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第二十九話 変わり果てた妹
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私達を出迎えたジュリアは、私達を見ながら不敵な笑みを浮かべていた。
久しぶりに会ったジュリアは、だいぶ様変わりをしていた。着ている服もお肌もボロボロで、体中に瘴気のアザが出来ている。目も生気を感じられない代わりに、強い狂気を孕んでいた。
そして、ジュリアの体には細い茨が巻き付き、ウネウネと動いていた。見ているだけで、気分が悪くなってくる。
「ジュリア、あなたは無事だったのね」
「無事? 今のあたしを見て、そんなおめでたいことが言えるなんて、さッすがお姉様だね!」
「……そうね、無事というのはおかしいわね」
「とりあえず、見てると腹立つから死んでくれない?」
ジュリアが指をクイッと上げると、地面から三本の茨がでてきて、私に襲い掛かる。
完全に不意打ちに見えるが、私はそれを読んでいたため、聖女の力を使って茨を浄化し、無力化することが出来た。
「へえ、あたしが知ッているお姉様よりも、力の使い方が上手いじャん」
「リーゼ嬢、大丈夫ですか!?」
「ええ、大丈夫です」
「ならよかった。今のは……彼女の意志で茨が襲ってきたように見えましたが……」
「そうだよ? だッて、この可愛い茨ちャん達は、あたしの可愛いペットだもん」
ジュリアは自分の体に巻き付く茨を撫でながら、うっとりとした表情を浮かべた。
「信じたくないけど……瘴気の気配の元凶は、ジュリアで間違いありません」
ここに立っているだけでも、瘴気の嫌な気配がひしひしと伝わってくる。その発生源が、ジュリアだというのは、簡単にわかった。
「ジュリア! 私がいない間に、一体何があったの!?」
「んー? まあ色々? 別に話さなくてもいいんだけど……今のあたしは、この力を手に入れて凄く機嫌がいいから、話してあげるよ」
ジュリアはクスクスと笑いながら、まるで他人事のように淡々と話し始めた。
「あたしね、前から遊び道具として、奴隷商人から奴隷を買ってたんだ」
「奴隷だって? 奴隷の売買は、全ての国で禁止されているはずだ」
「そんなの関係ないッて人もいるんだよ。その奴隷が、瘴気を持ッててさァ。あたし、そいつに噛まれちゃッたんだ」
噛まれた……それで瘴気に侵されてしまったのね。瘴気は基本的に、霧のようになっている瘴気を吸いこんだり、瘴気を持っている動物や植物を食べたりすると体を瘴気で侵されるけど、噛まれることで侵される事例も確認されている。
「それで、別に瘴気の症状が出たら、自分で治せばいいやッて思って過ごしてたら……突然瘴気の症状が出たんだ。それで治そうと思ッたけど、何故か聖女の力は上手く使えないし、他の聖女にやらせても治らなかった」
「ど、どういうこと……?」
「瘴気を研究している高名な学者に調べさせたら、おそらく瘴気の力が聖女の力と結びついて進化し、治すのが困難なものになッたッて言われたよ」
聖女の力と瘴気が結びつくなんて話、私は聞いたことが無い。でも、専門の学者様の言うことなら、信憑性はある。それくらい、瘴気については不思議なことが沢山あるの。
「あたしはもう死ぬしか未来はない。そんなあたしを、お父様とジェクソン様は排除しようとしたんだよ。変異した瘴気を持つあたしを、危険視したらしいの。酷いと思わない? ずッと大切にしていたあたしを殺処分とか、ありえないでしョ」
ジュリアの気持ちもわからなくもない。もし私が同じ様に瘴気に侵され、家族に排除されると知ったら、どうしてって思うと思う。
でも、お父様達の気持ちも全くわからないわけではない。未知の瘴気を持つジュリアを放っておいて、周りに被害が出たら、冗談では済まないもの。
「このまま殺されるか、瘴気で死ぬのは、定められた運命。そう思ッたら……あたしを否定するこの世界と家族が、とても憎くなッた。全て破壊してやろうと思ッた。その気持ちを叶えるかのように、あたしはこの瘴気と茨を扱う力を得た。その力を使ッて、あたしを見捨てたお父様とジェクソン様を殺し、ヴレーデ国を襲ッたッてわけ」
……前言撤回。さすがにその思考になるのは、あまりにも身勝手すぎる。
死にたくないと思うのも、家族に見捨てられて悲しむのもわかるけど、何の罪もない人達を巻き込むのは、絶対に間違ってる。
「そんな身勝手な理由で、身内を手にかけて、挙句に大勢の民を犠牲にするつもりなのか!?」
「身勝手? 何を言ッてるのかわからないなァ。あたしはラトゥール侯爵家の令嬢で、数少ない聖女で、世界を破壊できる力まで得たの。つまり、あたしがこの世界で一番偉いッてことよ?」
ジュリアは大げさに肩をすくめながら、とぼけたような表情を浮かべた。
明らかにアルベール様を挑発しているのがわかる。元から本性は良い性格をしてないのは、身をもってわかっていたけど、これは想像以上に酷いかもしれない。
「意味がわからない……あなたの言い分は、破綻している!」
「きっと、瘴気のせいで暴走しているのでしょう。ごめんなさい、身内がご迷惑をおかけして……」
「いえ、あなたは何も悪くありません。なんにせよ、彼女を止めなければ、この国はおろか、全世界が瘴気と茨に包まれてしまうでしょう」
ええ、その通りだわ。このまま放っておいたら、ジュリアは瘴気で命を失うだろうけど、その前に世界が滅茶苦茶にされてしまう。
それに……私のことを利用したり、悪いことをして勝手に瘴気に侵された愚かな妹だけど、それでもやっぱり大切な妹だと思う気持ちは変わらない。
「アルベール様、私……ジュリアを助けたいです」
「そう言うと思ってましたよ。あなたの夫として、あなたを守る剣となり、盾となりましょう」
「本当に、何から何までありがとうございます。このご恩は、一生かけて返させてください」
アルベール様には、本当に感謝しかないわ。突然転がり込んできた私を支えてくれて、励ましてくれて、愛してくれて……本当にありがとうございます。
「はァ……? なになに、あたしが知らないうちに、随分と幸せになッてんじゃん? 腹立つゥ……お姉様はあたしに利用される道具でいれば良いんだよォ!!」
「危ない!!」
苛立ちを前面に押し出しながら立ち上がったジュリアの周りに、茨が勢いよく飛び出し、屋敷を破壊し始めた。
さすがにこのままでは、屋敷の崩壊に巻き込まれてしまうと思った私とアルベール様は、全速力で屋敷の外へと逃げだした。
「いたたっ……リーゼ嬢、お怪我は?」
「少し足を痛めましたが、自分で治したから問題ありませんわ。アルベール様こそ、お怪我をされているじゃないですか! すぐに治療します!」
「ええ、ありがとうございます」
私は何とか屋敷から逃げ、一緒に逃げてきたアルベール様の治療を行う。思った以上に怪我は軽かったから、すぐに治すことが出来た。
でも、屋敷の方は酷い有様になっていた。もう私が住んでいた頃の面影は完全に無くなり、完全に瓦礫の山となってしまった。
「フフッ、これで広くなッたネ。お姉様、あたしが引導を渡してあげるヨ」
「ジュリア……最初で最後の姉妹喧嘩をしましょうか」
「喧嘩? この力を得たあたしに、勝てると思ッてるノ?」
「私一人では難しいわね。でも……私は一人じゃない。愛する人が隣にいれば、私の力は何百倍にもなるわ!!」
聖女の力を全力で引き出しながら、ジュリアに啖呵を切ってみせる。
もうちょっとだけ待ってて、ジュリア。すぐにあなたを苦しみから解放してあげるから……!
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そして、ジュリアの体には細い茨が巻き付き、ウネウネと動いていた。見ているだけで、気分が悪くなってくる。
「ジュリア、あなたは無事だったのね」
「無事? 今のあたしを見て、そんなおめでたいことが言えるなんて、さッすがお姉様だね!」
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完全に不意打ちに見えるが、私はそれを読んでいたため、聖女の力を使って茨を浄化し、無力化することが出来た。
「へえ、あたしが知ッているお姉様よりも、力の使い方が上手いじャん」
「リーゼ嬢、大丈夫ですか!?」
「ええ、大丈夫です」
「ならよかった。今のは……彼女の意志で茨が襲ってきたように見えましたが……」
「そうだよ? だッて、この可愛い茨ちャん達は、あたしの可愛いペットだもん」
ジュリアは自分の体に巻き付く茨を撫でながら、うっとりとした表情を浮かべた。
「信じたくないけど……瘴気の気配の元凶は、ジュリアで間違いありません」
ここに立っているだけでも、瘴気の嫌な気配がひしひしと伝わってくる。その発生源が、ジュリアだというのは、簡単にわかった。
「ジュリア! 私がいない間に、一体何があったの!?」
「んー? まあ色々? 別に話さなくてもいいんだけど……今のあたしは、この力を手に入れて凄く機嫌がいいから、話してあげるよ」
ジュリアはクスクスと笑いながら、まるで他人事のように淡々と話し始めた。
「あたしね、前から遊び道具として、奴隷商人から奴隷を買ってたんだ」
「奴隷だって? 奴隷の売買は、全ての国で禁止されているはずだ」
「そんなの関係ないッて人もいるんだよ。その奴隷が、瘴気を持ッててさァ。あたし、そいつに噛まれちゃッたんだ」
噛まれた……それで瘴気に侵されてしまったのね。瘴気は基本的に、霧のようになっている瘴気を吸いこんだり、瘴気を持っている動物や植物を食べたりすると体を瘴気で侵されるけど、噛まれることで侵される事例も確認されている。
「それで、別に瘴気の症状が出たら、自分で治せばいいやッて思って過ごしてたら……突然瘴気の症状が出たんだ。それで治そうと思ッたけど、何故か聖女の力は上手く使えないし、他の聖女にやらせても治らなかった」
「ど、どういうこと……?」
「瘴気を研究している高名な学者に調べさせたら、おそらく瘴気の力が聖女の力と結びついて進化し、治すのが困難なものになッたッて言われたよ」
聖女の力と瘴気が結びつくなんて話、私は聞いたことが無い。でも、専門の学者様の言うことなら、信憑性はある。それくらい、瘴気については不思議なことが沢山あるの。
「あたしはもう死ぬしか未来はない。そんなあたしを、お父様とジェクソン様は排除しようとしたんだよ。変異した瘴気を持つあたしを、危険視したらしいの。酷いと思わない? ずッと大切にしていたあたしを殺処分とか、ありえないでしョ」
ジュリアの気持ちもわからなくもない。もし私が同じ様に瘴気に侵され、家族に排除されると知ったら、どうしてって思うと思う。
でも、お父様達の気持ちも全くわからないわけではない。未知の瘴気を持つジュリアを放っておいて、周りに被害が出たら、冗談では済まないもの。
「このまま殺されるか、瘴気で死ぬのは、定められた運命。そう思ッたら……あたしを否定するこの世界と家族が、とても憎くなッた。全て破壊してやろうと思ッた。その気持ちを叶えるかのように、あたしはこの瘴気と茨を扱う力を得た。その力を使ッて、あたしを見捨てたお父様とジェクソン様を殺し、ヴレーデ国を襲ッたッてわけ」
……前言撤回。さすがにその思考になるのは、あまりにも身勝手すぎる。
死にたくないと思うのも、家族に見捨てられて悲しむのもわかるけど、何の罪もない人達を巻き込むのは、絶対に間違ってる。
「そんな身勝手な理由で、身内を手にかけて、挙句に大勢の民を犠牲にするつもりなのか!?」
「身勝手? 何を言ッてるのかわからないなァ。あたしはラトゥール侯爵家の令嬢で、数少ない聖女で、世界を破壊できる力まで得たの。つまり、あたしがこの世界で一番偉いッてことよ?」
ジュリアは大げさに肩をすくめながら、とぼけたような表情を浮かべた。
明らかにアルベール様を挑発しているのがわかる。元から本性は良い性格をしてないのは、身をもってわかっていたけど、これは想像以上に酷いかもしれない。
「意味がわからない……あなたの言い分は、破綻している!」
「きっと、瘴気のせいで暴走しているのでしょう。ごめんなさい、身内がご迷惑をおかけして……」
「いえ、あなたは何も悪くありません。なんにせよ、彼女を止めなければ、この国はおろか、全世界が瘴気と茨に包まれてしまうでしょう」
ええ、その通りだわ。このまま放っておいたら、ジュリアは瘴気で命を失うだろうけど、その前に世界が滅茶苦茶にされてしまう。
それに……私のことを利用したり、悪いことをして勝手に瘴気に侵された愚かな妹だけど、それでもやっぱり大切な妹だと思う気持ちは変わらない。
「アルベール様、私……ジュリアを助けたいです」
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アルベール様には、本当に感謝しかないわ。突然転がり込んできた私を支えてくれて、励ましてくれて、愛してくれて……本当にありがとうございます。
「はァ……? なになに、あたしが知らないうちに、随分と幸せになッてんじゃん? 腹立つゥ……お姉様はあたしに利用される道具でいれば良いんだよォ!!」
「危ない!!」
苛立ちを前面に押し出しながら立ち上がったジュリアの周りに、茨が勢いよく飛び出し、屋敷を破壊し始めた。
さすがにこのままでは、屋敷の崩壊に巻き込まれてしまうと思った私とアルベール様は、全速力で屋敷の外へと逃げだした。
「いたたっ……リーゼ嬢、お怪我は?」
「少し足を痛めましたが、自分で治したから問題ありませんわ。アルベール様こそ、お怪我をされているじゃないですか! すぐに治療します!」
「ええ、ありがとうございます」
私は何とか屋敷から逃げ、一緒に逃げてきたアルベール様の治療を行う。思った以上に怪我は軽かったから、すぐに治すことが出来た。
でも、屋敷の方は酷い有様になっていた。もう私が住んでいた頃の面影は完全に無くなり、完全に瓦礫の山となってしまった。
「フフッ、これで広くなッたネ。お姉様、あたしが引導を渡してあげるヨ」
「ジュリア……最初で最後の姉妹喧嘩をしましょうか」
「喧嘩? この力を得たあたしに、勝てると思ッてるノ?」
「私一人では難しいわね。でも……私は一人じゃない。愛する人が隣にいれば、私の力は何百倍にもなるわ!!」
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