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第十六話 ポンコツ令嬢
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翌朝、フカフカなベッドのおかげで快眠できた私は、ベッドの上で正座をしながら考え事をしていた。
バーランド家にお世話になるんだから、何か家のためになることをした方がいいって思って、何をすれば家のためになるかを、こうして考えている。
「こういう時に、パッと考え付くような頭があればなぁ……」
「失礼いたします、若奥様。お召し物を変えさせていただきます。こちらにお越しください」
「ありがとうございます……ちょっと待って、若奥様って?」
「ラルフ様の将来の奥様とお伺いしております」
「も、もう知れ渡ってるの!? 流石にその呼び方はあれなので、名前で呼んでください!」
「かしこまりました、シエル様。皆にも周知しておきます」
あまりの情報の早さに驚きながらも、言われた通りに化粧台の前に立つ。
情報って、私の思っている以上に拡散するのが早いんだなぁ……なんてことを考えながら、ドレスに着替えた。
サイズがピッタリなんだけど、いつの間に用意したのだろう……?
「朝食まで、もうしばらくかかるとのことなので、お部屋でおくつろぎになってお待ちください。ワタクシは他の仕事がございますので」
「わかりました」
とても洗礼されたお辞儀を残して、彼女は部屋を去っていった。
朝ってすごく忙しいって、マーチャント家にいるときに聞いたことがあるなぁ……そうだっ! 使用人の仕事のお手伝いをしよう! そうすれば、きっと喜んでもらえるはずだよ!
「そうと決まれば、即行動!」
私がまず最初に向かった先は、厨房だ。中は多くの料理人が忙しそうに行き交っている。まさに戦場と表現するのがピッタリだ。
「おや、どうかされましたか? お腹がすかれましたか? 申し訳ございませんが、もうしばらくかかりそうでして」
「違うんです! 私、ごはんを作るお手伝いがしたくて!」
「お手伝い、でございますか?」
私に話しかけてきたダンディな料理人に、思い切り誤解されちゃった。まあ、いきなり来たら誤解されるのも無理はない。
「お世話になるバーランド家の役に立ちたいんです!」
「しかし、あなたにお手伝いをさせたなんてラルフ様に知られたら、叱られてしまいます」
「ラルフには私から言っておきますから!」
「……では、玉ねぎの皮を剥いてくださいますか?」
「わかりました!」
彼に厨房の隅っこに連れていかれると、そこには山積みになった玉ねぎがあった。
「いくつやればいいですか?」
「十個ほどやっていただけると助かります」
「十個ですね。わかりました!」
厨房の中に、ドレス姿の人間が混じっているという不思議な光景を作りながら、早速玉ねぎの皮を手でむき始める。
これ、思ったより剥くの大変だなぁ……それに、どこまで剥けばいいんだろう? とりあえず剥けるだけ剥けばいいかな! 頑張ろう!
――なんて意気込んで剥いていると、急にさっきのコックに止められた。
「……失礼ですが、ここまで剥かれてしまうと、調理に使うのは困難でございます」
「えぇ!? そ、そうなんですか!?」
私の前には、皮を剥いた玉ねぎが五個ほど積み上がっていた。その大きさは、たくさん剥いたせいで、手のひらよりも小さくなっちゃったけど……。
「皮はここまで剥けば、調理に使えるのです」
「えぇぇぇ!?」
彼が見せてくれたのは、外側の皮だけを剥いた玉ねぎだった。それに比べて、私が剥いた玉ねぎは、明らかに小さい。
こ、この大きさでいいなんて知らなかった……通りで急に剥きにくくなるなぁって思ったよ……。
「あ、あの! ごめんなさい!!」
「いえいえ、あなた様の手伝いたいという気持ちは、十分に伝わりましたから」
「うぅ……」
手伝うつもりが、ただ邪魔をしただけという結果に終わってしまった私は、トボトボと調理場を後にした。
こ、こんなことではへこたれないよ! 次こそ絶対にうまくやってみせる!
――というわけで、次にやってきたのは屋敷の裏庭。ここではたくさんの服やタオルを洗い、それを干す作業をしていた。
そこで作業をしていた女性の一人に、手伝いたいとお願いをした結果、服を洗う手伝いをしてほしいと言われたの。
「さ、さっきは失敗しちゃったけど、今度こそ……な、なんか凄い量の泡が出てきた!?」
「失礼ですが、洗剤を少々入れすぎでございます」
「たくさん入れれば、綺麗になるんじゃないんですか!?」
「何事も、適量というものがございます」
「うぅ、ごめんなさい……」
ま、また変な勘違いをしていた……手伝いに来たつもりが、ただ邪魔をしたうえに、無知を晒しているだけだ……。
「いえ、お気になさらず。私の方で対処しておきますので、こちらの服を洗ってください。多少汚れが落ちれば、あとは押し洗いをするので、あまり根を詰めてやる必要はございません」
「わ、わかりました! よいしょ……よいしょっ……い、今ビリって音が……や、破けてるぅぅぅぅ!? 力入れすぎちゃったぁぁぁぁ!」
洗い物を担当していた女性に頼み込んで、手伝いをさせてもらったというのに、またしても失敗をしてしまった。
こ、こんなことじゃ……め、めげないんだから……次こそ、絶対に役に立って……みせるんだから……!
もう次は失敗しない。そう自分に言い聞かせながら訪れた先は、私の部屋の前の廊下だ。丁度若い男性の使用人が、雑巾がけをしようとしているのを、手伝わせてほしいと頼んだ。
「今度こそ、うまくやってやるぞー!」
雑巾を手渡してもらった私は、早速四つん這いになって雑巾がけを始めた。
……つもりだったんだけど、雑巾が滑ってくれなくて、うまく進むことが出来なかった。
「お、思ったより雑巾って力がいるんだなぁ……なかなかうまく進めない……!」
初めての雑巾がけに四苦八苦しながらも、なんとか前に進めた。それも、結構スムーズに進めている。
「やった、良い感じに拭けてる! 今度こそ……あっ」
調子に乗ってしまったのが、きっと良くなかったのだろう。進んでいる途中で雑巾が再び滑らなくなってしまった。でも、私の体は進むつもりで力を入れていたから、バランスを崩して転がってしまった。
その転がった先にあったのは……綺麗な花が活けてある花瓶と、それが乗っている台だった。
「ふぎゃあ!? つ、冷たーい!!」
衝突した勢いで、花瓶は私の上に落ちてきた。当然中に入っていた水は私に襲い掛かり……せっかく用意してもらった綺麗なドレスを、思い切り汚してしまった――
****
手伝って役に立つつもりが、ことごとく失敗してしまった。その事実は、私から元気を奪うのに十分だった。
「家事がこれだけ難しいなんて、知らなかった……私って、ただの凡才だと思っていたけど、実は凡才じゃなくて、ポンコツでドジなのかな……?」
別のドレスに着替えさせてもらった私は、ベッドにうつ伏せに倒れて、悔し泣きをしていた。
自分の家事能力の無さも、ドジなところも本当に情けない……こんなことになるなら、実家にいるときにもっと家事を教わっておくべきだったかも……私の勉強した中に、家事は無かったんだよね……。
「はぁぁぁ……はへっ?」
一人で落ち込み続けていると、部屋の中にノックの音が響いた。
あぁ、落ち込んでいる間に朝ごはんの準備が出来たのかな……今はあんまり食欲ないなぁ……。
「シエル様、失礼します」
迎えに来てくれたのは、ラルフだった。姿を見ていなくても、ずっと聞いていた声だから、一発でわかる。
いつもなら、笑ってラルフを出迎えるんだけど、さすがに今の私にその気力は無い。
「シエル様、先程は色々とお手伝いをしてまわっていたそうですね」
「な、なんでそれを……」
「ここに来る前に、使用人達から事情を大雑把に伺っておりまして。シエル様、我が家のために頑張ってくれて、ありがとうございます」
「……怒ってくれていいんだよ」
「怒るだなんて。皆、あなたにありがとうと伝えてほしいと言ってましたよ」
「ありがとう!? 私、迷惑しかかけていないんだよ!?」
勢いよく起き上がり、ラルフの方に視線を移す。そこには、いつも通りの様子のラルフが立っていた。
「結果を見ればそうだったかもしれません。しかし、皆はあなたが家のために、なにかしたくて行動をしたということが、とても伝わってきたと言っていました」
「……私に気を使ってくれただけじゃ……」
「私には、そうは見えませんでした。それに、誰だって最初は失敗するものです。私だってそうです。だから、あまり落ち込まないでください。私は、笑っているあなたの方が好きですよ」
「……うぅ、ラルフぅ~!」
ラルフや屋敷の人達の優しさを感じながら、私は涙をポロポロと流した。それを、ラルフがずっと涙を拭い、慰め続けてくれた。
もうこんな失敗をして迷惑をかけないように、家事もちゃんと勉強して、お手伝いが出来るようになってみせるよ!
バーランド家にお世話になるんだから、何か家のためになることをした方がいいって思って、何をすれば家のためになるかを、こうして考えている。
「こういう時に、パッと考え付くような頭があればなぁ……」
「失礼いたします、若奥様。お召し物を変えさせていただきます。こちらにお越しください」
「ありがとうございます……ちょっと待って、若奥様って?」
「ラルフ様の将来の奥様とお伺いしております」
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サイズがピッタリなんだけど、いつの間に用意したのだろう……?
「朝食まで、もうしばらくかかるとのことなので、お部屋でおくつろぎになってお待ちください。ワタクシは他の仕事がございますので」
「わかりました」
とても洗礼されたお辞儀を残して、彼女は部屋を去っていった。
朝ってすごく忙しいって、マーチャント家にいるときに聞いたことがあるなぁ……そうだっ! 使用人の仕事のお手伝いをしよう! そうすれば、きっと喜んでもらえるはずだよ!
「そうと決まれば、即行動!」
私がまず最初に向かった先は、厨房だ。中は多くの料理人が忙しそうに行き交っている。まさに戦場と表現するのがピッタリだ。
「おや、どうかされましたか? お腹がすかれましたか? 申し訳ございませんが、もうしばらくかかりそうでして」
「違うんです! 私、ごはんを作るお手伝いがしたくて!」
「お手伝い、でございますか?」
私に話しかけてきたダンディな料理人に、思い切り誤解されちゃった。まあ、いきなり来たら誤解されるのも無理はない。
「お世話になるバーランド家の役に立ちたいんです!」
「しかし、あなたにお手伝いをさせたなんてラルフ様に知られたら、叱られてしまいます」
「ラルフには私から言っておきますから!」
「……では、玉ねぎの皮を剥いてくださいますか?」
「わかりました!」
彼に厨房の隅っこに連れていかれると、そこには山積みになった玉ねぎがあった。
「いくつやればいいですか?」
「十個ほどやっていただけると助かります」
「十個ですね。わかりました!」
厨房の中に、ドレス姿の人間が混じっているという不思議な光景を作りながら、早速玉ねぎの皮を手でむき始める。
これ、思ったより剥くの大変だなぁ……それに、どこまで剥けばいいんだろう? とりあえず剥けるだけ剥けばいいかな! 頑張ろう!
――なんて意気込んで剥いていると、急にさっきのコックに止められた。
「……失礼ですが、ここまで剥かれてしまうと、調理に使うのは困難でございます」
「えぇ!? そ、そうなんですか!?」
私の前には、皮を剥いた玉ねぎが五個ほど積み上がっていた。その大きさは、たくさん剥いたせいで、手のひらよりも小さくなっちゃったけど……。
「皮はここまで剥けば、調理に使えるのです」
「えぇぇぇ!?」
彼が見せてくれたのは、外側の皮だけを剥いた玉ねぎだった。それに比べて、私が剥いた玉ねぎは、明らかに小さい。
こ、この大きさでいいなんて知らなかった……通りで急に剥きにくくなるなぁって思ったよ……。
「あ、あの! ごめんなさい!!」
「いえいえ、あなた様の手伝いたいという気持ちは、十分に伝わりましたから」
「うぅ……」
手伝うつもりが、ただ邪魔をしただけという結果に終わってしまった私は、トボトボと調理場を後にした。
こ、こんなことではへこたれないよ! 次こそ絶対にうまくやってみせる!
――というわけで、次にやってきたのは屋敷の裏庭。ここではたくさんの服やタオルを洗い、それを干す作業をしていた。
そこで作業をしていた女性の一人に、手伝いたいとお願いをした結果、服を洗う手伝いをしてほしいと言われたの。
「さ、さっきは失敗しちゃったけど、今度こそ……な、なんか凄い量の泡が出てきた!?」
「失礼ですが、洗剤を少々入れすぎでございます」
「たくさん入れれば、綺麗になるんじゃないんですか!?」
「何事も、適量というものがございます」
「うぅ、ごめんなさい……」
ま、また変な勘違いをしていた……手伝いに来たつもりが、ただ邪魔をしたうえに、無知を晒しているだけだ……。
「いえ、お気になさらず。私の方で対処しておきますので、こちらの服を洗ってください。多少汚れが落ちれば、あとは押し洗いをするので、あまり根を詰めてやる必要はございません」
「わ、わかりました! よいしょ……よいしょっ……い、今ビリって音が……や、破けてるぅぅぅぅ!? 力入れすぎちゃったぁぁぁぁ!」
洗い物を担当していた女性に頼み込んで、手伝いをさせてもらったというのに、またしても失敗をしてしまった。
こ、こんなことじゃ……め、めげないんだから……次こそ、絶対に役に立って……みせるんだから……!
もう次は失敗しない。そう自分に言い聞かせながら訪れた先は、私の部屋の前の廊下だ。丁度若い男性の使用人が、雑巾がけをしようとしているのを、手伝わせてほしいと頼んだ。
「今度こそ、うまくやってやるぞー!」
雑巾を手渡してもらった私は、早速四つん這いになって雑巾がけを始めた。
……つもりだったんだけど、雑巾が滑ってくれなくて、うまく進むことが出来なかった。
「お、思ったより雑巾って力がいるんだなぁ……なかなかうまく進めない……!」
初めての雑巾がけに四苦八苦しながらも、なんとか前に進めた。それも、結構スムーズに進めている。
「やった、良い感じに拭けてる! 今度こそ……あっ」
調子に乗ってしまったのが、きっと良くなかったのだろう。進んでいる途中で雑巾が再び滑らなくなってしまった。でも、私の体は進むつもりで力を入れていたから、バランスを崩して転がってしまった。
その転がった先にあったのは……綺麗な花が活けてある花瓶と、それが乗っている台だった。
「ふぎゃあ!? つ、冷たーい!!」
衝突した勢いで、花瓶は私の上に落ちてきた。当然中に入っていた水は私に襲い掛かり……せっかく用意してもらった綺麗なドレスを、思い切り汚してしまった――
****
手伝って役に立つつもりが、ことごとく失敗してしまった。その事実は、私から元気を奪うのに十分だった。
「家事がこれだけ難しいなんて、知らなかった……私って、ただの凡才だと思っていたけど、実は凡才じゃなくて、ポンコツでドジなのかな……?」
別のドレスに着替えさせてもらった私は、ベッドにうつ伏せに倒れて、悔し泣きをしていた。
自分の家事能力の無さも、ドジなところも本当に情けない……こんなことになるなら、実家にいるときにもっと家事を教わっておくべきだったかも……私の勉強した中に、家事は無かったんだよね……。
「はぁぁぁ……はへっ?」
一人で落ち込み続けていると、部屋の中にノックの音が響いた。
あぁ、落ち込んでいる間に朝ごはんの準備が出来たのかな……今はあんまり食欲ないなぁ……。
「シエル様、失礼します」
迎えに来てくれたのは、ラルフだった。姿を見ていなくても、ずっと聞いていた声だから、一発でわかる。
いつもなら、笑ってラルフを出迎えるんだけど、さすがに今の私にその気力は無い。
「シエル様、先程は色々とお手伝いをしてまわっていたそうですね」
「な、なんでそれを……」
「ここに来る前に、使用人達から事情を大雑把に伺っておりまして。シエル様、我が家のために頑張ってくれて、ありがとうございます」
「……怒ってくれていいんだよ」
「怒るだなんて。皆、あなたにありがとうと伝えてほしいと言ってましたよ」
「ありがとう!? 私、迷惑しかかけていないんだよ!?」
勢いよく起き上がり、ラルフの方に視線を移す。そこには、いつも通りの様子のラルフが立っていた。
「結果を見ればそうだったかもしれません。しかし、皆はあなたが家のために、なにかしたくて行動をしたということが、とても伝わってきたと言っていました」
「……私に気を使ってくれただけじゃ……」
「私には、そうは見えませんでした。それに、誰だって最初は失敗するものです。私だってそうです。だから、あまり落ち込まないでください。私は、笑っているあなたの方が好きですよ」
「……うぅ、ラルフぅ~!」
ラルフや屋敷の人達の優しさを感じながら、私は涙をポロポロと流した。それを、ラルフがずっと涙を拭い、慰め続けてくれた。
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