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第四十三話 幸せなデート
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「はぁ……一時はどうなることかと思ったよ」
ナディア様が呼んだ兵に連れていかれる家族達を見送った私は、安心と疲れのせいで、体から一気に力が抜けた。
「はっはっはっ、本当に今回はよく頑張ったね! 本当はもっと労いの言葉をかけたいが、君達は今回の証人として、彼らについていくのだろう?」
「そうなんです。しょうがないことですけど、早く休みたいです」
今回の事件や、家族についてよく知っている私やラルフは、自警団の人達に色々と事情聴取をされるらしい。早く帰りたいけど、こればかりは仕方がない。
「シエル殿」
「ダニエル様? はい、なんでしょうか?」
「今回は、彼女達に操られて嘘のパーティーに招待し、色々とご迷惑をかけてしまいました。本当に申し訳ありませんでした」
「そんな! 元々は私達の家族のいざこざですから! それにダニエル様や他の方々まで巻き込んでしまって……こちらこそ申し訳ありません!」
「私からも謝らせてくれ、シエル。私のやったことは、許されることではない」
三人が全く譲らずに謝罪をしていると、その空気を壊すようにナディア様が楽しそうに笑い始めた。
「そんな謝りあっていても仕方があるまい! 失敗など、次に活かしてしまえばいいのさ!」
「姉上の仰る通りですね。まあ……私が言えるような立場ではありませんが」
「心配ないぞ我が愛しの弟よ。生きてさえいれば、次のチャンスは無限に広がっている!だから、そんな卑下をしている暇があるなら、シエルとの輝かしい未来に向かって突き進むといい!」
ナディア様、すごく良いことを言うんだなぁ……ちょっと泣けてきちゃったよ。
「さてと、それじゃあ私達はそろそろ出発しますね」
「わかりました。今度謝罪の意を込めて、バーランド家を訪問させていただきます」
「私も、近いうちにまた屋敷にお邪魔するよ。その時に、今回のお礼と謝罪を兼ねて、良い品を持ってくる事を約束しよう」
「もう、お二人とも重く考えすぎですよ! そうだ、今度一緒にパーティーをしませんか? もちろん、謝るとか立場とか関係無しで、楽しく!」
きっかけはあれだったかもしれないけど、こうして新しい繋がりができたのなら、その繋がりを大切にしないと勿体ないよね? そう思って、提案したんだけど……。
「はい、是非やりましょう!」
「私も何とか時間を作って出席すると約束する」
「お二人とも、ありがとうございます! 日程とか場所は、追って連絡します! それじゅあ……また!」
私はマーヴィン様とダニエル様に別れを告げて、馬車に乗りこむ。いつもの様に隣にラルフが座り、前にナディア様が座った。
「ふむ、こんな所でも仲睦まじいところを見せつけてくるとは。さすがだな!」
「いつもの事をしているまでです。シエル様、お疲れでしたら、少しお眠りになられても良いですよ。ついたら起こしてさし上げます」
「うん、そうしようかな……ふぁ~……」
私は大きく欠伸をしてから、ラルフの肩に寄りかかって体の全てを預けた。すると、それを見ていたナディア様が、ニヤニヤと笑ってこちらを見ていた。
「うんうん、隠れてみるのも緊張感があっていいが、堂々と見るのも悪くない!」
「や、やっぱり魔法で隠れて見てたんですか!?」
「さあて、なんのことかわからないなぁ!」
「バレバレの嘘つかないでくださいー!」
あれだけ大きな事件があった後だというのに、私達は笑顔で賑やかな時間を過ごす。これが本当に嬉しくて、胸が暖かくなる。こんなこと、マーチャント家にいたら、絶対に味わえないことだったね。
****
家族のことで色々とバタバタしているうちに、数ヶ月の時が経った。
あれからの私は、色々と忙しなく動いている。家族のこともあるし、最近はバーランド家の人間として、社交界に出るようにもなったんだ。
三人の刑も、この数ヶ月の間で決まった。数々の違法な商売をしたお父様は死刑。お父様の手助けをし、今回の事件の主犯とされたヴィオラお姉様は終身刑。リンダも同様の罪で、誰もいない孤島に追放となった。
もちろんマーチャント家は完全に無くなってしまった。今では屋敷も無くなってしまっている。
はっきり言って、同情の余地はない。それくらい私の家族達は、やってはいけないことをたくさんやってしまったんだからね。
そうそう、今回の事件が解決したことによって、メチャクチャになっていた市場がだいぶ戻ってきたと、ナディア様が言っていたよ。
それと、社交界に行く時にユーゴ様に作ってもらったドレスを着ていたおかげか、最近仕事が凄く増えたり、一緒に働きたいって申し出る人が殺到してるそうなの! それを話している時のユーゴ様、凄く嬉しそうだったなぁ!
……まあそんなわけで、大変だけど毎日なんとか過ごしている。
「はぁ……なんか疲れたなぁ……」
自分の部屋にあるソファに体を預けながら、はふぅと変な溜息を漏らした。今日も朝から出かけていて、帰って来たらすでにもう外は暗くなっていた。
「って、疲れてる場合じゃないよね。今日の夜を空けるために、ここ数日の予定を詰めてたんだから!」
私は勢いよく立ち上がると、身だしなみがおかしくないかを確認するため、姿見の前に立った。
実は、今日はラルフの誕生日なんだ。今日の夜、それを記念して二人でデートをする約束をしているの。なんとか約束までの時間に間に合ってよかったよ。
「うん、変な所は無いね。わざわざ今日のために、ユーゴ様に作ってもらったドレスも用意したし、プレゼントの準備もできてる。よし、完璧!」
事前に準備をしていたプレゼントを持って、私は部屋を後にする。待ち合わせ場所は、屋敷の玄関だ。
「ラルフは……いたいた! って、お義母様にナディア様も?」
「やあ我が愛しの妹よ! 今日も変わらず美しいね!」
「あ、ありがとうございます。どうして二人がここに?」
「今日は二人が朝帰りになるかもしれないでしょう? だから、今のうちにラルフの誕生日をお祝いしたかったのよ」
あ、朝帰りって……お義母様ったら何を言っているの!? さすがにそんなことは、まだ無いと思うよ!
「後日、改めて誕生日パーティーをやりましょうね」
「ありがとうございます、母上。それではシエル様、行きましょうか」
「うんっ。いってきます! あ、ナディア様は覗き見をしちゃダメですからね!」
「ぐっ……は、はっはっはっ! さすがにデートを覗き見るような、無粋な真似などするはずがないじゃないか!」
「ナディア、説得力が無いわよ? 今日は一緒に溜まった書類の山を片付けましょうね」
明らかに目が泳いでいるナディア様と、呆れるように笑うお義母様にいってきますを告げてから、私はラルフと馬車に乗りこむ。
行き先は……聞いていないんだよね。本当は私が決めるべきだよね。でもラルフがどうしても行きたいところがあるらしくて……。
「ねえラルフ、どこに行くの?」
「着いてからのお楽しみです」
ラルフに寄り添いながら問いかけても、返ってくるのは予想通りの言葉だ。
ラルフってば、いつからそんなにイジワルになったんだろう。そんなことをされたら、ラルフのことを嫌いになっちゃうよ?
……ううん、そんなの嘘だよ。どんなことがあっても、私がラルフのことを嫌いになれるはずがない。
「まあどこでもいいか。こうしてラルフの誕生日に、一緒に過ごせられるだけで、私は嬉しいよ」
「私も嬉しいですよ。最近は別々に行動することが増えておりましたからね」
「そうだよ! 今日はラルフパワーを存分に貰うからね!」
「なにやら新しい力が出てきましたね。ちなみにその力の効果は?」
「え? うーん……私が元気になれるのと、ラルフへの愛情が更に増える!」
「それは最高ですね。存分に堪能してくださいませ」
「きゃ~!」
ラルフは私のことを強く抱きしめながら、私の頭を優しく撫でた。
やっぱりラルフにくっついてると、凄く幸せな気分になれる。これはラルフパワーが沢山貰えてる証拠だね!
「お話中に申し訳ございません。目的地に到着いたしました」
「あ、はーい!」
もっとこうしていたかったんだけど、御者をしている人に声をかけられちゃった。ラルフとイチャイチャしてる間に、思った以上に時間が過ぎちゃってたんだね。
「足元に気を付けてお降りください」
「ありがとうラルフ。あれ、ここって……」
ラルフの手を借りて馬車から降りると、そこは見慣れた港だった。暗い夜に静かに響く波の音が、とても心地いい。
「こちらです」
「うん。あ、小舟がある……もしかして、これに乗るの?」
「はい。あの時の約束を果たしたくて、こうしてワガママを言わせていただきました」
約束……また一緒に小舟の上でお星様とお月様を見ようって約束だよね。えへへ、覚えててくれたんだ……!
「今日は波も穏やかですし、天気も快晴です。防寒用の毛布も、万が一のための装備も整っておりますので、ご安心ください」
「大丈夫、ラルフのことを信頼してるから、全く心配なんてしてないよ!」
「ありがとうございます。ではまいりましょう」
私はさっきと同じ様にラルフの手を借りて、小舟に乗り込んだ。
ラルフと久しぶりのデート、しかも二人きりで……約束していた星空を見に行くなんて、今から楽しみすぎて胸がドキドキしちゃうよ!
ナディア様が呼んだ兵に連れていかれる家族達を見送った私は、安心と疲れのせいで、体から一気に力が抜けた。
「はっはっはっ、本当に今回はよく頑張ったね! 本当はもっと労いの言葉をかけたいが、君達は今回の証人として、彼らについていくのだろう?」
「そうなんです。しょうがないことですけど、早く休みたいです」
今回の事件や、家族についてよく知っている私やラルフは、自警団の人達に色々と事情聴取をされるらしい。早く帰りたいけど、こればかりは仕方がない。
「シエル殿」
「ダニエル様? はい、なんでしょうか?」
「今回は、彼女達に操られて嘘のパーティーに招待し、色々とご迷惑をかけてしまいました。本当に申し訳ありませんでした」
「そんな! 元々は私達の家族のいざこざですから! それにダニエル様や他の方々まで巻き込んでしまって……こちらこそ申し訳ありません!」
「私からも謝らせてくれ、シエル。私のやったことは、許されることではない」
三人が全く譲らずに謝罪をしていると、その空気を壊すようにナディア様が楽しそうに笑い始めた。
「そんな謝りあっていても仕方があるまい! 失敗など、次に活かしてしまえばいいのさ!」
「姉上の仰る通りですね。まあ……私が言えるような立場ではありませんが」
「心配ないぞ我が愛しの弟よ。生きてさえいれば、次のチャンスは無限に広がっている!だから、そんな卑下をしている暇があるなら、シエルとの輝かしい未来に向かって突き進むといい!」
ナディア様、すごく良いことを言うんだなぁ……ちょっと泣けてきちゃったよ。
「さてと、それじゃあ私達はそろそろ出発しますね」
「わかりました。今度謝罪の意を込めて、バーランド家を訪問させていただきます」
「私も、近いうちにまた屋敷にお邪魔するよ。その時に、今回のお礼と謝罪を兼ねて、良い品を持ってくる事を約束しよう」
「もう、お二人とも重く考えすぎですよ! そうだ、今度一緒にパーティーをしませんか? もちろん、謝るとか立場とか関係無しで、楽しく!」
きっかけはあれだったかもしれないけど、こうして新しい繋がりができたのなら、その繋がりを大切にしないと勿体ないよね? そう思って、提案したんだけど……。
「はい、是非やりましょう!」
「私も何とか時間を作って出席すると約束する」
「お二人とも、ありがとうございます! 日程とか場所は、追って連絡します! それじゅあ……また!」
私はマーヴィン様とダニエル様に別れを告げて、馬車に乗りこむ。いつもの様に隣にラルフが座り、前にナディア様が座った。
「ふむ、こんな所でも仲睦まじいところを見せつけてくるとは。さすがだな!」
「いつもの事をしているまでです。シエル様、お疲れでしたら、少しお眠りになられても良いですよ。ついたら起こしてさし上げます」
「うん、そうしようかな……ふぁ~……」
私は大きく欠伸をしてから、ラルフの肩に寄りかかって体の全てを預けた。すると、それを見ていたナディア様が、ニヤニヤと笑ってこちらを見ていた。
「うんうん、隠れてみるのも緊張感があっていいが、堂々と見るのも悪くない!」
「や、やっぱり魔法で隠れて見てたんですか!?」
「さあて、なんのことかわからないなぁ!」
「バレバレの嘘つかないでくださいー!」
あれだけ大きな事件があった後だというのに、私達は笑顔で賑やかな時間を過ごす。これが本当に嬉しくて、胸が暖かくなる。こんなこと、マーチャント家にいたら、絶対に味わえないことだったね。
****
家族のことで色々とバタバタしているうちに、数ヶ月の時が経った。
あれからの私は、色々と忙しなく動いている。家族のこともあるし、最近はバーランド家の人間として、社交界に出るようにもなったんだ。
三人の刑も、この数ヶ月の間で決まった。数々の違法な商売をしたお父様は死刑。お父様の手助けをし、今回の事件の主犯とされたヴィオラお姉様は終身刑。リンダも同様の罪で、誰もいない孤島に追放となった。
もちろんマーチャント家は完全に無くなってしまった。今では屋敷も無くなってしまっている。
はっきり言って、同情の余地はない。それくらい私の家族達は、やってはいけないことをたくさんやってしまったんだからね。
そうそう、今回の事件が解決したことによって、メチャクチャになっていた市場がだいぶ戻ってきたと、ナディア様が言っていたよ。
それと、社交界に行く時にユーゴ様に作ってもらったドレスを着ていたおかげか、最近仕事が凄く増えたり、一緒に働きたいって申し出る人が殺到してるそうなの! それを話している時のユーゴ様、凄く嬉しそうだったなぁ!
……まあそんなわけで、大変だけど毎日なんとか過ごしている。
「はぁ……なんか疲れたなぁ……」
自分の部屋にあるソファに体を預けながら、はふぅと変な溜息を漏らした。今日も朝から出かけていて、帰って来たらすでにもう外は暗くなっていた。
「って、疲れてる場合じゃないよね。今日の夜を空けるために、ここ数日の予定を詰めてたんだから!」
私は勢いよく立ち上がると、身だしなみがおかしくないかを確認するため、姿見の前に立った。
実は、今日はラルフの誕生日なんだ。今日の夜、それを記念して二人でデートをする約束をしているの。なんとか約束までの時間に間に合ってよかったよ。
「うん、変な所は無いね。わざわざ今日のために、ユーゴ様に作ってもらったドレスも用意したし、プレゼントの準備もできてる。よし、完璧!」
事前に準備をしていたプレゼントを持って、私は部屋を後にする。待ち合わせ場所は、屋敷の玄関だ。
「ラルフは……いたいた! って、お義母様にナディア様も?」
「やあ我が愛しの妹よ! 今日も変わらず美しいね!」
「あ、ありがとうございます。どうして二人がここに?」
「今日は二人が朝帰りになるかもしれないでしょう? だから、今のうちにラルフの誕生日をお祝いしたかったのよ」
あ、朝帰りって……お義母様ったら何を言っているの!? さすがにそんなことは、まだ無いと思うよ!
「後日、改めて誕生日パーティーをやりましょうね」
「ありがとうございます、母上。それではシエル様、行きましょうか」
「うんっ。いってきます! あ、ナディア様は覗き見をしちゃダメですからね!」
「ぐっ……は、はっはっはっ! さすがにデートを覗き見るような、無粋な真似などするはずがないじゃないか!」
「ナディア、説得力が無いわよ? 今日は一緒に溜まった書類の山を片付けましょうね」
明らかに目が泳いでいるナディア様と、呆れるように笑うお義母様にいってきますを告げてから、私はラルフと馬車に乗りこむ。
行き先は……聞いていないんだよね。本当は私が決めるべきだよね。でもラルフがどうしても行きたいところがあるらしくて……。
「ねえラルフ、どこに行くの?」
「着いてからのお楽しみです」
ラルフに寄り添いながら問いかけても、返ってくるのは予想通りの言葉だ。
ラルフってば、いつからそんなにイジワルになったんだろう。そんなことをされたら、ラルフのことを嫌いになっちゃうよ?
……ううん、そんなの嘘だよ。どんなことがあっても、私がラルフのことを嫌いになれるはずがない。
「まあどこでもいいか。こうしてラルフの誕生日に、一緒に過ごせられるだけで、私は嬉しいよ」
「私も嬉しいですよ。最近は別々に行動することが増えておりましたからね」
「そうだよ! 今日はラルフパワーを存分に貰うからね!」
「なにやら新しい力が出てきましたね。ちなみにその力の効果は?」
「え? うーん……私が元気になれるのと、ラルフへの愛情が更に増える!」
「それは最高ですね。存分に堪能してくださいませ」
「きゃ~!」
ラルフは私のことを強く抱きしめながら、私の頭を優しく撫でた。
やっぱりラルフにくっついてると、凄く幸せな気分になれる。これはラルフパワーが沢山貰えてる証拠だね!
「お話中に申し訳ございません。目的地に到着いたしました」
「あ、はーい!」
もっとこうしていたかったんだけど、御者をしている人に声をかけられちゃった。ラルフとイチャイチャしてる間に、思った以上に時間が過ぎちゃってたんだね。
「足元に気を付けてお降りください」
「ありがとうラルフ。あれ、ここって……」
ラルフの手を借りて馬車から降りると、そこは見慣れた港だった。暗い夜に静かに響く波の音が、とても心地いい。
「こちらです」
「うん。あ、小舟がある……もしかして、これに乗るの?」
「はい。あの時の約束を果たしたくて、こうしてワガママを言わせていただきました」
約束……また一緒に小舟の上でお星様とお月様を見ようって約束だよね。えへへ、覚えててくれたんだ……!
「今日は波も穏やかですし、天気も快晴です。防寒用の毛布も、万が一のための装備も整っておりますので、ご安心ください」
「大丈夫、ラルフのことを信頼してるから、全く心配なんてしてないよ!」
「ありがとうございます。ではまいりましょう」
私はさっきと同じ様にラルフの手を借りて、小舟に乗り込んだ。
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