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第二十話 良き人達に
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会場に入ると、既に何人もの貴族が談笑に花を咲かせていた。
こういったパーティーは、色々な国から貴族が招待される。だから、私がお会いしたことがある方もいらっしゃった。
でも、国が違うのもあってか、私が思っていたよりはいないみたいだ。パッと数えた感じ、十人くらいかしら?
「リーゼ嬢、顔見知りに挨拶に行きたいのですが、付き合ってもらえますか?」
「わかりました。クラリスも来てくれる?」
「勿論でございます」
アルベール様のお願いに快く返事をした私は、彼と一緒にお知り合いの方の元へを歩み始める。
パーティーの恒例行事である、知り合いへの挨拶回りは何度もしているが、今回のように緊張したことは、初めて社交界に出席した時くらいだろう。
「おや、アルベール殿、ごきげんよう。お元気そうでなにより」
「ごきげんよう。あなたこそ、お元気そうですね。その後、腰の調子はいかがですか?」
「おかげさまで、と言いたいところだが……つい先日も痛めてしまってね」
最初に伺った貴族の方――お名前は存じてないけど、とても品のあるご年配の男性は、ニコッと笑いながら出迎えてくれた。
一方、隣の女性は私のことを、眉間にしわを刻みながら見つめていた。まるで、汚い物を見るかのように。
「彼は遠くの国の侯爵家の当主様です。サラム国とは昔から付き合いがあるのです。今回も、遠路はるばるお越しになられたのですよ」
「な、なるほど……」
アルベール様が私にそっと耳打ちをしてくれたおかげで、彼のことが少し知れたわね。
遠い国の方なら、わざわざ侯爵家の当主という忙しい方が、私のいたヴレーデ国のパーティーにお越しにならないのも頷ける。
「今日は大切なお話がありまして。隣にいる彼女のことなんですが……」
「もしや、ついにご婚約を?」
「仰る通りです」
「リーゼ・サヴァイアと申します。よろしくお願いいたします」
私は、ドレスの裾を指でつまみながら、頭を下げる。幼い頃から数えきれないほどしている、慣れ親しんだお辞儀だ。
本当は、実家の性であるラトゥールと名乗る方が正解なのはわかっている。だって、まだ正式に結婚をしていないし、一応私がサヴァイア家に置いてもらうための口実の婚約だもの。
……あれ、なにかしら……どうして口実のための婚約だと思ったら、胸がこんなに痛むのかしら……?
「あなた、もしかしてラトゥール家のリーゼ様?」
「はい。失礼ですが……どこかでお会いしたことがございますか?」
「初対面ですわ。ですが、あなたの話は、知人からよく伺っておりましたの」
「…………」
……なんだか嫌な予感がするわね。私の良い評判が広まっているなんて、考えられないもの。
「アルベール様、もう少し選ぶ女性は考えた方がよろしいですわよ? この方の悪評をご存じないのかしら?」
「お前、失礼だろう!」
「事実を述べているまでですわ」
案の定というか、やっぱり悪い評判のようだ。自分の意思でしていたことだから、文句は言えないし……とにかく適当に話に合わせて、早くこの場を切り上げないと。
そう思っていると、アルベール様は少しだけムッとしたような表情を浮かべながら、口を開いた。
「ええ、知っていますよ。ですが、俺には関係ありません」
「はぁ、これだからこんな田舎の国の人間は困るのよ。そんなに人を見る目が無いなんて」
「おい、その辺に……」
「あなたは黙っててください」
この人と話している感じだと、随分と他人を見下すような性格をお持ちのようね。中々ここまで直接言える人は、少ないと思う。
「あなた、どんな手を使ったのかしら? 弱みでも握った? それとも金? まあ何でも良いわ。とにかく、馬鹿みたいに騒いでいた女が、調子に乗ってるのは不愉快だから消えてくださる? 私、今日のパーティーを楽しみにしてたので、台無しにされると困るの!」
最初は柔和な話し方だったのに、段々とエスカレートしていって……気づいたら暴言を吐かれていた。これでは、どっちが悪者なのか、わからなくなる。
「お言葉ですが、リーゼお嬢様はあなたが思っているような悪人ではございません」
ずっと黙って私達の隣にいたクラリスが、スッと前に出て発言した。その両手は、強く握られて、プルプルと震えている。
「……なにあなた、使用人の分際でたてつくつもり?」
「お二人共、とりあえず落ち着いてください。それぞれの言い分があるのはわかります。ですが……」
アルベール様はそこで言葉を一度区切ってから、大勢の人がいる中で私の肩を抱きよせた。
「誰が何と言おうと、何と考えようと、俺は彼女のことを愛している。それだけで十分なのですよ。だから、部外者であるあなたには、余計な口出しをしないでもらいたい」
「っ……!」
こんな大勢の人の見ている中で抱き寄せられた恥ずかしさと、何を言われても私のことを想ってくれる嬉しさで、声にならない声が漏れてしまった。
……本当に、なんて優しい人なんだろう。
「あ、あなたはきっと騙されているのですわ! 彼女は今まで暴言を吐き続け、淑女とは思えない行動をしていたのですよ!」
「もちろんそれも存じ上げています」
すぐさま言い返したアルベール様は、周りに聞こえないように彼女の近くに行く。その時にチラッと見えたアルベール様の表情は、いつも見ないような、静かな怒りを私に感じさせた。
「ですが、あなたのように、他人からの噂話を真に受け、物事を表面からしか見られない方には、彼女の良さはわかりにくいでしょう。もう少し観察力を磨くことをお勧めしますよ」
「なっ……!? なんて失礼な!」
「失礼? 随分と面白いことを仰る方だ。あぁ、これはあくまで想像ですが、皆から煙たがられ、そして馬鹿にされていたリーゼ嬢が、婚約をして幸せになるのが気に入らないといったところでしょうか? 心が狭くて哀れですね」
近くにいる私にですらギリギリ聞こえるくらいの声量で、彼女のことを煽るアルベール様。
あまりアルベール様らしくないかもしれないけど、煽るくらいには私のことで憤ってくれているということよね? 不謹慎なのはわかっているけど……嬉しい。
「あ、あなた! 彼ってば、私を侮辱するようなことを言いましたわよ!? こんな悪行を許しておくんですの!?」
「いや、どう考えてもお前から噛みついたのだから、自業自得だろう」
「何ですって!? あなた、夫のくせに私の味方ではないんですの!?」
「はぁ……お前は別室で頭を冷やしてこい」
侯爵様は一緒にいた執事に目で合図を出すと、彼女は強制的に会場から出されてしまった。
「ふふっ、いい気味だわ」
「ちょっとクラリス、そう言うことは言わないの」
「おや、聞こえておられましたか? これは失礼しました。つい本音が」
……正直に言うと、私も少しだけスッキリしたのは否めないから、あまり強く怒れないのよね。
「妻が大変失礼をしました。あとできつく叱っておきますので」
「いえ、こちらこそ言いすぎてしまいました。大変申し訳ない」
「アルベール殿が謝る必要はございません。全面的に妻が悪いのですから。確か、リーゼ殿でしたね」
「は、はい」
「あなたの噂は、私も伺っております。ですが、所詮は噂……実際にお会いしたあなたは、とても可憐で素敵な女性です。お二人共、とても良い方に巡り合えましたね。この縁を、これからも大事にしてください」
私とは初めましてのはずなのに、侯爵様はくしゃくしゃな笑顔で、私達を祝福してくれた。それがとても嬉しくて……我慢しないと、涙が溢れ出て来てしまいそうだわ。
「ところでリーゼ殿、老婆心で一つお伺いしたいのですが、よろしいですか?」
「は、はい。なんでしょうか?」
「サラム国に訪れる際に、小耳に挟んだことがありまして。ラトゥール家というのは、ヴレーデ国にある家でお間違いないですよね?」
「はい、仰る通りです」
なんだろう、質問の意図がわからない。なんでそんな世間話程度の内容を、とても真剣な表情でしているのだろう?
「最近、あの国が瘴気で大変なことになっていると伺ったので、大丈夫なのかと思いまして」
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「おや、アルベール殿、ごきげんよう。お元気そうでなにより」
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最初に伺った貴族の方――お名前は存じてないけど、とても品のあるご年配の男性は、ニコッと笑いながら出迎えてくれた。
一方、隣の女性は私のことを、眉間にしわを刻みながら見つめていた。まるで、汚い物を見るかのように。
「彼は遠くの国の侯爵家の当主様です。サラム国とは昔から付き合いがあるのです。今回も、遠路はるばるお越しになられたのですよ」
「な、なるほど……」
アルベール様が私にそっと耳打ちをしてくれたおかげで、彼のことが少し知れたわね。
遠い国の方なら、わざわざ侯爵家の当主という忙しい方が、私のいたヴレーデ国のパーティーにお越しにならないのも頷ける。
「今日は大切なお話がありまして。隣にいる彼女のことなんですが……」
「もしや、ついにご婚約を?」
「仰る通りです」
「リーゼ・サヴァイアと申します。よろしくお願いいたします」
私は、ドレスの裾を指でつまみながら、頭を下げる。幼い頃から数えきれないほどしている、慣れ親しんだお辞儀だ。
本当は、実家の性であるラトゥールと名乗る方が正解なのはわかっている。だって、まだ正式に結婚をしていないし、一応私がサヴァイア家に置いてもらうための口実の婚約だもの。
……あれ、なにかしら……どうして口実のための婚約だと思ったら、胸がこんなに痛むのかしら……?
「あなた、もしかしてラトゥール家のリーゼ様?」
「はい。失礼ですが……どこかでお会いしたことがございますか?」
「初対面ですわ。ですが、あなたの話は、知人からよく伺っておりましたの」
「…………」
……なんだか嫌な予感がするわね。私の良い評判が広まっているなんて、考えられないもの。
「アルベール様、もう少し選ぶ女性は考えた方がよろしいですわよ? この方の悪評をご存じないのかしら?」
「お前、失礼だろう!」
「事実を述べているまでですわ」
案の定というか、やっぱり悪い評判のようだ。自分の意思でしていたことだから、文句は言えないし……とにかく適当に話に合わせて、早くこの場を切り上げないと。
そう思っていると、アルベール様は少しだけムッとしたような表情を浮かべながら、口を開いた。
「ええ、知っていますよ。ですが、俺には関係ありません」
「はぁ、これだからこんな田舎の国の人間は困るのよ。そんなに人を見る目が無いなんて」
「おい、その辺に……」
「あなたは黙っててください」
この人と話している感じだと、随分と他人を見下すような性格をお持ちのようね。中々ここまで直接言える人は、少ないと思う。
「あなた、どんな手を使ったのかしら? 弱みでも握った? それとも金? まあ何でも良いわ。とにかく、馬鹿みたいに騒いでいた女が、調子に乗ってるのは不愉快だから消えてくださる? 私、今日のパーティーを楽しみにしてたので、台無しにされると困るの!」
最初は柔和な話し方だったのに、段々とエスカレートしていって……気づいたら暴言を吐かれていた。これでは、どっちが悪者なのか、わからなくなる。
「お言葉ですが、リーゼお嬢様はあなたが思っているような悪人ではございません」
ずっと黙って私達の隣にいたクラリスが、スッと前に出て発言した。その両手は、強く握られて、プルプルと震えている。
「……なにあなた、使用人の分際でたてつくつもり?」
「お二人共、とりあえず落ち着いてください。それぞれの言い分があるのはわかります。ですが……」
アルベール様はそこで言葉を一度区切ってから、大勢の人がいる中で私の肩を抱きよせた。
「誰が何と言おうと、何と考えようと、俺は彼女のことを愛している。それだけで十分なのですよ。だから、部外者であるあなたには、余計な口出しをしないでもらいたい」
「っ……!」
こんな大勢の人の見ている中で抱き寄せられた恥ずかしさと、何を言われても私のことを想ってくれる嬉しさで、声にならない声が漏れてしまった。
……本当に、なんて優しい人なんだろう。
「あ、あなたはきっと騙されているのですわ! 彼女は今まで暴言を吐き続け、淑女とは思えない行動をしていたのですよ!」
「もちろんそれも存じ上げています」
すぐさま言い返したアルベール様は、周りに聞こえないように彼女の近くに行く。その時にチラッと見えたアルベール様の表情は、いつも見ないような、静かな怒りを私に感じさせた。
「ですが、あなたのように、他人からの噂話を真に受け、物事を表面からしか見られない方には、彼女の良さはわかりにくいでしょう。もう少し観察力を磨くことをお勧めしますよ」
「なっ……!? なんて失礼な!」
「失礼? 随分と面白いことを仰る方だ。あぁ、これはあくまで想像ですが、皆から煙たがられ、そして馬鹿にされていたリーゼ嬢が、婚約をして幸せになるのが気に入らないといったところでしょうか? 心が狭くて哀れですね」
近くにいる私にですらギリギリ聞こえるくらいの声量で、彼女のことを煽るアルベール様。
あまりアルベール様らしくないかもしれないけど、煽るくらいには私のことで憤ってくれているということよね? 不謹慎なのはわかっているけど……嬉しい。
「あ、あなた! 彼ってば、私を侮辱するようなことを言いましたわよ!? こんな悪行を許しておくんですの!?」
「いや、どう考えてもお前から噛みついたのだから、自業自得だろう」
「何ですって!? あなた、夫のくせに私の味方ではないんですの!?」
「はぁ……お前は別室で頭を冷やしてこい」
侯爵様は一緒にいた執事に目で合図を出すと、彼女は強制的に会場から出されてしまった。
「ふふっ、いい気味だわ」
「ちょっとクラリス、そう言うことは言わないの」
「おや、聞こえておられましたか? これは失礼しました。つい本音が」
……正直に言うと、私も少しだけスッキリしたのは否めないから、あまり強く怒れないのよね。
「妻が大変失礼をしました。あとできつく叱っておきますので」
「いえ、こちらこそ言いすぎてしまいました。大変申し訳ない」
「アルベール殿が謝る必要はございません。全面的に妻が悪いのですから。確か、リーゼ殿でしたね」
「は、はい」
「あなたの噂は、私も伺っております。ですが、所詮は噂……実際にお会いしたあなたは、とても可憐で素敵な女性です。お二人共、とても良い方に巡り合えましたね。この縁を、これからも大事にしてください」
私とは初めましてのはずなのに、侯爵様はくしゃくしゃな笑顔で、私達を祝福してくれた。それがとても嬉しくて……我慢しないと、涙が溢れ出て来てしまいそうだわ。
「ところでリーゼ殿、老婆心で一つお伺いしたいのですが、よろしいですか?」
「は、はい。なんでしょうか?」
「サラム国に訪れる際に、小耳に挟んだことがありまして。ラトゥール家というのは、ヴレーデ国にある家でお間違いないですよね?」
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