4 / 44
第四話 行き先は彼の故郷に
しおりを挟む
「ラルフの故郷? そういえば、あなたの故郷って知らないんだよね。たまにふらっと帰省するのは知っているけど……」
「色々と事情がございまして」
ラルフは申し訳なさそうに眉尻を下げながら、頭を下げる。
実は私って、ラルフの故郷はもちろん、家族やここに来る前のことも知らない。前に聞いたことはあるけど、はぐらかされてしまったんだ。
――ラルフと出会ったのは五年前、私が十一歳の時に、十六歳だったラルフがやって来て、マーチャント家の使用人になりたいと申し出てきたのが、最初の出会いだ。
彼は非常に真面目に働いて、使用人として高い評価を得ていた。そんな彼が、突然私の専属の執事をしたいと、お父様に申し出た。
その時の私は、今と同じ様な状況になっていたから、優秀なラルフを私なんかの傍に置くことを、お父様は反対した。それでも必死に頼み込んで、私の執事になってくれたの。
それからは、なにかあれば私の味方をしてくれたラルフは、私の家族から毛嫌いされるようになってしまった。
味方をしてくれるのは心強いし、凄く嬉しいんだけど……私のせいでラルフまで嫌われてしまったのは、本当に申し訳ないと思っている。
「あなたの故郷って、どこにあるの?」
「この国の西にある湖を超えた先にある、港町です」
「え、そこってリマール国よね?」
「仰る通りです」
私達が住むスンリー国の西側には、巨大な湖がある。その更に西に行ったところに、リマール国がある。漁業が盛んな国で、スンリー国と友好的な関係を結んでいる国なんだよ。
「いきなりお邪魔したら、迷惑じゃない?」
「そんなことはございません。むしろ、主人をブラブラさせていたと知られたら、家族に怒られてしまうでしょう」
「うーん……わかったよ!」
「では、出発の日はスンリー国の港から連絡船に乗って、リマール国へと向かいましょう」
こうして、私達の行き先がまさかのラルフの実家に決まった。
事前に野宿とか狩りの勉強をしておいたのが無駄になっちゃったけど、それ以上にラルフの家族に会えるのがとても楽しみ! 一体どんな人なんだろう……ラルフに似て、凄くクールな人なのかな? それとも明るい人なのかな……?
****
翌日の昼間、私とラルフは荷物を持って、屋敷の玄関の前に用意された馬車にやや強引に乗せられた。
てっきりそのまま屋敷を追い出されるのかと思っていたけど、まさか馬車を用意されてるのは想定外だった。
それ以上に想定外だったのが、やたらと護衛が多いことだ。数人ならまだしも、何十人もの護衛が付いているのは、やや違和感がある。
「ねえラルフ、どうしてこんなに護衛がいるんだろうね? 私達はもう、マーチャント家の人間じゃなくなるんだから、守る必要って無いと思うんだけど」
「それは私も感じておりました。もしかしたら、見送りに来た旦那様達をお守りするためなのかもしれません」
両腕を組んで考え込んでいると、確かにそうかもと思える回答が返ってきた。
今日の見送りは、なぜかお父様もヴィオラお姉様もリンダも来ている。いつも忙しいというのに、追放する私の見送りをするために時間を割くなんて、一体何を企んでいるのだろう?
「まあ考えてもわからないか……ところでラルフ、随分と大きな荷物だけど、なにが入っているの?」
「大体が食べ物です。シエル様は、食事の量がとても多いですからね」
「ちょっ!? 女の子にそんなことを言わないでよ!」
「これは失礼いたしました。ですが、事実ですので」
「た、確かに事実だけどさぁ!」
ラルフは基本的にとても優しくて紳士的だけど、一緒にいた時間が長いからなのか、たまにこうして遠慮がない時がある。しかも、事実を言ってくるから、言い返せないのがつらい。
……もう少し食べる量を減らした方が良いかな……いつもはお茶の時間にケーキを最低十個食べてるし、食事も人の倍以上は食べてる自覚はあるし……。
そんなことを思いながら連れてこられた場所は、もう使われなくなった港だった。使われなくなって久しいようで、建物は老朽化しているし、放置された船はもう動きそうもない。
そんな捨てられた港には、唯一使えそうな小舟が一隻だけ用意されていた。
「着いたぞ。降りろ」
「お父様、この港は?」
「ここは、ずいぶん昔に捨てられた港だ」
「記録によると、この辺りは常に波が大きいせいで、港として使い勝手が悪かったのが原因らしいですわよ」
「へぇ~そうなんだ。ねえねえヴィオラお姉様。前から思ってたけど、なんで湖なのに波があるの? 普通湖って波はないよね?」
「湖といっても、その規模が大きければ海のように波は起こるのよ。この湖は、それくらい巨大ということよ」
博識なヴィオラお姉様は、自分の知識をひけらかすように、港や湖のことを話してくれた。
うん、とりあえず港のことは分かったけど、どうしてこんな場所に連れてこられたのがわからない。
「シエルとラルフの門出を祝って、旅のお供を用意してやった。ありがたく思うがいい」
「プレゼントって、まさかあの船のことでしょうか? 何の装備も無しに、この広大な湖に放り出すとは、正気ですか?」
「断るならそれでもいい。お前らが屋敷から消えるのなら、生きていようが、死んでいようがどちらでも構わないからな」
私達とここまで一緒に来た護衛達が、一斉に武器を構える。その圧倒的戦力差に、私達は頷くことしか出来なかった。
どうしてこんなに護衛がいるのかと思っていたけど、この人達は護衛なんかじゃなくて、私達がこの状況から逃げられなくする脅しの役だったんだ……!
「さあ、早く乗れ。我々も暇じゃないのでね」
「……シエル様、私が囮になりますから、あなたは逃げてください」
「そんなこと、できるわけないでしょ!」
「その通りだよーラルフ。ていうか、こんな大人数を相手を前に囮なんて、出来るわけないじゃん。バカなの?」
「リンダ、マーチャント家の令嬢として、言葉遣いには気を付けなさい。せめて知能が低いとかにしておきなさい」
「あははっ、それあんまり変わらなくない?」
……確かに数人ぐらいなら、囮自体はうまくいくかもしれないけど、何十人もいる中でそんなことをしても、無駄に命を危険に晒すだけだよね。ここは大人しく従うのが得策だろう。
「わかりました。ラルフ、行こう」
「……かしこまりました」
お父様達を視線だけで殺してしまいそうな、鋭い目つきを向けるラルフを連れて、小舟に乗り込む。小舟には、漕ぐためのオールが二つあるだけで、本当にそれ以外の装備が無かった。
「ではお別れだ、シエル。ああ、こいつらも途中までお前と一緒に行かせる。沖に到着する前に、陸地に上がられては困るからな」
「ふふっ。あなたの無駄な努力をする様は、見ていてとても愉快だったわ。あなたがいなくなって、とても悲しいわ」
「ぐすんっ……今まで私の武術の実験台になってくれてありがとー! お魚のエサになっても、化けて出ないでねー!」
最後の最後まで、私のことを想う言葉など一切かけられないまま、私とラルフはすぐに陸に上がれないように、護衛の人達の一部と共に、沖に向かって出発する。
これで私は自由になれたわけだけど……こんな出発になるなんて……私、無事にラルフの故郷にたどりついて、自由を得られるの!?
「色々と事情がございまして」
ラルフは申し訳なさそうに眉尻を下げながら、頭を下げる。
実は私って、ラルフの故郷はもちろん、家族やここに来る前のことも知らない。前に聞いたことはあるけど、はぐらかされてしまったんだ。
――ラルフと出会ったのは五年前、私が十一歳の時に、十六歳だったラルフがやって来て、マーチャント家の使用人になりたいと申し出てきたのが、最初の出会いだ。
彼は非常に真面目に働いて、使用人として高い評価を得ていた。そんな彼が、突然私の専属の執事をしたいと、お父様に申し出た。
その時の私は、今と同じ様な状況になっていたから、優秀なラルフを私なんかの傍に置くことを、お父様は反対した。それでも必死に頼み込んで、私の執事になってくれたの。
それからは、なにかあれば私の味方をしてくれたラルフは、私の家族から毛嫌いされるようになってしまった。
味方をしてくれるのは心強いし、凄く嬉しいんだけど……私のせいでラルフまで嫌われてしまったのは、本当に申し訳ないと思っている。
「あなたの故郷って、どこにあるの?」
「この国の西にある湖を超えた先にある、港町です」
「え、そこってリマール国よね?」
「仰る通りです」
私達が住むスンリー国の西側には、巨大な湖がある。その更に西に行ったところに、リマール国がある。漁業が盛んな国で、スンリー国と友好的な関係を結んでいる国なんだよ。
「いきなりお邪魔したら、迷惑じゃない?」
「そんなことはございません。むしろ、主人をブラブラさせていたと知られたら、家族に怒られてしまうでしょう」
「うーん……わかったよ!」
「では、出発の日はスンリー国の港から連絡船に乗って、リマール国へと向かいましょう」
こうして、私達の行き先がまさかのラルフの実家に決まった。
事前に野宿とか狩りの勉強をしておいたのが無駄になっちゃったけど、それ以上にラルフの家族に会えるのがとても楽しみ! 一体どんな人なんだろう……ラルフに似て、凄くクールな人なのかな? それとも明るい人なのかな……?
****
翌日の昼間、私とラルフは荷物を持って、屋敷の玄関の前に用意された馬車にやや強引に乗せられた。
てっきりそのまま屋敷を追い出されるのかと思っていたけど、まさか馬車を用意されてるのは想定外だった。
それ以上に想定外だったのが、やたらと護衛が多いことだ。数人ならまだしも、何十人もの護衛が付いているのは、やや違和感がある。
「ねえラルフ、どうしてこんなに護衛がいるんだろうね? 私達はもう、マーチャント家の人間じゃなくなるんだから、守る必要って無いと思うんだけど」
「それは私も感じておりました。もしかしたら、見送りに来た旦那様達をお守りするためなのかもしれません」
両腕を組んで考え込んでいると、確かにそうかもと思える回答が返ってきた。
今日の見送りは、なぜかお父様もヴィオラお姉様もリンダも来ている。いつも忙しいというのに、追放する私の見送りをするために時間を割くなんて、一体何を企んでいるのだろう?
「まあ考えてもわからないか……ところでラルフ、随分と大きな荷物だけど、なにが入っているの?」
「大体が食べ物です。シエル様は、食事の量がとても多いですからね」
「ちょっ!? 女の子にそんなことを言わないでよ!」
「これは失礼いたしました。ですが、事実ですので」
「た、確かに事実だけどさぁ!」
ラルフは基本的にとても優しくて紳士的だけど、一緒にいた時間が長いからなのか、たまにこうして遠慮がない時がある。しかも、事実を言ってくるから、言い返せないのがつらい。
……もう少し食べる量を減らした方が良いかな……いつもはお茶の時間にケーキを最低十個食べてるし、食事も人の倍以上は食べてる自覚はあるし……。
そんなことを思いながら連れてこられた場所は、もう使われなくなった港だった。使われなくなって久しいようで、建物は老朽化しているし、放置された船はもう動きそうもない。
そんな捨てられた港には、唯一使えそうな小舟が一隻だけ用意されていた。
「着いたぞ。降りろ」
「お父様、この港は?」
「ここは、ずいぶん昔に捨てられた港だ」
「記録によると、この辺りは常に波が大きいせいで、港として使い勝手が悪かったのが原因らしいですわよ」
「へぇ~そうなんだ。ねえねえヴィオラお姉様。前から思ってたけど、なんで湖なのに波があるの? 普通湖って波はないよね?」
「湖といっても、その規模が大きければ海のように波は起こるのよ。この湖は、それくらい巨大ということよ」
博識なヴィオラお姉様は、自分の知識をひけらかすように、港や湖のことを話してくれた。
うん、とりあえず港のことは分かったけど、どうしてこんな場所に連れてこられたのがわからない。
「シエルとラルフの門出を祝って、旅のお供を用意してやった。ありがたく思うがいい」
「プレゼントって、まさかあの船のことでしょうか? 何の装備も無しに、この広大な湖に放り出すとは、正気ですか?」
「断るならそれでもいい。お前らが屋敷から消えるのなら、生きていようが、死んでいようがどちらでも構わないからな」
私達とここまで一緒に来た護衛達が、一斉に武器を構える。その圧倒的戦力差に、私達は頷くことしか出来なかった。
どうしてこんなに護衛がいるのかと思っていたけど、この人達は護衛なんかじゃなくて、私達がこの状況から逃げられなくする脅しの役だったんだ……!
「さあ、早く乗れ。我々も暇じゃないのでね」
「……シエル様、私が囮になりますから、あなたは逃げてください」
「そんなこと、できるわけないでしょ!」
「その通りだよーラルフ。ていうか、こんな大人数を相手を前に囮なんて、出来るわけないじゃん。バカなの?」
「リンダ、マーチャント家の令嬢として、言葉遣いには気を付けなさい。せめて知能が低いとかにしておきなさい」
「あははっ、それあんまり変わらなくない?」
……確かに数人ぐらいなら、囮自体はうまくいくかもしれないけど、何十人もいる中でそんなことをしても、無駄に命を危険に晒すだけだよね。ここは大人しく従うのが得策だろう。
「わかりました。ラルフ、行こう」
「……かしこまりました」
お父様達を視線だけで殺してしまいそうな、鋭い目つきを向けるラルフを連れて、小舟に乗り込む。小舟には、漕ぐためのオールが二つあるだけで、本当にそれ以外の装備が無かった。
「ではお別れだ、シエル。ああ、こいつらも途中までお前と一緒に行かせる。沖に到着する前に、陸地に上がられては困るからな」
「ふふっ。あなたの無駄な努力をする様は、見ていてとても愉快だったわ。あなたがいなくなって、とても悲しいわ」
「ぐすんっ……今まで私の武術の実験台になってくれてありがとー! お魚のエサになっても、化けて出ないでねー!」
最後の最後まで、私のことを想う言葉など一切かけられないまま、私とラルフはすぐに陸に上がれないように、護衛の人達の一部と共に、沖に向かって出発する。
これで私は自由になれたわけだけど……こんな出発になるなんて……私、無事にラルフの故郷にたどりついて、自由を得られるの!?
147
お気に入りに追加
1,330
あなたにおすすめの小説

婚約者を譲れと姉に「お願い」されました。代わりに軍人侯爵との結婚を押し付けられましたが、私は形だけの妻のようです。
ナナカ
恋愛
メリオス伯爵の次女エレナは、幼い頃から姉アルチーナに振り回されてきた。そんな姉に婚約者ロエルを譲れと言われる。さらに自分の代わりに結婚しろとまで言い出した。結婚相手は貴族たちが成り上がりと侮蔑する軍人侯爵。伯爵家との縁組が目的だからか、エレナに入れ替わった結婚も承諾する。
こうして、ほとんど顔を合わせることない別居生活が始まった。冷め切った関係になるかと思われたが、年の離れた侯爵はエレナに丁寧に接してくれるし、意外に優しい人。エレナも数少ない会話の機会が楽しみになっていく。
(本編、番外編、完結しました)

初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

完】異端の治癒能力を持つ令嬢は婚約破棄をされ、王宮の侍女として静かに暮らす事を望んだ。なのに!王子、私は侍女ですよ!言い寄られたら困ります!
仰木 あん
恋愛
マリアはエネローワ王国のライオネル伯爵の長女である。
ある日、婚約者のハルト=リッチに呼び出され、婚約破棄を告げられる。
理由はマリアの義理の妹、ソフィアに心変わりしたからだそうだ。
ハルトとソフィアは互いに惹かれ、『真実の愛』に気付いたとのこと…。
マリアは色々な物を継母の連れ子である、ソフィアに奪われてきたが、今度は婚約者か…と、気落ちをして、実家に帰る。
自室にて、過去の母の言葉を思い出す。
マリアには、王国において、異端とされるドルイダスの異能があり、強力な治癒能力で、人を癒すことが出来る事を…
しかしそれは、この国では迫害される恐れがあるため、内緒にするようにと強く言われていた。
そんな母が亡くなり、継母がソフィアを連れて屋敷に入ると、マリアの生活は一変した。
ハルトという婚約者を得て、家を折角出たのに、この始末……。
マリアは父親に願い出る。
家族に邪魔されず、一人で静かに王宮の侍女として働いて生きるため、再び家を出るのだが………
この話はフィクションです。
名前等は実際のものとなんら関係はありません。
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。

兄にいらないと言われたので勝手に幸せになります
毒島醜女
恋愛
モラハラ兄に追い出された先で待っていたのは、甘く幸せな生活でした。
侯爵令嬢ライラ・コーデルは、実家が平民出の聖女ミミを養子に迎えてから実の兄デイヴィッドから冷遇されていた。
家でも学園でも、デビュタントでも、兄はいつもミミを最優先する。
友人である王太子たちと一緒にミミを持ち上げてはライラを貶めている始末だ。
「ミミみたいな可愛い妹が欲しかった」
挙句の果てには兄が婚約を破棄した辺境伯家の元へ代わりに嫁がされることになった。
ベミリオン辺境伯の一家はそんなライラを温かく迎えてくれた。
「あなたの笑顔は、どんな宝石や星よりも綺麗に輝いています!」
兄の元婚約者の弟、ヒューゴは不器用ながらも優しい愛情をライラに与え、甘いお菓子で癒してくれた。
ライラは次第に笑顔を取り戻し、ベミリオン家で幸せになっていく。
王都で聖女が起こした騒動も知らずに……

精霊の加護を持つ聖女。偽聖女によって追放されたので、趣味のアクセサリー作りにハマっていたら、いつの間にか世界を救って愛されまくっていた
向原 行人
恋愛
精霊の加護を受け、普通の人には見る事も感じる事も出来ない精霊と、会話が出来る少女リディア。
聖女として各地の精霊石に精霊の力を込め、国を災いから守っているのに、突然第四王女によって追放されてしまう。
暫くは精霊の力も残っているけれど、時間が経って精霊石から力が無くなれば魔物が出て来るし、魔導具も動かなくなるけど……本当に大丈夫!?
一先ず、この国に居るとマズそうだから、元聖女っていうのは隠して、別の国で趣味を活かして生活していこうかな。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。

婚約を破棄され辺境に追いやられたけれど、思っていたより快適です!
さこの
恋愛
婚約者の第五王子フランツ殿下には好きな令嬢が出来たみたい。その令嬢とは男爵家の養女で親戚筋にあたり現在私のうちに住んでいる。
婚約者の私が邪魔になり、身分剥奪そして追放される事になる。陛下や両親が留守の間に王都から追放され、辺境の町へと行く事になった。
100キロ以内近寄るな。100キロといえばクレマン? そこに第三王子フェリクス殿下が来て“グレマン”へ行くようにと言う。クレマンと“グレマン”だと方向は真逆です。
追放と言われましたので、屋敷に帰り準備をします。フランツ殿下が王族として下した命令は自分勝手なものですから、陛下達が帰って来たらどうなるでしょう?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる