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第1話 心が見える令嬢
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「アイリス殿、今日もお美しいですね。良かったら私と共にダンスを踊っていただけませんか?」
「申し訳ありません、ダンスは苦手でして……あなたの足を引っ張って顔に泥を塗るわけにはまいりませんわ」
「こんな男とダンスをするよりも、一緒に食事でもしながら語り合いましょう、アイリス」
「申し訳ありません、あいにく小食でして……すでに食べたものでお腹がいっぱいなんですの。私のような女と食べるよりも、もっと素晴らしい女性をお誘いになった方がよろしいかと」
とある侯爵貴族が主催のパーティーに出席した私——アイリス・ハーウェイは、貴族の殿方からのお誘いを、次々と適当な理由を付けて断り続けておりました。
パーティーに参加するたびに、こうやって言い寄られて……もう何度も経験させられたせいで、対処の仕方にも慣れてしまっていますの。
『ちっ……相変わらずガードが固い女だ。次こそは俺の虜にして婚約までこぎつけてやる……そして、あの優秀な魔法の血を我が家に……』
『あ~今回も駄目か……くそっ、あの根暗女め、見た目がいいからってお高くとまりやがって……絶対に落としてその身体を貪ってやる……』
私の元を去っていく殿方——ではなく、彼らの肩のあたりをフヨフヨと飛んでいる、妖精のような生き物から、彼らと同じ声質の声が聞こえてきました。
今のは彼らの心の声……私は人の心が見える魔法が使えます。
厳密に言うと、一人に一人ずつ必ずいる妖精なような生き物が私には見えて、それが主の心の声を包み隠さず話してくれますの。
魔法の存在に気づいたのは……三歳の頃。お母様の周りを飛ぶ妖精のような存在が、何かお話しているのを見つけましたの。それは、お母様をそのまま小さくして可愛らしくしたような見た目でしたわ。
その周りに飛んでるのはなに? 飛んでるものが、こんな事をお話してるのってお母様にお伝えした所、その妖精がお話ししてた事は、お母様が心の中で思っていた言葉でした。
私が見えた妖精の事について、両親が調べたところ、これは他人の心が見える魔法だというのが発覚した。
この魔法は、国の長い歴史の中でも使い手が片手で数えるほどしかおらず、情報が全然無かった。だから、どうして私がこの魔法を使えるのかわかりませんし、魔法の制御の仕方もわかりません。
ですので、私は幼い頃からずっと人間の心の声——人間が表に出さない、醜い心を見せつけられて生きてきました。
さらに付け加えると、両親やお姉様は私の事を気味悪がっていて、バケモノ扱いされていじめられる始末……私は家でも外でも孤独でした。
結果、私は他人が信じられなくなり、他人が嫌いになった――
仕方がないでしょう? 例えば殿方が私の前でニコニコ笑いながらお綺麗ですねと仰ってても、なんだこの醜い女はって言っている心の声……もとい妖精の声を、望んでもいないのに聞かされるんですのよ? しかも、耳を塞いでも聞こえてきますし、妖精は態度でも心を示してくるから尚更たちが悪い。
……これで私のようにならない方がいらっしゃるなら、ぜひ私に教えてくださると嬉しいですわ。その方にどうすればいいかの秘訣をお聞きしたいので。
「……はぁ」
今日だけでも九人の方のお誘いを断り、その全員の醜い心を見せつけられたせいで、酷く疲れてしまった。
……どうしてそんなにお誘いをされているか、ですか? 実は私が生まれたハーウェイ家は、男爵という決して高くない爵位の家ですが、魔力がとても強い家系ですの。なので、生まれてくる子供は優秀な魔法使いになる方がほとんどです。
私の場合は、ご先祖様に比べてそこまで魔法が優れているわけではありません。その代わりに、こんな不便な魔法が使えてしまうのかしら? 迷惑にも程がありますわ。
そんなわけで、我が家の血を欲しがっている家の殿方が、懲りもせずにお声がけをしてくるというわけですわ。
実は心の声が駄々洩れなんですってお伝えしたら、彼らはどんな顔をするでしょうか。笑顔の裏では自分の利益しか考えていない方が大半、たまに私の身体だけが目当てで近寄ってくる殿方もいらっしゃいますし。
ちなみに私のこの魔法をご存じなのは、家族と家の執事とメイドだけ。こんな力を知られたら悪用されてしまうからというお父様の考えの元、他の人には話さないようにしておりますが、人の心が見える気持ちの悪い女がいるという理由で、家の評判を落としたくないのが本音だと私は知っている。
「アイリス、またあなた殿方のお誘いをお断りしているの?」
「お母様……」
溜息を吐きながらオレンジジュースを飲んでいると、長い水色の髪の美しい女性が声をかけてきました。彼女は私のお母様……今日は一緒にパーティーに参加されていますの。
「少しはお誘いを受けるのも、淑女として必要な事よ」
『全くこのバケモノ女め……あんたの振る舞いのせいで家の名前に傷がついたらどうするのよ! 本当に忌々しい子だわ!』
「…………」
聞いての通り、こんな罵声を毎日のように浴びせられてる。ここは外だから口では言わずに心の中で言っていますが、家に帰れば口でも心の中でも罵声を浴びせてきますの。
……ここにいても疲れるだけですし、少し外の空気を吸いに行きましょう。
「少し……休憩してきます」
「ふんっ、早く戻るのよ」
私はお母様に一声かけてから、会場を後にしました。
外に出ると、広大なバラ園が私を出迎えてくださいました。今日のパーティーの主催である、ディヒラー家が代々守り続けている立派なバラ園と伺っております。
「やっぱり人がいない所は安心しますわ」
私は水色の髪を耳にかけながら、ボーっとバラ園を眺める。
私の心が見える魔法は、近くに人がいる状態では、目を閉じても耳を塞いでも、心の声が聞こえてくる欠陥品。けど、その聞こえてくる範囲は、あくまで普通に話して声が届く範囲が限度ですの。
簡単に言うと、ある程度離れていれば、心の声は聞こえなくなるという事ですわ。とはいえ、感情の高ぶりといった様々な理由で想いが強くなり、心の声が大きくなると、離れていても聞こえる事はあるんですけどね。
でもこの制限があるおかげで、他人から離れればなんとかなりますわ。これが無ければ、大勢の声が休みなく聞こえてきてしまう……そんなの、頭がおかしくなってしまいますわ。
「……しばらくここで時間を潰しましょう」
『見つけたぁぁぁぁぁ!!!』
「きゃあ!?」
周りには人がいないはずなのに、耳をつんざくくらいの大きな声に驚いてしまった私は、思わずその場で小さく飛び跳ねてしまいました。
あぁ驚いた……見つけたと仰ってましたが、何を見つけたのでしょうか。よほど大事なものを見つけたのでしょうね。私には関係のない事ですが。
「君! ちょっといいかい!?」
「……えっと、私でしょうか?」
「そう! 君だ!」
隣からとても大きな声に反応した私は、顔だけを横に向けると、そこには私よりも頭一つくらい大きくて、赤い髪と瞳が特徴的な男性が立っておられました。
はじめて見るお方ですけど……ここにいるという事は、貴族の方なんでしょうか? それにしては……その、なんていうか……やや品に欠けると言いますか……。
まあどうでもいいですわね。他人と話したくなんてありませんし、今回も適当にあしらって去ってもらいましょう。
「どちら様でしょう?」
「俺はレックス・ディヒラー! ぜひ君の名も聞かせてくれないか!!」
レックス・ディヒラー……? それって、今日のパーティーの主催者である、ディヒラー家のご令息様という事でしょうか?
ディヒラー家というのは、私が住むこの国に存在する貴族の爵位の中で、最上位の爵位である、侯爵を持つ凄い家。剣も魔法も優秀な家なのだけれど、特に身体能力が高い人間を多く輩出している事で有名ですの。
「アイリス・ハーウェイと申します」
私はいつもの様にスカートの裾を指で軽くつまみながらお辞儀をすると、レックス様に力強く両手を握られてしまいました。
い、いきなりなんですのこの方は? あんまり触ると私の魔法で吹き飛ばしますわよ!? あまり威力には自信ありませんけど!
「その美しい容姿! 綺麗な声! 凛とした佇まい! 会場で何人もの男に声をかけられても、一切動じずに振る舞う心の強さ! そして相手を傷つけないように断る優しさ! 俺はそんな君に惚れてしまった! 一目惚れだ! だから……俺と結婚を前提に付き合ってくれ!!」
………………えぇ?
「申し訳ありません、ダンスは苦手でして……あなたの足を引っ張って顔に泥を塗るわけにはまいりませんわ」
「こんな男とダンスをするよりも、一緒に食事でもしながら語り合いましょう、アイリス」
「申し訳ありません、あいにく小食でして……すでに食べたものでお腹がいっぱいなんですの。私のような女と食べるよりも、もっと素晴らしい女性をお誘いになった方がよろしいかと」
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パーティーに参加するたびに、こうやって言い寄られて……もう何度も経験させられたせいで、対処の仕方にも慣れてしまっていますの。
『ちっ……相変わらずガードが固い女だ。次こそは俺の虜にして婚約までこぎつけてやる……そして、あの優秀な魔法の血を我が家に……』
『あ~今回も駄目か……くそっ、あの根暗女め、見た目がいいからってお高くとまりやがって……絶対に落としてその身体を貪ってやる……』
私の元を去っていく殿方——ではなく、彼らの肩のあたりをフヨフヨと飛んでいる、妖精のような生き物から、彼らと同じ声質の声が聞こえてきました。
今のは彼らの心の声……私は人の心が見える魔法が使えます。
厳密に言うと、一人に一人ずつ必ずいる妖精なような生き物が私には見えて、それが主の心の声を包み隠さず話してくれますの。
魔法の存在に気づいたのは……三歳の頃。お母様の周りを飛ぶ妖精のような存在が、何かお話しているのを見つけましたの。それは、お母様をそのまま小さくして可愛らしくしたような見た目でしたわ。
その周りに飛んでるのはなに? 飛んでるものが、こんな事をお話してるのってお母様にお伝えした所、その妖精がお話ししてた事は、お母様が心の中で思っていた言葉でした。
私が見えた妖精の事について、両親が調べたところ、これは他人の心が見える魔法だというのが発覚した。
この魔法は、国の長い歴史の中でも使い手が片手で数えるほどしかおらず、情報が全然無かった。だから、どうして私がこの魔法を使えるのかわかりませんし、魔法の制御の仕方もわかりません。
ですので、私は幼い頃からずっと人間の心の声——人間が表に出さない、醜い心を見せつけられて生きてきました。
さらに付け加えると、両親やお姉様は私の事を気味悪がっていて、バケモノ扱いされていじめられる始末……私は家でも外でも孤独でした。
結果、私は他人が信じられなくなり、他人が嫌いになった――
仕方がないでしょう? 例えば殿方が私の前でニコニコ笑いながらお綺麗ですねと仰ってても、なんだこの醜い女はって言っている心の声……もとい妖精の声を、望んでもいないのに聞かされるんですのよ? しかも、耳を塞いでも聞こえてきますし、妖精は態度でも心を示してくるから尚更たちが悪い。
……これで私のようにならない方がいらっしゃるなら、ぜひ私に教えてくださると嬉しいですわ。その方にどうすればいいかの秘訣をお聞きしたいので。
「……はぁ」
今日だけでも九人の方のお誘いを断り、その全員の醜い心を見せつけられたせいで、酷く疲れてしまった。
……どうしてそんなにお誘いをされているか、ですか? 実は私が生まれたハーウェイ家は、男爵という決して高くない爵位の家ですが、魔力がとても強い家系ですの。なので、生まれてくる子供は優秀な魔法使いになる方がほとんどです。
私の場合は、ご先祖様に比べてそこまで魔法が優れているわけではありません。その代わりに、こんな不便な魔法が使えてしまうのかしら? 迷惑にも程がありますわ。
そんなわけで、我が家の血を欲しがっている家の殿方が、懲りもせずにお声がけをしてくるというわけですわ。
実は心の声が駄々洩れなんですってお伝えしたら、彼らはどんな顔をするでしょうか。笑顔の裏では自分の利益しか考えていない方が大半、たまに私の身体だけが目当てで近寄ってくる殿方もいらっしゃいますし。
ちなみに私のこの魔法をご存じなのは、家族と家の執事とメイドだけ。こんな力を知られたら悪用されてしまうからというお父様の考えの元、他の人には話さないようにしておりますが、人の心が見える気持ちの悪い女がいるという理由で、家の評判を落としたくないのが本音だと私は知っている。
「アイリス、またあなた殿方のお誘いをお断りしているの?」
「お母様……」
溜息を吐きながらオレンジジュースを飲んでいると、長い水色の髪の美しい女性が声をかけてきました。彼女は私のお母様……今日は一緒にパーティーに参加されていますの。
「少しはお誘いを受けるのも、淑女として必要な事よ」
『全くこのバケモノ女め……あんたの振る舞いのせいで家の名前に傷がついたらどうするのよ! 本当に忌々しい子だわ!』
「…………」
聞いての通り、こんな罵声を毎日のように浴びせられてる。ここは外だから口では言わずに心の中で言っていますが、家に帰れば口でも心の中でも罵声を浴びせてきますの。
……ここにいても疲れるだけですし、少し外の空気を吸いに行きましょう。
「少し……休憩してきます」
「ふんっ、早く戻るのよ」
私はお母様に一声かけてから、会場を後にしました。
外に出ると、広大なバラ園が私を出迎えてくださいました。今日のパーティーの主催である、ディヒラー家が代々守り続けている立派なバラ園と伺っております。
「やっぱり人がいない所は安心しますわ」
私は水色の髪を耳にかけながら、ボーっとバラ園を眺める。
私の心が見える魔法は、近くに人がいる状態では、目を閉じても耳を塞いでも、心の声が聞こえてくる欠陥品。けど、その聞こえてくる範囲は、あくまで普通に話して声が届く範囲が限度ですの。
簡単に言うと、ある程度離れていれば、心の声は聞こえなくなるという事ですわ。とはいえ、感情の高ぶりといった様々な理由で想いが強くなり、心の声が大きくなると、離れていても聞こえる事はあるんですけどね。
でもこの制限があるおかげで、他人から離れればなんとかなりますわ。これが無ければ、大勢の声が休みなく聞こえてきてしまう……そんなの、頭がおかしくなってしまいますわ。
「……しばらくここで時間を潰しましょう」
『見つけたぁぁぁぁぁ!!!』
「きゃあ!?」
周りには人がいないはずなのに、耳をつんざくくらいの大きな声に驚いてしまった私は、思わずその場で小さく飛び跳ねてしまいました。
あぁ驚いた……見つけたと仰ってましたが、何を見つけたのでしょうか。よほど大事なものを見つけたのでしょうね。私には関係のない事ですが。
「君! ちょっといいかい!?」
「……えっと、私でしょうか?」
「そう! 君だ!」
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はじめて見るお方ですけど……ここにいるという事は、貴族の方なんでしょうか? それにしては……その、なんていうか……やや品に欠けると言いますか……。
まあどうでもいいですわね。他人と話したくなんてありませんし、今回も適当にあしらって去ってもらいましょう。
「どちら様でしょう?」
「俺はレックス・ディヒラー! ぜひ君の名も聞かせてくれないか!!」
レックス・ディヒラー……? それって、今日のパーティーの主催者である、ディヒラー家のご令息様という事でしょうか?
ディヒラー家というのは、私が住むこの国に存在する貴族の爵位の中で、最上位の爵位である、侯爵を持つ凄い家。剣も魔法も優秀な家なのだけれど、特に身体能力が高い人間を多く輩出している事で有名ですの。
「アイリス・ハーウェイと申します」
私はいつもの様にスカートの裾を指で軽くつまみながらお辞儀をすると、レックス様に力強く両手を握られてしまいました。
い、いきなりなんですのこの方は? あんまり触ると私の魔法で吹き飛ばしますわよ!? あまり威力には自信ありませんけど!
「その美しい容姿! 綺麗な声! 凛とした佇まい! 会場で何人もの男に声をかけられても、一切動じずに振る舞う心の強さ! そして相手を傷つけないように断る優しさ! 俺はそんな君に惚れてしまった! 一目惚れだ! だから……俺と結婚を前提に付き合ってくれ!!」
………………えぇ?
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