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第四十六話 製薬開始!
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ルーイン病を治すための薬を作るために動きだしてから、早くも一ヶ月の月日が経った。
あれから、私達は一回も患者の容体を診させてもらえてないが、私の無茶な行動によって手に入れた病原体のおかげで、なんとか製薬に取り掛かることが出来ていた。
それと同時に、とても古い資料を漁りに漁り、いくつかルーイン病についての情報を得ることが出来た。
とりあえず、今の私達にわかっていることは、大きく分けて二つだ。
一つは、この病原体は主に口径感染するものだ。
感染した動物の肉や排泄物を、他の動物に食べてもらうことで、どんどんと広がっていくが、感染力自体はかなり低い。そのおかげで、今日まで感染の報告例が少なかったみたい。昔に比べて、町が清潔になっているのも、感染の抑制に繋がっている。
もう一つは、菌が体内に入った時の動き方だ。これがとても変わっていて、知った時はとても驚いた。
この菌は、体内に入ると爆発的に増殖するが、その後の活動はとても緩やかになる。その影響で、感染しても症状がすぐには出ない。
症状が出る頃には、すでに体中で菌が蔓延し、取り返しがつかなくなって、そのまま……というのが、ルーイン病の必勝パターンということね。
これはあくまで過程だけど、今回の患者は、最近感染したと思っていたけど、ずっと前から感染していたのが、表に出てきたのかもしれない。
それで、肝心の治し方なのだけど……資料の中にその記載は見つけられなかった。
あくまで見つけられなかっただけで、他の資料には書いてあるのかもしれないけど、昔の医療技術では、一件も治せなかったという可能性もある。
だから、資料集めはほどほどにして、製薬の方に注力することにしたの。
……偉そうに注力していると言っておいてなんだけど、成果はまだ何も出ていないのだけどね。これでも、寝る時間を削って、色々と試しているのに……。
「この薬も効果無しか……思いつく方法は大体試したのに……」
資料に薬の情報が無かったから、製薬班の人達と力を合わせて、ルーイン病に似ている症状の薬を試し、そこから色々と手を変え品を変えて作った試作品を、マウスに与えたり、菌に直接使って効果をみているのだけど、結果は振るわない。
「沢山勉強してきたつもりだったけど、そんな考えはおこがましいんだって、思い知らされるわね……」
「同感です。世の中には、まだまだ僕達人間の考えには及ばない、未知の病気があるのでしょうね」
一緒に薬を作っていたレージュ様も、悔しそうに顔を歪ませながら、いつも飲んでいるコーヒーを口に付けた。
私も少し休憩しようかしら……なんて思ったタイミングで、職員の男性が声をかけてきた。
「エリシアさん。お客さんっす」
「お客様?」
「たしか、ロンド家のメアリーって名乗ってたっすよ」
「メアリー様? 急にどうしたのかしら……? どこにお通ししたんですか?」
「ギルド長室に行ったみたいっすよ」
サイラス様のところということは、私達だけに聞いてもらいたい話があるのかしら。
「わかりました。伝えてくださり、ありがとうございます。何かあったら、すぐにお呼びください。レージュ様、私は少し離れますので、引き続きお願いしますね」
「わかりました」
レージュ様に任せて、ギルド長室に行くと、そこにはまだあどけなさが残っている、メアリー様の愛らしい笑顔に出迎えられた。
「エリシア様、来てくれてありがとうございます」
「いえいえ。わざわざご足労いただき、大変恐縮です。それでメアリー様、急にどうしたのですか? まさか、お父様の容体に変化が?」
「いえ、そういうわけではないのです。実は、マグナス様のギルドの人から、薬ができたという報告がありまして」
まだ一カ月ちょっとしか経っていないのに、もう完成したというの? さすがはマグナス様のギルドというべきか、悔しがるべきか……。
「それで、その薬は今回のために作られた特別製だから、使うためにご家族の許可がほしいと言われて。それと一緒に、薬の作り方が書かれた資料を渡してくれたのです。それが、これなのですけど……」
メアリー様が渡してくれた書類には、薬の成分や薬効、その作り方がしっかりと書かれていた。
その作り方は、私には思いつかなかったようなやり方や、使おうと思ってもなかった素材を使っていた。
……悔しいけど、やっぱりマグナス様のギルドは知識量や設備が違いすぎる。この不利をどうにかしないと、勝ち目がないわね。
それにしても、どうしてこの薬草と、この鉱石を一緒に使うのだろう? これをしたら、薬草に含まれている薬効の一部が、鉱石に含まれる成分によって破壊されて、薬効が落ちてしまうのに。
「これがあれば、俺達でもルーイン病を治す薬が作れるし、改良をすればさらに薬効をあげられるかもしれない! これは俺達の大勝利になること間違いなし!」
「……本当にそう思っているの? 顔、引きつっているわよ」
「バレたか。さすがにこれで、大手を振って喜べるわけないよな。なにせ相手が相手だし」
あれだけ卑怯なことをしてきたマグナス様が、敵に塩を送ることに繋がるような行動をするとは、到底思えない。
多分だけど、嬉々としてこの薬を作ったり、改良をした薬を持ってこさせて、それ以上の薬を作ってくるつもりなのだろう。
それか、恩着せがましく資料を送って優越感に浸りながら、薬を作っても菌が手元に無くて悔しがるのを見たがってるとか?
……どちらにしたって、性格が悪すぎるわね。マグナス様ならやりかねないだろうけど。
「私も、何かの罠かなと思ってましたが、役に立てるかもしれないことをやらないのは、後で後悔しそうなので!」
「ありがとうございます。とりあえず、この薬も一応マウスに試してみましょう。メアリー様、この資料を写させてもらってよろしいでしょうか?」
「はい、もちろんです」
「それじゃあ、俺がやるよ。山のような事務作業のおかげで、字を書くのがとても早くなってさ」
「大丈夫? 学生時代は、他の人には読めないような字を書いてたわよね?」
「大丈夫! あまりにも字が汚いとレージュに叱られて、読めるくらいには上達したから! それじゃあメアリー様、俺は一旦失礼します。すぐに写して戻ってきますから!」
それって大丈夫なのか疑問に思っている間に、サイラス様は資料を持って部屋を出ていった。
そんな彼の後ろ姿を見ながら、大丈夫なのかと頭を悩ませている私とは対照的に、メアリー様はクスクスと笑っていた。
「どうかしたのですか?」
「あなた達って、お付き合いをしていますの?」
あれから、私達は一回も患者の容体を診させてもらえてないが、私の無茶な行動によって手に入れた病原体のおかげで、なんとか製薬に取り掛かることが出来ていた。
それと同時に、とても古い資料を漁りに漁り、いくつかルーイン病についての情報を得ることが出来た。
とりあえず、今の私達にわかっていることは、大きく分けて二つだ。
一つは、この病原体は主に口径感染するものだ。
感染した動物の肉や排泄物を、他の動物に食べてもらうことで、どんどんと広がっていくが、感染力自体はかなり低い。そのおかげで、今日まで感染の報告例が少なかったみたい。昔に比べて、町が清潔になっているのも、感染の抑制に繋がっている。
もう一つは、菌が体内に入った時の動き方だ。これがとても変わっていて、知った時はとても驚いた。
この菌は、体内に入ると爆発的に増殖するが、その後の活動はとても緩やかになる。その影響で、感染しても症状がすぐには出ない。
症状が出る頃には、すでに体中で菌が蔓延し、取り返しがつかなくなって、そのまま……というのが、ルーイン病の必勝パターンということね。
これはあくまで過程だけど、今回の患者は、最近感染したと思っていたけど、ずっと前から感染していたのが、表に出てきたのかもしれない。
それで、肝心の治し方なのだけど……資料の中にその記載は見つけられなかった。
あくまで見つけられなかっただけで、他の資料には書いてあるのかもしれないけど、昔の医療技術では、一件も治せなかったという可能性もある。
だから、資料集めはほどほどにして、製薬の方に注力することにしたの。
……偉そうに注力していると言っておいてなんだけど、成果はまだ何も出ていないのだけどね。これでも、寝る時間を削って、色々と試しているのに……。
「この薬も効果無しか……思いつく方法は大体試したのに……」
資料に薬の情報が無かったから、製薬班の人達と力を合わせて、ルーイン病に似ている症状の薬を試し、そこから色々と手を変え品を変えて作った試作品を、マウスに与えたり、菌に直接使って効果をみているのだけど、結果は振るわない。
「沢山勉強してきたつもりだったけど、そんな考えはおこがましいんだって、思い知らされるわね……」
「同感です。世の中には、まだまだ僕達人間の考えには及ばない、未知の病気があるのでしょうね」
一緒に薬を作っていたレージュ様も、悔しそうに顔を歪ませながら、いつも飲んでいるコーヒーを口に付けた。
私も少し休憩しようかしら……なんて思ったタイミングで、職員の男性が声をかけてきた。
「エリシアさん。お客さんっす」
「お客様?」
「たしか、ロンド家のメアリーって名乗ってたっすよ」
「メアリー様? 急にどうしたのかしら……? どこにお通ししたんですか?」
「ギルド長室に行ったみたいっすよ」
サイラス様のところということは、私達だけに聞いてもらいたい話があるのかしら。
「わかりました。伝えてくださり、ありがとうございます。何かあったら、すぐにお呼びください。レージュ様、私は少し離れますので、引き続きお願いしますね」
「わかりました」
レージュ様に任せて、ギルド長室に行くと、そこにはまだあどけなさが残っている、メアリー様の愛らしい笑顔に出迎えられた。
「エリシア様、来てくれてありがとうございます」
「いえいえ。わざわざご足労いただき、大変恐縮です。それでメアリー様、急にどうしたのですか? まさか、お父様の容体に変化が?」
「いえ、そういうわけではないのです。実は、マグナス様のギルドの人から、薬ができたという報告がありまして」
まだ一カ月ちょっとしか経っていないのに、もう完成したというの? さすがはマグナス様のギルドというべきか、悔しがるべきか……。
「それで、その薬は今回のために作られた特別製だから、使うためにご家族の許可がほしいと言われて。それと一緒に、薬の作り方が書かれた資料を渡してくれたのです。それが、これなのですけど……」
メアリー様が渡してくれた書類には、薬の成分や薬効、その作り方がしっかりと書かれていた。
その作り方は、私には思いつかなかったようなやり方や、使おうと思ってもなかった素材を使っていた。
……悔しいけど、やっぱりマグナス様のギルドは知識量や設備が違いすぎる。この不利をどうにかしないと、勝ち目がないわね。
それにしても、どうしてこの薬草と、この鉱石を一緒に使うのだろう? これをしたら、薬草に含まれている薬効の一部が、鉱石に含まれる成分によって破壊されて、薬効が落ちてしまうのに。
「これがあれば、俺達でもルーイン病を治す薬が作れるし、改良をすればさらに薬効をあげられるかもしれない! これは俺達の大勝利になること間違いなし!」
「……本当にそう思っているの? 顔、引きつっているわよ」
「バレたか。さすがにこれで、大手を振って喜べるわけないよな。なにせ相手が相手だし」
あれだけ卑怯なことをしてきたマグナス様が、敵に塩を送ることに繋がるような行動をするとは、到底思えない。
多分だけど、嬉々としてこの薬を作ったり、改良をした薬を持ってこさせて、それ以上の薬を作ってくるつもりなのだろう。
それか、恩着せがましく資料を送って優越感に浸りながら、薬を作っても菌が手元に無くて悔しがるのを見たがってるとか?
……どちらにしたって、性格が悪すぎるわね。マグナス様ならやりかねないだろうけど。
「私も、何かの罠かなと思ってましたが、役に立てるかもしれないことをやらないのは、後で後悔しそうなので!」
「ありがとうございます。とりあえず、この薬も一応マウスに試してみましょう。メアリー様、この資料を写させてもらってよろしいでしょうか?」
「はい、もちろんです」
「それじゃあ、俺がやるよ。山のような事務作業のおかげで、字を書くのがとても早くなってさ」
「大丈夫? 学生時代は、他の人には読めないような字を書いてたわよね?」
「大丈夫! あまりにも字が汚いとレージュに叱られて、読めるくらいには上達したから! それじゃあメアリー様、俺は一旦失礼します。すぐに写して戻ってきますから!」
それって大丈夫なのか疑問に思っている間に、サイラス様は資料を持って部屋を出ていった。
そんな彼の後ろ姿を見ながら、大丈夫なのかと頭を悩ませている私とは対照的に、メアリー様はクスクスと笑っていた。
「どうかしたのですか?」
「あなた達って、お付き合いをしていますの?」
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