25 / 53
第二十五話 好き……?
しおりを挟む
「俺のことが好き……? なんだこれは夢か? 現実だとしても信じられない……!」
「あ、あの!!」
「アメリア?」
「今のはその、私の笑顔が褒められたから、私もあなたの笑顔が好きだよって言おうと思って……だけど、笑顔の所を端折ってしまったので……」
怒られるかもしれないと思いつつも、誤解を解くために説明をすると、レオ様は俯きながら、ガタガタと震え始めた。
やっぱり怒ってるわよね……ここは丁寧に謝りましょう。
――そう思っていたのに。
「アメリア! ありがとう!」
返ってきたのは……感謝だった。しかもレオ様は、涙を流しながら私の両手を取り、ブンブンと上に何度も振った。
「アメリアに笑顔を褒められるなんて、世界中の宝を得るより嬉しいよ!」
「それは大げさでは……?」
「そんなことはないさ! こんなに嬉しいことは無い!」
レオ様が伝えたいことはよくわかるし、熱量も伝わってくる。だから、私もちゃんとした返事を返そうと思う。
「あなたの笑顔は、太陽のように眩しくて素敵だと思います。胸を張って生きてください」
「あ、アメリアが……そんなことを言うなんて……」
「事実を述べたまでです。それくらいあなたは輝かしい方なんです」
私から見たレオ様は、誰に対しても明るくて優しい太陽のような存在だ。私のような人間には、本当にもったいないくらいだ。
とにかく、なんとか告白に勘違いされるのは防げたわね。
……あれ? おかしいわ。前なら、恋仲とか婚約とか、所詮は家のための道具、手段としか思ってなかった。
でも、もしレオ様と恋仲や婚約と考えたら、胸がドキドキする。顔が熱くなる。それどころか、もし恋仲になれたらと思うと、喜んでいる自分もいる。
……変なの。自分の気持ちのことなのに、自分が全然理解してないなんて。
「お話中に申し訳ございません。アメリア様のお屋敷の近くに到着いたしました」
「ありがとうございます。すぐに取ってくるので、ここで待っててもらえますか?」
「わかった。まだ時間に余裕はあるから、急ぐ必要は無いからね。何かあったら呼ぶんだよ」
「はい」
こんな所でも優しいレオ様に頭を下げてから、私は帰りたくもない屋敷へと歩を進める。
いつもは帰る度に足が重くなっていたけど、レオ様が待っててくれると思うと、少しだけ足が軽くなっているような気がする。
「ただいまっと……」
誰からも出迎えが無いのをわかっていても、一応ただいまを言ってみる。しかし、出迎えの言葉など帰ってくるはずもなかった。
それどころか、通りがかった使用人は私をチラッとだけ見て、そのまま自分の仕事をするために、どこかへ去っていった。
これでも一応、何も言わずに朝帰りになってしまったというのに、大丈夫かの一言も無い。
私にとって、これが当たり前の生活。だから何も思わないし、期待もしない――はずだったのだが、レオ様の家の暖かさを見てからこの仕打ちをされると、少し心に来るものがある。
「……こんな所にいても仕方ないわね。さっさと教科書を取って戻らないと」
なるべく一人でも会う人を少なくするため、そして私なんかを待ってくれている人の元に一秒でも早く戻るため、私は早歩きで自室へと向かった。
「今日の教科はっと……これとこれと……あ、ノートを忘れる所だったわ。それと、放課後の勉強会のために、少し難しめの参考書も持っていこう」
手早く持ってきた鞄の中身を入れ替えてから、自室を後にすると、ちょうどお母様と鉢合わせをしてしまった。
「え……アメリア? あなた、いつ帰ってきたの!?」
「ついさっきですけど……」
あれ? てっきり私は、朝帰りなんて良い身分だなとか、そういう罵声が飛んでくると思ってたのだけど……目の前のお母様は、目を丸くして私を見ている。
もしかして、ほんのちょっとでも私のことを心配していたとか? 仮にそうだとして、理由が何であれ心配してくれるのは、少し嬉しい。
「何で帰ってきたの!? もうあんたの姿を見なくて済むと思っていたのに! 私の期待を裏切って楽しんでるの!? もう帰ってくるんじゃないわよ鬱陶しい!」
――前言撤回。やっぱりお母様はお母様だったわ。いくら家に貢献できない私のことを目の敵にしてるとはいえ、こうも自分の思っていることを言えるなんて、尊敬の念すら感じてしまう。
「ご期待に添えられず、申し訳ありません。では、私は学園に行きますので。ごきげんよう」
「は? 私にちゃんと謝りもせずに行くとか、何を考えてるの? 私の期待を裏切ったことを、土下座しながら靴を舐めて謝罪しなさい! 聞いてるの!? こんなことすらできないなんて、なんて出来の悪い子なの! 育ててもらった恩を返さないあんたなんか、生まれて来なければよかったのに! あんたを生んだのが、私の最大の汚点だわ!」
馬鹿馬鹿しい。これ以上お母様のくだらない話に付き合ってても、良いことなんて一つもないわ。相手にしないで、さっさとレオ様の所へ戻りましょう。
「はぁ……」
「おかえり。って、なんだか随分元気が無いようだけど……どうかしたのかい?」
「いえ、何でもありません。行きましょう」
無意識に溜息を吐きながら馬車に乗りこんだせいで、レオ様に心配をかけてしまった。
溜息なんかしてても、何も解決はしない。あんなのは家では日常なんだから、気にしても仕方がない。それは頭でわかってるんだけど……はぁ。
私、なんであんな家に生まれてきてしまったのだろう。レオ様の家みたいに温かくなくてもいい。貴族なんかじゃなくて、平民でいい。もっと……家族と普通に喋って、普通に笑い合える家に生まれたかったわ……。
「アメリア」
「え、レオ様?」
隣に座っていたレオ様は、私の両手を握ると、そのまま手を上下左右に振り回し始めた。それだけに留まらず、グルグルと回す動きもしていた。
一方の私は、レオ様が何をしたいのか皆目見当がつかず、ただされるがままだった。
「俺の持論なんだけど、ジッとしていると、悪いことばかり考えてしまうよ。一緒にダンスでもして気晴らしをしようじゃないか!」
「ダンスって……もうレオ様ってば、こんな滅茶苦茶に腕を振り回すダンスなんて、聞いたことがありませんよ」
「安心して! 俺も聞いたことが無い!」
なぜか鼻高々に答えるレオ様を見ていると、自然と笑みが零れていた。それに続くように、レオ様も楽しそうに笑ってくれた。
「うん、良い笑顔だ! 嫌な事があったら、俺が君を笑顔にさせる。支えてみせる。だから、安心してほしいな!」
「レオ様……」
「なんて、ははっ……もっとカッコいい台詞が言えればよかったんだけど、俺の頭じゃこんな言葉しか出て来なかったよ。ごめん」
「いえ、言葉は拙いものだったとしても、その言葉に込められた気持ちは痛いほど伝わりました。その証として……私の心は、とても軽くなりました」
レオ様を気遣ってるとかいうわけじゃなく、本当に心が軽くなっているの。
さっき家を出るまでは、足も体も重かった。それは、レオ様と出会う前は毎日感じたものだった。
でも、レオ様の家にお邪魔した時や、今みたいにレオ様の優しさに触れた時は、自分でも驚く程軽くなれるの。
「ありがとうございます。ダンス、楽しかったです」
「それならよかったよ! 君さえよければ、一緒に社交界に出てダンスでも踊ろうか?」
「社交界ですか……もう何年も出てないので、難しいです。親からも止められてしまうでしょうし」
「そうか……」
少し残念そうな表情を浮かべたレオ様は、すぐにいつもの笑顔に戻ると、そのまま雑談をして過ごした。
「到着いたしました」
「わかった。それじゃあ行こうか」
「はい。送ってくださってありがとうございました」
ここまで連れてきてくれた御者にお礼を言ってから、私はレオ様と一緒に教室へと向かう。
ただ登校をしただけなのに、レオ様と一緒に来ただけで気持ちが晴れやかになるなんて、なんとも不思議で……心が暖かく感じるわ。
「え、今のお姉様……? レオ様の馬車から……しかも仲良く、楽しそうに……!? なんであたしよりも劣ってる無能が、あんな幸せそうな顔をしてるわけ……!?」
「あ、あの!!」
「アメリア?」
「今のはその、私の笑顔が褒められたから、私もあなたの笑顔が好きだよって言おうと思って……だけど、笑顔の所を端折ってしまったので……」
怒られるかもしれないと思いつつも、誤解を解くために説明をすると、レオ様は俯きながら、ガタガタと震え始めた。
やっぱり怒ってるわよね……ここは丁寧に謝りましょう。
――そう思っていたのに。
「アメリア! ありがとう!」
返ってきたのは……感謝だった。しかもレオ様は、涙を流しながら私の両手を取り、ブンブンと上に何度も振った。
「アメリアに笑顔を褒められるなんて、世界中の宝を得るより嬉しいよ!」
「それは大げさでは……?」
「そんなことはないさ! こんなに嬉しいことは無い!」
レオ様が伝えたいことはよくわかるし、熱量も伝わってくる。だから、私もちゃんとした返事を返そうと思う。
「あなたの笑顔は、太陽のように眩しくて素敵だと思います。胸を張って生きてください」
「あ、アメリアが……そんなことを言うなんて……」
「事実を述べたまでです。それくらいあなたは輝かしい方なんです」
私から見たレオ様は、誰に対しても明るくて優しい太陽のような存在だ。私のような人間には、本当にもったいないくらいだ。
とにかく、なんとか告白に勘違いされるのは防げたわね。
……あれ? おかしいわ。前なら、恋仲とか婚約とか、所詮は家のための道具、手段としか思ってなかった。
でも、もしレオ様と恋仲や婚約と考えたら、胸がドキドキする。顔が熱くなる。それどころか、もし恋仲になれたらと思うと、喜んでいる自分もいる。
……変なの。自分の気持ちのことなのに、自分が全然理解してないなんて。
「お話中に申し訳ございません。アメリア様のお屋敷の近くに到着いたしました」
「ありがとうございます。すぐに取ってくるので、ここで待っててもらえますか?」
「わかった。まだ時間に余裕はあるから、急ぐ必要は無いからね。何かあったら呼ぶんだよ」
「はい」
こんな所でも優しいレオ様に頭を下げてから、私は帰りたくもない屋敷へと歩を進める。
いつもは帰る度に足が重くなっていたけど、レオ様が待っててくれると思うと、少しだけ足が軽くなっているような気がする。
「ただいまっと……」
誰からも出迎えが無いのをわかっていても、一応ただいまを言ってみる。しかし、出迎えの言葉など帰ってくるはずもなかった。
それどころか、通りがかった使用人は私をチラッとだけ見て、そのまま自分の仕事をするために、どこかへ去っていった。
これでも一応、何も言わずに朝帰りになってしまったというのに、大丈夫かの一言も無い。
私にとって、これが当たり前の生活。だから何も思わないし、期待もしない――はずだったのだが、レオ様の家の暖かさを見てからこの仕打ちをされると、少し心に来るものがある。
「……こんな所にいても仕方ないわね。さっさと教科書を取って戻らないと」
なるべく一人でも会う人を少なくするため、そして私なんかを待ってくれている人の元に一秒でも早く戻るため、私は早歩きで自室へと向かった。
「今日の教科はっと……これとこれと……あ、ノートを忘れる所だったわ。それと、放課後の勉強会のために、少し難しめの参考書も持っていこう」
手早く持ってきた鞄の中身を入れ替えてから、自室を後にすると、ちょうどお母様と鉢合わせをしてしまった。
「え……アメリア? あなた、いつ帰ってきたの!?」
「ついさっきですけど……」
あれ? てっきり私は、朝帰りなんて良い身分だなとか、そういう罵声が飛んでくると思ってたのだけど……目の前のお母様は、目を丸くして私を見ている。
もしかして、ほんのちょっとでも私のことを心配していたとか? 仮にそうだとして、理由が何であれ心配してくれるのは、少し嬉しい。
「何で帰ってきたの!? もうあんたの姿を見なくて済むと思っていたのに! 私の期待を裏切って楽しんでるの!? もう帰ってくるんじゃないわよ鬱陶しい!」
――前言撤回。やっぱりお母様はお母様だったわ。いくら家に貢献できない私のことを目の敵にしてるとはいえ、こうも自分の思っていることを言えるなんて、尊敬の念すら感じてしまう。
「ご期待に添えられず、申し訳ありません。では、私は学園に行きますので。ごきげんよう」
「は? 私にちゃんと謝りもせずに行くとか、何を考えてるの? 私の期待を裏切ったことを、土下座しながら靴を舐めて謝罪しなさい! 聞いてるの!? こんなことすらできないなんて、なんて出来の悪い子なの! 育ててもらった恩を返さないあんたなんか、生まれて来なければよかったのに! あんたを生んだのが、私の最大の汚点だわ!」
馬鹿馬鹿しい。これ以上お母様のくだらない話に付き合ってても、良いことなんて一つもないわ。相手にしないで、さっさとレオ様の所へ戻りましょう。
「はぁ……」
「おかえり。って、なんだか随分元気が無いようだけど……どうかしたのかい?」
「いえ、何でもありません。行きましょう」
無意識に溜息を吐きながら馬車に乗りこんだせいで、レオ様に心配をかけてしまった。
溜息なんかしてても、何も解決はしない。あんなのは家では日常なんだから、気にしても仕方がない。それは頭でわかってるんだけど……はぁ。
私、なんであんな家に生まれてきてしまったのだろう。レオ様の家みたいに温かくなくてもいい。貴族なんかじゃなくて、平民でいい。もっと……家族と普通に喋って、普通に笑い合える家に生まれたかったわ……。
「アメリア」
「え、レオ様?」
隣に座っていたレオ様は、私の両手を握ると、そのまま手を上下左右に振り回し始めた。それだけに留まらず、グルグルと回す動きもしていた。
一方の私は、レオ様が何をしたいのか皆目見当がつかず、ただされるがままだった。
「俺の持論なんだけど、ジッとしていると、悪いことばかり考えてしまうよ。一緒にダンスでもして気晴らしをしようじゃないか!」
「ダンスって……もうレオ様ってば、こんな滅茶苦茶に腕を振り回すダンスなんて、聞いたことがありませんよ」
「安心して! 俺も聞いたことが無い!」
なぜか鼻高々に答えるレオ様を見ていると、自然と笑みが零れていた。それに続くように、レオ様も楽しそうに笑ってくれた。
「うん、良い笑顔だ! 嫌な事があったら、俺が君を笑顔にさせる。支えてみせる。だから、安心してほしいな!」
「レオ様……」
「なんて、ははっ……もっとカッコいい台詞が言えればよかったんだけど、俺の頭じゃこんな言葉しか出て来なかったよ。ごめん」
「いえ、言葉は拙いものだったとしても、その言葉に込められた気持ちは痛いほど伝わりました。その証として……私の心は、とても軽くなりました」
レオ様を気遣ってるとかいうわけじゃなく、本当に心が軽くなっているの。
さっき家を出るまでは、足も体も重かった。それは、レオ様と出会う前は毎日感じたものだった。
でも、レオ様の家にお邪魔した時や、今みたいにレオ様の優しさに触れた時は、自分でも驚く程軽くなれるの。
「ありがとうございます。ダンス、楽しかったです」
「それならよかったよ! 君さえよければ、一緒に社交界に出てダンスでも踊ろうか?」
「社交界ですか……もう何年も出てないので、難しいです。親からも止められてしまうでしょうし」
「そうか……」
少し残念そうな表情を浮かべたレオ様は、すぐにいつもの笑顔に戻ると、そのまま雑談をして過ごした。
「到着いたしました」
「わかった。それじゃあ行こうか」
「はい。送ってくださってありがとうございました」
ここまで連れてきてくれた御者にお礼を言ってから、私はレオ様と一緒に教室へと向かう。
ただ登校をしただけなのに、レオ様と一緒に来ただけで気持ちが晴れやかになるなんて、なんとも不思議で……心が暖かく感じるわ。
「え、今のお姉様……? レオ様の馬車から……しかも仲良く、楽しそうに……!? なんであたしよりも劣ってる無能が、あんな幸せそうな顔をしてるわけ……!?」
22
お気に入りに追加
1,990
あなたにおすすめの小説

純白の檻からの解放~侯爵令嬢アマンダの白い結婚ざまあ
ゆる
恋愛
王太子エドワードの正妃として迎えられながらも、“白い結婚”として冷遇され続けたアマンダ・ルヴェリエ侯爵令嬢。
名ばかりの王太子妃として扱われた彼女だったが、財務管理の才能を活かし、陰ながら王宮の会計を支えてきた。
しかしある日、エドワードは愛人のセレスティーヌを正妃にするため、アマンダに一方的な離縁を言い渡す。
「君とは何もなかったのだから、問題ないだろう?」
さらに、婚儀の前に彼女を完全に葬るべく、王宮は“横領の罪”をでっち上げ、アマンダを逮捕しようと画策する。
――ふざけないで。
実家に戻ったアマンダは、密かに経営サロンを立ち上げ、貴族令嬢や官吏たちに財務・経営の知識を伝授し始める。
「王太子妃は捨てられた」? いいえ、捨てられたのは無能な王太子の方でした。
そんな中、隣国ダルディエ公国の公爵代理アレクシス・ヴァンシュタインが現れ、彼女に興味を示す。
「あなたの実力は、王宮よりももっと広い世界で評価されるべきだ――」
彼の支援を受けつつ、アマンダは王宮が隠していた財務不正の証拠を公表し、逆転の一手を打つ!
「ざまあみろ、私を舐めないでちょうだい!」

白い結婚のはずでしたが、王太子の愛人に嘲笑されたので隣国へ逃げたら、そちらの王子に大切にされました
ゆる
恋愛
「王太子妃として、私はただの飾り――それなら、いっそ逃げるわ」
オデット・ド・ブランシュフォール侯爵令嬢は、王太子アルベールの婚約者として育てられた。誰もが羨む立場のはずだったが、彼の心は愛人ミレイユに奪われ、オデットはただの“形式だけの妻”として冷遇される。
「君との結婚はただの義務だ。愛するのはミレイユだけ」
そう嘲笑う王太子と、勝ち誇る愛人。耐え忍ぶことを強いられた日々に、オデットの心は次第に冷え切っていった。だが、ある日――隣国アルヴェールの王子・レオポルドから届いた一通の書簡が、彼女の運命を大きく変える。
「もし君が望むなら、私は君を迎え入れよう」
このまま王太子妃として屈辱に耐え続けるのか。それとも、自らの人生を取り戻すのか。
オデットは決断する。――もう、アルベールの傀儡にはならない。
愛人に嘲笑われた王妃の座などまっぴらごめん!
王宮を飛び出し、隣国で新たな人生を掴み取ったオデットを待っていたのは、誠実な王子の深い愛。
冷遇された令嬢が、理不尽な白い結婚を捨てて“本当の幸せ”を手にする
真面目くさった女はいらないと婚約破棄された伯爵令嬢ですが、王太子様に求婚されました。実はかわいい彼の溺愛っぷりに困っています
綾森れん
恋愛
「リラ・プリマヴェーラ、お前と交わした婚約を破棄させてもらう!」
公爵家主催の夜会にて、リラ・プリマヴェーラ伯爵令嬢はグイード・ブライデン公爵令息から言い渡された。
「お前のような真面目くさった女はいらない!」
ギャンブルに財産を賭ける婚約者の姿に公爵家の将来を憂いたリラは、彼をいさめたのだが逆恨みされて婚約破棄されてしまったのだ。
リラとグイードの婚約は政略結婚であり、そこに愛はなかった。リラは今でも7歳のころ茶会で出会ったアルベルト王子の優しさと可愛らしさを覚えていた。しかしアルベルト王子はそのすぐあとに、毒殺されてしまった。
夜会で恥をさらし、居場所を失った彼女を救ったのは、美しい青年歌手アルカンジェロだった。
心優しいアルカンジェロに惹かれていくリラだが、彼は高い声を保つため、少年時代に残酷な手術を受けた「カストラート(去勢歌手)」と呼ばれる存在。教会は、子孫を残せない彼らに結婚を禁じていた。
禁断の恋に悩むリラのもとへ、父親が新たな婚約話をもってくる。相手の男性は親子ほども歳の離れた下級貴族で子だくさん。数年前に妻を亡くし、後妻に入ってくれる女性を探しているという、悪い条件の相手だった。
望まぬ婚姻を強いられ未来に希望を持てなくなったリラは、アルカンジェロと二人、教会の勢力が及ばない国外へ逃げ出す計画を立てる。
仮面舞踏会の夜、二人の愛は通じ合い、結ばれる。だがアルカンジェロが自身の秘密を打ち明けた。彼の正体は歌手などではなく、十年前に毒殺されたはずのアルベルト王子その人だった。
しかし再び、王権転覆を狙う暗殺者が迫りくる。
これは、愛し合うリラとアルベルト王子が二人で幸せをつかむまでの物語である。

婚約者を奪われた私が悪者扱いされたので、これから何が起きても知りません
天宮有
恋愛
子爵令嬢の私カルラは、妹のミーファに婚約者ザノークを奪われてしまう。
ミーファは全てカルラが悪いと言い出し、束縛侯爵で有名なリックと婚約させたいようだ。
屋敷を追い出されそうになって、私がいなければ領地が大変なことになると説明する。
家族は信じようとしないから――これから何が起きても、私は知りません。

完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!
仰木 あん
恋愛
マリアはエネローワ王国のライオネル伯爵の長女である。
ある日、婚約者のハルト=リッチに呼び出され、婚約破棄を告げられる。
理由はマリアの義理の妹、ソフィアに心変わりしたからだそうだ。
ハルトとソフィアは互いに惹かれ、『真実の愛』に気付いたとのこと…。
マリアは色々な物を継母の連れ子である、ソフィアに奪われてきたが、今度は婚約者か…と、気落ちをして、実家に帰る。
自室にて、過去の母の言葉を思い出す。
マリアには、王国において、異端とされるドルイダスの異能があり、強力な治癒能力で、人を癒すことが出来る事を…
しかしそれは、この国では迫害される恐れがあるため、内緒にするようにと強く言われていた。
そんな母が亡くなり、継母がソフィアを連れて屋敷に入ると、マリアの生活は一変した。
ハルトという婚約者を得て、家を折角出たのに、この始末……。
マリアは父親に願い出る。
家族に邪魔されず、一人で静かに王宮の侍女として働いて生きるため、再び家を出るのだが………
この話はフィクションです。
名前等は実際のものとなんら関係はありません。

【完結】虐げられていた侯爵令嬢が幸せになるお話
彩伊
恋愛
歴史ある侯爵家のアルラーナ家、生まれてくる子供は皆決まって金髪碧眼。
しかし彼女は燃えるような紅眼の持ち主だったために、アルラーナ家の人間とは認められず、疎まれた。
彼女は敷地内の端にある寂れた塔に幽閉され、意地悪な義母そして義妹が幸せに暮らしているのをみているだけ。
............そんな彼女の生活を一変させたのは、王家からの”あるパーティー”への招待状。
招待状の主は義妹が恋い焦がれているこの国の”第3皇子”だった。
送り先を間違えたのだと、彼女はその招待状を義妹に渡してしまうが、実際に第3皇子が彼女を迎えにきて.........。
そして、このパーティーで彼女の紅眼には大きな秘密があることが明らかにされる。
『これは虐げられていた侯爵令嬢が”愛”を知り、幸せになるまでのお話。』
一日一話
14話完結

【完結】婚約者も両親も家も全部妹に取られましたが、庭師がざまぁ致します。私はどうやら帝国の王妃になるようです?
鏑木 うりこ
恋愛
父親が一緒だと言う一つ違いの妹は姉の物を何でも欲しがる。とうとう婚約者のアレクシス殿下まで欲しいと言い出た。もうここには居たくない姉のユーティアは指輪を一つだけ持って家を捨てる事を決める。
「なあ、お嬢さん、指輪はあんたを選んだのかい?」
庭師のシューの言葉に頷くと、庭師はにやりと笑ってユーティアの手を取った。
少し前に書いていたものです。ゆるーく見ていただけると助かります(*‘ω‘ *)
HOT&人気入りありがとうございます!(*ノωノ)<ウオオオオオオ嬉しいいいいい!
色々立て込んでいるため、感想への返信が遅くなっております、申し訳ございません。でも全部ありがたく読ませていただいております!元気でます~!('ω')完結まで頑張るぞーおー!
★おかげさまで完結致しました!そしてたくさんいただいた感想にやっとお返事が出来ました!本当に本当にありがとうございます、元気で最後まで書けたのは皆さまのお陰です!嬉し~~~~~!
これからも恋愛ジャンルもポチポチと書いて行きたいと思います。また趣味趣向に合うものがありましたら、お読みいただけるととっても嬉しいです!わーいわーい!
【完結】をつけて、完結表記にさせてもらいました!やり遂げた~(*‘ω‘ *)

聖獣がなつくのは私だけですよ?
新野乃花(大舟)
恋愛
3姉妹の3女であるエリッサは、生まれた時から不吉な存在だというレッテルを張られ、家族はもちろん周囲の人々からも冷たい扱いを受けていた。そんなある日の事、エリッサが消えることが自分たちの幸せにつながると信じてやまない彼女の家族は、エリッサに強引に家出を強いる形で、自分たちの手を汚すことなく彼女を追い出すことに成功する。…行く当てのないエリッサは死さえ覚悟し、誰も立ち入らない荒れ果てた大地に足を踏み入れる。死神に出会うことを覚悟していたエリッサだったものの、そんな彼女の前に現れたのは、絶大な力をその身に宿す聖獣だった…!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる