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第二十二話 サラム国の聖女様
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「失礼いたします」
「うむ。アルベールにリーゼ、そしてクラリスよ。そなた達とこうして話せること、心より嬉しく思うぞ」
「こちらこそ、大変光栄でございます、国王陛下」
私達を代表して、アルベール様が国王陛下に感謝の意を示し、頭を下げる。それに続いて、私とクラリスも深々と頭を下げた。
私のお父様と同じくらいの年齢だろうか? その歳を全く感じさせない若々しさと威厳、そして立派な髭が印象的な男性だ。
「リーゼ・サヴァイアと申します。彼女は侍女のクラリスです。本日はお忙しい中お時間をいただき、誠に感謝いたしております」
「気にする必要は無い。確か、そなた達は何度かヴレーデ国のパーティーで見かけておるな。あの時とは、随分と様子が違うようだが……」
「その節は、ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません」
「よい。さて、急ぎの話があると聞いておるが、一体何用かね?」
「はい。お話したいことが二点ほどございます。実は――」
私の代わりに、アルベール様が私の身にあったことや、私の社交界での振る舞いの事情、私の聖女の力のことを簡単に、そしてわかりやすく話をしてくれた。
「なるほど、そなたの行動は、妹への愛ゆえだったのか。そして、やはりそなたは聖女であったか」
「え? 失礼ですが、私の力のことをご存じだったのでしょうか?」
「彼女が教えてくれたのだよ」
そう仰る国王陛下の視線の先には、私を出迎えてくれた、鎧を着た女性が立っていた。
この方が、私を聖女と見抜いた方なの? 一体何者なのかしら……。
「はじめまして、あたしはガレスだ。この国を守る騎士、そして聖女も兼任している。よろしく頼むよ!」
「え、聖女様!?」
この国には、聖女が一人だけいらっしゃるのは、アルベール様から伺っていたけど、それがまさか騎士様だというのは、正直想定外だった。
「しーっ! あんたも知っているとは思うけど、聖女ってのは基本的に正体を明かさないから、あんまり大きな声を出して、周りに聞こえたらまずいんだよ」
「あっ……失礼しました。驚いてしまって、つい」
「この部屋にも、部屋の外にも知られて困る人物はおらん。安心せい」
「国王陛下の配慮、痛み入ります」
なるほど、だからこの部屋にはお二人しかいらっしゃらなかったのね。納得したわ。
「お久しぶりです、ガレス殿。まさかあなたが聖女とは、思っても見ませんでした」
「あはは、気にすんなって! あたしみたいな乱暴者が聖女だなんて、自分でも似合ってねーなって思ってるからよ!」
「いえ、そんなことはないでしょう。騎士として民を守ろうとする気高き心は、聖女であるあなたにふさわしい」
「そんな歯の浮くようなことを言われたら、照れちまうな……でも、ありがとな!」
「それで、彼女が聖女だというのはわかったが、もう一つの話とは?」
「はい。ヴレーデ国についてなのですが」
国王陛下とガレス様の表情が、一瞬にして引き締まった。それは、明らかに私の故郷について、何かご存じだという現れに見えた。
「そなたらは、どこまで知っているのかね?」
「その……先程、アルベール様のお知り合いの方から、国の中心から突然瘴気が出現してヴレーデ国を覆ったと伺いましたわ」
「なるほど。ヴレーデ国のことだが、あまりにも突然起こったことだ。不明な点も多いから、公には公表しておらん」
そう仰った国王陛下は、深々と溜息を吐きながら、頭を抱えた。
「うちも含めた各国の騎士団が、すぐにヴレーデ国の人達の救援に行ったんだ。それで話を聞いたんだけど、みんなあまりにも突然のことで、原因はわからないみたいでさ」
「あの……ガレス様、私がお話を伺った限りでは、発生源は国の中心……つまり、城かその近辺に住む貴族が原因だと思うのです」
「あたしもそれは同意だ。それで、あたしも含めた各国の聖女が、調査に行ったんだ」
「調査ですか……結果はどうだったのでしょう?」
恐る恐る聞いてみるが、国王陛下から返ってきたのは、沈黙だけだった。その重苦しい雰囲気と表情から、大体が察せた。
「残念だけど、かなり瘴気が濃くてね。一緒に行った部下の身の安全のために、あたし達は撤退を余儀なくされた。無理を押し通して調査に向かい、いまだに戻ってこない聖女もいるし、瘴気の中に残ったままの国民も大勢いる」
やっぱり、私の想像通り……いや、想像以上に良くない状況なのね。こんな想像なんて、当たってほしくなかったけど……。
「現状では、瘴気が外国に及ぶまでは至っておらん。しかし、このままでは時間の問題……そんなことを国民に公表したら、パニックになってしまうだろう。だから表向きは普段通りに公務を行い、裏で騎士団の精鋭とガレスを派遣し、ヴレーデ国の救援に当たっているということだ」
国王陛下のお気持ちはよくわかるわ。突然国を覆う規模の瘴気が出現しただなんて知ったら、一斉に我先にと逃げ出したり、国は何をしているんだと暴動が起きたり、悪事を働く者が出たりと、良いことはなにも起こらないだろう。
……とにかく、話を聞いた限りでは、規模が大きすぎて、私なんかでは何も出来なさそう……だけど……!
「あの、私に調査を任せてもらえないでしょうか?」
「リーゼ嬢!? 今のお話を聞いていたでしょう! とても危険なのですよ!」
「わかっています。ですが、私はヴレーデ国の出身ですので、皆様より内部に詳しいのでお役に立てると思います。それに……私が生まれ育った故郷が、民が……そして家族が大変なことになっているのに、黙って見ているなんて、私にはできませんわ!」
私を心配して止めてくれたアルベール様に、必死に自分の気持ちを伝える。
確かに私は、酷い扱いをされて家を飛び出した。でも、それは国民達には一切関係が無いし、家族を放っておけるほど、私の心は腐ってはいない。
「家族? リーゼお嬢様を利用していた人達のことなど、気にする必要はありません!」
「そうかもしれない。でも、私にとっては……たった二人の家族だから」
「しかし……!」
「心配してくれてありがとう、クラリス。でも……私はもう決めたの」
クラリスのことを真っ直ぐ見つめながら、自分の気持ちを伝える。すると、クラリスは頭を抱えながら、深い溜息を漏らした。
「……国王陛下、私にあなた様への発言の許可をいただけますでしょうか?」
「かしこまる必要は無い。自由に発言すると良い」
「お心遣い、痛み入ります。リーゼお嬢様は、これと決めたことは決して曲げない性格でして。こうなった以上、説得は難しいかと存じます」
長年私のことを見ていたクラリスには、私の性格なんてお見通しだ。だからこそ、このような言葉が出てくる。
それを聞いた国王陛下は、何かを思案するように、数秒程目を閉じた。
「我々にとっても、聖女である彼女の協力はありがたいものかと」
「しかしだな……ガレスの言うこともわかるが、半ば命を投げ出すような頼みを受けるのは……」
「では自分も同行いたしましょう」
「あ、アルベール様?」
アルベール様はさっきまで私を心配し、私が行くのを止めていた。だから、私が行くことを後押しし、協力まで申し出てくれるのは意外だった。
「これでも幼い頃から体を鍛えています。それに……愛する妻が死地に赴こうとしているのを、黙って見ていられるほど、冷酷な人間ではありません」
「私も同行させてくださいませ。これでも侍女として、多少の武術の心得はございます」
「クラリスまで!?」
「今回こそご同行させていただきます。何度断られても、折れるつもりはありませんので、そのつもりで」
アルベール様……クラリス……もう、あなた達はどこまでも優しいのね。ここまでくると、お人好しと言われても何も言い返せないわよ?
「……わかった。ではガレスも一緒に同行させよう。聖女が一人より、二人の方が良いだろう。それに彼女は騎士としての腕も確かなものだ。ガレスよ、行ってくれるか?」
「はっ! このガレス、全ては国王陛下のお心のままに!」
「ありがとう。では出発は明日の明朝にしよう。皆の者、よろしく頼む。ヴレーデ国とサラム国、いや……全世界の人々を救ってくれ」
……良かった、これで私を止めるために投獄でもされたら、本当に打つ手がなかった。
いや、安心している場合じゃないわ。むしろ、ここからが本番だ。私の落ちこぼれな力でどこまで出来るかわからないけど、絶対に上手くやってみせるわ!
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この方が、私を聖女と見抜いた方なの? 一体何者なのかしら……。
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この国には、聖女が一人だけいらっしゃるのは、アルベール様から伺っていたけど、それがまさか騎士様だというのは、正直想定外だった。
「しーっ! あんたも知っているとは思うけど、聖女ってのは基本的に正体を明かさないから、あんまり大きな声を出して、周りに聞こえたらまずいんだよ」
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なるほど、だからこの部屋にはお二人しかいらっしゃらなかったのね。納得したわ。
「お久しぶりです、ガレス殿。まさかあなたが聖女とは、思っても見ませんでした」
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「いえ、そんなことはないでしょう。騎士として民を守ろうとする気高き心は、聖女であるあなたにふさわしい」
「そんな歯の浮くようなことを言われたら、照れちまうな……でも、ありがとな!」
「それで、彼女が聖女だというのはわかったが、もう一つの話とは?」
「はい。ヴレーデ国についてなのですが」
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「そなたらは、どこまで知っているのかね?」
「その……先程、アルベール様のお知り合いの方から、国の中心から突然瘴気が出現してヴレーデ国を覆ったと伺いましたわ」
「なるほど。ヴレーデ国のことだが、あまりにも突然起こったことだ。不明な点も多いから、公には公表しておらん」
そう仰った国王陛下は、深々と溜息を吐きながら、頭を抱えた。
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「あの……ガレス様、私がお話を伺った限りでは、発生源は国の中心……つまり、城かその近辺に住む貴族が原因だと思うのです」
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「しかし……!」
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