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第三十二話 一件落着
しおりを挟む サリューを取りに行ってから少し経ったある日、私はカロ君の家に行き、おじいちゃんの経過を診させてもらった。
おじいちゃんは既に意識を取り戻していて、私と会話することも出来るくらい回復したわ。
「うん、もう症状は出ていませんね。完治しています」
「ありがとうございます、エリシアさん。おかげで助かりました」
「いえ、そんな。私は薬師として、当然のことをしたまでですから。お礼を伝えるなら、カロ君にしてあげてください」
カロ君はまだ幼いのに、なんとか助けるために頑張っていたし、食事や身の回りの世話をしていた。本当によく頑張ったと思うわ。
「ええ、もちろん。カロに笑顔が戻って安心しましたわい。そうだ、例の件はどうなりましたかな?」
「今回の報酬の件ですね。ええ、おかげさまでギルドのお仕事が増えましたよ!」
実は、今回の報酬として、おじいさんは馴染みのある商人にお願いをして、うちのギルドに安価で薬の素材を取引するようにしてくれたの。
それだけではなく、その人脈を使って、ギルドの評判も広げてくれたの。おかげで、最近はギルドに来る仕事の量が増えたし、評判を聞いて、うちで働きたいって人も増えて、良いことづくめだ。
現役を退いてもなおこの影響力……あの嫌な商人が言っていたように、本当に凄い商人だったのね。
そんな彼が、カロ君と一緒に都会から離れた場所に住んでいるのは、他にも恨んでいる人がいると想定して、安全な場所でカロ君に過ごしてほしいからなのでしょうね。
「エリシアお姉ちゃん、本当にありがとう!」
「どういたしまして。これからも、おじいちゃんと仲良く暮らしてね」
「うんっ!」
嬉しさのあまり、私に抱きついてきたカロ君の頭を優しく撫でてあげてから、私はギルドへの帰路についた。
まだ幼いカロ君が相手だから、特に何も思わないけど……これをサイラス様にやられたら……。
「考えるだけで、恥ずかしくなってくるわね……さあ、早く帰って依頼で来た薬を作らないと。いくら人材が増えたからといって、レージュ様や、ベテランの薬師がいない分を穴埋めするのは、少し難しいでしょうしね。それにしても、どうして彼らは突然倒れてしまったのかしら……?」
実は、来る前にレージュ様や数人の薬師や事務の人が、倒れてしまっているの。
命に別状は無いのだけど、原因は全然思い当たらないのよね……色々としてくれたレージュ様やギルドの人達に、クッキーを焼いて……それを食べた人がみんな倒れてしまったのよ。
動かすのは危険かもしれないから、今は仮眠室で休んでもらっている。
唯一、私のクッキーを見て、ひったくるように、残ったクッキーを一気に口に頬張ったサイラス様だけは、倒れなかったのも不思議だわ。
不思議と言えばもう一つあって。クッキーを持ってきたのを見たサイラス様が、喜ぶわけでもなく、感動で泣いたりするわけでもなく、凄く慌てた感じだったも、なぜなのだろう?
「……もしかして、私のクッキーに原因があるとか?」
さすがにそれはないわよね。作り方はちゃんとわかってるし、毒とか入れたわけでもない。みんなに沢山栄養を摂ってほしくて、薬で使う薬草や虫を入れただけだ。いわゆる、薬膳クッキーというやつね。
それだって、ちゃんと大丈夫か味見をして、問題無かったから配ったし……うーん、いくら考えても、原因がわからない。
――なんて考えているうちに、私はギルドに戻ってきた。
依頼の受け付けがあるラウンジには、以前よりも人が多いのを実際に見ると、効果はテキメンだったと、改めて強く思えるわ。
それと同時に、仕事にやりがいも出てくるというものよ。ここに来ている人全員の薬を作って、助けてあげなくちゃ!
「ただいまもどりました。さて、仕事はっと……」
「エリシアさん、知ってるっすか? 最近、王都から来た騎士団が、例の森に派遣されたことを」
自分の作業机に座ると、薬師の男性が静かに声をかけてきた。
「いえ。それは、どうしてそんな事態に?」
「俺も気になって、騎士団にいる友達に聞いたんすけど、どうやらとある貴族からの要請で、恐ろしいグリムベアがいるから、駆除してほしいというものだったらしいっす」
「ま、まさか……それって……! あ、あの! そのグリムベア、顔に傷がある、子連れのグリムベアって言ってませんでしたか!?」
「あ~……確か言ってたっすね。グリムベアを見つけたら駆除すること、特に今言っていた特徴のは、最優先で駆除するようにと言われてたみたいっすよ」
そんな……それが本当なら、私達を助けてくれたグリムベアの親子は……もう……。
「エリシアさん、どうかしたっすか? もしかして、泣いて……?」
「大丈夫、なんでもありませんから。ごめんなさい、少し外の風にあたってきますね」
私は、自分の胸のうちに渦巻く黒い感情を表に出さないように、ニッコリと笑ってから、ギルドの裏口から外に出た。
……きっとグリムベアの駆除を指示したのは、マグナス様で間違いないだろう。明確な理由なんて知らないけど、あの人なら逆恨みで行動しても、なにも不思議ではない。
あの親子は、ただあそこで暮らしていただけなのに。助けた私達に恩返しをしてくれるような、本当は優しい子達だったのに……あの人は、無情にも尊い命を終わらせた!
「本当に、本当に最低な人だ……! 絶対に許さないんだから! 必ず、マグナス様には痛い目をみてもらわないと……!」
「まったくだ。俺も君の意見に賛成だ」
「そうよね、やっぱりそう思う……って、えぇ!?」
あまりにも自然に会話に入ってきたから、普通に答えてしまったのだけど……ここには私しかいないと思っていたのに、誰かいたの!?
そう思って振り返ると、そこには真剣な表情のサイラス様が立っていた。
おじいちゃんは既に意識を取り戻していて、私と会話することも出来るくらい回復したわ。
「うん、もう症状は出ていませんね。完治しています」
「ありがとうございます、エリシアさん。おかげで助かりました」
「いえ、そんな。私は薬師として、当然のことをしたまでですから。お礼を伝えるなら、カロ君にしてあげてください」
カロ君はまだ幼いのに、なんとか助けるために頑張っていたし、食事や身の回りの世話をしていた。本当によく頑張ったと思うわ。
「ええ、もちろん。カロに笑顔が戻って安心しましたわい。そうだ、例の件はどうなりましたかな?」
「今回の報酬の件ですね。ええ、おかげさまでギルドのお仕事が増えましたよ!」
実は、今回の報酬として、おじいさんは馴染みのある商人にお願いをして、うちのギルドに安価で薬の素材を取引するようにしてくれたの。
それだけではなく、その人脈を使って、ギルドの評判も広げてくれたの。おかげで、最近はギルドに来る仕事の量が増えたし、評判を聞いて、うちで働きたいって人も増えて、良いことづくめだ。
現役を退いてもなおこの影響力……あの嫌な商人が言っていたように、本当に凄い商人だったのね。
そんな彼が、カロ君と一緒に都会から離れた場所に住んでいるのは、他にも恨んでいる人がいると想定して、安全な場所でカロ君に過ごしてほしいからなのでしょうね。
「エリシアお姉ちゃん、本当にありがとう!」
「どういたしまして。これからも、おじいちゃんと仲良く暮らしてね」
「うんっ!」
嬉しさのあまり、私に抱きついてきたカロ君の頭を優しく撫でてあげてから、私はギルドへの帰路についた。
まだ幼いカロ君が相手だから、特に何も思わないけど……これをサイラス様にやられたら……。
「考えるだけで、恥ずかしくなってくるわね……さあ、早く帰って依頼で来た薬を作らないと。いくら人材が増えたからといって、レージュ様や、ベテランの薬師がいない分を穴埋めするのは、少し難しいでしょうしね。それにしても、どうして彼らは突然倒れてしまったのかしら……?」
実は、来る前にレージュ様や数人の薬師や事務の人が、倒れてしまっているの。
命に別状は無いのだけど、原因は全然思い当たらないのよね……色々としてくれたレージュ様やギルドの人達に、クッキーを焼いて……それを食べた人がみんな倒れてしまったのよ。
動かすのは危険かもしれないから、今は仮眠室で休んでもらっている。
唯一、私のクッキーを見て、ひったくるように、残ったクッキーを一気に口に頬張ったサイラス様だけは、倒れなかったのも不思議だわ。
不思議と言えばもう一つあって。クッキーを持ってきたのを見たサイラス様が、喜ぶわけでもなく、感動で泣いたりするわけでもなく、凄く慌てた感じだったも、なぜなのだろう?
「……もしかして、私のクッキーに原因があるとか?」
さすがにそれはないわよね。作り方はちゃんとわかってるし、毒とか入れたわけでもない。みんなに沢山栄養を摂ってほしくて、薬で使う薬草や虫を入れただけだ。いわゆる、薬膳クッキーというやつね。
それだって、ちゃんと大丈夫か味見をして、問題無かったから配ったし……うーん、いくら考えても、原因がわからない。
――なんて考えているうちに、私はギルドに戻ってきた。
依頼の受け付けがあるラウンジには、以前よりも人が多いのを実際に見ると、効果はテキメンだったと、改めて強く思えるわ。
それと同時に、仕事にやりがいも出てくるというものよ。ここに来ている人全員の薬を作って、助けてあげなくちゃ!
「ただいまもどりました。さて、仕事はっと……」
「エリシアさん、知ってるっすか? 最近、王都から来た騎士団が、例の森に派遣されたことを」
自分の作業机に座ると、薬師の男性が静かに声をかけてきた。
「いえ。それは、どうしてそんな事態に?」
「俺も気になって、騎士団にいる友達に聞いたんすけど、どうやらとある貴族からの要請で、恐ろしいグリムベアがいるから、駆除してほしいというものだったらしいっす」
「ま、まさか……それって……! あ、あの! そのグリムベア、顔に傷がある、子連れのグリムベアって言ってませんでしたか!?」
「あ~……確か言ってたっすね。グリムベアを見つけたら駆除すること、特に今言っていた特徴のは、最優先で駆除するようにと言われてたみたいっすよ」
そんな……それが本当なら、私達を助けてくれたグリムベアの親子は……もう……。
「エリシアさん、どうかしたっすか? もしかして、泣いて……?」
「大丈夫、なんでもありませんから。ごめんなさい、少し外の風にあたってきますね」
私は、自分の胸のうちに渦巻く黒い感情を表に出さないように、ニッコリと笑ってから、ギルドの裏口から外に出た。
……きっとグリムベアの駆除を指示したのは、マグナス様で間違いないだろう。明確な理由なんて知らないけど、あの人なら逆恨みで行動しても、なにも不思議ではない。
あの親子は、ただあそこで暮らしていただけなのに。助けた私達に恩返しをしてくれるような、本当は優しい子達だったのに……あの人は、無情にも尊い命を終わらせた!
「本当に、本当に最低な人だ……! 絶対に許さないんだから! 必ず、マグナス様には痛い目をみてもらわないと……!」
「まったくだ。俺も君の意見に賛成だ」
「そうよね、やっぱりそう思う……って、えぇ!?」
あまりにも自然に会話に入ってきたから、普通に答えてしまったのだけど……ここには私しかいないと思っていたのに、誰かいたの!?
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