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第三話 最後まで嫌がらせ
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マーチャント家の屋敷に帰ってきた私とラルフは、私の部屋で荷物の整理をするために、一緒に私の部屋へと入った。
「えーっと……あったあった!」
「シエル様、その袋は? なにやらパンパンに詰め込まれておられるようですが」
「ふふんっ、これはね……来るべき日に備えて、こっそりお小遣いを貯めていた袋なんだ! もちろん、誰にも内緒でね! ほら、たくさん入ってるでしょう?」
私は少し自慢げに鼻を高くしながら、お金が入った麻袋をラルフに見せつける。
「シエル様、これはさすがに……」
「え、うそ……何かダメだった……? うぅ、頑張ってコツコツ貯めたんだけどなぁ……」
「ダメと言うわけではありませんが……私が管理させていただいてもよろしいですか?」
「管理? うん、もちろんいいよ! って……一緒に来てくれるの?」
「当然です。私はシエル様の専属執事なので。お伝えしておりませんでしたか?」
「してないよ! だから、いつ一緒に来てってお願いするか、ずっと悩んでたんだよ!?」
私はラルフと離ればなれになりたくない。でも、家を出て行ったら、その後がどうなるかなんてわからないから、来てくれなんて頼みにくかった。
だから、ずっとタイミングを見計らっていて……遅くなったけど、今日こそ言わなきゃって思ってたんだよ!? それなのに、ラルフから来るって言ってくれるなんて、嬉しすぎる!
「ありがとうラルフ!!」
私はラルフに強く抱きついて、自分の嬉しさを爆発させる。
ああもう、どうしよう! 出て行けるのも嬉しいけど、ラルフとこれからも一緒だって思うと、嬉しさが倍増する!
「シエル様。喜ばれるのは結構ですが、まずは荷物をまとめてしまいましょう」
「そうだね。これで忘れ物でもしたら、笑い話にもならないね!」
ラルフから離れた私は、再び荷物をまとめ始める。長旅になる可能性がある状態で、多くの荷物なんて持っていけないから、なにを持っていくかしっかり考えないと。
――なんてことを考えながらまとめていると、部屋の扉がノックされる音が聞こえてきた。
「失礼するわ」
「ヴィオラお姉様? パーティーは?」
「パーティーならとっくに終わってますわよ?」
え、もうそんな時間!? 荷物をまとめていたら、想像以上に時間が経っていたみたいだ。
「それで、何か用ですか?」
「お父様から、シエルが追放されるって聞きましてね。いなくなる前に、ちょっと聞きたいことがありますの」
「聞きたいこと?」
「婚約破棄や追放された気分というのは、どんな感じですの? 私のような優秀な人間には、一生縁がないことなので、聞いてみたくて」
「…………」
「悲しい? 惨め? 怒り? どれも嫌な感情だわ。本当に可哀想……可哀想で、とっても愉快!」
これ、結局私をバカにするために来ただけだよね? どれだけヴィオラお姉様は暇なの?
っと……我慢我慢。せっかく作戦がうまくいったんだから、ここで反発して変な流れになるくらいなら、ここはしおらしくして、ヴィオラお姉様を満足させるのが正解だね!
「自分がこんな目に合うなんて……悲しいです。それに、自分の凡才が憎いですよ、ヴィオラお姉様」
「ふふっ……毎日勉強をして、習い事に積極的に取り組んでも、全て無駄だったものね」
うぐっ……悔しいけど、何も言い返せない。実際に、私は勉強を疎かにしたことなんて無いし、習い事だって真面目にこなしてたのに……いつの間にか、二人と天と地ほどの差が開いちゃった。
「無駄ではありません。その努力は別の形になるかもしれませんが、いつか必ず報われる日が訪れます」
「随分と知った口を利くのね、ラルフ」
「ええ。私が自らで証明したことですので」
「ふんっ、ほんっとうに生意気な男ですこと。私の家畜にして、一生こき使ってやりたいわ」
「それは諦めてくださいませ。私はシエル様と共に屋敷を出ますので」
ラルフとヴィオラお姉様がバチバチと火花を散らしていると、その空気を壊すかのように、勢いよく扉が開かれた。
「あ、いたいた!」
「リンダじゃないの。入ってくる時はちゃんとノックしないと駄目よ?」
「え、別に良いじゃん。シエルお姉様の部屋なんだし」
リンダが私の部屋に来るなんて珍しい。たまに来ても、私の私物で欲しいものがあって、それを奪いに――ごほんっ、譲ってもらいに来ることがほとんどだ。
「さっき聞いたんだけど、家を出て行くんだって!? うぅ、シエルお姉様がいなくなったら寂しいよぉ……」
「わかりやすい嘘泣きはやめて」
「え、バレるの早すぎ。つまんなーい」
リンダは両手を目元に持っていって、めそめそと泣いたふりをするが、すぐに見破られてつまらなさそうな顔をした。
この嘘泣きのせいで、何度私が悪くないことを、悪いことにされたことやら。思い出すだけでもイライラする!
「婚約を破棄されたうえに追放って、もはや狙ってるとしか思えないよ! 話を聞いた時、面白過ぎて笑っちゃった!」
内心ではリンダに更にイライラしたけど、ここもグッと我慢をしなきゃ……我慢……我慢よ私……!
「ヴィオラ様、リンダ様。シエル様はとてもお忙しい方なので、そろそろ自分のお部屋にお帰りいただけると幸いです」
「え、知らないよそんなの! もうシエルお姉様と会えなくなっちゃうんだから、もーっとお話をしたいし!」
「お帰り下さい」
「これは姉妹のコミュニケーションなのよ。執事ごときに割って入れる領域じゃありませんの」
「帰れ」
全く言う事を聞かない二人に、ラルフのドスの効いた声が響く。それに怯んだのか、二人はバツが悪そうな顔で、そそくさと部屋を後にした。
「追い払ってくれてありがとう、ラルフ!」
「礼には及びません」
今回も守ってくれたことに感謝を述べながら、ラルフの手を握ってブンブンと振る。それが激しすぎたのか、冷静な表情のまま、そっぽを向かれてしまった。ちょっぴり悲しい……。
「それにしても、実の姉妹の不幸を笑いに来るなんて、全く理解できません」
「本当だよね! もう付き合いきれないよ! 一秒でも早く、こんな家なんか出ていきたいよ!」
「……前々から思っていたのですが、出ていった後はどこに行くかとか考えておられるのですか?」
「え、特には……お金は少しあるから、とりあえずどこかの町に行って、仕事と住む場所を探してって感じかなぁ。町にすぐつける保証は無いから、野宿とか狩りの勉強はしておいたよ」
私が住んでいるスンリー国は、西側に巨大な湖があり、それ以外は広大な森が大多数を占めている、自然豊かな国だ。だから、何日かは森で野宿をして、町に着いたら仕事と家探しかなーって思ってる。
そのために、野宿に必要な道具を用意したり、狩りの技術の勉強を事前にしておいたんだ!
無謀かもって思われるかもしれないけど、それをやってみても良いと思うくらい、ここでの生活は嫌なもので、自由を手に入れたいの!
「では、一つ提案があるのですが」
「提案? なにかな?」
「一緒に、私の故郷に行きませんか?」
「えーっと……あったあった!」
「シエル様、その袋は? なにやらパンパンに詰め込まれておられるようですが」
「ふふんっ、これはね……来るべき日に備えて、こっそりお小遣いを貯めていた袋なんだ! もちろん、誰にも内緒でね! ほら、たくさん入ってるでしょう?」
私は少し自慢げに鼻を高くしながら、お金が入った麻袋をラルフに見せつける。
「シエル様、これはさすがに……」
「え、うそ……何かダメだった……? うぅ、頑張ってコツコツ貯めたんだけどなぁ……」
「ダメと言うわけではありませんが……私が管理させていただいてもよろしいですか?」
「管理? うん、もちろんいいよ! って……一緒に来てくれるの?」
「当然です。私はシエル様の専属執事なので。お伝えしておりませんでしたか?」
「してないよ! だから、いつ一緒に来てってお願いするか、ずっと悩んでたんだよ!?」
私はラルフと離ればなれになりたくない。でも、家を出て行ったら、その後がどうなるかなんてわからないから、来てくれなんて頼みにくかった。
だから、ずっとタイミングを見計らっていて……遅くなったけど、今日こそ言わなきゃって思ってたんだよ!? それなのに、ラルフから来るって言ってくれるなんて、嬉しすぎる!
「ありがとうラルフ!!」
私はラルフに強く抱きついて、自分の嬉しさを爆発させる。
ああもう、どうしよう! 出て行けるのも嬉しいけど、ラルフとこれからも一緒だって思うと、嬉しさが倍増する!
「シエル様。喜ばれるのは結構ですが、まずは荷物をまとめてしまいましょう」
「そうだね。これで忘れ物でもしたら、笑い話にもならないね!」
ラルフから離れた私は、再び荷物をまとめ始める。長旅になる可能性がある状態で、多くの荷物なんて持っていけないから、なにを持っていくかしっかり考えないと。
――なんてことを考えながらまとめていると、部屋の扉がノックされる音が聞こえてきた。
「失礼するわ」
「ヴィオラお姉様? パーティーは?」
「パーティーならとっくに終わってますわよ?」
え、もうそんな時間!? 荷物をまとめていたら、想像以上に時間が経っていたみたいだ。
「それで、何か用ですか?」
「お父様から、シエルが追放されるって聞きましてね。いなくなる前に、ちょっと聞きたいことがありますの」
「聞きたいこと?」
「婚約破棄や追放された気分というのは、どんな感じですの? 私のような優秀な人間には、一生縁がないことなので、聞いてみたくて」
「…………」
「悲しい? 惨め? 怒り? どれも嫌な感情だわ。本当に可哀想……可哀想で、とっても愉快!」
これ、結局私をバカにするために来ただけだよね? どれだけヴィオラお姉様は暇なの?
っと……我慢我慢。せっかく作戦がうまくいったんだから、ここで反発して変な流れになるくらいなら、ここはしおらしくして、ヴィオラお姉様を満足させるのが正解だね!
「自分がこんな目に合うなんて……悲しいです。それに、自分の凡才が憎いですよ、ヴィオラお姉様」
「ふふっ……毎日勉強をして、習い事に積極的に取り組んでも、全て無駄だったものね」
うぐっ……悔しいけど、何も言い返せない。実際に、私は勉強を疎かにしたことなんて無いし、習い事だって真面目にこなしてたのに……いつの間にか、二人と天と地ほどの差が開いちゃった。
「無駄ではありません。その努力は別の形になるかもしれませんが、いつか必ず報われる日が訪れます」
「随分と知った口を利くのね、ラルフ」
「ええ。私が自らで証明したことですので」
「ふんっ、ほんっとうに生意気な男ですこと。私の家畜にして、一生こき使ってやりたいわ」
「それは諦めてくださいませ。私はシエル様と共に屋敷を出ますので」
ラルフとヴィオラお姉様がバチバチと火花を散らしていると、その空気を壊すかのように、勢いよく扉が開かれた。
「あ、いたいた!」
「リンダじゃないの。入ってくる時はちゃんとノックしないと駄目よ?」
「え、別に良いじゃん。シエルお姉様の部屋なんだし」
リンダが私の部屋に来るなんて珍しい。たまに来ても、私の私物で欲しいものがあって、それを奪いに――ごほんっ、譲ってもらいに来ることがほとんどだ。
「さっき聞いたんだけど、家を出て行くんだって!? うぅ、シエルお姉様がいなくなったら寂しいよぉ……」
「わかりやすい嘘泣きはやめて」
「え、バレるの早すぎ。つまんなーい」
リンダは両手を目元に持っていって、めそめそと泣いたふりをするが、すぐに見破られてつまらなさそうな顔をした。
この嘘泣きのせいで、何度私が悪くないことを、悪いことにされたことやら。思い出すだけでもイライラする!
「婚約を破棄されたうえに追放って、もはや狙ってるとしか思えないよ! 話を聞いた時、面白過ぎて笑っちゃった!」
内心ではリンダに更にイライラしたけど、ここもグッと我慢をしなきゃ……我慢……我慢よ私……!
「ヴィオラ様、リンダ様。シエル様はとてもお忙しい方なので、そろそろ自分のお部屋にお帰りいただけると幸いです」
「え、知らないよそんなの! もうシエルお姉様と会えなくなっちゃうんだから、もーっとお話をしたいし!」
「お帰り下さい」
「これは姉妹のコミュニケーションなのよ。執事ごときに割って入れる領域じゃありませんの」
「帰れ」
全く言う事を聞かない二人に、ラルフのドスの効いた声が響く。それに怯んだのか、二人はバツが悪そうな顔で、そそくさと部屋を後にした。
「追い払ってくれてありがとう、ラルフ!」
「礼には及びません」
今回も守ってくれたことに感謝を述べながら、ラルフの手を握ってブンブンと振る。それが激しすぎたのか、冷静な表情のまま、そっぽを向かれてしまった。ちょっぴり悲しい……。
「それにしても、実の姉妹の不幸を笑いに来るなんて、全く理解できません」
「本当だよね! もう付き合いきれないよ! 一秒でも早く、こんな家なんか出ていきたいよ!」
「……前々から思っていたのですが、出ていった後はどこに行くかとか考えておられるのですか?」
「え、特には……お金は少しあるから、とりあえずどこかの町に行って、仕事と住む場所を探してって感じかなぁ。町にすぐつける保証は無いから、野宿とか狩りの勉強はしておいたよ」
私が住んでいるスンリー国は、西側に巨大な湖があり、それ以外は広大な森が大多数を占めている、自然豊かな国だ。だから、何日かは森で野宿をして、町に着いたら仕事と家探しかなーって思ってる。
そのために、野宿に必要な道具を用意したり、狩りの技術の勉強を事前にしておいたんだ!
無謀かもって思われるかもしれないけど、それをやってみても良いと思うくらい、ここでの生活は嫌なもので、自由を手に入れたいの!
「では、一つ提案があるのですが」
「提案? なにかな?」
「一緒に、私の故郷に行きませんか?」
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