん! 最近頑張っているそうだね! ところで、お二人だけに秘密の、絶対儲かる仕事の件で話があってさ」
「あなた達に素材を安く売るから、うちだけに薬を独占させてくれないかしら?」
「ちょっと二日酔いが酷いから、治せる薬を帰ったらすぐに作ってくれないか? 治らないと、今日の酒が飲めないんだよ!」
挨拶回りをしようとしたのを見計らっていたかのように、私とサイラス君の周りに集まってきた人達は、自分の欲望のために群がってきた人達だった。
この人達は、サイラス君のギルドが有名になったから、利用してやろうと思って近づいてきたのね。
こういう手合いの人間は、放っておくと必ず面倒になる。だから、そうならないように、私は一歩前に出て、満面の笑みを浮かべた。
「申し訳ございません、我がギルドは直接来ていただいて依頼を出していただくのがルールでして。その依頼も、すべて埋まってしまっていて……お待ちいただくしかありません。あと、信頼できる人としか取引はいたしません。どうぞ、お引き取りを」
突っぱねる言い切ったおかげで、集まってきた人達は、不満げに散らばっていってしまった。
「まったく、私達が有名になったからって、寄生しようとしてる輩がいるのね」
「こういう汚い世界だから、社交界は出たくないんだよなぁ。さっきの約束がなかったら、ストレスが酷いことになってたよ」
「あ、エリシア様~! サイラス様~!」
私達を呼ぶ声の方を向くと、そこにはメアリー様が興奮した様子で駆け寄ってきた。
ああ、醜い社交界の癒しが来てくれたわ……心が洗われるような感覚だ。
「メアリー様、お久しぶりです。その後の調子はいかがですか?」
「おかげさまで、父もだいぶ回復してきましたし! さすがにまだ全快ではないので、今回は不参加なんです」
これに関しては、まだ病み上がりで動けないという理由があるから、休んでも問題は無い……はず。
「その節は、本当にありがとうございました! もう一度、ちゃんとお礼を言えて良かったです! あ、他の人に挨拶いかなきゃ! ではお二人共、またお会いできる日を楽しみにしています!」
メアリー様は、嵐の様に来て、嵐の様に去っていった。
本当に元気で明るい子だ。案外、ミラと相性がいいかもしれないわね。
って、のんきに見ていないで、私達もちゃんと挨拶回りをしないとね。
堪能といっても、ただ寄り添いながら、他愛もない話をするだけなのだけど、忙しくてこういう時間すら中々取れない私達には、かけがえの無い時間だ。
「なあエリシア、いつもみたいに、俺に抱きついてくれないか? そろそろ、エリシアパワーが無いと俺……干からびて、お爺さんになってしまいそうだよ」
「謎パワーを人から摂取しないの、もうっ。ほら、これでいい?」
いつものように憎まれ口を叩きながらも、サイラス君の腕に抱きつく。
本当なら、サイラス君は私に正面から抱きしめてほしかったのだろうけど、そんなことをすれば、せっかくのお化粧が崩れてしまうし、サイラス君の服を汚してしまうかもしれない。
「なんだか、こんな格好でいると、結婚式みたいじゃないか?」
「さすがにそれは、飛躍しすぎじゃないかしら……」
言いたいことはわからなくもないけど、私はウェディングドレスを着てるわけじゃないし、サイラス君の服も、結婚式でよくある白い燕尾服じゃない。この状態で結婚式は、ちょっと無理がある気がする。
「もうちょっと落ち着いたら……絶対にやろうな、結婚式」
「そうね。でも、いつになるのやら……」
最近のギルドは、依頼人がとても多くて、嬉しい悲鳴を上げている。これが落ち着く頃なんて、本当に来るのだろうか?
「大丈夫だ、俺が何とかしてみせるさ! 俺は一日でも早く、世界一に愛する女性と結婚をして、一緒にギルドを一番にして、幸せになりたいからな!」
「ええ、私も同じ気持ちだわ。一緒に頑張りましょうね」
私は、抱きついている腕に力を込めて意思表示をしながら、少しだけ顔を上げる。そして、サイラス君のことを見つめながら、目を閉じた。
「……んっ」
暗闇の向こうから、熱の持った何かが近づいてきたとほぼ同時に、私の唇が柔らかいもので抑えられた。
そして、互いにそれを楽しむように、押し付け合ったり、甘噛みしたりと、今まで寂しかった分を取り返す。
とはいっても、ちょっと火がついちゃって……このままでは満足できない。ちょっとだけサイラス君を感じたかっただけなのに……!
「っと……今はこの辺で。残りは帰ったら……な?」
「……ごめんなさい、少しやりすぎちゃったかも……その……なんだか甘えたい気分で……」
「なんだよそれ、可愛すぎる……耐えろ俺の理性!! 耐えきれなければ死ぬと思え!!」
「そ、そこまでの覚悟がいるものかしら……?」
相変わらずサイラス君の愛情表現は凄いけど、もうこれが平常運転だから、慣らされちゃったのよね……なんだか私、サイラス君の考え方に毒されてきているかもしれないわ。
****
無事に会場に到着した私は、今日も変わらず大きなお城を眺めながら、感嘆の息を漏らした。
「お城って、いつ来ても本当に大きいね~」
「こ、こんなところでパーティーなんて……僕に出来るのか?」
「大丈夫大丈夫!」
初めての社交界が、まさか国が主催しているものだなんて、社交界初心者であるレージュ様には、相当大変そうだけど、ミラがいるから大丈夫ね。
「失礼。本日招待された者なのですが」
「招待状を拝見します……サイラス・クラヴェル様。エリシア・チュレンヌ様。ミラ・チュレンヌ様。レージュ様。お待ちしておりました。パーティーが始まるまでは、ご自由にお過ごしください。ホールには沢山のお食事とお飲み物をご用意いたしておりますので、ぜひご堪能下さい」
中に通してもらうと、煌びやかなホールで、貴族達が思い思いに会話して楽しむ中、給仕の人達が料理を続々と運び込んでいる。
こういう場でバイキング方式の料理の提供って、珍しいわね。社交界で料理を振舞われる時は、基本的には座っているところに提供される形式が大半だ。
その形式だと、ゆっくり食べられる反面、色々な人との交流は出来ないから、今回は後者を優先したのでしょうね。
……って、なんだか最近はバイキングに縁があるわね。
「お姉様。あたし、知り合いに挨拶してくるね~」
「私も一緒に行こうか?」
「僕がついていきますので、ご心配なく」
「きゃ~! かっこいい~! ねえねえ、やっぱり恋人って紹介させてよ!」
「それはご勘弁を……僕はまだその域には達していないんだ」
そんなに堅苦しく考える必要はないと思うんだけどなぁ……なんて思っていると、部屋の隅で、壁に背中を預けながら腕を組む、マグナス様の姿があった。
どうやら、今日はヘレナ様は連れていないようね。それに、ずいぶんとやつれちゃったわね……引きこもりがちだったと聞いていたけど、本当みたい。
なんにせよ。とてもいい気味だわ。散々私を苦しめた元婚約者がああなっていく姿は、見ていて気持ちがいいわ。
……なんだか、これだと私がただの悪女みたいじゃない! 私は、あくまでマグナス様だけにやってるだけだから!
「やあお二人さん! 最近頑張っているそうだね! ところで、お二人だけに秘密の、絶対儲かる仕事の件で話があってさ」
「あなた達に素材を安く売るから、うちだけに薬を独占させてくれないかしら?」
「ちょっと二日酔いが酷いから、治せる薬を帰ったらすぐに作ってくれないか? 治らないと、今日の酒が飲めないんだよ!」
挨拶回りをしようとしたのを見計らっていたかのように、私とサイラス君の周りに集まってきた人達は、自分の欲望のために群がってきた人達だった。
この人達は、サイラス君のギルドが有名になったから、利用してやろうと思って近づいてきたのね。
こういう手合いの人間は、放っておくと必ず面倒になる。だから、そうならないように、私は一歩前に出て、満面の笑みを浮かべた。
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突っぱねる言い切ったおかげで、集まってきた人達は、不満げに散らばっていってしまった。
「まったく、私達が有名になったからって、寄生しようとしてる輩がいるのね」
「こういう汚い世界だから、社交界は出たくないんだよなぁ。さっきの約束がなかったら、ストレスが酷いことになってたよ」
「あ、エリシア様~! サイラス様~!」
私達を呼ぶ声の方を向くと、そこにはメアリー様が興奮した様子で駆け寄ってきた。
ああ、醜い社交界の癒しが来てくれたわ……心が洗われるような感覚だ。
「メアリー様、お久しぶりです。その後の調子はいかがですか?」
「おかげさまで、父もだいぶ回復してきましたし! さすがにまだ全快ではないので、今回は不参加なんです」
これに関しては、まだ病み上がりで動けないという理由があるから、休んでも問題は無い……はず。
「その節は、本当にありがとうございました! もう一度、ちゃんとお礼を言えて良かったです! あ、他の人に挨拶いかなきゃ! ではお二人共、またお会いできる日を楽しみにしています!」
メアリー様は、嵐の様に来て、嵐の様に去っていった。
本当に元気で明るい子だ。案外、ミラと相性がいいかもしれないわね。
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