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第三話 優しき侯爵家の家長様
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目の前に立ちふさがった男性を見ながら、私とクラリスは彼に聞こえないように小さく溜息を漏らした。
彼は今日のパーティーに出席してくださった、貴族の方の一人なのだが……。
「お久しぶりですね、リーゼ嬢! お会いできなかったこの一月、俺にとってはこの世の苦しみを全て一つにしても足りないくらい、苦痛なものでしたよ! あなたのその美しさが、俺の五臓六腑に染みわたり、天にも昇るような気分にさせてくれる!」
「は、はぁ……あなたは相変わらずですわね、アルベール様」
私の倍はあるであろう声量で、歯の浮くようなセリフを口にする彼の名は、アルベール・サヴァイア様。私が住むヴレーデ国の隣国である、サラム国という所に居を構える、侯爵家の若き家長であり、私の昔馴染みだ。
短く揃えた紺の髪と、キリッとした緑色の美しい瞳が特徴的な彼は、甘いルックスに加えて高身長ということもあってか、社交界でも屈指の美形として有名な方だ。
「おっと、リーゼ嬢との再会に浮かれて、忘れるところでした。こちら、お誕生日を祝してのプレゼントです」
アルベール様は、手に持っていたバラの花束を私に渡しながら、満面の笑みを浮かべる。
どうしてかはわからないが、アルベール様は私に会うたびに、聞いてる方が恥ずかしくなるくらい褒めてくれるし、会えたことを喜んでくれる。
私は他の貴族に嫌われたり馬鹿にされているのに、彼だけが親しくしてくれるのは、疑問に思う方もいらっしゃるでしょうね。
実は、幼い頃に社交界でお会いした時に、酷く落ち込んでおられたので、見るに見かねて声をかけて励ました。それ以来、こうして私に話しかけてくれるようになったの。
私としては、彼のことは嫌いではないですが……無理をして悪者を演じているから、こうして逆に親しみを持って接しられると、突き放さないといけない。それに対して、とても心が痛んでしまう。
現に、悪者ならこの花束を地面に叩きつけて踏んだりするのが正解なのかもしれないけど、体が動いてくれる気配が無い。
「わ、わざわざこんなものを私に渡すために追いかけて来たんですの? あなたも大概暇人ですのね」
ふんっと鼻で笑いながら、精一杯の悪者を演じてみせたが、アルベール様は笑顔のままだった。
「それは自分を過小評価しすぎですよ、リーゼ嬢! 俺にとってあなたにプレゼントを渡すのは、家長としての責務よりも重大なことですから!」
「どう考えても、家長の仕事の方が重要ですわよ!?」
明らかに優先度がおかしいはずなのに、それをまるで誇りに思ってるかのように胸を張る姿に、思わず反論をしてしまった。
って……別に今はこの場に私達しかいないし、もう悪者を演じる必要は無いんだった。
「まあ、俺の仕事事情は置いておくとして」
「確実に置いておいていいものではないと思いますわ……あ、クラリス。この花束を持って先に戻っててもらえるかしら?」
「かしこまりました。ごゆっくりどうぞ」
クラリスは、何故か少し嬉しそうに微笑みながら、アルベール様から頂いたバラを持って、先に帰っていった。
基本的に、クラリスは他人にあまり友好的に接しないのだけど、アルベール様が相手の時は物腰が柔らかい。その理由は、私にもわからないの。
「それで、まだお話があるのですか? 私も忙しいのですが」
「ええ。俺はリーゼ嬢が心配なんです」
「私が?」
「あんな大衆の前で恥をかかされて、気落ちしていないかと思って」
「別に気にしておりませんわ。あんなのを気にするほど、私は弱くありませんので。それに、これ幸いにと私を笑う連中を見て、逆に面白いと思ったくらいですもの」
本音を言うなら、恥をかいて笑われるのは気分の良いものではありませんが、それをわざわざアルベール様に伝える必要は無い。
「そもそも、どうしてあなたが私の心配を? 昔馴染みとはいっても、そこまで親しい間柄ではありませんわよね?」
「親しい間柄じゃなければ、心配をしてはいけないのですか?」
「そういうわけではありませんが」
「そうでしょう? とてもお優しいあなたがあんな目にあったのですから、心配するなという方が無理かと」
や、優しい? 私が? 少なくとも、アルベール様とお会いする社交界の場で、私が優しいと思われる要素が皆無なんだけど……。
「他の貴族は気づいていないでしょうが、これまでのあなたの言動には、要所要所に気遣いが見て取れました。例えば先程の食事も、投げ捨てるのも出来ましたが、とても綺麗に戻してました。俺の渡した花束も、本当に横暴なら捨てたり引き千切ったりしたでしょう。でもそれをせず、彼女に持っていってもらった」
「こ、このあと花占いでもして、ちぎってやろうと思っただけですわ!」
「ふふっ、そういうことにしておきましょう。では、俺はそろそろ会場に戻ります。もし何か機会がありましたら、また話しましょう」
「…………」
素の私として返事をすればよかったのか、それとも悪者を演じた方が良かったのか。私にはそれがわからないまま、頭を下げてアルベール様を見送った。
はぁ……私の馬鹿。もう悪者を演じる必要は無いんだから、素直にありがとうの一言だけでも言えばいいのに、それも出来ないなんて……。
「……帰りましょう」
トボトボと自室に帰ると、先に戻っていたクラリスがお茶の準備をしてくれていた。そして、大きな花瓶に活けられたバラを、テーブルに置いてくれていた。
「おかえりなさいませ。アルベール様は、何か仰ってましたか?」
「相変わらず元気なお方だったわ。私のことを心配してくださってたわ」
「あのお方は、本当にリーゼお嬢様にお優しい方ですわね」
「そうね。普段はクラリスしか親しく話してくれる人はいないから、アルベール様と話していると、なんだか不思議な気分だけどね」
クラリスと他愛ない話をしながら、お茶とケーキを楽しむ。そこにバラの香りも加わって、とても気持ちのいいお茶会になりそうね。
「そうそう、アルベール様ってば、私のことを優しいって仰ってたのよ?」
「優しい?」
「ええ。会うのは社交界よ? あそこの私は、どう見ても優しいとは無縁の振る舞いじゃない? だからちょっと驚いちゃって」
「きっと彼にだけわかる、リーゼお嬢様の良さがあるのでしょうね。理解されるというのは、気恥ずかしいかもしれませんが、ちゃんと見てくれているのは幸せなことですよ」
「そうね」
見てくれる……か。確かにそれは嬉しいわね。クラリスはもちろん、私の亡くなったお母様も、私のことをよく見てくれていた。その時は、心が安らぐのを感じていたわね。
そんなことを考えながらお茶をしていたら、夜も更けて来ていた。そろそろパーティーが終わった頃だし、お父様に今日のことを謝罪しに行かなきゃ。
いつも社交界では悪者を演じている以上、多かれ少なかれお父様にはご迷惑をおかけしてしまう。だから、なにかあってもなくても、必ず社交界に出た時は、お父様に謝罪をしているの。
「お父様の所に行ってくるわね」
「かしこまりました。お気をつけて」
クラリスの見送りを背に受けて、私はゆっくりとお父様の私室へと向かう。その途中で、何人か使用人とすれ違ったけど、気まずそうに会釈をするだけだった。
仕方ないわよね。婚約破棄をされた私に、なんて声をかければいいかなんて、私が逆の立場でもわからないもの。
「はぁ……早く行きましょう」
お父様の私室の前まで到着した私は、そのまま部屋をノックしようとした瞬間、部屋の中から声が聞こえてきた。どうやらお父様と……ジュリアの声みたいだ。
「はぁ、長かったわ~……やっと彼があたしのものになるのね!」
え、えっと……?
「本当お姉様ってバカよね。あたしなんかのために悪ぶるなんて、滑稽だよ! あはははははっ! まあ、ジェクソン様をずっとキープしてくれたことは感謝してるけど!」
彼は今日のパーティーに出席してくださった、貴族の方の一人なのだが……。
「お久しぶりですね、リーゼ嬢! お会いできなかったこの一月、俺にとってはこの世の苦しみを全て一つにしても足りないくらい、苦痛なものでしたよ! あなたのその美しさが、俺の五臓六腑に染みわたり、天にも昇るような気分にさせてくれる!」
「は、はぁ……あなたは相変わらずですわね、アルベール様」
私の倍はあるであろう声量で、歯の浮くようなセリフを口にする彼の名は、アルベール・サヴァイア様。私が住むヴレーデ国の隣国である、サラム国という所に居を構える、侯爵家の若き家長であり、私の昔馴染みだ。
短く揃えた紺の髪と、キリッとした緑色の美しい瞳が特徴的な彼は、甘いルックスに加えて高身長ということもあってか、社交界でも屈指の美形として有名な方だ。
「おっと、リーゼ嬢との再会に浮かれて、忘れるところでした。こちら、お誕生日を祝してのプレゼントです」
アルベール様は、手に持っていたバラの花束を私に渡しながら、満面の笑みを浮かべる。
どうしてかはわからないが、アルベール様は私に会うたびに、聞いてる方が恥ずかしくなるくらい褒めてくれるし、会えたことを喜んでくれる。
私は他の貴族に嫌われたり馬鹿にされているのに、彼だけが親しくしてくれるのは、疑問に思う方もいらっしゃるでしょうね。
実は、幼い頃に社交界でお会いした時に、酷く落ち込んでおられたので、見るに見かねて声をかけて励ました。それ以来、こうして私に話しかけてくれるようになったの。
私としては、彼のことは嫌いではないですが……無理をして悪者を演じているから、こうして逆に親しみを持って接しられると、突き放さないといけない。それに対して、とても心が痛んでしまう。
現に、悪者ならこの花束を地面に叩きつけて踏んだりするのが正解なのかもしれないけど、体が動いてくれる気配が無い。
「わ、わざわざこんなものを私に渡すために追いかけて来たんですの? あなたも大概暇人ですのね」
ふんっと鼻で笑いながら、精一杯の悪者を演じてみせたが、アルベール様は笑顔のままだった。
「それは自分を過小評価しすぎですよ、リーゼ嬢! 俺にとってあなたにプレゼントを渡すのは、家長としての責務よりも重大なことですから!」
「どう考えても、家長の仕事の方が重要ですわよ!?」
明らかに優先度がおかしいはずなのに、それをまるで誇りに思ってるかのように胸を張る姿に、思わず反論をしてしまった。
って……別に今はこの場に私達しかいないし、もう悪者を演じる必要は無いんだった。
「まあ、俺の仕事事情は置いておくとして」
「確実に置いておいていいものではないと思いますわ……あ、クラリス。この花束を持って先に戻っててもらえるかしら?」
「かしこまりました。ごゆっくりどうぞ」
クラリスは、何故か少し嬉しそうに微笑みながら、アルベール様から頂いたバラを持って、先に帰っていった。
基本的に、クラリスは他人にあまり友好的に接しないのだけど、アルベール様が相手の時は物腰が柔らかい。その理由は、私にもわからないの。
「それで、まだお話があるのですか? 私も忙しいのですが」
「ええ。俺はリーゼ嬢が心配なんです」
「私が?」
「あんな大衆の前で恥をかかされて、気落ちしていないかと思って」
「別に気にしておりませんわ。あんなのを気にするほど、私は弱くありませんので。それに、これ幸いにと私を笑う連中を見て、逆に面白いと思ったくらいですもの」
本音を言うなら、恥をかいて笑われるのは気分の良いものではありませんが、それをわざわざアルベール様に伝える必要は無い。
「そもそも、どうしてあなたが私の心配を? 昔馴染みとはいっても、そこまで親しい間柄ではありませんわよね?」
「親しい間柄じゃなければ、心配をしてはいけないのですか?」
「そういうわけではありませんが」
「そうでしょう? とてもお優しいあなたがあんな目にあったのですから、心配するなという方が無理かと」
や、優しい? 私が? 少なくとも、アルベール様とお会いする社交界の場で、私が優しいと思われる要素が皆無なんだけど……。
「他の貴族は気づいていないでしょうが、これまでのあなたの言動には、要所要所に気遣いが見て取れました。例えば先程の食事も、投げ捨てるのも出来ましたが、とても綺麗に戻してました。俺の渡した花束も、本当に横暴なら捨てたり引き千切ったりしたでしょう。でもそれをせず、彼女に持っていってもらった」
「こ、このあと花占いでもして、ちぎってやろうと思っただけですわ!」
「ふふっ、そういうことにしておきましょう。では、俺はそろそろ会場に戻ります。もし何か機会がありましたら、また話しましょう」
「…………」
素の私として返事をすればよかったのか、それとも悪者を演じた方が良かったのか。私にはそれがわからないまま、頭を下げてアルベール様を見送った。
はぁ……私の馬鹿。もう悪者を演じる必要は無いんだから、素直にありがとうの一言だけでも言えばいいのに、それも出来ないなんて……。
「……帰りましょう」
トボトボと自室に帰ると、先に戻っていたクラリスがお茶の準備をしてくれていた。そして、大きな花瓶に活けられたバラを、テーブルに置いてくれていた。
「おかえりなさいませ。アルベール様は、何か仰ってましたか?」
「相変わらず元気なお方だったわ。私のことを心配してくださってたわ」
「あのお方は、本当にリーゼお嬢様にお優しい方ですわね」
「そうね。普段はクラリスしか親しく話してくれる人はいないから、アルベール様と話していると、なんだか不思議な気分だけどね」
クラリスと他愛ない話をしながら、お茶とケーキを楽しむ。そこにバラの香りも加わって、とても気持ちのいいお茶会になりそうね。
「そうそう、アルベール様ってば、私のことを優しいって仰ってたのよ?」
「優しい?」
「ええ。会うのは社交界よ? あそこの私は、どう見ても優しいとは無縁の振る舞いじゃない? だからちょっと驚いちゃって」
「きっと彼にだけわかる、リーゼお嬢様の良さがあるのでしょうね。理解されるというのは、気恥ずかしいかもしれませんが、ちゃんと見てくれているのは幸せなことですよ」
「そうね」
見てくれる……か。確かにそれは嬉しいわね。クラリスはもちろん、私の亡くなったお母様も、私のことをよく見てくれていた。その時は、心が安らぐのを感じていたわね。
そんなことを考えながらお茶をしていたら、夜も更けて来ていた。そろそろパーティーが終わった頃だし、お父様に今日のことを謝罪しに行かなきゃ。
いつも社交界では悪者を演じている以上、多かれ少なかれお父様にはご迷惑をおかけしてしまう。だから、なにかあってもなくても、必ず社交界に出た時は、お父様に謝罪をしているの。
「お父様の所に行ってくるわね」
「かしこまりました。お気をつけて」
クラリスの見送りを背に受けて、私はゆっくりとお父様の私室へと向かう。その途中で、何人か使用人とすれ違ったけど、気まずそうに会釈をするだけだった。
仕方ないわよね。婚約破棄をされた私に、なんて声をかければいいかなんて、私が逆の立場でもわからないもの。
「はぁ……早く行きましょう」
お父様の私室の前まで到着した私は、そのまま部屋をノックしようとした瞬間、部屋の中から声が聞こえてきた。どうやらお父様と……ジュリアの声みたいだ。
「はぁ、長かったわ~……やっと彼があたしのものになるのね!」
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