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第3話 追放の真実
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「その、申し訳ありませんでした。急に気絶してしまって……」
「なに、君が無事ならそれでいい。でも急にどうしたんだ?」
「わ、私にもわからないです、はい」
ドキドキのあまり気絶してしまってから数時間後。私はベッドの上で深々とガレス様に頭を下げた。
ただでさえご迷惑をおかけしてしまっているのに、余計な心配をかけてしまった。私ったら情けない……。
「まあそれはいい。それよりも、どうしてあんなところに倒れていたんだ?」
「……それは」
正直、ありのままに話すか迷ったけど、あんな森の中……しかも高密度の瘴気に犯された森で倒れていたら、おかしいと思うのは普通。だから、ちゃんと話さないと怪しまれてしまうし、助けてくれたガレス様にも失礼だ。そう思った私は、自分の今までの事や、追放された事を、ありのままに話した。
「……聖女に追放に婚約破棄か。なんだか随分と一日で波乱万丈な事が起こったんだね」
「…………」
「全く、聞いてる限りでは、フェリシアは聖女として頑張っていたのに、そんな仕打ちをするなんて。人様の家族や婚約者を悪く言うのはあれだが、随分と酷い方々だ。かわいそうに……」
「え……?」
この方は、私の事を慰めてくれているの? そんな事をしてくれる方なんていなかったから、なんだか不思議な感じだ。
母国にいた時は、私はあくまで聖女の娘、もしくは次期聖女としてしか見られておらず、フェリシア・バギーニャという一人の人間として見られた事も、心配された事もなかった。だから、こうやって一個人として心配されるのは、なんとも不思議な気分だ。
でも……悪い気はしない。いえ、それどころか……凄く嬉しい。
「聖女という事は、もしかしてあの森の瘴気が急に消えたのは、君がやったのか?」
「はい。もう帰る場所もないですし、そもそも助からないと思っていたので、せめて最後に聖女らしい事をして死のうと思って……」
「そうだったのか。あの森を救ってくれて、本当にありがとう!」
「そ、そんな! 頭を上げてください! 私はただ聖女として当然の事をしただけで……!」
「君の言う当然が、僕達にとっては感謝してもしきれない事なんだよ」
ど、どうしよう。相手は一国の王子様だというのに、こんなに頭を下げさせていいはずもない。私は一体どうすればいいの?
「とにかく、これから行くあてもないのだろう? こんな事がお礼になるかはわからないけど、この国でゆっくりしてほしい」
「え? でもご迷惑じゃ……」
「我が国の領土を浄化してくれた大恩人を追い出すような真似を、僕にさせろと? それこそ末代までの恥になってしまうよ」
「うっ……」
そう言われてしまうと、それ以上何も言えなくなってしまう。実際問題、放り出されても困ってしまうのは事実だし……とりあえず今はガレス様のご厚意に甘える事にしよう。
「わかりました。お世話になります」
「ああ。眠っていたとはいえ、疲れただろう? 今日はこの部屋でゆっくり休んでくれ。食事はこの後準備させる」
「ありがとうございま――あっ」
ぐぅ~……。
「…………」
「ふふっ、お腹がすくのは元気な証拠だ。急いで準備させるから、待っていてくれ」
「……は、はいぃ……」
ま、まさかこんなに大きなおなかの音を聞かれしまうなんて……恥ずかしすぎて身体中が熱い。こ、こんなのもうお嫁に行けない……ぐすんっ。
****
「いや~こんなに上手くいくとは思ってなかったな!」
「本当ね! あ、ピエール様。お酒が無くなってますよ!」
「おっと……ありがとう我が愛しの妻よ!」
無事にお姉様を国から追い出せた私は、これから旦那様になる予定のピエール様と一緒に豪かな食事を楽しんでいた。
今頃お姉様はお腹を空かせて泣いているだろう。それとも、もう瘴気に耐えられなくて死んでるかもしれない。一応あんな地味で大人しい女だけど、忌々しい事に聖女としての力は申し分ないから、流石に瘴気で死ぬような事はないと思うけど……私としては、是非苦しんで死んでほしいわね!
だってお姉様ってば、私よりも聖女としての才能が上でムカつくだけじゃなくて、これ見よがしに努力に努力を重ねて、私には偉そうにちゃんと勉強しろとか説教してきたのよ? うざいったらありゃしないわ!
「そういえば、俺はフェリシアに闇の魔力がある事を先日知ったんだが、どうしてあいつにはそんな魔力があったんだ?」
「聞いた話ですけど、お母様の前の旦那様……つまりお姉様の本当のお父様の血筋に、闇魔法の使い手がいたようですの。その血が隔世遺伝した結果だそうです」
「ほう、そんな事が」
「それと、実は両親はその事を前からわかっていたみたいです。ピエール様のお父様にも伝えてあったみたいです。でも、あえて公の場では黙っていた……儀式にかこつけて、悪魔の子の烙印を押したかったみたいですの」
お母様曰く、普通の生活をしている時に闇の魔力がある事を知るよりも、儀式によって分かった方が後々都合が良いとの事。私にはその辺はよくわからないけど、何か大人の都合があるんだろう。
「闇の魔力の事がなくても、両親は私の事をとても愛してくださっているので、地味な見た目で華が無いお姉様よりも、美しくて華がある私を聖女にしたかったみたいですけどね!」
「ああ……確かにご両親は随分と過保護だったな。正直俺ですら引くくらいだったな」
そう思われても仕方ないわね。全ては私が可愛いのがいけないの。あ~可愛いって罪だわ~!
「無事に聖女になれたし、こんなイケメンな旦那様に嫁げて、本当に幸せです!」
「俺も幸せだよ。どうもフェリシアは地味で華が無いし性格も明るくないし、俺の妻にはふさわしくない。あんな女と結婚していたらと思うと寒気がする。だがお前は美しくて性格も明るくて華がある! そういう事だから、そろそろ俺達の部屋で愛を育もうではないか」
「ひゃん、もうピエール様ったら……」
「あ、あの……ピエール様。お食事が終わったら、聖女様に結界の修復をさせろと御父上からの命令が出ていたはずでは……」
は、何この空気の読めない兵士は。そんなの明日でも出来るんだし、別に急ぐ必要なんてないじゃない。本当にうっざ……。
「俺達の愛の邪魔をするのか?」
「い、いえ! 滅相もございません!」
「黙れ! この不届き者を城からつまみ出せ! そしてお前はクビだ! 二度と城の敷居を跨ぐな!」
「そ、そんな……! やめろ! 私には養わなければならない家族が!!」
なんかごちゃごちゃ言いながら部屋を追い出されたけど、何を言ってたんだろうか。まあどうでもいいか。それよりも早くピエール様と蜜月の時を……あ、その前にちゃんとシャワー浴びておかなきゃ!
「なに、君が無事ならそれでいい。でも急にどうしたんだ?」
「わ、私にもわからないです、はい」
ドキドキのあまり気絶してしまってから数時間後。私はベッドの上で深々とガレス様に頭を下げた。
ただでさえご迷惑をおかけしてしまっているのに、余計な心配をかけてしまった。私ったら情けない……。
「まあそれはいい。それよりも、どうしてあんなところに倒れていたんだ?」
「……それは」
正直、ありのままに話すか迷ったけど、あんな森の中……しかも高密度の瘴気に犯された森で倒れていたら、おかしいと思うのは普通。だから、ちゃんと話さないと怪しまれてしまうし、助けてくれたガレス様にも失礼だ。そう思った私は、自分の今までの事や、追放された事を、ありのままに話した。
「……聖女に追放に婚約破棄か。なんだか随分と一日で波乱万丈な事が起こったんだね」
「…………」
「全く、聞いてる限りでは、フェリシアは聖女として頑張っていたのに、そんな仕打ちをするなんて。人様の家族や婚約者を悪く言うのはあれだが、随分と酷い方々だ。かわいそうに……」
「え……?」
この方は、私の事を慰めてくれているの? そんな事をしてくれる方なんていなかったから、なんだか不思議な感じだ。
母国にいた時は、私はあくまで聖女の娘、もしくは次期聖女としてしか見られておらず、フェリシア・バギーニャという一人の人間として見られた事も、心配された事もなかった。だから、こうやって一個人として心配されるのは、なんとも不思議な気分だ。
でも……悪い気はしない。いえ、それどころか……凄く嬉しい。
「聖女という事は、もしかしてあの森の瘴気が急に消えたのは、君がやったのか?」
「はい。もう帰る場所もないですし、そもそも助からないと思っていたので、せめて最後に聖女らしい事をして死のうと思って……」
「そうだったのか。あの森を救ってくれて、本当にありがとう!」
「そ、そんな! 頭を上げてください! 私はただ聖女として当然の事をしただけで……!」
「君の言う当然が、僕達にとっては感謝してもしきれない事なんだよ」
ど、どうしよう。相手は一国の王子様だというのに、こんなに頭を下げさせていいはずもない。私は一体どうすればいいの?
「とにかく、これから行くあてもないのだろう? こんな事がお礼になるかはわからないけど、この国でゆっくりしてほしい」
「え? でもご迷惑じゃ……」
「我が国の領土を浄化してくれた大恩人を追い出すような真似を、僕にさせろと? それこそ末代までの恥になってしまうよ」
「うっ……」
そう言われてしまうと、それ以上何も言えなくなってしまう。実際問題、放り出されても困ってしまうのは事実だし……とりあえず今はガレス様のご厚意に甘える事にしよう。
「わかりました。お世話になります」
「ああ。眠っていたとはいえ、疲れただろう? 今日はこの部屋でゆっくり休んでくれ。食事はこの後準備させる」
「ありがとうございま――あっ」
ぐぅ~……。
「…………」
「ふふっ、お腹がすくのは元気な証拠だ。急いで準備させるから、待っていてくれ」
「……は、はいぃ……」
ま、まさかこんなに大きなおなかの音を聞かれしまうなんて……恥ずかしすぎて身体中が熱い。こ、こんなのもうお嫁に行けない……ぐすんっ。
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「いや~こんなに上手くいくとは思ってなかったな!」
「本当ね! あ、ピエール様。お酒が無くなってますよ!」
「おっと……ありがとう我が愛しの妻よ!」
無事にお姉様を国から追い出せた私は、これから旦那様になる予定のピエール様と一緒に豪かな食事を楽しんでいた。
今頃お姉様はお腹を空かせて泣いているだろう。それとも、もう瘴気に耐えられなくて死んでるかもしれない。一応あんな地味で大人しい女だけど、忌々しい事に聖女としての力は申し分ないから、流石に瘴気で死ぬような事はないと思うけど……私としては、是非苦しんで死んでほしいわね!
だってお姉様ってば、私よりも聖女としての才能が上でムカつくだけじゃなくて、これ見よがしに努力に努力を重ねて、私には偉そうにちゃんと勉強しろとか説教してきたのよ? うざいったらありゃしないわ!
「そういえば、俺はフェリシアに闇の魔力がある事を先日知ったんだが、どうしてあいつにはそんな魔力があったんだ?」
「聞いた話ですけど、お母様の前の旦那様……つまりお姉様の本当のお父様の血筋に、闇魔法の使い手がいたようですの。その血が隔世遺伝した結果だそうです」
「ほう、そんな事が」
「それと、実は両親はその事を前からわかっていたみたいです。ピエール様のお父様にも伝えてあったみたいです。でも、あえて公の場では黙っていた……儀式にかこつけて、悪魔の子の烙印を押したかったみたいですの」
お母様曰く、普通の生活をしている時に闇の魔力がある事を知るよりも、儀式によって分かった方が後々都合が良いとの事。私にはその辺はよくわからないけど、何か大人の都合があるんだろう。
「闇の魔力の事がなくても、両親は私の事をとても愛してくださっているので、地味な見た目で華が無いお姉様よりも、美しくて華がある私を聖女にしたかったみたいですけどね!」
「ああ……確かにご両親は随分と過保護だったな。正直俺ですら引くくらいだったな」
そう思われても仕方ないわね。全ては私が可愛いのがいけないの。あ~可愛いって罪だわ~!
「無事に聖女になれたし、こんなイケメンな旦那様に嫁げて、本当に幸せです!」
「俺も幸せだよ。どうもフェリシアは地味で華が無いし性格も明るくないし、俺の妻にはふさわしくない。あんな女と結婚していたらと思うと寒気がする。だがお前は美しくて性格も明るくて華がある! そういう事だから、そろそろ俺達の部屋で愛を育もうではないか」
「ひゃん、もうピエール様ったら……」
「あ、あの……ピエール様。お食事が終わったら、聖女様に結界の修復をさせろと御父上からの命令が出ていたはずでは……」
は、何この空気の読めない兵士は。そんなの明日でも出来るんだし、別に急ぐ必要なんてないじゃない。本当にうっざ……。
「俺達の愛の邪魔をするのか?」
「い、いえ! 滅相もございません!」
「黙れ! この不届き者を城からつまみ出せ! そしてお前はクビだ! 二度と城の敷居を跨ぐな!」
「そ、そんな……! やめろ! 私には養わなければならない家族が!!」
なんかごちゃごちゃ言いながら部屋を追い出されたけど、何を言ってたんだろうか。まあどうでもいいか。それよりも早くピエール様と蜜月の時を……あ、その前にちゃんとシャワー浴びておかなきゃ!
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