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第九話 リマール国の侯爵家
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「うぅ……ぐすっ……」
朝市に戻ってきた私は、目の前で起こっていた惨劇を受け入れられず、物陰で一人膝を抱えて涙を流していた。
な、泣きたくもなるよ……だって、朝市に戻ったら、もうほとんどの商品が無くなっていたんだよ!? 完全に、お魚を焼くのに時間を取られすぎた……!
他のお魚とか、貝とか食べてみたかった……それに、こっそり目をつけていた、凄く大きなイカも食べたかった……。
「シエル様、お気を確かに。朝市はまたやるのですから、その時にまた一緒に来ましょう」
「ら、ラルフぅ……また一緒に来てくれるの?」
「もちろんです。何度でもお供させてください」
ラルフにハンカチで顔を拭かれながら、私は何度も大きく頷いて見せた。
ラルフの提案は嬉しいけど……記念すべき初めての朝市だったから、もっとたくさん食べたかったなぁ……。
「失礼いたします。シエル・マーチャント様でございますか?」
「え?」
中々立ち直れないでいると、初老の男性に声をかけられた。周りには漁師や一般の方しかいない中で、彼のピシッとした黒い服は、とても浮いて見えた。
この服、ラルフの着ている執事用の服によく似ている。ってことは……どこかの貴族の家に仕えている人なのかな?
「あなた様をお迎えに上がりました」
「私を? えっと、どちら様でしょうか?」
「シエル様、彼のことは信用しても大丈夫です。さあ、行きましょう」
「えっ? わ、わかった」
何がなんだかわからないまま、私はラルフと一緒に少し離れた場所にあった馬車に乗りこんだ。
一体何が起こっているのだろう? そもそも、どこの家の人が、どんな理由で私を呼んでいるのだろう? 私はラルフのお家に早く行きたいのに……。
……んっ? ちょっと待って。元々はラルフが私を自分の家に招待したいって言ってて、そのラルフが信頼しているってことは……?
ま、まさか……私の元に来る前は、さっきの男性と一緒に、執事の仕事をしていたとか? うん、それが一番しっくりくるかな!
****
馬車に乗ってのんびりと揺られていると、大きな屋敷へと連れて来てもらった。その屋敷は、私の住んでいた屋敷より大きくて驚いたのもあるけど、湖が一望できる高台の上にあるのが印象的だった。
こんな大きな屋敷を持っているのだから、大きな力を持つ貴族なのは違いない。一体どこの家なんだろう? 私、外国の貴族の家には行ったことがないから、この家がどこの家なのかわからないんだよね。
「凄く綺麗な場所だね。この景色を見ながらのお茶は、おいしいだろうなぁ……」
湖を見ながら、ラルフやマーヴィン様とお茶を楽しむ光景をぼんやりと考えていると、屋敷の中から沢山の使用人達が出て来て――
「「おかえりなさいませ、ラルフ様」」
一斉にラルフに向かって、深々と頭を下げた。
えっと、ちょっと待って。理解が追い付かない。ラルフ様って……え、えぇ?
「忙しい中、わざわざ出迎えてくれてありがとう」
「ラルフ、これって……??」
「事情は中でご説明いたします。どうぞ、中へ」
「う、うん」
混乱しすぎてめまいを覚えながらも、私はラルフと一緒に屋敷の中に入る。外観もとても素晴らしいけど、中も隅々まで手入れが行き届いていた。
「突然の話だったが、準備は大丈夫だったか?」
「はい。既に客間にお越しになられております」
「それは良かった。シエル様、どうぞこちらに。あなたにお会いしていただきたい方がおります」
中に入ってからも、ラルフについていく形で歩いていくと、大きな部屋の中に通された。そこには、少しウェーブがかかった金髪が美しい女性が、優雅にお茶を飲んで座っていた。
「失礼します。ラルフ、ただいま戻りました」
「し、失礼します……!」
「お帰りなさい、ラルフ。そしてようこそ、シエル。あなたのことは、ラルフからの手紙で聞いているわ」
金髪の女性は、私達の前に立つと、流れるようにお辞儀をする。それにつられて、私も急いで同じ様にお辞儀をした。
少し離れた所から見ても綺麗なのに、近くで見ると更に綺麗さが増しているんだけど!? こんな綺麗な人、初めてみたよ! この宝石みたいに輝く青い瞳も、この絹みたいな髪も、綺麗すぎて言葉にならない!
「私はクリスティア・バーランドよ。この家の家長をしているわ」
「ば、バーランド!?」
クリスティアと名乗った女性の口から出た名前を聞いた私は、思わず声を荒げてしまった。
だって、私の記憶が間違ってなければ……バーランドって……リマール国で二つの家しかない、侯爵の爵位を持つ由緒正しい家だよ!? 侯爵家なら、この屋敷の規模にも納得できる!
……あ、あれ? でもバーランド家の家長って、もっとご年配の男性だったはず。私がまだ社交界に出ている時に、何度かお会いしたことがある。
その時に、家長の奥様にもお会いしたけど、彼女ではなかったし……子供は一人いて、その方も男性だったから、この方が家長の子供ってこともないし……私が知らないうちに子供を授かったとか? でも、どう見ても私よりは年上だし……う、うーん?
「は、はじめまして! で……よろしかったですよね?」
「ええ、大丈夫よ」
「良かったぁ……バーランド家の方とは何度かお会いしているのですが、その時は別の方だったので」
「シエル様。それは恐らく、彼女の夫であった前家長と、前家長の前妻だと思われます。彼女は前妻が亡くなった後、前家長と結婚された方ですので」
いつも以上に丁寧に話す私に、ラルフがわかりやすく説明をしてくれた。
私が社交界に出なくなってから、バーランド家でそんなことが起こっていたのね! それなら納得できるよ!
「もう、ラルフってば。ちゃんと来る前に説明しなかったの?」
「はい。こうして実際にお会いして話した方が、信じてもらえると思いましたので」
「変な所で用心深いのね、私の息子は」
「……えっ、息子??」
息子……ムスコ……?? わ、私の聞き間違いじゃないよね? 息子ってあの息子!? じゃあさっきのは、やっぱりそういうこと!?
「ら、ラルフ……?」
「改めて自己紹介をさせていただきます。私はラルフ・バーランドと申します」
ラルフと出会ってから、初めて聞いたラルフのファミリーネーム。それは、私にとんでもない衝撃を与えた。
「実は、ラルフは侯爵子息様だった……??」
「仰る通りです」
「えぇぇぇぇぇぇ!?!?」
私は大きな声を上げながら、そのあまりにも大きいショックで気絶してしまった――
朝市に戻ってきた私は、目の前で起こっていた惨劇を受け入れられず、物陰で一人膝を抱えて涙を流していた。
な、泣きたくもなるよ……だって、朝市に戻ったら、もうほとんどの商品が無くなっていたんだよ!? 完全に、お魚を焼くのに時間を取られすぎた……!
他のお魚とか、貝とか食べてみたかった……それに、こっそり目をつけていた、凄く大きなイカも食べたかった……。
「シエル様、お気を確かに。朝市はまたやるのですから、その時にまた一緒に来ましょう」
「ら、ラルフぅ……また一緒に来てくれるの?」
「もちろんです。何度でもお供させてください」
ラルフにハンカチで顔を拭かれながら、私は何度も大きく頷いて見せた。
ラルフの提案は嬉しいけど……記念すべき初めての朝市だったから、もっとたくさん食べたかったなぁ……。
「失礼いたします。シエル・マーチャント様でございますか?」
「え?」
中々立ち直れないでいると、初老の男性に声をかけられた。周りには漁師や一般の方しかいない中で、彼のピシッとした黒い服は、とても浮いて見えた。
この服、ラルフの着ている執事用の服によく似ている。ってことは……どこかの貴族の家に仕えている人なのかな?
「あなた様をお迎えに上がりました」
「私を? えっと、どちら様でしょうか?」
「シエル様、彼のことは信用しても大丈夫です。さあ、行きましょう」
「えっ? わ、わかった」
何がなんだかわからないまま、私はラルフと一緒に少し離れた場所にあった馬車に乗りこんだ。
一体何が起こっているのだろう? そもそも、どこの家の人が、どんな理由で私を呼んでいるのだろう? 私はラルフのお家に早く行きたいのに……。
……んっ? ちょっと待って。元々はラルフが私を自分の家に招待したいって言ってて、そのラルフが信頼しているってことは……?
ま、まさか……私の元に来る前は、さっきの男性と一緒に、執事の仕事をしていたとか? うん、それが一番しっくりくるかな!
****
馬車に乗ってのんびりと揺られていると、大きな屋敷へと連れて来てもらった。その屋敷は、私の住んでいた屋敷より大きくて驚いたのもあるけど、湖が一望できる高台の上にあるのが印象的だった。
こんな大きな屋敷を持っているのだから、大きな力を持つ貴族なのは違いない。一体どこの家なんだろう? 私、外国の貴族の家には行ったことがないから、この家がどこの家なのかわからないんだよね。
「凄く綺麗な場所だね。この景色を見ながらのお茶は、おいしいだろうなぁ……」
湖を見ながら、ラルフやマーヴィン様とお茶を楽しむ光景をぼんやりと考えていると、屋敷の中から沢山の使用人達が出て来て――
「「おかえりなさいませ、ラルフ様」」
一斉にラルフに向かって、深々と頭を下げた。
えっと、ちょっと待って。理解が追い付かない。ラルフ様って……え、えぇ?
「忙しい中、わざわざ出迎えてくれてありがとう」
「ラルフ、これって……??」
「事情は中でご説明いたします。どうぞ、中へ」
「う、うん」
混乱しすぎてめまいを覚えながらも、私はラルフと一緒に屋敷の中に入る。外観もとても素晴らしいけど、中も隅々まで手入れが行き届いていた。
「突然の話だったが、準備は大丈夫だったか?」
「はい。既に客間にお越しになられております」
「それは良かった。シエル様、どうぞこちらに。あなたにお会いしていただきたい方がおります」
中に入ってからも、ラルフについていく形で歩いていくと、大きな部屋の中に通された。そこには、少しウェーブがかかった金髪が美しい女性が、優雅にお茶を飲んで座っていた。
「失礼します。ラルフ、ただいま戻りました」
「し、失礼します……!」
「お帰りなさい、ラルフ。そしてようこそ、シエル。あなたのことは、ラルフからの手紙で聞いているわ」
金髪の女性は、私達の前に立つと、流れるようにお辞儀をする。それにつられて、私も急いで同じ様にお辞儀をした。
少し離れた所から見ても綺麗なのに、近くで見ると更に綺麗さが増しているんだけど!? こんな綺麗な人、初めてみたよ! この宝石みたいに輝く青い瞳も、この絹みたいな髪も、綺麗すぎて言葉にならない!
「私はクリスティア・バーランドよ。この家の家長をしているわ」
「ば、バーランド!?」
クリスティアと名乗った女性の口から出た名前を聞いた私は、思わず声を荒げてしまった。
だって、私の記憶が間違ってなければ……バーランドって……リマール国で二つの家しかない、侯爵の爵位を持つ由緒正しい家だよ!? 侯爵家なら、この屋敷の規模にも納得できる!
……あ、あれ? でもバーランド家の家長って、もっとご年配の男性だったはず。私がまだ社交界に出ている時に、何度かお会いしたことがある。
その時に、家長の奥様にもお会いしたけど、彼女ではなかったし……子供は一人いて、その方も男性だったから、この方が家長の子供ってこともないし……私が知らないうちに子供を授かったとか? でも、どう見ても私よりは年上だし……う、うーん?
「は、はじめまして! で……よろしかったですよね?」
「ええ、大丈夫よ」
「良かったぁ……バーランド家の方とは何度かお会いしているのですが、その時は別の方だったので」
「シエル様。それは恐らく、彼女の夫であった前家長と、前家長の前妻だと思われます。彼女は前妻が亡くなった後、前家長と結婚された方ですので」
いつも以上に丁寧に話す私に、ラルフがわかりやすく説明をしてくれた。
私が社交界に出なくなってから、バーランド家でそんなことが起こっていたのね! それなら納得できるよ!
「もう、ラルフってば。ちゃんと来る前に説明しなかったの?」
「はい。こうして実際にお会いして話した方が、信じてもらえると思いましたので」
「変な所で用心深いのね、私の息子は」
「……えっ、息子??」
息子……ムスコ……?? わ、私の聞き間違いじゃないよね? 息子ってあの息子!? じゃあさっきのは、やっぱりそういうこと!?
「ら、ラルフ……?」
「改めて自己紹介をさせていただきます。私はラルフ・バーランドと申します」
ラルフと出会ってから、初めて聞いたラルフのファミリーネーム。それは、私にとんでもない衝撃を与えた。
「実は、ラルフは侯爵子息様だった……??」
「仰る通りです」
「えぇぇぇぇぇぇ!?!?」
私は大きな声を上げながら、そのあまりにも大きいショックで気絶してしまった――
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